聖闘士星矢x戦姫絶唱シンフォギア 13番目の黄金聖衣 作:アンドロイドQ14
公園
響の一撃は強烈でネフシュタンの鎧を砕いた挙句、クリスが吹っ飛ばされた衝撃で地面が削れるほどだった。
クリス「くっ!(なんて無理筋な力の使い方をしやがる!この力、あの女の絶唱の力に匹敵しかねない!)」
あの女とは翼の事であった。ネフシュタンの鎧は再生していたものの、クリスの体を蝕んでいた。
クリス「(食い破られる前にカタを付けなければ!)」
しかし、響は戦闘の構えを解いていた。
クリス「お前、バカにしてるのか!?このあたしを、雪音クリスを!」
響「そっか、クリスちゃんって言うんだ。ねえ、クリスちゃん!こんな戦いもうやめようよ。ノイズと違って私達は言葉をかわす事ができる、ちゃんと話をすればきっと分かり合えるはずだって、私達同じ人間だよ!」
クリス「お前くせぇんだよ…。嘘くせえ、青くせえ!」
いつもの癖で響はクリスの地雷を踏んでしまって激怒させてしまい、怒涛の反撃を受ける事となった。
響「クリスちゃん…」
クリス「吹っ飛べよ、アーマーパージだ!」
怒りが臨界点に達したクリスはネフシュタンの鎧をパージし、歌を歌った。
クリス「♪~~♪~♪~♪」
響「この歌って…」
クリス「見せてやるよ、イチイバルの力をな!」
特異災害対策機動部二課
失われたはずの第二聖遺物、イチイバルの出現で指令室は騒然となった。
弦十郎「イチイバルだと!?」
美衣「イチイバルと言えば、確か資料では10年前に紛失したとされる…」
沙織「まさか、敵の手に渡っていたとは…!」
公園
ネフシュタンの鎧を脱ぎ捨ててクリスはイチイバルを纏った。
響「クリスちゃん、私達と同じ…」
クリス「歌わせたな…、あたしに歌を歌わせたな!教えてやる、あたしは歌が大っ嫌いだ!」
響「歌が嫌い…?」
クリスは歌を歌いながら響に向かってボウガンを発射し、かわし続ける響の逃げる先に先回りして蹴り飛ばした。しかも、次はボウガンがガトリング砲に姿を変え、左手にもガトリング砲を持ち、ガトリング砲を連射する技、『BILLION MAIDEN』で響に向かって連射した。
病院
瞬の応急処置はもうすぐ終わる所だった。ちょうど病院でも戦闘の様子が見えた。
翼「応急処置はまだか?」
瞬「あと数秒だ!我慢して!」
そして、応急処置が終わった。
公園
一方、クリスは弾丸の嵐で響を追い詰めていた。そして、今度はミサイルを放つ技、『MEGA DETH PARTY』を放った。そして、ガトリング砲も連射して辺り一面を爆発と炎で満たした。
クリス「はぁ…、はぁ…、はぁ…、はぁ…」
ところが、煙が晴れるとクリスの目の前に壁があった。
クリス「盾?」
???「剣だ!」
それは壁ではなく、巨大な剣であった。その上に立っていたのは、瞬の応急処置が終わって出撃した翼だった。紫龍達も翼の送迎で傍にいた。
クリス「ふん、死に体でおねんえだと聞いていたが、『足手まとい』を庇いに現れたのか?」
翼「もうなにも失うものかと決めたのだ!」
氷河「司令には既に俺達が伝えておいた」
紫龍「行ってこい、翼!」
瞬「でも、君はまだ僕の応急処置が終わったばかりで病み上がりだから無理はしないで」
紫龍達は余計な介入はせずに剣から降りて見守る事にした。
響「翼さん…」
翼「聞こえていたか?立花。私は病み上がりで十全ではない。力を貸してほしい」
クリスは狙いを翼に定めてガトリングを連射したが、翼は弾幕を軽々とかわしながら近づき、刀でガトリングを弾いて攻撃を封じてクリスの大勢を崩し、背後に回って首筋に刀を当てた。
クリス「(この女、以前とは動きがまるで…)」
紫龍「(迷いを超えたようだな)」
氷河「(動きにもキレが増しているぞ)」
