聖闘士星矢x戦姫絶唱シンフォギア 13番目の黄金聖衣   作:アンドロイドQ14

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13話 フィーネの正体

市街地

 

 リディアンに戻っている途中、カ・ディンギルが二課本部だという事実に響達は衝撃を受けた。

 

翼「二課本部が…カ・ディンギルだと…?」

 

瞬「星矢が偶然、『カ・ディンギルを建てる立場なら、海とか地下に造り、いざという時に地上に出せるようにする』って言った事で紫龍が閃いたんだ。カ・ディンギルを建造するには地下に造るしかないって」

 

クリス「じゃあ、あたし達はまんまと陽動に引っかかったっていうのかよ!」

 

瞬「そう言わざるを得ない…。それに、沙織さんも陽動だとわかっていたようなんだ」

 

翼「確かに、陽動であってもノイズが出たとなれば動かざるを得ないな…」

 

響「急いでリディアンに戻りましょう!そうしないと、未来や他のみんなが!」

 

瞬「それに関してはよほどの事がなければ大丈夫だよ。こんな時に備えて沙織さんは伏兵を用意していたんだ」

 

響「伏兵?」

 

 そう言ってるうちにゴールドノイズの大群が押し寄せてきた。

 

クリス「またかよ!」

 

瞬「3人とも先へ行って!ここは僕が何とかする!」

 

響「でも…」

 

翼「立花、瞬はそう簡単にやられはしない。私達は防人としての使命を優先しなければならないのだ!」

 

 少し納得がいかなかったが、響はその場を瞬に任せ、翼とクリスと共にリディアンへ急いだ。

 

瞬「(このノイズも僕を足止めするための囮だろう。だけど、野放しにはできない!)」

 

 戦おうとした途端、星矢達が駆け付けた。

 

瞬「星矢、紫龍、氷河!」

 

星矢「遅くなってすまん!」

 

紫龍「敵が予想以上に頑丈で手間取った」

 

氷河「どうやら、こいつらも俺達を足止めするためのノイズのようだな」

 

星矢「さっさと倒して響達と合流しようぜ!」

 

 星矢達はゴールドノイズに向かっていった。

 

 

 

市街地

 

 それは少し前の事だった。慎次の車と共に沙織と美衣を乗せた高級車もリディアンに向かっていた。

 

沙織「邪武、今はどのような状況ですか?」

 

邪武『建物はかなり壊されてるが、幸いにも犠牲者は誰一人として出ちゃいない!』

 

沙織「今の状況では自衛隊と連携し、人命尊重を最優先に考えてください!建物の事はいくら壊されようがかまいません!」

 

邪武『わかってるぜ、お嬢さん!』

 

 そこで邪武は通信を切った。

 

美衣「この状況を想定して邪武達青銅聖闘士5人と白銀聖闘士2人を呼び寄せたのが幸いしましたね」

 

沙織「ですが、私達も急がなくてはなりません!」

 

 そう言ってニケの杖を手にする沙織であった。

 

 

 

リディアン

 

 響達がノイズと戦っている間、リディアンにノイズが出現し、自衛隊と交戦していた。自衛隊ではノイズになすすべもなかったはずであったが…

 

邪武「ユニコーン・ギャロップ!」

 

 星矢達不在の状況でノイズのリディアン襲撃を想定した沙織はあらかじめ邪武達青銅聖闘士5人と魔鈴とシャイナを聖域から呼び寄せていたのであった。このため、ノイズとの戦闘は聖闘士に任せ、自衛隊はリディアンの生徒の避難誘導を行っていた。そして、慎次と沙織、美衣も到着した。そんな中、未来は避難誘導を行っていた。

 

未来「落ち着いて、シェルターに避難してください!落ち着いてね」

 

 そんな中、創世達3人が来た。

 

創世「ヒナ!」

 

未来「みんな!?」

 

弓美「どうなってるわけ?学校が襲われるなんて、アニメじゃないんだから」

 

未来「みんなも早く避難を」

 

