聖闘士星矢x戦姫絶唱シンフォギア 13番目の黄金聖衣   作:アンドロイドQ14

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10話 親友

路地裏

 

 クリスはフィーネから見縊られたが、一輝に助けられて逃げ延びる事ができた。しかし、ノイズが襲い掛かってきた。

 

クリス「くそっ、フィーネは死んだんじゃないのかよ!?」

 

一輝「わからん。だが、あの得体の知れない奴だ。死んでない可能性も高いだろうな…」

 

 結局、ノイズと応戦した。一輝がいてくれたものの、一晩中ノイズと戦い続けたクリスの心と体はボロボロで倒れ込んだ。

 

一輝「(もうクリスは限界か…。早い所、匿ってもらう場所を探さねば…)」

 

 そう考えていた矢先、ちょうどいい時に未来が通りかかった。

 

一輝「お前、こいつをどこか安全な場所へ匿ってくれるか?」

 

未来「あ、あなたは…?」

 

 ちょうど聖衣箱があったため、一輝が聖闘士である事が未来にもわかった。

 

一輝「俺の名は一輝。俺はもっと調べたい事があるからこいつを連れてはいけない。そしてこいつの目が覚めたらこう伝えろ、『飯や寝る所を求めるのなら、城戸沙織の屋敷へ行け』と」

 

未来「はい…」

 

 一輝は頼み事をして立ち去ろうとしたが、立ち止まった。

 

一輝「今のお前の心はこの雨のようだ。俺の予想では、友と喧嘩していたのだろうな」

 

 自分の心を見透かされ、未来は動揺した。

 

一輝「図星のようだな。それくらいで壊れるようなら安っぽい友情だったと言える。それが嫌なら、その友と腹を割って互いの本音をぶちまけてみろ。そうすれば、心が晴れるかも知れんぞ」

 

 一輝の言葉に未来は反論できず、クリスを託して一輝はその場を去った。

 

 

 

城戸邸

 

 一輝は再び城戸邸に来て星矢達に話していた。

 

星矢「何?フィーネを倒しただって?」

 

一輝「ああ、左胸をブチ抜いてな。だが、しばらくして追っ手のノイズが来た。恐らく、あの女はまだ死んでないだろう」

 

氷河「俺の時のように何かお守りで助かったのは?」

 

一輝「いや、あの女は裸の上から鎧を纏っていた。そんなものは身に付けていない」

 

瞬「だったら、何で…?」

 

紫龍「心臓を貫かれても死なない奴とは…。フィーネは得体の知れない奴だ…」

 

一輝「ずっと追い続けた黒幕の割にあっけなく倒せたから、倒した気がしなくてモヤモヤしていた所だ」

 

沙織「一体、フィーネは何者なのでしょうか…?」

 

美衣「気になります…」

 

 フィーネの謎は星矢達にわかるはずもなかった。

 

一輝「あと、『カ・ディンギル』というのも気になる。そっちでも調べてほしい」

 

星矢「幻魔拳で聞きだせなかったのか?」

 

一輝「クリスの救助を優先させたから聞き出せなかった。人の命は失ったらもう戻らんからな」

 

氷河「確かにその通りだな…」

 

沙織「わかりました。一輝の方も気を付けて」

 

一輝「それと、クリスをしばらく屋敷に住ませてほしい。あいつには帰る場所がないからな」

 

沙織「わかりました」

 

 話すべき事を話し、一輝はカ・ディンギルが何なのかを調べに向かった。

 

 

 

リディアン

 

 響は弦十郎から連絡を聞いていた。

 

響「ノイズですか?」

 

弦十郎『そうだ。市街地の第六区域にノイズのパターンを検知している。未明だった事もあり、人的被害がなかったのが救いだったが、ノイズと共にイチイバルのパターンも検知したんだ』

 

響「って事は師匠、クリスちゃんがノイズと戦ったって事でしょうか?」

 

弦十郎『そうだろうな』

 

 それから沈黙が続いた。

 

弦十郎『どうした?』

 

響「あの子、戻る所ないんじゃないかって」

 

弦十郎『そうかもな…、この件についてはこちらで捜査を引き続き行う。響君は指示があるまで待機してほしい』

 

響「はい、わかりました」

 

 通話が終わった響は教室に入ったが、自分より先に登校したはずの未来の姿はなかった。

 

