聖闘士星矢x戦姫絶唱シンフォギア 13番目の黄金聖衣   作:アンドロイドQ14

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12話 手と手を取り合って

城戸邸

 

 翼のライブからしばらくした後、星矢達は『カ・ディンギル』を探していたが、見つからなかった。

 

星矢「あれだけ探してもカ・ディンギルが見つからないなんてよ」

 

氷河「そもそも、カ・ディンギルとはなんだ?」

 

沙織「わかりません。それと、グラード財団の情報網にある情報がありました」

 

 沙織はその情報を見せた。

 

紫龍「米国政府が特殊部隊にソロモンの杖を回収せよ、だと?」

 

美衣「どうやら、米国政府は私達に弱みを握られた上、痺れを切らしたようです」

 

星矢「紫龍や一輝が怪しんでいた了子が何事もなかったかのようにしてるから薄々そうだったが、これを聞けばフィーネが生きてるのは確定だな」

 

 それに乱入するかのようにクリスが入ってきた。

 

クリス「フィーネがまだ生きてるっていうの、本当なのか!?」

 

沙織「はい。米国政府のとある命令から察すれば生きているのは確定しているでしょう。何より、了子さんが普通にしているのが何よりの証拠です」

 

クリス「だったら、今からフィーネのアジトに行く!行かせてくれ!」

 

瞬「僕も一緒でお願いします」

 

沙織「わかりました。瞬、あなたはクリスと共にフィーネのアジトに向かってください」

 

瞬「はい」

 

 早速、瞬は聖衣を纏い、クリスを連れてフィーネのアジトへ向かった。

 

瞬「クリスはフィーネと戦うのは躊躇してる?」

 

クリス「……ちょっとな…。でも、このままだと関係ない奴等まで巻き添えになっちまう!」

 

瞬「わかった。そうならないためにも、行こう!」

 

 

 

フィーネのアジト

 

 フィーネのアジトではいかにも工作員と思わしき男達が潜んでおり、コンピュータを弄っているフィーネの元へ来た。

 

フィーネ「ふふふ…、私を消そうとしても無駄よ」

 

 男達に銃を向けられてもフィーネは驚きもせず、それに恐れをなした男達は銃弾を撃ち込みまくった。しかし、突如として蛇遣座の黄金聖衣が阻んだ。

 

兵士A「な、何だ!?あの黄金の鎧は?」

 

兵士B「構うな!そんな鎧はロケット弾でぶっ壊せ!」

 

 銃がダメなら、今度はロケット弾を放った。しかし、それでも黄金聖衣にはかすり傷一つつかなかった。

 

兵士リーダー「ど、どうなっているんだ!?あの鎧は!?」

 

フィーネ「簡単よ。この鎧は私の危機に反応して守ろうとする鎧なの。そして、私の半身であり、相棒なのよ」

 

兵士リーダー「ひ、怯むな!全弾撃ち尽くしてでもぶっ壊せ!!」

 

 傷1つつかない黄金聖衣に恐れをなした兵士達は怯えて銃やロケット弾を連射した。しかし、弾を撃ち尽くしても傷1つつかなかった。

 

兵士リーダー「ば、化け物鎧め…!」

 

フィーネ「ムダよ。その鎧はそんなチンケな武器じゃ壊せない。それに、掠める準備ができたら用済みとして始末しようとするなんて徹底しているわ…。それも、わざと痕跡を残して立ち回るあたりが品性下劣な米国政府らしい。ブラックアートの深淵、覗いてすらもいない青二才のアンクルサムに用はないわ。さっさと死にな!」

 

 そして、反撃といわんばかりに蛇遣座の黄金聖衣が勝手に動き出した。

 

兵士リーダー「ひ、ひぃいいいいっ!!」

 

 兵士達は恐怖で逃げようと思っても逃げきれず、次々と蛇遣座の黄金聖衣に首を撥ね飛ばされたり、心臓を貫かれたりして殺されていった。

 

フィーネ「あははははっ!所詮は愚かな奴等よ!もう誰も私を止める事はできないのよ、あ~っはははははっ!!」

 

 死体を蔑む目で見つめながらフィーネの邪悪な笑いが木霊したのであった。

 

 

 

リディアン

 