詩織「小日向さんも一緒に」

 

未来「先に行ってて。私、他に人がいないか見てくる!」

 

 そう言って未来は先へ向かった。

 

創世「ヒナ!」

 

自衛隊員「君達、急いでシェルターに向かってください!校舎内にもノイズが」

 

 そう言ってるうちにノイズが現れ、自衛隊員を貫こうとした。しかし、『何か』に阻まれた。

 

弓美「な、何?」

 

 そして、沙織と聖衣を纏った美衣が現れ、美衣はノイズを蹴りで倒してしまった。

 

自衛隊員「あなたは…沙織お嬢様!」

 

弓美「沙織さんの秘書が鎧を…」

 

美衣「今は緊急事態で説明している暇はありません!自衛官のあなた、急いでこの子達の避難を!」

 

詩織「沙織さん、校舎に小日向さんが!」

 

沙織「未来さんが!?わかりました、未来さんは私と美衣さんが探します!あなた達は避難してください!」

 

自衛隊員「わかりました」

 

創世「でも、ノイズ相手に大丈夫?」

 

美衣「ノイズが相手でも問題はありません。では、行ってきます!」

 

 そう言って沙織は美衣と共に向かった。すると、ノイズの群れが出てきた。

 

美衣「ここは私に任せてください!エンジェル・スプラッシュ!」

 

 美衣の技でノイズの群れは消滅し、沙織と美衣は先を急いだ。そして、外では邪武達5人と魔鈴、シャイナがノイズ相手に大暴れしていた。

 

蛮「数が多すぎる!」

 

市「全く、ノイズは倒しても倒してもキリがないざんすよ!」

 

檄「市、弱音を吐く暇があるのなら体を動かして倒さんか!」

 

那智「俺達はノイズからこの学校の生徒や避難誘導をしてる自衛隊を守らなきゃならないんだ!」

 

邪武「そうだぜ!小宇宙で守られてる俺達はともかく、普通の人間がノイズに触れたら即死だからな!」

 

 そう言って邪武達はノイズに向かっていった。一方の魔鈴とシャイナは完全にノイズを圧倒して蹴散らしていた。

 

魔鈴「ノイズは聞いた事はあるけど、戦ったのはこれが初めてだよ」

 

シャイナ「(何だ?この妙な胸騒ぎは…?)」

 

魔鈴「どうしたんだい?シャイナ!」

 

シャイナ「魔鈴、邪武達の事を頼んだよ。あたしは妙な胸騒ぎがするからリディアンの中に行く」

 

魔鈴「気を付けるんだよ!」

 

シャイナ「わかってるよ!(蛇遣い座の聖闘士としての直感が何かを告げている…。何かを…)」

 

 自身の直感に従い、邪武達の指揮を魔鈴に任せてシャイナはリディアンに入り込んだ。

 

 

市街地

 

 市街地では、はぐれノイズが徘徊し、フラワーのおばちゃんを襲おうとしていた。ところが…

 

男「いかにも強くて骨のありそうなノイズだな…。わざわざ日本へ来た甲斐があったぜ」

 

 普通、ノイズは人々からは恐怖の存在でしかなかった。しかし、この男はノイズを恐れていなかった。

 

男「おい、死にたくないならさっさとどっか避難しろ!そのまま死にてえのか!?」

 

おばちゃん「あ、ありがとね!」

 

 男に言われ、おばちゃんは逃げた。

 

男「さて、とことんやり合えるな。懸命に生きてる人間を虫けらみたいに殺すてめえらは許せねえんだよ!そして聞かせてくれよ、てめえらノイズの骨の砕ける旋律を!」

 

 ノイズへの怒りと自身の闘争本能を露わにし、男はノイズに向かっていった。普通の人間がノイズに触れると死ぬのだが、男はノイズを殴っても死ぬどころか、ノイズの方が炭になって消えていった。

 

男「さぁ、どんどん来やがれ!」

 

 そう言って男ははぐれノイズ軍団に向かっていった。

 