響「未来…」

 

 未来が来ていない事に響は落ち込んでいた。

 

響「(未来、このままなんて私、嫌だよ…)」

 

 

 

フラワー

 

 一方、未来は一輝からクリスを託されてお好み焼き店フラワーへ運んでから布団で寝かせ、クリスの介抱をしていた。そして、クリスが苦しそうにしていたため、タオルを冷やすために手に取った後にクリスが起き上がった。

 

未来「よかった、目が覚めたのね。びしょ濡れだったから着替えさせてもらったわ」

 

 クリスは寝ている間に未来の体操服を着せられていた。未来と比べて胸の大きさに差があるため、胸元が窮屈そうだった。

 

クリス「か、勝手な事を!」

 

 勝手に着替えさせられてクリスはカッとなって立ち上がったが、下は着ていなかった。

 

クリス「な、何でだ!?」

 

未来「流石に下着の替えまでは持ってなかったから…」

 

 慌ててクリスは布団を包んだ。

 

クリス「はっ!あの老けた面の奴はどこだ!?」

 

未来「一輝さんなら、『調べたい事があるから連れていけない』って言って、私に後の事を任せてどこかへ行ってしまったわ。それに、『飯や寝る所を求めるのなら、城戸沙織の屋敷へ行け』だって」

 

クリス「あの野郎…、どこまでオッサン臭くカッコつけやがって…!!」

 

 一輝のクール且つ、年不相応な風格をクリスは『オッサン臭い』と評して怒りを燃やしていた。そこへ、店主のおばちゃんが来た。

 

おばちゃん「未来ちゃん、どう?お友達の具合は」

 

未来「目が覚めた所です。ありがとう、おばちゃん。布団まで貸してもらっちゃって」

 

おばちゃん「気にしないでいいんだよ。あ、お洋服、洗濯しておいたから」

 

クリス「えっ?」

 

未来「私、手伝います」

 

おばちゃん「あら、ありがとう」

 

 その様子をクリスはじっと見つめていた。そして、未来は汗まみれのクリスの体を拭いていた。

 

クリス「あ、ありがとう…」

 

 雪のように白いクリスの背中には痣がたくさんあった。

 

クリス「何も聞かないんだな…」

 

未来「……うん。わたしはそういうの、苦手みたい。今までの関係を壊したくなくて、なのに一番大切なものを壊してしまった…」

 

クリス「それって、誰かと喧嘩したって事なのか?」

 

未来「うん…」

 

 

 

リディアン

 

 その頃、リディアンでは響は学校に来ない未来の事を考えていた。

 

響「未来…無断欠席するなんて一度もなかったのに…あっ!」

 

 そこへ、瞬の応急処置で全快した翼が来た。

 

響「翼さん…」

 

 2人でベンチに座った。

 

響「私、自分なりに覚悟を決めたつもりだったんです。守りたいものを守るため、シンフォギアの戦士になるんだって。でもダメですね。小さな事で気持ちが乱されて、なにも手につけません。私、もっと強くならなきゃいけないのに、かわりたいのに…」

 

翼「その小さなものが立花の本当に守りたいものだとしたら、今のままでもいいんじゃないかな?立花はきっと立花のまま強くなれる」

 

響「翼さん…」

 

翼「奏のように人を元気づけるのは難しいな」

 

響「いえ、そんな事はありません。前にもここで同じような言葉で親友に励まされたんです!それでも私はまた落ち込んじゃいました。ダメですよね~」

 

 自嘲し、響は空を眺めた。

 

響「翼さん、まだ傷むんですか?」

 

翼「瞬が最後の応急処置をしてくれたから大丈夫だ」

 

響「そっか、よかったです」

 

翼「絶唱による肉体への負荷は極大。まさに、他者も自分も滅ぼし尽くす滅びの歌。その代償と思えば、これくらい安いもの。星矢達がいてくれたから、治りも早くなった」

 

響「絶唱…、滅びの歌…。でも、でもですね、翼さん!二年前、私が辛いリハビリを乗り越えられたのは、翼さんの歌に励まされたからです!翼さんの歌が滅びの歌だけじゃないって事を聞く人に元気をくれる事を私は知っています!」

 

翼「立花…」

 