翼が響を受け入れ、迷いを超えた事を紫龍と氷河は察していた。
響「翼さん、その子は」
翼「わかっている」
クリス「くそっ!」
そして、双方とも武器を構えた。
翼「(立花と瞬が言うように、刃を交える敵じゃないと信じたい。それに、十年前に失われた『第二号聖遺物』の事も質さなければ)」
突如としてノイズが襲来し、クリスにも攻撃を仕掛けてきた。クリスに攻撃を仕掛けてきたノイズのうち、1体は響がタックルで倒し、残りは紫龍達に瞬殺された。
翼「立花!」
すぐに翼は紫龍達と共にノイズの襲撃に備えた。
クリス「お前、何やってんだよ!」
響「ごめん…、クリスちゃんに当たりそうだったからつい…」
クリス「バカにして!余計なおせっかいだ!」
???「命じた事もできないなんて、あなたはどこまで私を失望させるのかしら?」
氷河「お前は何者だ!?姿を現せ!」
突然の声に一同は驚き、瞬のチェーンが反応した。
瞬「声の主はあそこだ!」
チェーンが反応した先にはフィーネがいた。
クリス「フィーネ!?」
翼「(フィーネ?終わりの名を持つ者…?)」
瞬「(あの女が、兄さんが追っていたフィーネなのか…!?)」
一輝が探していた謎の存在、フィーネが目の前の女だという事を知り、紫龍達は身構えていた。そして、クリスは響を放り出し、放り出された響は翼が抱えた。
クリス「こんな奴がいなくったって、戦争の火種ぐらいあたし一人で消してやる!そうすればあんたのいうように、人は呪いから解放されてバラバラになった世界ま戻るんだろ!?」
フィーネ「もうあなたに用はないわ」
クリス「えっ?な、何だよそれ!」
氷河「お前は優しさが欠片もないのか!?」
紫龍「フィーネ、貴様という女はその雪音クリスという少女を何だと思っている!?今までお前を信じて戦ってきたんだぞ!そんな奴を平気で切り捨てるのか!?」
非常に義理堅い紫龍にとって、あっさりとクリスを切り捨てたフィーネは許し難い存在だった。
フィーネ「お前達がどうほざこうが、私がどうしようと勝手だ。それにドラゴン、お前は師匠にそっくりだな。その義理堅さ、情の厚さを見てると、あのジジイの若い頃を見てるようだ」
紫龍「貴様、老師を知っているのか!?」
フィーネ「知っている。前の聖戦も、さらに前の聖戦もな」
紫龍「(どうなっているんだ?この女は老師が参加した前の聖戦も、そしてさらに前の聖戦まで知っているとは…!?)」
瞬「(この人は本当に長生きしたのか…?)」
フィーネが童虎はおろか、前の聖戦やさらに前の聖戦まで知っていた事に紫龍達は戦慄していた。そんな中、フィーネの手が光るとクリスがパージしたネフシュタンの鎧が粒子状になって回収された。そして、ソロモンの杖を振るとゴールドノイズが複数出てきた。
氷河「ゴールドノイズ!」
紫龍「やはり、こいつが黒幕だったか!」
???「ペガサス、彗星拳!」
ゴールドノイズが後から駆け付けた星矢にあっけなく全滅した際にフィーネはどこかへ行った。
クリス「待てよ、フィーネ!!」
フィーネに見捨てられたクリスはフィーネを追いかけた。その痛々しい姿を星矢達は見ていた。
一輝「あの女が俺がずっと追い続けていたフィーネか…」
気配さえも消して隠れていた一輝はクリスの後を追った。
星矢「ゴールドノイズが多くて手間取ってしまった。遅れてすまん」
瞬「いや、僕達は大丈夫だよ」
紫龍「それよりも星矢、俺達や一輝が探していたフィーネが遂に姿を現した」
星矢「何だって!?」
氷河「とりあえず、今は戻って今後の事を考えよう」
特異災害対策機動部二課
クリスがイチイバルの奏者だと判明し、しかも黒幕のフィーネの出現で指令室は呆然としていた。
美衣「彼女がフィーネ…」
弦十郎「沙織お嬢様達はフィーネを知っていたのか?」
