Serial examinee lain 作:Pazz bet
※これは、最新鋭学習型AI搭載体感型VR「ALTER EGO」と、被験者「岩倉玲音」との会話logである。
以下の場面は、「EGOを一定量集めた被験者が、エスの部屋をはじめて訪れる場面」である。
エス「はぁ...。ようやく来たのね。待ちくたびれたわ。誰かと思ったら幼い女の子なの?」
玲音「こんにちは、あの...あなたがエス、ですか?」
エス「あぁ、壁男から聞いてるはずだけど...。貴方、歳いくつ?」
玲音「14。」
エス「あら、そうなの?随分と小柄で童顔ね。」
玲音「...失礼。」
エス「まあいい。十分話はできる年齢みたいでよかったわ。いきなりで悪いけど、早速本題よ。」
エス「これから貴方について12の質問をするわ。あまり時間をかけないで正直に答えて。」
玲音「むぅ、わかった」
エス「...。第一問「あまり感情的にならない?」
玲音「...あまりならないかな。」
エス「次。裏表の差が激しい?」
玲音「そもそも裏とか表とか作ってない。」
エス「人から影響を受けやすい?」
玲音「あまり気にならないかも。馬鹿にされたら流石に傷つくけど」
エス「好き嫌いがわかりやすい?」
玲音「顔に出してるつもりはないよ。」
エス「嫉妬しやすい?」
玲音「羨ましいなっておもったことはあるけど...。よくってわけじゃないなぁ。」
エス「ツラいときこそ頑張りがち?」
玲音「まあ、それが私のやりたいことだったらやれると思う。」
エス「曖昧だとイライラしがち?」
玲音「...なるべく、白黒はっきりつけてほしい方。」
エス「なにも恐れるものはない?」
玲音「あるよ。」
エス「白黒はっきりつけたい?...って、これはさっき言ってくれたわよね。じゃあ次、人に騙されることが多い?」
玲音「あんまり無い。」
エス「話の中心になりたい?」
玲音「内気だし、側で聞いてるだけでいいの。」
エス「嫌いな人を無視しがち?」
玲音「そんなつもりはないけど。」
エス「これで終わりよ。ふうん...。なるほど。貴方はー。」
エス「自分の弱さを隠すために、支配的で攻撃的な態度を取りがちね。
優越感、支配感、軽蔑感が優位で、他人の価値をおとしめることもあるみたい。不安を免罪符に、好き勝手してはだめよ?
人間には誰しも躁鬱があるけれど、それが特に激しいタイプだとも言えるわ。」
玲音「?」
エス「どう、少しは理解した?ここがどういうところか。何より自分自身について。さっきの質問は、それを知るためのもの。」
玲音「...よくわかんない。」
エス「....そう。」
エス「いいわ、まだ始まったばかりですもの。」
エス「またEGOがたまったら、私のところへ来なさい。」
玲音「ありがとうございました」