響「そして、それから1年後に私は星矢さんと沙織さんに助けてもらったんです。あの時の2人はまるで王子様と女神様で、挫けそうになった時はよくあの2人の姿が浮かんできました。でも、後で沙織さんが本物の女神様だと知って驚いちゃいました」

 

翼「王子様に女神様ね…」

 

響「だから、コンディションを最高に整えてください!私、翼さんの歌、大好きです!」

 

翼「…ふっ、私が励まされたようだな」

 

響「えっ?あれ?」

 

 

 

フラワー

 

 その頃、未来は着替えたクリスと話をしていた。

 

クリス「喧嘩か…、あたしにはよくわからない事だな」

 

未来「友達と喧嘩した事ないの?」

 

クリス「……友達いないんだ」

 

未来「え?」

 

クリス「地球の裏側でパパとママを殺されたあたしはずっと1人で生きてきたからな。友達どころじゃなかった」

 

未来「そんな…」

 

クリス「理解してくれると思った人もあたしを道具のように扱うばかりだった。誰もまともに相手してくれなかったのさ。大人はどいつもこいつもクズ揃いだ。痛いといってもきいてくれなかった。やめてと言ってもきいてくれなかった。あたしの話なんてこれっぽっちもきいてくれなかった」

 

 クリスの目は怒りに燃えていた。

 

未来「ごめんなさい…」

 

クリス「なぁ、お前。その喧嘩の相手ぶっ飛ばしちまいな」

 

未来「えっ?」

 

クリス「どっちが強えのかはっきりさせればそれで終了。とっとと仲直り、そうだろ?」

 

未来「できないよ、そんな事」

 

クリス「ふん、わかんねえな」

 

未来「でも、ありがとう」

 

クリス「ん?あたしは何もしてないぞ」

 

未来「ううん、ほんとにありがとう、気遣ってくれて…、えっと…」

 

クリス「クリス、雪音クリスだ」

 

未来「優しいんだね、クリスは」

 

クリス「…そうか?(そういや、鎖野郎も似たような事言ってたな…)」

 

未来「私は小日向未来。もしもクリスがいいのなら、私はクリスの友達になりたい」

 

 そう言って未来はクリスの手をとったが、クリスは振り払った。

 

クリス「あたしはお前達にひどい事をしたんだぞ…」

 

 そんな中、警報が鳴った。

 

 

 

リディアン

 

 ノイズ出現の連絡が響と翼にも届いた。

 

翼「翼です。立花も一緒にいます」

 

弦十郎『ノイズを検知した。相当な数だ!恐らく、未明に検知されたノイズと関連があるはずだ』

 

翼「了解しました、現場に急行します!」

 

弦十郎『ダメだ!聖闘士の小宇宙で応急処置を受けてもらったとはいえ、メディカルチェックの結果の出ていない者を出すわけにはいかない!星矢達も出撃させている!翼、お前は待機だ!』

 

翼「ですが!」

 

響「翼さんはみんなを守ってください。だったら私、前だけを向いていられます」

 

 

 

市街地

 

 一方、未来達はノイズ出現によって騒然となって避難している人達を目の当たりにしていた。

 

クリス「おい、一体何の騒ぎだ!?」

 

未来「何って、ノイズが現れたのよ!警戒警報も知らないの?」

 

 自分が狙われていると判断したクリスはその場から走った。

 

未来「あっ、クリス!」

 

 

 

城戸邸

 

 ノイズ出現情報は城戸邸にも伝えられた。

 

星矢「フィーネが差し向けた追っ手のお出ましか…!」

 

沙織「ノイズが出現しました。皆さん、ノイズの殲滅とクリスさんの保護をお願いします!」

 

瞬「わかったよ。僕がクリスの保護をやるよ」

 

紫龍「クリスとまともに話をしたのは一輝と瞬だけだからな」

 

氷河「俺達はノイズの殲滅に専念するぞ!」

 

 そう言って星矢達は聖衣を纏い、出撃した。

 

 

 

市街地

 

 クリスは誰も巻き添えにならないように人気のない場所へ向かっていたが、息が乱れていた。

 

クリス「あたしのせいで関係ない奴等まで……うああああああ!!」

 

 自分のせいで未来やおばちゃんを始めとする多くの人々がノイズに襲われる事にクリスは泣き出していた。

 