 用件を済ませて職員室を出ていた響は未来と共に教室に向かっていたが、合唱部が歌っている校歌を鼻歌で歌っていた。

 

未来「何?合唱部に即発されちゃった?」

 

響「ん~、リディアンの校歌を聞いてるとまったりするっていうか、凄く落ち着くっていうか、みんながいる所って考えると安心する。自分の場所って気がするんだ。入学してまだ2か月ちょっとなのにね」

 

未来「でも、色々あった2か月だよ」

 

響「うん、そうだね」

 

 シンフォギアを初めて纏い、恩人の星矢と沙織の2人と再会し、憧れの翼と衝突を経て仲良くなったりとあまりにも多くの出来事がその間に起こっていた。

 

 

 

フィーネのアジト

 

 瞬とクリスはアジトに到着した。

 

クリス「どうだ?瞬」

 

瞬「チェーンには何の反応もない」

 

クリス「なら、進むしかねえな」

 

 クリスは瞬と共にフィーネのいるホールへ向かったが、そこには機械は壊されている上、首をはねられたり心臓を貫かれたりして無残な死体と化していた米国の工作員達の姿があった。その姿に瞬はショックを受けていた。

 

瞬「なんて惨い殺され方なんだ…!」

 

クリス「一体、何がどうなってやがんだ!?」

 

 そんな時、後ろには弦十郎がいた。

 

クリス「違う、あたし達じゃない!」

 

瞬「心配いらないよ、クリス」

 

クリス「瞬…」

 

 瞬の言う通り、二課の諜報部はクリスと瞬に疑いはおろか見向きもせずに無残な死体となった米国工作員の方へ向かった。無言で近づいた弦十郎はクリスの頭を撫でた。

 

弦十郎「誰もお前らがやったなどと疑ってはいない。特に瞬はそういった殺し方を嫌うからな。全ては君や俺達の側にいた彼女の仕業だ」

 

クリス「え?」

 

瞬「司令も気付いていたのですか?」

 

弦十郎「ある程度はな」

 

部下「風鳴司令」

 

 部下の1人が殺された工作員の死体に置かれた『I LoVE You SAYONARA<さよなら、愛してるわ>』と書かれた紙をとった。すると、糸を使った罠が作動した。

 

瞬「これは」

 

 瞬が叫ぼうとした時に爆発が起こった。その爆発で天井や壁が崩れたが瞬がすぐにネビュラチェーンで誰にも落ちてこないように瓦礫を弾き、弦十郎は瞬とクリスの上に落ちてきた瓦礫を片手で止めた。

 

クリス「どうなってんだよ、こいつは…」

 

弦十郎「衝撃は八剄で掻き消した。後は瞬がその鎖で瓦礫を弾くなりして破壊した」

 

瞬「(この人、小宇宙が使えれば黄金聖闘士に間違いなくなれる)」

 

クリス「何でだよ、何でギアも聖衣とかいう鎧も纏えない奴があたし達を守ってんだよ!」

 

弦十郎「俺がお前を守るのはギアのあるなしじゃなくて、お前よか少しばかり大人だからだ」

 

 瓦礫を放り投げ、そう言った弦十郎にクリスは敵視した。

 

クリス「大人…あたしは大人が嫌いだ!死んだパパとママも大嫌いだ!とんだ夢想家で臆病者!あたしはあいつらと違う!戦地で難民救済?歌で世界を救う?いい大人が夢なんて見てんじゃねえよ!」

 

弦十郎「大人が夢を…ねえ…」

 

クリス「本当に戦争をなくしたいのなら、戦う意志と力を持つ奴等を片っ端からぶっ潰すしかないじゃないか!それが一番合理的で現実撃だから…だからあたしは…」

 

瞬「クリス、そんなやり方では戦争はなくならない!ノイズのような存在ならまだしも、その戦う意志と力を持つ人を殺してもその人の家族や友人、仲間が君を憎み、力をつけて殺しに来る。そして君がその人に殺されれば、君と親しい人が彼等を憎む。君のやり方ではフィーネの言う通り、憎しみの連鎖によって戦争を拡大させるだけだ!」

 

クリス「だけど…だけど…」

 