 

リディアン

 一方、未来は逃げ遅れた生徒がいないか探していた。

 

未来「誰か~、残っている人はいませんか!」

 

 そんな中、突然の振動に未来は怯え、窓を見るとノイズ達と聖闘士の戦いが繰り広げられているのを目の当たりにした。

 

未来「学校が…響の帰ってくる所が…」

 

 そこへ、ノイズが窓を突き破って侵入し、未来に襲い掛かってきた。しかし、慎次が駆け付けて未来を押し倒してノイズの攻撃をかわした。

 

未来「緒川さん!?」

 

慎次「ギリギリでした。次、うまくやれる自信はないですよ。走ります!」

 

 慎次は急いで起き上がり、未来の手を引いて走った。

 

慎次「三十六計逃げるに如かずと言います!」

 

 二課本部へ続くエレベーターに2人は乗り込んだが、ノイズが襲い掛かった。しかし、美衣と沙織が駆け付けた事で事なきを得た。

 

未来「沙織さん!」

 

沙織「この場は私達が死守します!急いでください!」

 

 襲い掛かるノイズを美衣が蹴散らし、無事にエレベーターは下へ降りた。

 

美衣「沙織様、これからどうされますか?」

 

沙織「私達も地下へ向かいます。そして、邪武達にはノイズとの戦いが済み次第、リディアンの生徒の護衛をしてもらいます」

 

美衣「わかりました」

 

 2人は別ルートから地下へ向かった。沙織や美衣、邪武達のお陰で助かった未来はほっとした。

 

慎次「沙織さん達のお陰で何とかなりましたね…」

 

未来「はい…」

 

 それから、慎次は弦十郎に報告していた。

 

慎次「はい、リディアンの破壊は以前拡大中です。ですが、未来さん達や沙織お嬢様が呼び寄せた聖闘士のお陰で何とか人的被害は0に抑えられています。これから未来さんをシェルターまで案内します」

 

弦十郎『わかった、気を付けろよ』

 

慎次「それよりも司令、沙織お嬢様らのお陰でカ・ディンギルの正体が判明しました」

 

弦十郎『何だと!?』

 

慎次「物証はありません。ですがカ・ディンギルとは恐らく」

 

 しかし、エレベーターに何かが落ちてきた。それから、未来の悲鳴が通信機から聞こえた。

 

弦十郎「どうした!?緒川!」

 

 一方、リディアンに入ったシャイナは慎次と未来が乗り込んだエレベーターの前に来ていた。

 

シャイナ「(何だか嫌な予感がするよ…!)」

 

 そう思い、シャイナは扉を破壊して壁蹴りの要領で降りていった。エレベーターでは、屋根を突き破って出てきたネフシュタンの鎧を纏ったフィーネに首を掴まれ、エレベーターの扉に押し付けられていた。

 

フィーネ「こうも早く悟られるとは。何がきっかけだ?」

 

慎次「塔なんて目立つものを誰にも知られる事なく建造するには地下へと伸ばすしかありません。そんな事が行われているとすれば、特異災害対策機動部二課本部、そのエレベーターシャフトこそカ・ディンギル。そして、それを可能とするのが」

 

フィーネ「漏洩した情報を逆手にうまくいなせたと思っていたが…」

 

 下の階へエレベーターが到着して扉が開いた後、フィーネの手から逃れた慎次はすぐに銃でフィーネの心臓目掛けて銃弾を撃ち込んだが、効果はなかった。鎧の色は違っていたものの、慎次にはすぐにわかった。

 

慎次「ネフシュタン…」

 

 そして、慎次は鞭で拘束された。

 

慎次「うわああっ!」

 

未来「緒川さん!」

 

慎次「未来さん…逃げて…」

 

 逃げるように促された未来だが、逃げずにフィーネの後ろから体当たりした。しかし、フィーネは全く動かず、慎次を放り投げて未来の方へ向き、未来の顎を掴んだ。

 