クリス「あたしがしたかったのはこんな事じゃないんだ…。でも、いつだってあたしのやる事は……いつも、いつも、いつも!」

 

 そして、クリスは立ち上がった。

 

クリス「あたしはここだ…。関係ない奴等の所へ行くんじゃねえ!」

 

 ノイズが襲い掛かってきたが、突如として弦十郎が現れてアスファルトを砕いて壁として使い、それを砕いてからノイズを弾き飛ばした。

 

クリス「なっ…」

 

弦十郎「まだお客さんはいるぞ!」

 

 再びノイズが襲ってきたが、今度は鎖に貫かれて消滅した。

 

クリス「鎖野郎!」

 

瞬「クリス、急いでシンフォギアを纏うんだ!」

 

 瞬がノイズを倒している間にクリスは歌った。

 

クリス「♪~♪~♪~♪」

 

 そして、イチイバルを纏った。そして、ボウガンを構えてノイズを撃ち落とした。

 

クリス「ご覧の通りさ!あたしの事はいいから他の奴等の救助に向かいな!」

 

弦十郎「だが…」

 

瞬「司令、この場は僕とクリスに任せてください!」

 

クリス「勝手に協力とかすんなよ!」

 

瞬「僕は兄さんにクリスの事を頼まれたんだ!だから、君がなんと言おうと僕は君と一緒に戦うよ!そして、戦いが終わったら沙織さんの屋敷に来てもらうよ!」

 

クリス「全く鎖野郎、てめえはあいつと同じぐらい調子が狂うじゃねえか!」

 

 その苛立ちをノイズにぶつけるクリスであった。クリスはギアの特性の都合で接近戦が苦手なため、瞬がネビュラチェーンで接近するノイズを貫くなりしてクリスの死角をフォローし、即座とは思えない連携で次々とノイズを倒していった。

 

瞬「その場でとは思えないぐらい僕達の連携はできているね」

 

クリス「うるせえ!そんなつもりで戦ったんじゃねえぞ!」

 

 反発するものの、やはり連携はできていた。

 

弦十郎「(あの2人の連携はなかなかのものだ…。だが、俺はまたあの子を救えないのか?)」

 

 クリスの姿を見て弦十郎はそう思っていた。一方、星矢達はノイズを殲滅していた。

 

星矢「ペガサス、流星拳!」

 

紫龍「廬山、龍飛翔!」

 

氷河「ダイヤモンド、ダストォ!」

 

 星矢達は広範囲での攻撃が可能な技で次々とノイズを蹴散らしていった。そして、響は通ろうとすると、未来の悲鳴が聞こえた。その悲鳴が聞こえた先の解体中のビルへ入った。

 

響「誰か、誰かいま…」

 

 すると、頭上にいたタコみたいなノイズが反応して攻撃したが、身のこなしで攻撃をかわした。そんな響の口を未来が塞いだのであった。そして、ジェスチャーで喋らないように伝えてから携帯で言葉を伝えた。

 

未来「(『静かに、あれは大きな音に反応するみたい』)」

 

 更に書き込んだ。

 

未来「(『あれに追いかけられてフラワーのおばちゃんとここに逃げ込んだの』)」

 

 未来の視線の先におばちゃんがいた。

 

響「(シンフォギアを纏うために歌うと、未来やおばちゃんが危ない。そうしよう…)」

 

 どうすればいいのかわからない響に未来は携帯に作戦を書き込んで見せた。

 

響「(!?)」

 

 それを見た響は驚き、携帯に自分の意見を書いて見せた。携帯での意見のやり取りを続け、ある意見を見た響は書き込もうとしたが、未来が止めた。不安そうな響に未来が微笑んだ際、おばちゃんが目を覚ましそうになって声をあげたため、その声にノイズが反応した。そして、未来は響の耳元で話した。

 

未来「私…、響にひどい事した…。今更許してもらおうなんて思っていない…。それでも一緒にいた…、私だって戦いたいんだ」

 

響「ダメだよ…、未来…」

 

未来「どう思われようと関係ない。響一人に背負わせたくないんだ。私、もう迷わない!」

 

 その叫んだ声にノイズは反応し、未来はノイズの注意を引きつけて走り出した。その間に響はおばちゃんの様子を見た。

 

響「♪~♪♪~♪」

 