 争いを好まない瞬のいう『憎しみの連鎖』にクリスは反論する事もできなかった。

 

弦十郎「瞬に言いたい事を言われてしまったな。いい大人は夢を見ないと言ったな。だがそうじゃない。大人だからこそ夢を見るんだ。大人になったら背も伸びるし、力も強くなる。財布の中の小遣いだってちったぁ増える。子供の頃はただ見るだけだった夢も大人になったら叶えるチャンスが大きくなる。夢を見る意味が大きくなるお前の両親はただ夢を見るために戦場に行ったのか?違うな。歌で世界を平和にするっていう夢を叶えるために自ら望んでこの世の地獄に踏み込んだんじゃないのか?」

 

クリス「なんでこんな事を…」

 

弦十郎「お前に見せたかったのだろう。夢は叶えらるという揺るがない現実をな。お前は嫌いと吐き捨てたが、お前の両親は本当に大切に思ってたんだろうな…。瞬の兄貴の一輝が普段は離れていてもいつも弟を見守り、危機に陥ったらすぐに駆け付けるように」

 

 弦十郎の言葉を聞いて泣きそうになるクリスを瞬が優しく抱き締めた。

 

クリス「うっ…、ううっ…」

 

 崩れたフィーネのアジトにクリスの泣き声が響いたのであった。そして、弦十郎達は撤収しようとした。

 

クリス「やっぱりあたしは…」

 

弦十郎「一緒には来られないか」

 

瞬「司令、クリスは僕と行動を一緒にさせてください」

 

 瞬が手を握ってくれた事にクリスは少し安心した。瞬の年齢はクリスより年下なのにも関わらず、見た人からすれば瞬の方がクリスの兄のようであった。

 

弦十郎「お前はお前が思っているほど一人ぼっちじゃない。瞬達もいるんだ。そいつらと一緒に道を歩いて行くとしてもその道は遠からず俺達の道と交わる」

 

クリス「今まで戦ってきた者同士が一緒になれるというのか?世慣れた大人がそんな綺麗事言えるのかよ」

 

弦十郎「ほんと、捻てんなお前。瞬達や沙織お嬢様も割と手を焼くわけだ」

 

 そんなクリスに弦十郎は通信機を投げ渡した。

 

クリス「通信機…」

 

弦十郎「そうだ。限度額内なら公共交通機関が利用できるし、自販機で買い物もできる代物だ。便利だぞ」

 

クリス「『カ・ディンギル』!」

 

弦十郎「ん?」

 

クリス「フィーネが言ってたんだ。『カ・ディンギル』って。それが何なのかわからないけど、そいつはもう完成しているみたいな事を」

 

弦十郎「カ・ディンギル…。後手に回るのは終いだ。こちらから打って出てやる!」

 

 諜報部と一緒に弦十郎は本部に戻った。

 

クリス「これからどうするんだ?瞬」

 

瞬「あのコンピュータを調べてみる。そうすれば、カ・ディンギルとか、フィーネの更なる手掛かりとか、兄さんに倒されたはずのフィーネがまだ生きている原因がわかるかも知れない」

 

 瞬はホールに戻り、コンピュータをマッハの速度で捜査して見れるデータを見ていた。

 

クリス「ろくな勉強もしてねえのによく操作できるな…」

 

瞬「医者の勉強をやってる過程でコンピュータの扱いも沙織さんから教えてもらってね」

 

 そう言ってデータを見てみたが、驚きのものばかりだった。

 

瞬「何だって!?」

 

クリス「どうしたんだよ!」

 

瞬「そうか…、そうやってフィーネは兄さんに左胸を貫かれても死ななかったのか…!」

 

クリス「瞬、これって…」

 

 そのデータには、響のデータもあった。そして何より、フィーネの恐ろしい予備策まであったのであったに2人は戦慄した。

 

クリス「おい、これって…」

 

瞬「なんて事だ!フィーネはカ・ディンギルが破壊された時まで想定してこんな事を考えていたのか!?クリス、急いで行こう!」

 

 クリスを連れて瞬は急いだ。

 

 

 

特異災害対策機動部二課

 

 弦十郎は響と翼、そして城戸邸にいる星矢達に通信を入れた。

 

翼『はい、翼です』

 

響『響です!』

 