フィーネ「麗しいな、お前達を利用して来た者を守ろうというのか?」

 

未来「利用?」

 

フィーネ「なぜ二課本部がリディアンの地下にあるのか。聖遺物に関する歌や音楽のデータをお前達被験者から集めていたのだ。その点、風鳴翼という偶像は生徒を集めるのによく役立ってくれたよ。ふふふ、はははははっ!」

 

未来「嘘をついても、本当の事が言えなくても誰かの命を守るために自分の命を危険に晒している人がいます!私はそんな人を、そんな人達を信じてる!」

 

 一度は未来から離れたものの、未来の言葉を不快に感じたフィーネは未来にビンタした。

 

フィーネ「まるで興が冷める!」

 

 不快に思ったフィーネは扉を開けようとしたが、端末を慎次に破壊された。

 

慎次「デュランダルの元へは行かせません!この命に代えてもです!」

 

 邪魔をした慎次を殺そうとフィーネは鞭を構えたが…

 

???「待ちな、了子」

 

 突如としてフィーネ達がいる区画の天井が破壊され、弦十郎が現れた。

 

フィーネ「…私をまだその名で呼ぶか?」

 

弦十郎「女に手を上げるのは気が引けるが、2人に手を出せばお前をぶっ倒す!」

 

慎次「司令…」

 

弦十郎「調査部だって無能じゃない。米国政府のご丁寧な道案内でお前の行動にはとっくに気付いていた。もっとも、沙織お嬢様達の方がお前の正体を先に突き止めていたんだがなあとはいぶりだすため、あえてお前の策に乗り、シンフォギア装者と伝説の青銅聖闘士達を全員動かしてみせたのさ」

 

フィーネ「陽動には陽動をぶつけ、伏兵まで用意して被害を抑えたか、食えない男と憎き女神だ。だが、聖闘士でもない貴様がこの私を止められるとでも」

 

弦十郎「おおとも!一汗かいた後で話を聞かせてもらおうか!」

 

 フィーネは鞭で弦十郎を攻撃したが弦十郎は臆せずに突っ込み、もう一本の鞭も天井に移動してからかわしてフィーネにとびかかった。

 

フィーネ「くっ!」

 

 咄嗟にフィーネはかわしたが、肩の部分にヒビが入った。

 

フィーネ「何!?」

 

 慌ててフィーネは弦十郎から距離をとった。

 

フィーネ「くっ、肉を削いでくれる!」

 

 再び鞭で攻撃したが弦十郎は鞭を掴んでフィーネを引き寄せ、腹に拳を叩きつけて吹っ飛ばした。

 

フィーネ「ぐはっ!小宇宙が扱えないのに、聖衣を纏っているわけでもないのに…完全聖遺物を退ける…。どういう事だ?」

 

弦十郎「しないでか!飯食って映画見て寝る!男の鍛錬はそいつで十分よ!」

 

 とても常人には理解できない理論を持ち出しす弦十郎だが、状況であるためツッコミが入らなかった。

 

フィーネ「くっ、聖闘士や海闘士、冥闘士に神闘士などがいなければ貴様が人類最強であったろうな。だがなれど、人の身である限りは!」

 

弦十郎「させるか!」

 

 弦十郎はフィーネにノイズ召喚さえも許さず、ソロモンの杖を弾き飛ばした。そして、殴りかかってきた。

 

弦十郎「ノイズさえ出てこなければ!」

 

フィーネ「弦十郎君!」

 

 フィーネは了子の顔と声で弦十郎を油断させ、不意討ちしようとした。

 

フィーネ「ふっ」

 

???「ちあああっ!」

 

 しかし、思わぬ乱入者に妨害されてフィーネは吹っ飛ばされた。

 

フィーネ「おのれ…、何者だ!?」

 

 出てきたのはシャイナだった。

 

シャイナ「あんたがこの一連の事件の黒幕かい?敵わないから揺さぶりをかけるなんて随分と卑怯な奴じゃないか」

 

未来「あなたは…」

 