 おばちゃんの無事を確認した響は戦いの歌を歌ってガングニールを纏い、その場から脱出した。ちょうどそこへ慎次が来た。

 

慎次「響さん!」

 

響「緒川さん!おばちゃんをお願いします!」

 

慎次「響さんは?」

 

 返事をする余裕もなく、響はやりとりの事を思い出しながら未来の所へ向かっていた。

 

響「(未来、どこ?)」

 

 ビルでのやりとりを思い出していた。

 

未来『響聞いて、私が囮になってノイズの気を引くから、その間におばちゃんを助けて』

 

響『ダメだよ!そんな事、未来にはさせられない』

 

未来『元陸上部の逃げ足だから何とかなる』

 

響『何ともならない』

 

未来『じゃあ、何とかして』

 

響『!?』

 

未来『危険なのはわかってる。だからお願いしてるの。私の全部を預けられるのは響だけなんだから』

 

 そして、未来の言葉を思い出し、未来の願いが響を動かした。

 

響「(戦っているのは私一人だけじゃない。シンフォギアで誰かの助けになれると思っていたけど、それは思い上がりだ。助ける私だけが一生懸命なんじゃない、助けられる誰かも一生懸命)」

 

 そして、奏の言葉を思い出した。

 

奏『生きるのを諦めるな!』

 

響「(本当の人助けは自分1人の力じゃ無理なんだ。だから、あの日あの時、奏さんは私に『生きるのを諦めるな』とさけんでいたんだ。今ならわかる気がする)」

 

 そんな中、未来の悲鳴が聞こえて響は急いだ。

 

響「(そうだ、私が誰かを助けたいと思う気持ちは惨劇を生き残った負い目じゃない!奏さんから託されて、私が受け取った気持ちなんだ!!)」

 

 逃げ続けていた未来の体力は限界だった。

 

未来「(もう走れない…)」

 

 走れなくなった未来は倒れ、ノイズはゆっくり近寄っていた。

 

未来「(だけど、まだ響と流れ星を見ていない!)」

 

 再び未来は走り出そうとしたが、落下したノイズの衝撃で崖から落ちた。

 

未来「きゃあああっ!!」

 

 未来が落ちる中、響はノイズに拳をぶつけて撃破し、そのまま未来を抱きしめて着地しようとしたが上手く行かず、駆け付けた星矢に受け止めてもらった。

 

響「おととととっ…!」

 

星矢「どうやら、仲直りできたみたいだな、響」

 

響「せ、星矢さん…」

 

星矢「さ、沙織さんが言ったように未来と腹を割って話すんだ」

 

 仲間達も来て見守っていた。

 

響「かっこよく着地するって、難しいんだな」

 

未来「少しからだが痛いけど、でも生きてるって感じがする。ありがとう、響なら絶対助けに来てくれるって信じてた」

 

響「ありがとう、未来なら絶対に最後まで諦めないって信じてた。だって私の友達だもん」

 

 その言葉に未来は涙を流し、響に抱き付いた。

 

未来「恐かった…、恐いかったの…」

 

響「私もすごい恐かった…」

 

未来「私…響が黙っていた事に腹を立ててたんじゃないの…。誰かの役に立ちたいと思っているのはいつもの響なんだから…。でも…、最近は辛い事、苦しい事全部背負い込もうとしていたじゃない…。wあたしはそれがたまらなく嫌だった…。また響が大きな怪我をするんじゃないかって心配してた…。だけど、それは響を失いたくなかった私のワガママだった…。そんな気持ちに気付いたのに…今までと同じにできなかったの」

 

響「未来、それでも未来は私の…」

 

 そんな中、未来の顔をみて響は笑った。

 

未来「えっ?何?」

 

響「あははは!だ、だってさ、髪の毛ボサボサ涙でグチャグチャ、なのにシリアスな事言ってるし!」

 

未来「もう、響だって似たようなものじゃない!」

 

 2人の様子を星矢達は微笑ましく見ていた。

 

氷河「仲直りできてよかったな」

 

星矢「そりゃあ、よかったに決まってるだろ?」

 

紫龍「この問題は本人達でないと解決できない問題だからな」

 

 そして、一同は商店街に戻ってきて、未来は自分の鞄を慎次から受け取った。

 

響「あの…師匠…」

 

弦十郎「ん?」

 

響「この子にまた戦っている所をじっくり、ばっちり目の当たりにされてしまって…」

 