星矢『何かあったのか?』

 

弦十郎「収穫があった。了子君は?」

 

あおい「まだ出勤してません。朝から連絡不通でして」

 

弦十郎「そうか…」

 

響『了子さんならきっと大丈夫です!何が来たって私を守ってくれた時のようにドカーンとやってくれます!』

 

翼『いや、戦闘訓練もろくに受講していない櫻井女史にそのような事は…』

 

響『えっ?師匠とか了子さんって、星矢さん達のような人間離れした特技とか持ってるんじゃないんですか?』

 

 そんな中、紫龍は瞬から聞いた事を思い出していた。

 

紫龍『(あの女は小宇宙は扱えないし、聖遺物の力も持っていない。一体、なぜあのような力を…)』

 

 そんな中、音声だけではあるものの、了子からの通信が入った。

 

了子『やーっと繋がった♪ごめんね、寝坊しちゃったけど通信機の調子がよくなくって…』

 

 了子の声に弦十郎と星矢達は視線を鋭くした。

 

弦十郎「無事か、了子君?そっちに何も問題は」

 

了子『寝坊してゴミを出せなかったけど、何かあったの?』

 

響『よかった』

 

弦十郎「ならばいい。それより、聞きたい事がある」

 

了子『せっかちね。何かしら?』

 

弦十郎「カ・ディンギル。この言葉が意味するものは?」

 

了子『カ・ディンギルがとは古代シュメールの言葉で高みの存在。転じて天を仰ぐほどの塔を意味しているわね』

 

弦十郎「何者かがそんな塔を建造していたとして、なぜ俺達は見過ごしてきたのだ?」

 

響『確かにそう言われちゃうと…』

 

弦十郎「だが、ようやく掴んだ敵の尻尾。このまま情報を集めれば勝利は同然。相手の隙にこちらの全力を叩き込むんだ。最終決戦、仕掛けるからには仕損じるな!」

 

響&翼『『了解です!』』

 

星矢達『任しとけ!』

 

了子『ちょっと野暮用を済ませてから私も急いでそっちに向かうわ』

 

 それぞれ通信を切った。

 

 

 

リディアン

 

 響は隣にいる未来と一緒にカ・ディンギルについて調べていた。

 

響「カ・ディンギル…誰も知らない秘密の塔…」

 

未来「検索してみても引っかかるのはゲームの攻略サイトばかり…」

 

 

 

城戸邸

 

 城戸邸でもカ・ディンギルに関する情報を検索していた。

 

美衣「やはり、簡単には見つからないようですね」

 

沙織「聖域と同様に結界が張られていて見えないようになっている可能性もあります」

 

氷河「だが、そんな技術はその建造した連中にあるのか?」

 

星矢「俺がカ・ディンギルを建てる立場なら、海とか地下とかに建造していざって時に地上に出るようにするぜ」

 

 星矢の何気ない一言に紫龍は閃いた。

 

紫龍「星矢、さっきお前はカ・ディンギルを建造するなら、海とか地下と言ってたな」

 

星矢「それがどうしたんだ?」

 

紫龍「お前のさっきの一言で俺は閃いたんだ。カ・ディンギルのある場所が」

 

美衣「何ですって!?」

 

 カ・ディンギルのあると推測される場所に星矢達は驚いた。

 

沙織「まさか、あそこだったとは…!」

 

紫龍「そう、バカでかい建物を誰にも気づかれる事なく建造するには、あそこしかない!星矢の何気ない一言がなければ見落としていた」

 

 そんな中、瞬がクリスと共に帰ってきた。

 

瞬「みんな、カ・ディンギルが破壊された際のフィーネの恐ろしい予備策がわかったんだ!」

 

氷河「予備策だと!?」

 

 その予備策を聞き、またしても星矢達は驚いた。

 

氷河「黄金聖衣強奪の犯人がフィーネだと!?」

 

星矢「そんな事のために黄金聖衣を盗んでいたのか…!それより、黄金聖衣の修復状況はどうなんだ?」

 

沙織「今は9割を超えています。もうすぐ終わるとの事です」

 

紫龍「万一の時のために、今日のうちに終わればいいのだがな…」

 

 

 

特異災害対策機動部二課

 