沙織「見るのは初めてですが、だいぶ前に一輝がその名前を聞き、行方を探っていたそうです」
弦十郎「そうか…」
あおい「反応ロスト、これ以上の追跡は不可能です」
朔也「こっちはビンゴです」
情報の照合が完了し、クリスの素性が明らかとなった。
弦十郎「あの少女だったのか…」
朔也「雪音クリス。現在16歳。二年前に行方知れずになった、過去に選抜されたギア装着候補の1人です」
説明に弦十郎は頷いた後、諜報部の元にいる未来の方を沙織と共に見ていた。
そして戦いの後、星矢達は帰還していた。
翼「(奏が何のために戦ってきたのか、今なら少しわかる気がする。だけど、それを理解するのは正直辛い。人の身ならざる私に受け入れられるのだろうか?自分で人間に戻ればいい、それだけの話じゃないか。いつも言ってるだろ?あんまりガチガチだとポッキリだって、なんてまた意地悪を言われそうだ。だが、今更戻った所で何ができるというのだ?いや、何をしていいのかすらわからないでしはないか)」
???『好きな事すればいいんじゃねえの。簡単だろ?』
突如、奏の声がして振り向いたが、何もなかった。
氷河「何をしてるんだ?」
紫龍「指令室へ行くぞ」
星矢達と一緒に指令室に向かった。
翼「(好きな事、もうずっとそんな事考えてない気がする。遠い昔、私にも夢中になったものがあったはずなのだが…)」
一方、響はメディカルチェックを受けていた。
了子「外傷は多かったけど、深刻なものがなくて助かったわ」
響「つまり、平気って事ですよね?」
了子「常軌を逸したエネルギー消費による、いわゆる過労ね。少し休めばいつも通り回復するわよ」
響「じゃあ、私…」
しかし、過労がとれておらず、響はふらついて倒れそうになった所を了子に支えてもらった。
了子「ああ、もう。だから、休息が必要なの」
響「私、呪われてるかも…」
了子「気になるの?お友達の事」
響「はい…」
了子「心配しなくても大丈夫よ。緒川君や沙織お嬢様から事情の説明を受けているはずだから」
響「そう…、ですか…」
了子「機密保護の説明を受けたら、すぐに解放されるわよ」
響「はい…、わかりました…」
その頃、指令室では…
朔也「まさか、イチイバルまでが敵の手に…。しかも、ギア装着者候補であった雪音クリス…」
あおい「聖闘士がいるとはいえ、聖遺物を力に変えて戦う技術を有する我々の優位性は完全に失われてしまいましたね…」
紫龍「いや、クリスは明確にフィーネに切り捨てられた。今後、俺達が余計な事をしなければクリスは敵に回るような事はない」
朔也「そう言えば、そうだったな…。敵の正体、フィーネの目的は…」
星矢「そこがわかれば困りはしないからな…」
そんな中、了子と響と翼が入ってきた。
了子「深刻になるのはわかるけど、シンフォギアの奏者は2人共健在だし、聖闘士もいる。頭を抱えるにはまだ早すぎるわよ」
弦十郎「翼、全く無茶しやがって」
翼「応急処置をしてもらったとはいえ、独断については謝ります。ですが、仲間の危機に臥せっているわけにはいきませんでした。立花は未熟な戦士です。半人前ではありますが、戦士に相違ないと確信しています」
響「翼さん…」
その言葉に星矢は手を翼の肩に置いた。
星矢「やっと響を仲間と認めたな」
紫龍「晴れて俺達は完全たる仲間になったと言えよう」
翼「だが、星矢達には一輝という別行動をしている仲間がいると聞いている。完全とは…」
瞬「言い方は悪くても兄さんは認めてくれるよ」
氷河「だから、いつも一緒じゃないと思ってても気にする事はない。響、お前もよろしく頼むぞ」
響「はい!私、頑張ります!」
弦十郎「響君のメディカルチェックも気になる所だが」