未来「違うんです!私が首を突っ込んでしまったから!」

 

弦十郎「…詳細は後で報告書の形で聞く。ま、不可抗力という奴だろ。それに、人命救助の立役者にうるさい子事は言えんだろうよ」

 

 そんな中、了子がやってきた。

 

了子「ふっ、主役は遅れて登場よ。さて、どこから片付けようかしら?」

 

弦十郎「あとは頼りがいのある大人達の出番だ。響君達は帰って休んでくれ」

 

響「はい!」

 

未来「あ、あの…、私避難の途中で友達と逸れてしまって…。雪音クリスって言うんですけど…」

 

星矢「心配すんな、クリスは瞬と一緒に行動している。しばらく城戸邸に住ませるんだ」

 

未来「そうですか…」

 

 そんな時、響にあるアイデアが思い浮かんだ。

 

響「星矢さん、沙織さんに頼んでクリスちゃんの歓迎パーティーでもしませんか!?」

 

星矢「歓迎パーティー…?」

 

響「未来がクリスちゃんと友達になったみたいだから、それを記念してやりたいんです!」

 

星矢「パーティーか…、面白そうだし、やるか?」

 

響&未来「はい!」

 

紫龍「なら、すぐに沙織さんに知らせないとな」

 

氷河「そして、早く準備しないと!」

 

 早速、星矢達はパーティーの準備をする事にした。

 

 

 

城戸邸

 

 響からの提案の歓迎パーティーは沙織に知らされた。

 

沙織「パーティーですか…。わかりました、今から準備しましょう」

 

響「ありがとうございます!」

 

未来「私達も手伝いましょうか?」

 

沙織「指定の手伝いをしてください。美衣さんは料理をお願いします」

 

美衣「わかりました、沙織様」

 

春麗「私も料理を手伝います」

 

 料理を美衣と春麗が、力仕事は主に星矢達が担当する事となり、星矢達はマッハで作業し、あっという間に準備を終えた。

 

未来「響、星矢さん達って凄いね。あっという間に準備が終わっちゃったし…」

 

響「でしょでしょ?それに、沙織さんは本物の神様なんだって!」

 

未来「ほ、本当の神様!?」

 

 その事実は未来も驚いた。

 

沙織「そうです。私は女神アテナの化身。ですが、接し方は今までと同じでよろしいですよ」

 

未来「あ、ありがとうございます、沙織さん!」

 

 そうしている間に夜になって準備も終わった。それと時を同じくして瞬がクリスを連れて帰ってきた。

 

クリス「ここが城戸沙織って女の住んでる屋敷か…」

 

瞬「遠慮せずに入っていいよ」

 

 扉を開けると、そこにはテーブルが並び、クラッカーが鳴った。

 

クリス「へ?『歓迎パーティーへようこそ、クリスちゃん!』だと!?なんであたしを歓迎するんだよ!?」

 

響「クリスちゃん、会いたかったよ~!」

 

 そう言って響と未来はクリスに抱き付いた。

 

クリス「抱き付くな!別にあたしは会いたがってたわけじゃ」

 

未来「よかった!クリスが無事で…」

 

クリス「未来…」

 

瞬「クリスは友達ができていたんだね?」

 

氷河「素直になれないだけの寂しがりやな女の子だな」

 

クリス「か、勝手に決めつけんな!あたしはあんたら大人なんて信用できねえ!」

 

星矢「言っとくが、この場にいる俺達は辰巳と貴鬼以外は全員10代なんだぜ」

 

 その言葉にクリスは衝撃を受けた。

 

クリス「何~~~っ!!?お前ら、そんな面で10代だって!?」

 

瞬「そうは見えないと思うけど、本当だよ。自己紹介がまだだったね。僕は瞬」

 

星矢「俺は星矢だ」

 

氷河「氷河だ」

 

紫龍「紫龍」

 

美衣「そして、私はアリシア・美衣・ベネトールと申します。クリスさん、お食事ができております。どんどん食べてくださいね」

 

クリス「飯だって…?」

 

 食事には流石のクリスも空腹を我慢しきれず、善意に甘える形で食べる事となった。

 

クリス「うめえ、メチャクチャうめえぞ!」

 

沙織「美衣さんの料理はお気に召していただけたようで何よりです」

 