 二課でもカ・ディンギルの情報を検索していた。

 

弦十郎「些末な事でも構わん、カ・ディンギルについての情報をかき集めろ!」

 

 そんな折、ノイズ出現の警報が鳴った。

 

弦十郎「どうした!?」

 

朔也「飛行タイプの超大型ノイズが一度に3体、いえ、もう1体出現!」

 

弦十郎「何だと!?」

 

朔也「さらに少し離れた場所に50体もの大型ノイズ、海側に6体もの超大型ノイズ出現!」

 

 そこへ、沙織から連絡が来た。

 

沙織『司令、海側のノイズは星矢達が迎撃を担当します』

 

弦十郎「済まない、沙織お嬢様」

 

 

 

空き地

 

 50体のゴールドノイズは一輝の行く手を阻んでいた。

 

一輝「なるほど、俺をここから先へは通さないという訳か…。ならば、貴様ら全員を倒して進むまでだ!」

 

 そう言って一輝はゴールドノイズに向かっていった。

 

 

 

市街地

 

 空飛ぶ超大型ノイズの出現で街はパニックになっていた。

 

翼「合計4体。すぐに追いかけます!」

 

 連絡を受けた翼はすぐに向かい、響の方にも連絡が入った。

 

響「今は人を襲うというよりも、ただ移動していると。はい、はい、これからそっちに向かいます」

 

 そう言って通信を切った。

 

未来「響…」

 

響「平気、平気。私達で何とかするから!だから未来は学校に戻って」

 

未来「リディアンに?」

 

響「いざとなったら、地価のシェルターを開放してこの辺の人達を避難させないといけない。未来にはそれを手伝ってもらいたいんだ」

 

未来「う、うん。わかった…」

 

響「ごめん、未来を巻き込んじゃって」

 

未来「ううん、巻き込まれたなんて思ってないよ。私がリディアンに戻るのは、響がどんなに遠くへ行ったとしてもちゃんと戻って来れるように響の居場所、帰る場所を守ってあげる事でもあるんだから」

 

響「私の帰る場所…」

 

未来「そ、だから行って。私も響のように大切なものを守れるように強くなるから」

 

 優しい笑みを浮かべる未来の手を響は握った。

 

響「小日向未来は私にとっての陽だまりなの。未来の傍が一番暖かいところで私が絶対に帰ってくる場所!これまでもそうだし、これからもそう!だから私は絶対帰ってくる!」

 

未来「響…」

 

響「一緒に流れ星見る約束、まだだしね!」

 

未来「うん!」

 

 響を見送った未来だったが、ある不安があった。

 

未来「(何だか、もう一緒に流れ星を見れない気がする…)」

 

 その頃、翼はバイクで移動していた。

 

 

 

特異災害対策機動部二課

 

 移動中の奏者2人に連絡をとっていた。

 

翼『翼です』

 

弦十郎「ノイズ進行方向に関する最新情報だ」

 

響『はい!』

 

弦十郎「第41区域に発生したノイズは第33区域を経由しつつ、第28区域方面へ進行中。同様に第18区域と第17区域のノイズも第24区域方面へと移動している。そして」

 

あおい「司令、これは!」

 

朔也「それぞれのノイズの進行経路の先に東京スカイタワーがあります!」

 

響『東京スカイタワー?』

 

朔也「カ・ディンギルが塔を意味するのであれば、スカイタワーはまさにその物ではないでしょうか?」

 

弦十郎「スカイタワーには俺達二課が勝つ童児に使用している映像や更新といった電波情報を統括制御する役割も備わっている。2人共東京スカイタワーに急行だ((罠だとしても)」

 

 弦十郎にはノイズの動きが罠だとわかっていた。そして、海側の超大型ノイズでさえも

 

 

 

市街地

 

 海側では超大型のゴールドノイズが現れ、星矢達が駆け付けた。

 

氷河「随分とデカイな…」

 

星矢「そんな奴はさっさと片付けてしまって、とっとと二課へ戻ろうぜ!」

 

紫龍「ああ、そうしよう!(フィーネ、陽動をかけても無駄だ!既にあいつらを呼び寄せているし、俺達はカ・ディンギルの在り処を突き止めている!その在り処は…!)」

 