響「ご飯をいっぱい食べて、ぐっすり眠れば元気回復です!(一番暖かい所で眠れば…未来)」
未来の事を考えている響に対し、了子は響の胸をつんつんした。
響「んのおおおおおおおおんて事を!!??」
了子「響ちゃんの心臓にあるガングニールの破片は前より体組織と融合しているみたいなの。驚異的なエネルギーと回復力はそのせいかもね♪」
響「融合、ですか?」
その事を翼は思い出し、星矢達もそのリスクがないか考えていた。
瞬「(確かに響はガングニールの破片と融合してあの力を得たけど…)」
紫龍「(聖遺物との融合のリスクはゼロとは言い切れん。何か、何か大きなリスクが後に起こるに違いない…)」
氷河「(もしそうなったら、響の命に係わるだろう…)」
了子「大丈夫よ。あなたは可能性なんだから」
響「よかったー!」
その後、翼は星矢達と話をしていた。
星矢「翼も怪しいと思っていたのか?」
翼「そうだ。櫻井女史はどこか怪しいと思って…」
紫龍「俺達も怪しいと思っている。だが、下手に追求すると何かやらかすかも知れん。これは俺達だけの秘密としておこう」
リディアン 寮
響は恐る恐る入った。
響「ねえ、未来…。何っていうか…その…」
未来「お帰り」
未来の言葉は一見すると普通に見えるが、話し方にややトゲがあった。
響「あ、うん…ただいま…。入って…、いいかな…?」
未来「どうぞ…。あなたの部屋でもあるんだから」
響「あのね…」
未来「何?大体の事は沙織さん達から聞いたわ。今更聞く事なんてないと思うけど」
響「未来…」
未来「嘘つき!隠し事をしないって言ったくせに!」
その言葉に響はショックを受けた。
城戸邸
夜の城戸邸では、未来に真実を言わなければならなかった沙織は落ち込んでいた。
星矢「沙織さん、遂にこの時が来てしまったな…」
沙織「そうですね…」
星矢「確かにこう…どうしようもない気分だけど、落ち込んだって何も始まらないからな…」
沙織「そうですね。私にできる事がないか、考えてみます」
互いに会話し、困っている事を打ち明ける事で2人は気分を前向きに切り替えたのであった。
沙織「そう言えば、盗まれるリスクを減らすために辰巳と貴鬼に黄金聖衣を金庫に隠すように頼んだのに報告に来ませんね」
???「うわああああっ!!」
2人の悲鳴が聞こえ、星矢達は金庫へ来た。すると、金庫の入り口でボロボロの辰巳と貴鬼を発見した。
星矢「辰巳、貴鬼、どうしたんだ!?」
辰巳「も、申し訳ありません…、お嬢様…!独りでに動く蛇遣座の黄金聖衣に…修復にすら入っていない獅子座と乙女座の黄金聖衣を聖衣箱ごと盗まれました…」
沙織「何ですって!?双子座に続き、獅子座と乙女座までも!?」
貴鬼「ごめんよ…、敵は来ないと思ってたら急に現れた蛇遣座の黄金聖衣にボコボコにされて…。あいつには敵わなかったんだ…。でも、何とか射手座と天秤座と水瓶座の3つは守り通したから…」
星矢「心配するな、貴鬼!俺達が必ず取り戻してやるからな!」
氷河「だから、泣き止むんだ」
沙織「(しかし、修復に入ってすらいない二つをなぜ…?)」
紫龍「(死んだ状態の聖衣を何に使う気だ?)」
そこは沙織と紫龍も引っかかっていた疑問だった。
公園
その頃、クリスは夜の公園を彷徨っていた。
クリス「何でだよ…、フィーネ…」
失意のクリスの脳裏に響と瞬の言葉が浮かんでいた。
瞬『君は何となく根っからの悪人には見えないんだ』
響『ちゃんと話をすれば、きっと分かり合えるはず!だって私達、同じ人間だよ!』
クリス「(あいつら、くそ!あたしの目的は戦いの意志と力を持つ人間を叩き潰し、戦争の火種をなくすことなんだ。例え、聖闘士が相手でも…!だけど…)」
そんな折、泣いている声がした。そこには、泣いている女の子と傍にいる男の子がいた。