シャイナ「あたしは蛇遣座の白銀聖闘士、オピュクスのシャイナ。あんたが二課の司令かい?敵が元同僚だからといって心を揺るがされすぎさ。あたしが来なかったら今頃死んでただろうよ」

 

弦十郎「…これは手厳しい事を言われたな…」

 

シャイナ「この場はあたしに任せてさっさと避難しな」

 

未来「わかりました!」

 

 3人ともその場をシャイナに任せ、避難した。

 

フィーネ「貴様が今の蛇遣座の聖闘士か。ふっふっふっ…、流石は聖闘士同士の内乱や海底神殿の戦い、ハーデスとの聖戦で生き残っただけあるな」

 

シャイナ「アテナからあんたの正体も聞かされたよ。幻の蛇遣座の黄金聖衣はおろか、他の3つの黄金聖衣を盗んだ盗人だってね!蛇遣座の聖闘士としてお前の悪行、特に蛇遣座の黄金聖衣を盗んだ事は許しちゃおけないよ!」

 

フィーネ「ふふふ、ははははっ!私が蛇遣座の黄金聖衣を盗んだ?違うな、もともと蛇遣座の黄金聖衣は私の持ち物にして、相棒なのだ。あくまでも私の手元に戻しただけにすぎない」

 

シャイナ「そんな話は信じられないよ。さっさと聖衣の在り処を教えて私に討たれな!」

 

 そう言ってシャイナは弦十郎にも劣らぬ動きでフィーネに近づいた。

 

フィーネ「何!?」

 

シャイナ「遅い!」

 

 そして、フィーネの腹にパンチを打ち込んだ。

 

フィーネ「ぐはっ!」

 

シャイナ「これで終わりだと思ったら大間違いさ!」

 

 そう言ってシャイナは攻撃の手を休める事なくフィーネを攻撃し続けた。

 

 その頃、弦十郎達は本部へ向かっていたが、そこをノイズが阻んでいた。

 

未来「ノイズ…」

 

弦十郎「聖闘士も奏者もいない今、あれを使うしかないな…」

 

慎次「ですが司令…」

 

弦十郎「何、数分あれば十分だ!」

 

 そう言って沙織からもらった鞄からベアナックルとグローブが一体化したものと靴の上から装着できるブーツを取り出し、装着した。

 

弦十郎「行くぞ!」

 

 そう言うと機械の起動音が聞こえ、弦十郎がノイズを殴るとノイズだけが消滅した。

 

未来「緒川さん、あれは何ですか!?」

 

慎次「あれは奏者不在の状況にノイズが出現した際に備えて麻森博士に開発してもらった司令専用の装備、カイザーナックルとカイザーフットです」

 

未来「カイザーナックルとカイザーフット…?」

 

慎次「鋼鉄聖衣とシンフォギアシステムの技術を用いて造られた代物です。これを装着すればノイズと応戦できます。しかし、同時に肉体に絶大な負荷をかけるので司令以外では扱えない上、一度の稼働時間は5分間で連続使用する際は稼働時間終了後、10分のインターバルが必要となります」

 

 説明の間に弦十郎はノイズを蹴散らし、全滅した頃には5分が経過して強制停止した。

 

弦十郎「よし、一丁あがり!」

 

 再び3人は本部を目指した。フィーネとシャイナの方はフィーネが押されていた。

 

シャイナ「ちあっ、ちああああっ!!」

 

フィーネ「うわああああっ!!」

 

 連続で殴られ、そして渾身のパンチでフィーネは吹っ飛ばされた。

 

フィーネ「おのれ…、小宇宙が使えない肉体だと完全聖遺物だけでは白銀聖闘士にさえここまで不覚をとるとは…」

 

シャイナ「小宇宙が使えない肉体?あんた、随分とおかしな事を言うじゃないか。さっきの言い方といい、まるであんたは昔は聖闘士だったように聞こえるよ」

 

フィーネ「……ふふふ、その通りだ。私はかつては聖闘士だったのだよ」

 