 ゴールドノイズ目掛けて星矢達は突っ込んでいった。

 

響「スカイタワー。でも、ここからじゃ…」

 

 そんな時、ヘリコプターが来た。

 

弦十郎『何ともならないk十を何とかするのが俺達の仕事だ!』

 

 城戸邸に出向いていた慎次は眼鏡をはずし、二課に戻った。そして、4体の超大型ノイズはスカイタワー周辺に来ていた。そして、次々と小型のノイズを出した。超大型ノイズの上に響を乗せたヘリが移動しており、響は戦いの歌を歌いながら飛び降りた。

 

響「♪~~♪♪~♪」

 

 そしてギアを纏い、そのまま超大型ノイズの1体を倒したのであった。翼の方もギアを纏って蒼ノ一閃を放ったが、小型ノイズの群れに阻まれて届かなかった。

 

翼「くっ、相手に頭上を取られる事がこうも立ち回りにくいとは!」

 

響「ヘリを使って私達も空から」

 

 しかし、既にヘリは小型ノイズに襲われて爆散していた。

 

響「そんな…」

 

翼「よくも!」

 

 響達は応戦したが、空からの敵には苦戦していた。

 

響「空飛ぶノイズ、星矢さん達は別のノイズとの応戦でいないし、どうすれば…」

 

翼「臆するな、立花!防人が後ずされば、それだけ戦線が後退するという事だ」

 

 そうしている間にもノイズが次々と襲撃して来た。しかし、銃弾とチェーンによって次々と倒されていった。2人が後ろを向くと、そこには瞬とクリスがいた。

 

瞬「みんな、遅くなって済まない!」

 

響「瞬さん!」

 

クリス「ちっ、こいつがピーチクパーチクやかましいからちょっと出張ってみただけ。それに勘違いするなよ、お前達の助っ人になったわけじゃ」

 

瞬「クリス、今はそんな事を言ってる場合じゃないんだ!」

 

 瞬相手にはクリスもあまり反論できなかった。

 

弦十郎『助っ人は少々到着が遅くなったかも知れないがな』

 

翼「助っ人?瞬ならわかりますが…」

 

弦十郎『そうだ。第2の聖遺物イチイバルのシンフォギアを纏う戦士、雪音クリスだ!』

 

響「クリスちゃ~ん!歓迎パーティー以来だね!あの時みたいに戦いでも力を合わせていこうよ!」

 

クリス「このバカ!あたしの話を聞いてねえのかよ!」

 

翼「歓迎パーティー?」

 

瞬「実は、少し前に響の提案で僕達でクリスの歓迎パーティーをしたんだ」

 

翼「はぁ…。と、とにかく今は連携してノイズを」

 

クリス「あたしは勝手にやらせてもらう!邪魔だけはすんなよな!」

 

 そう言ってクリスは空中のノイズを狙撃し、瞬もチェーンで次々とノイズをなぎ倒していった。クリスは瞬に頭が上がらないため、瞬の加勢は黙認していた。

 

翼「空中のノイズは2人に任せて私達は地上のノイズを」

 

響「は、はいっ!」

 

 響達もノイズを倒していたが、翼とクリスは途中で背中同士がぶつかった。

 

クリス「何しやがる!すっこんでな!」

 

翼「あなたこそいい加減にして!あなただけで戦えるつもり?」

 

クリス「あたしはいつだって1人だ。こちとら仲間と馴れ合ったつもりはこれっぽっちもねえよ!」

 

 元々敵同士で出会った2人がいきなり連携をとるのは不可能も同然であった。

 

瞬「(まずい!今の状況では勝てる戦いにも勝てなくなる!)」

 

クリス「確かにあたし達が争う理由なんてないのかもな。だからって、争わない理由もあるものかよ!この間まで殺り合ってたんだぞ!そんなに簡単に人と人が」

 

 クリスの言葉を遮り、響がクリスの手を握った。

 

響「できるよ。誰とだって仲良くなれる」

 

 そう言って響は翼の手も握った。

 

響「どうして私にはアームドギアがないんだろってずっと考えていた。いつまでも半人前はやだなーって。でも今は思わない。何もこの手に握ってないから2人とこうして手を握り合える!仲良くなれるからね!」

 