少年「泣くなよ!泣いたってどうしようもないんだぞ!」
少女「だって…!」
クリス「おい、コラ!弱いものをいじめるな!」
少年「いじめてなんかいないよ。妹が」
クリス「いじめるなっていってんだろうが!」
少女「お兄ちゃんをいじめるな!」
少年に手を上げようとしたクリスに少女が静止に入った。
クリス「お前が兄ちゃんからいじめられてたんだろ?」
少女「違う!」
少年「父ちゃんがいなくなったんだ…。一緒に探していたけど、妹がもう歩けないって言ってたから、それで…」
クリス「迷子かよ。だったら、ハナからそう言えよな」
少女「だって…、だって…」
クリス「おい、コラ!泣くなよ!」
今度は少年が静止に入った。
少年「妹を泣かしたな!」
クリス「ああっ、もうめんどくせえ!一緒に探してやるから大人しくしやがれ!」
繁華街
結局、クリスも迷子の兄妹の両親を探す事となった。そんな中、クリスは鼻歌を歌っていた。
クリス「…何だよ?」
少女「お姉ちゃん、歌好きなの?」
クリス「歌なんて大嫌いだ。特に壊す事しかできないあたしの歌はな」
そんな中、交番に立ち寄っていた男性が出てきた。
少年「父ちゃん!」
父親「お前達、どこに行ってたんだ?」
少女「お姉ちゃんが一緒に迷子になってくれた!」
少年「違うだろ?一緒に父ちゃんを探してくれたんだ」
父親はクリスに頭を下げた。
父親「すみません、ご迷惑をかけました」
クリス「いや、成り行きだからその…」
父親「お姉ちゃんにお礼は言ったか?」
兄妹「ありがとう」
クリス「仲、いんだな…。なぁ、そんな風に仲良くしたらどうしたらいいのか教えてくれよ」
その言葉に少女は兄の腕に抱き付いた。
少年「そんなのわからないよ。いつも喧嘩しちゃうし」
少女「喧嘩するけど仲直りするから仲良し!」
去って行くクリスを気配を消して一輝は追跡していた。
リディアン 寮
響と未来の方はとても気まずい状況だった。
響「未来、聞いてほしいんだ」
未来「どうせまた嘘つくんでしょ?」
未来は一度怒りに火が付いたら一気に燃え上がるのではなく、なかなかその怒りの火が消えないタイプであった。そして、寝たのであった。
響「ごめん…」
響は未来にどういった事を言えばいいのかわからなかった。
特異災害対策機動部二課
一方、了子は何やら考え事をしていた。
了子「(装着した適合者の身体機能を引き上げるのと同時に体表面をバリアコーティングする事によって、ノイズ浸食を阻止する防御機能、更には別世界にまたがったノイズをインパクトによる固有振動にて調律、強制的にこちら側の世界の物理法則下に固着させ、位相差障壁を無効化する力こそシンフォギアの特性である。と同時に、それが人のシンフォギアを扱える限界でもあった。シンフォギアから解放されるエネルギーの負荷は容赦なく奏者を蝕み、傷つけていく。その最たるものが絶唱。人とシンフォギアを構成する聖遺物に隔たりがある限り、負荷の軽減は見込めるものではないと、私の理論でも結論付けている)」
そんな中、響の写真を見ていた。
了子「(唯一、理を覆すならば、それは立花響。人と聖遺物の融合体第一号。天羽奏と風鳴翼のライブ形式を催した起動実験でオーディエンスから引き出され、更に引き上げられた事により、ネフシュタンの起動は一応の成功を収めたのだが、立花響はそれに相応する完全聖遺物、デュランダルをただ一人の力で起動させる。人と聖遺物が一つになる事でさらなるパラダイムシフトが引き起こされようとしているのは、疑うべくもないだろう。人が負荷なくその身に絶唱を口にし、聖遺物に秘められた力を自在に使いこなす事ができるのであれば、それは遥か過去に施されしカストディアンの呪縛から解き放たれた証。真なる言の葉で語り合い、ルルアメルが自らの手で未来を築く時代の到来。過去からの超越。そのためにも…あの忌まわしい女神とその手下、特に神殺しのペガサスを…!)」