シャイナ「あんたのような奴が元聖闘士だって?そんな話は信じられないよ。さっさとくたばりな!サンダークロウ!!」

 

 シャイナの技、サンダークロウが炸裂し、フィーネは盛大に吹っ飛ばされた。

 

フィーネ「うわああああっ!!」

 

 盛大に吹っ飛んだ後、フィーネは頭から地面に叩きつけられた。

 

シャイナ「こいつで止めだ!」

 

 猛攻を受けて再生が追いつかず、まともに動けないフィーネに止めを刺そうとしたシャイナだったが、フィーネの心臓を貫こうとした手は何かにぶつかった。

 

シャイナ「何!?」

 

 フィーネへの止めを妨害したのは蛇遣座の黄金聖衣だった。

 

シャイナ「バカな!黄金聖衣がフィーネを守っただと!?」

 

フィーネ「ふははははっ!だから言っただろう、この蛇遣座の黄金聖衣は私の相棒だと。私に危機が迫るとこの聖衣はいつでも私の傍に現れ、私に危害を加えようとしたり、聖衣を盗もうとする輩を殺すのだ!」

 

シャイナ「まさか、あんたは…」

 

フィーネ「そう、私は神話の時代では蛇遣座の黄金聖闘士だったのだよ!」

 

シャイナ「神話の時代の人間がなんで現代まで生きていられるんだい!?」

 

フィーネ「それを答える必要はない。なぜなら、お前はここで死ぬのだからな!」

 

シャイナ「小宇宙を扱えない奴には聖衣はただの重りにしかならないよ。それを忘れるとは、長生きしすぎて物忘れしてしまったようだね」

 

フィーネ「ふはははっ!私がそれを忘れているとでも思っていたのか?私はこれまで小宇宙なしでどのようにすれば聖衣の力を扱えるようになるのかを研究してきた。そして、見つけた。このネフシュタンの鎧に黄金聖衣を取り込ませれば小宇宙が扱えずとも、聖衣の力を引き出せると!」

 

シャイナ「何だって!?」

 

フィーネ「光栄に思え、本来ならカ・ディンギルが万一破壊された際の予備策にして、憎きペガサスと仲間達の抹殺に使う予定だったものを貴様に使ってやる事をな!我が相棒よ、ネフシュタンと一体化するのだ!」

 

 そう言うと蛇遣座の黄金聖衣が各パーツに分離し、聖衣の方からネフシュタンの鎧に取り込まれていった。

 

シャイナ「そんなバカな…!」

 

 蛇遣座の黄金聖衣を取り込んだネフシュタンの鎧は禍々しい金色から黄金聖衣のような黄金に変わり、所々に蛇遣座の黄金聖衣の趣向が入った形状となった。

 

フィーネ「ネフシュタンの鎧に取り込む形ではあるが、黄金聖衣をこの身に纏うのは何千年ぶりであろうか…」

 

シャイナ「あたしは白銀聖闘士だけど、蛇遣座の黄金聖衣をあんたの私利私欲に使われるのは同じ蛇遣座の聖闘士として許せないよ!息の根を止めてやる!サンダークロウ!」

 

 再びフィーネにサンダークロウを放ったシャイナだが、フィーネはよける動作もせず、サンダークロウをまともにうけたが、無傷であった。

 

シャイナ「何っ…!」

 

フィーネ「サンダークロウは私の技の劣化版だな。白銀聖衣を纏った所でせいぜい数十万Vぐらいが限界だ。だが、私の技は貴様のサンダークロウとは比較にならんぞ!」

 

 そう言ってフィーネは凄まじい電撃を溜め始めた。

 

シャイナ「あれは…」

 

フィーネ「喰らうがいい!我が雷、プラズマクロウ!!」

 

 雷のような凄まじい電撃の拳がシャイナを襲った。

 

シャイナ「うわあああああっ!!」

 