美衣「ですが、テーブルマナーが悪いようですね。明日から私がご指導致しましょう」

 

 クリスの辺りには食べかすが散らかっていた。一方の星矢達も食事をしていた。

 

紫龍「春麗の手料理はおいしいな」

 

春麗「褒められるとうれしいわ、紫龍」

 

星矢「一汗流した後の飯は格別だな!」

 

氷河「しっかり食べて、よく寝て、ノイズの襲撃に備えるぞ」

 

響「未来、美衣さんの料理はおいしいね!」

 

未来「うん!春麗さん手作りの中華料理もおいしい!」

 

響「あ、そうだ!ご飯を食べ終わったら私と未来とクリスちゃんで裸の付き合いをしようよ!」

 

クリス「は、裸の付き合い!?」

 

 響の言う裸の付き合いにクリスは赤面していた。そして食事が終わり、響達は脱衣所で服を脱ぎ、一緒にお風呂に入る事となったが、クリスは女同士でも一緒に入るのを嫌がっていた。

 

響「うわぁ…、クリスちゃんって胸が大きいんだね…」

 

未来「不思議…」

 

クリス「そんな目であたしの胸をジロジロ見んな!」

 

 響と未来の視線が自分の胸に向けられているのが恥ずかしいクリスは女同士なのにも関わらず、胸を隠していた。

 

響「クリスちゃん、一緒にお風呂に入ろうよ!」

 

クリス「入れるわけねえだろ!」

 

響「私なんていつも未来と一緒に入ってるよ。クリスちゃんも一緒に入ろうよ!」

 

未来「背中を流すから、遠慮しないで」

 

クリス「……わかったよ。入ればいんだろ?入れば!」

 

 結局断り切れず、クリスは一緒にお風呂に入る事となった。

 

響「うわっ、うわわわわわ!」

 

 ところが、響はうっかり足を滑らせてしまい、クリスを押し倒してしまった。

 

響「いたたたたっ…、あれ?妙に柔らかいなぁ…」

 

クリス「いてててっ…、何すん」

 

 倒れ込んだ際に響はクリスの胸を触ってしまったのであった。その様子に未来は思わず顔を赤くし、クリスはそれ以上に赤くなって沸騰寸前のようになっていた。

 

クリス「あたしの胸を触んじゃねえ!!」

 

響「ご、ごめん、クリスちゃん!わざとじゃなくて…!」

 

 なんやかんやで騒ぎは一応は収まった。

 

未来「沙織さんの家のお風呂はとっても温まるね」

 

響「そうだね。未来とクリスちゃんも一緒だから、ぽかぽかだよ」

 

???「皆さん、私も裸の付き合いに混ぜていただけないでしょうか?」

 

 そんな時に沙織が一緒にお風呂に入りに来た。

 

響「うわぁ…、沙織さんの裸って凄い…!」

 

未来「私達より年下なのに大人の女性のような雰囲気で、女神に恥じない美しさよ…」

 

 沙織に見とれる響と未来に混ざり、クリスも見とれていた。

 

クリス「マジで女神みたいな美しさだな…。って、女神に恥じないってどういう事だよ!」

 

未来「私も初めて聞いた時は驚いちゃったけど、沙織さんは本物の女神様なんだよ」

 

クリス「……マジかよ!!マジで本物の女神なのかよ!」

 

沙織「はい、その通りで私は女神アテナの化身なのです」

 

 その事実にクリスは仰天した。仰天続きの出来事が終わった後、響と未来は寮へ送迎してもらい、クリスは城戸邸の部屋で寝る事となった。

 

クリス「全く、マジで今日は最悪な日だ…」

 

 ノイズの襲撃に歓迎パーティー、裸の付き合いとクリスには戦いと驚きの連続に疲れ、眠りについたのであった。その様子は口では最悪と言いつつも安心したような表情であった。




これで今回の話は終わりです。
今回は響と未来の和解とクリスがしばらく城戸邸で暮らすのを描きました。
響と未来の和解は本編と同じようにしましたが、クリスのその後はそのまま本編通りホームレスよりも城戸邸にしばらく住むというのも面白そうと考えました。そして、歓迎パーティーの後の裸の付き合いは距離を縮めるのも兼ねたセクシーシーンとして思いつきました。
次の話は翼の復帰ライブです。
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