そんな了子は月を眺めながら蛇遣座の黄金聖衣を撫でており、ゴミ箱には破り捨てた星矢と沙織が共に写った写真があった。
リディアン
翌日の授業中、響は未来に声をかける事ができなかった。
教師「立花さん!」
響「は、はいっ!」
教師「教科書の続きを読んでごらんなさい!」
響「すみません、ぼんやりしてました…」
そして、教師からの説教を受けたのであった。そして昼食時、未来は1人食べていた。そこへ、響が来た。
響「ここ…、いいかな…?」
一応座ったものの、とても話すのがぎこちなかった。
響「あのね、未来。私…」
???「何だかいつもと雰囲気が違いますわ」
そこへ、弓美と創世と詩織が来た。
弓美「よくわかんないから、アニメで例えてよ」
詩織「これはビッキーが悪いに違いない。ごめんね、未来。この子、バカだから許してあげてね」
創世「そう言えば、レポートの事、先生がおっしゃってましたが…」
弓美「提出してないの、あんた1人だってね。大した量じゃないのに、何やってんだか」
響「えへへ…」
詩織「ビッキーったら、内緒でバイトとかでもしてるんじゃない?」
そんな話に未来は反応し、どこかへ行ってしまった。
響「未来!」
未来を追って響は屋上へ向かった。
響「(私が悪いんだ)」
未来は屋上にいた。
響「未来…、ごめんなさい…」
未来「…どうして響が謝ったりするの…?」
響「未来は私に隠し事をしないって言ってくれたのに、私は未来にずっと隠し事してた。私は…」
未来「言わないで…。これ以上、私は響の友達でいられない…。ごめん…!」
涙を流して未来は走り去っていった。
響「どうして…こんな…、嫌だ…嫌だよ…!」
残酷な現実に響は涙したのであった。落ち込む未来はある人物とばったり会ったのであった。
未来「あなたは…、沙織さん…!」
沙織「未来さん、響さんは最高の親友であるあなたに隠し事をしなければいけない事にとても心を痛めていました。あなたも傷ついていたように、響さんも傷ついていたのです。どうしても響さんの事が恋しくなった時は互いに腹を割って語り合ってください」
沙織の悲しそうな表情を見つめた未来は走り去っていった。
フィーネんのアジト
その頃、フィーネは利用し合っている相手と電話をしていた。そこへ、扉をブチ開けてクリスが入ってきた。
クリス「あたしが用済みって何だよ!?もういらないって事かよ!?あんたもあたしをもののように扱うのかよ!頭ん中グチャグチャだ!何が正しくて、何が間違ってるのかわかんねえんだよ!!」
フィーネ「どうして誰も、私の想い通りに動いてくれないのかしら?」
電話を切った後、フィーネは振り向いてソロモンの杖を構え、ノイズとゴールドノイズを複数出してきた。
フィーネ「流石に潮時かしら?そうね、あなたのやり方じゃ争いをなくす事なんてできやしないわ。精々、一つ潰して新たな火種を二つ三つバラまくくらいかしら?」
クリス「あんたが言ったんじゃないか!痛みもギアもあんたがあたしにくれたも」
フィーネ「私の与えたシンフォギアを纏いながらも毛ほどの役にも立たないなんて、そろそろ幕を引きましょうか」
クリスの話を遮り、フィーネはネフシュタンの鎧を纏ったが、その色は金色であった。
フィーネ「私もこの鎧も不滅、未来は無限に続いて行くのよ『カ・ディンギル』は完成しているも同然、上手くいけば『カ・ディンギル』が壊れた時の予備策も成功するし、もうあなたの力に固執する理由はないわ」
クリス「『カ・ディンギル』?予備策?そいつは…」
フィーネ「あなたは知り過ぎてしまったわ」