 サンダークロウとは比較にならない威力のプラズマクロウを受け、シャイナは大きく吹っ飛んで壁に叩き付けられて気を失い、あまりの技の威力に仮面さえ粉々になってしまった。

 

フィーネ「仕留め損ねたか…、完全聖遺物一つだけでは黄金聖闘士の頃の力を引き出せない上、その状態で撃てるプラズマクロウの最大電圧は数千万Vが限界のようだ。やはり、念には念を入れて他の黄金聖衣を取り込む必要があるな」

 

 そう判断したフィーネはソロモンの杖で盗んだ黄金聖衣を持たせたノイズを召喚し、今度は鞭から双子座の黄金聖衣と砕かれた獅子座と乙女座の黄金聖衣を取り込んだのであった。

 

フィーネ「あははははっ!力が、力が漲る!」

 

 3つの黄金聖衣をさらに取り込み、フィーネは狂った笑みを浮かべていた。そして、扉を力で強引に破壊してデュランダルの保管場所に入った。フィーネがいなくなった後、魔鈴が来た。

 

魔鈴「シャイナ、何があったんだい!?」

 

シャイナ「魔鈴、フィーネにやられた…!奴はネフシュタンの鎧に黄金聖衣を取り込ませ、あたしとの力の差をひっくり返したんだ…!」

 

魔鈴「黄金聖衣を取り込んだだって!?」

 

シャイナ「どうやら、盗んだ黄金聖衣もそのためだろうよ…」

 

魔鈴「とにかく、地上に戻るよ!」

 

 魔鈴はシャイナと共に地上へ戻った。一方、フィーネはデュランダルの封印を解除したのであった。

 

フィーネ「目覚めよ、天を衝く魔刀。彼方から此方より現れ出でよ!」

 

 その頃、二課のオペレーター達は響の活躍を見ていた。そこへ、弦十郎達が来た。

 

あおい「司令!」

 

弦十郎「本部に侵入者だ!狙いはデュランダル、敵の正体は櫻井了子だ!」

 

あおい「そんな…」

 

慎次「響さん達に回線をつなぎました」

 

未来「響、学校が、リディアンがノイズに襲われてるの!」

 

 ところが、電源が落ちた。

 

弦十郎「何だ?」

 

朔也「本部内からのハッキングです!」

 

あおい「こちらからの操作を受け付けません!」

 

弦十郎「そんな事ができるのは了子君だけか…。状況は?」

 

朔也「本部機能はほとんどが制御を受け付けません。地上、及び地下施設内の様子も不明です」

 

未来「響…」

 

弦十郎「こうしてはおれん。俺達も行くぞ!」

 

 弦十郎達は指令室を出て外へ急いだ。今、フィーネの邪悪な野望が本格的に動き出したのであった。




これで今回の話は終わりです。
今回は邪武達がノイズと戦うのと弦十郎とフィーネの戦い、そしてシャイナとフィーネの戦いを描きました。
今回の話はある意味ではシャイナが弦十郎の身代わりになった事で弦十郎の活躍がさらに増えた感じです。フラワーのおばちゃんを助けた男は骨とかを聞いていれば聖闘士星矢Ωのある人物だとわかります。
フィーネがネフシュタンの鎧に黄金聖衣を取り込ませてパワーアップするというアイデアはBREAKERZさんのシンフォギアと聖闘士星矢の小説であったものですが、今小説ではさらに3つの黄金聖衣を取り込むのと、フィーネが大事にしていた蛇遣座の黄金聖衣が自らネフシュタンの鎧に取り込まれるというのを描きました。
麻森博士が開発した対ノイズ用の秘密兵器は当初は鋼鉄聖衣にする予定でしたが、そっちよりもカイザーナックルとかの方がいいと判断したため、カイザーナックルとカイザーフットに変更しました。ちなみに、カイザーナックルの元ネタはリングにかけろのカイザーナックルそのまんまです。
次の話はフィーネが黄金聖衣を取り込んだ状態で奏者達の前に現れるという、途方もない絶望的な展開が待っています。
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