翼「立花…」

 

 響の態度に翼は待っていた刀を地面に突き立て、クリスに向けて手を差し出した。その様子にクリスは握るのを拒否したが、照れ隠しができずに翼の手を握ったものの、慌ててひっこめた。

 

クリス「このバカに当てられたのか!?」

 

翼「そうだと思う。そしてあなたもきっと」

 

クリス「冗談だろ…」

 

 3人が手を取り合えた事に瞬は微笑んでいた。そこへ、ノイズの影が映った。

 

瞬「そろそろ戦いに戻った方がいいみたいだよ」

 

翼「親玉をやらないとキリがない」

 

クリス「だったらあたしに考えがある。あたしでなきゃできない事だ。イチイバルの特性は長射程広域攻撃、派手にぶっぱなしてやる!」

 

翼「まさか絶唱を?」

 

クリス「バーカ!あたしの命は安物じゃねえ!何かあると絶唱を使いたがるあんたに言われたくねえよ!」

 

翼「ならばどうやって?」

 

クリス「ギアの出力を引き上げつつも放出を抑える。行き場のなくなったエネルギーを限界まで取りこみ、一気に解き放ってやる!」

 

翼「だが、チャージ中は丸裸も同然。これだけの数を相手にする状況では危険すぎる」

 

瞬「いや、その間はクリスに向かう攻撃を全て防御すればいいんだ」

 

響「そうですね。瞬さんの言う通り、私達がクリスちゃんを守ればいいだけの事!」

 

 そう言って翼と響はノイズの群れへ向かっていった。

 

クリス「頼まれてもいない事を」

 

瞬「そうなったら引き下がれないね、クリス。チャージ中は僕が守るから、チャージに専念してくれ!」

 

 いつもの激しい歌とは違う歌をクリスは歌った。そして、残りの3人は次々と敵をなぎ倒していた。

 

響「(誰もが繋ぎ、繋がる手を持っている。私の戦いは誰かと手を繋ぐ事!)」

 

翼「(砕いて壊すのも、束ねて繋ぐも力。ふっ、立花らしいアームドギアだ)」

 

 そうしている間にもクリスのチャージは終わり、ノイズを殲滅する準備ができた。

 

瞬「さぁ、チャンスは1回きりだ!」

 

 それに応え、クリスは全火力を叩き込む技、MEGA DETH QUARTETを放った。放たれたミサイルや銃弾は空中のノイズを一掃し、響達も地上のノイズを一掃したのであった。

 

翼「やったのか…?」

 

クリス「ったりめえだ!」

 

響「やったやった~!」

 

クリス「やめろバカ!何しやがるんだ!」

 

 急に響が抱き付いたため、クリスは引き離した。それと同時にギアも解除された。

 

響「勝てたのはクリスちゃんのお陰だよ!」

 

 また響はクリスに抱き付いた。

 

クリス「だからって言ってるだろうが!いいか、お前らの仲間になった覚えはない!あたしはただ、フィーネと決着を着けてやっと見つけた本当の夢を果たしたいだけだ!」

 

響「夢?クリスちゃんのどんな夢?聞かせてよ!」

 

クリス「うるさいバカ!お前、本当のバカ!」

 

 ノイズの殲滅に喜ぶ響達だが、瞬はチェーンでフィーネがいないか探っていた。

 

瞬「(やっぱり、フィーネは小宇宙が扱えないからチェーンで探るのも難しいか…)」

 

 そんな中、通信が入った。

 

響「はい?」

 

未来『響、学校が!リディアンがノイズの襲われ…』

 

 突然通信が途切れた事に響は戸惑っていた。

 

瞬「みんな、急いでリディアンに向かうんだ!」

 

翼「どういう事なんだ?瞬!」

 

瞬「海から来たノイズも、君達が戦ったノイズも僕達をおびき出すための囮だったんだ!それに、カ・ディンギルはスカイタワーじゃない、二課の本部なんだ!」

 

 その事実に響達は衝撃を受けたのであった。

 

 




これで今回の話は終わりです。
次の話は邪武達とノイズとの戦いになりますが、遂にフィーネの正体が明らかとなります。そして、弦十郎も乱入者のお陰で重傷は負わずに思わぬ活躍をします。
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