そう言ってフィーネはソロモンの杖をクリスに向け、ノイズに襲わせようとした。しかし…、
フィーネ「さっきからクリスの後をつけていた途方もない攻撃的な気配の持ち主がいるようね。出てらっしゃい、フェニックス」
クリス「フェニックス?」
出てきたのは一輝であった。
クリス「てめえ、鎖野郎の兄貴じゃねえか!」
フィーネ「よくここがわかったわね」
一輝「簡単な事だ。クリスの後を追えば、いずれは貴様に会えると思ったからだ、フィーネ!」
フィーネ「あなたのせいで米国は動きを封じられたも同然よ。やってくれるじゃない」
一輝「言っておくが、俺は星矢達と違ってフェミニストじゃない。女であっても容赦せん。特に貴様のような人を弄ぶ悪女にはな!」
そう言って一輝はクリスを後ろに放り投げた。
クリス「何すん」
一輝「鳳翼天翔!!」
鳳翼天翔でノイズの群れとゴールドノイズはまとめて吹っ飛ばされたのであった。しかし、フィーネは蛇遣座の黄金聖衣が阻んでおり、無傷だった。
一輝「黄金聖衣がフィーネを守っただと!?(なぜだ?射手座の黄金聖衣が星矢を守ったのは星矢が正義の戦士であったからだ。だが、なぜあの黄金聖衣はフィーネを?)」
フィーネ「驚いているようだな、フェニックス。この聖衣はアテナを守る気など全くない、私だけしか守らないからだ」
アテナを守る気が全くない聖衣に一輝は衝撃を受けた。傍にクリスもいるため、悩んでから一輝はこれからどうするのかを決めた。そして、一輝の指から放たれた閃光がフィーネの頭に直撃した。
一輝「
フィーネ「ふふふ…、噂の幻魔拳とやらは大したものではなかったわね。あなたも消えてもらうわよ!」
そう言ってフィーネは鞭で一輝とクリスを貫いた。
一輝「ぐあああっ!!」
クリス「くそおおおっ!!」
鞭に貫かれた2人は倒れたのであった。
フィーネ「伝説の青銅聖闘士もあっけなかったわね」
勝ち誇っていると、一輝が起き上がった。
一輝「フィーネ、貴様は楽しい幻を見ていたんだよ。現実はほら!」
フィーネ「何?」
幻覚が解けると、クリスは無傷な上、無傷の一輝が目の前におり、フィーネの左胸を拳で貫いていた。
フィーネ「がはっ!!」
左胸を貫かれたフィーネは血を吐いて倒れ、辺り一面に血が広がった。
クリス「やった…のか…?」
一輝「(何だ?この女に止めを刺したのに勝った気がしない。この違和感はなぜだ?それに、カ・ディンギルとは一体…?)」
クリス「なぁ、フィーネはこれで死んだのか?」
一輝「……確かに俺は奴に止めを刺した。だが、奴は以前から得体が知れない上、倒しても勝った実感が湧かん」
クリス「得体が知れないって…。それに…何であたしを…」
一輝「たまたまピンチになっていたから助けただけだ」
クリス「何だと!?ずっとオッサン臭い事言いやがって!」
実際は助けようと思って助けたのであった。
一輝「まぁ、しばらく俺についてこい」
行く当てもないため、クリスは渋々一輝と行動を共にする事にしてフィーネのアジトを後にした。しかし、一輝とクリスがいなくなってしばらくした後、死んだはずのフィーネの腕がピクリと動き、ソロモンの杖でノイズを召喚したのであった。
これで今回の話は終わりです。
今回はクリスがイチイバルを初披露した他、響と未来のすれ違い、クリスがフィーネに切り捨てられ、一輝に助けられるのを描きました。
一輝がフィーネに止めを刺す描写は一輝のキャラ的にクリスを連れて逃げるというのが思いつかなかったため、フィーネに止めを刺すのを入れました。あっけなく殺されたフィーネですが、まだ死んでないので安心してください。
次はクリスと未来の交流と響と未来の和解を描きますが、次の話の終わり辺りでオリジナルで城戸邸でクリスの歓迎パーティーも入れます。