聖闘士星矢x戦姫絶唱シンフォギア 13番目の黄金聖衣   作:アンドロイドQ14

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15話 不屈の闘志

リディアン

 

 沙織の登場でそれまで圧倒的な力の差で終始余裕を保っていたフィーネは怒りと憎しみを露わにした。

 

フィーネ「アテナァ、カ・ディンギルを破壊したのは貴様だったのか!?」

 

沙織「その通り、あなたの目を欺くために私はこっそりリディアンに入り込んでいたのです!」

 

 

 

回想

 

 それは、二課本部に入り、カ・ディンギルの心臓部を探していた時だった。沙織は美衣と共にカ・ディンギルの心臓部を見つけた。

 

美衣「あれはデュランダル!」

 

沙織「どうやら、ここがカ・ディンギルの心臓部のようですね」

 

美衣「もうエネルギーが最終チャージ段階に入っています!どうなされるおつもりで」

 

沙織「最終チャージに入っているのであれば、私の小宇宙を注ぎ、一気にエネルギーの過剰供給でカ・ディンギルを破壊します!」

 

美衣「いけません!と言っても、沙織様はそれをなされるおつもりですね?」

 

沙織「付き合わせてすみません、美衣さん…!」

 

美衣「いえ、アテナ様に付き従うのが聖闘少女の役目。この緊急事態では沙織様の判断もやむを得ないでしょう」

 

沙織「では、行きますよ!」

 

 沙織は杖を機械に突き刺し、自分の小宇宙を注ぎ込んだ。

 

沙織「はああああああっ!!!」

 

 沙織はカ・ディンギルの許容量を超えるまで小宇宙を注ぎ込んだ。その結果、カ・ディンギルのシステムからエネルギー過剰供給の警報が鳴ってあちこちが爆発し始めた。

 

沙織「どうやら、過剰供給による破壊は成功のようです!」

 

 それと共に小宇宙を使い過ぎて沙織はふらつき、美衣に支えてもらった。

 

美衣「では沙織様、この場から脱出しましょう!」

 

 そう言って美衣は沙織を連れ、その場を後にした。

 

 

 

フィーネ「何という突撃癖だ!今までのアテナにこれ程の突撃する性格のアテナはいなかった!」

 

沙織「こうでもしなければあなたの目を欺いてカ・ディンギルを破壊する事はできなかったからです!」

 

フィーネ「おのれぇ!!貴様はまたしても私の邪魔をするというのか!!月を破壊して統一言語であの方への想いを伝えるという私のあの方への愛を否定するというのか!!」

 

美衣「(この女、なぜこれほどの怒りと憎しみをアテナ様に…?)」

 

フィーネ「幸い、カ・ディンギルの破壊で力を使い過ぎているようだ!私のあの方への愛を否定した報復としてここで死ね、アテナァ!!」

 

???「フィーネ、お前の相手は俺達だ!」

 

 沙織を殺そうとしたフィーネだったが、突然の声に動きが止まった。

 

沙織「星矢!」

 

 声の主は星矢で、仲間達も到着した。

 

未来「星矢さん!」

 

弦十郎「全く、主役は遅れてやってくるというがな!」

 

星矢「相変わらずの無鉄砲ぶりだな、沙織さん。でも、それが幸いしたのはこれが初めてか?」

 

沙織「どうでしょうね?」

 

弦十郎「よし、敵が聖闘士に気を取られている間に奏者3人の心臓マッサージと人工呼吸を始めろ!」

 

慎次「わかりました!」

 

未来「響は私が担当します!」

 

創世「そっか。ヒナはビッキーの奥さんだもんね」

 

詩織「だったら、私達はあの2人を担当しますので、よろしくお願いします」

 

 人工呼吸は女同士がいいと判断して創世達が翼とクリスの心臓マッサージと人工呼吸を担当し、未来が響を担当した。

 

未来「響、死んじゃやだ!流れ星を見る約束をまだ果たせてないんだよ!だから、死んじゃやだ!」

 

 悲痛な胸の内を露わにして未来は響の心臓マッサージと人工呼吸を行い、他の面々も翼とクリスの心臓マッサージと人工呼吸を行っていた。

 

フィーネ「五感が破壊されているというのに無駄な事を」

 

氷河「どうかな?死んでいなければ意外とどうとでもなるかも知れないぞ」

 

フィーネ「ふん、フェミニスト揃いで色々と甘い所のある貴様らが私に勝てるとでも思っているのか?」

 

星矢「俺は女の人を殴れない。だけど…お前のような悪女は別だ!響達をあんな目に遭わせたからには、仕返しで徹底的にタコ殴りにしてやる!」

 

フィーネ「生意気な事を言うな、ペガサスめ!私はアテナとペガサスが許せんのだ!特に貴様ら2人は念入りに殺す!!」

 

瞬「沙織さんは下がって」

 

紫龍「フィーネは俺達が奴を倒す!」

 

 沙織は美衣と共に下がり、星矢達が前に出た。

 

フィーネ「双子座のサガ、神闘士、ポセイドン、ハーデスを退けた伝説の青銅聖闘士共よ、この私が貴様らの伝説をここで終わらせてやろう!」

 

瞬「その前に聞きたい事がある。あなたがデュランダル護送の際に話した伝説は全部嘘だったのか?」

 

フィーネ「ご先祖様という所だけな。後は全て本当だ」

 

瞬「なぜそういった嘘をついたんだ?」

 

フィーネ「嘘をつく際は多少は真実を混ぜた方が自然と信じられるであろう。もっとも、私の話した事は大半が真実でほんの少しだけ嘘だったがな」

 

瞬「だとすると、あなたはなぜ復活できたんだ!?」

 

 フィーネは奏者達に話した事を再度星矢達にも説明した。

 

氷河「まさに過去から蘇る亡霊…!」

 

フィーネ「そう。私は神話の時代において蛇遣座の黄金聖闘士になるまで様々な形で聖域と関わってきた。医者、聖衣の修復師としても」

 

氷河「聖衣の修復師だと?そう言えば、貴鬼の聖衣の修復スピードが早くなったのは了子がコツを教えたとか…」

 

フィーネ「ほんの余興と早く黄金聖衣を直してほしいという実益も兼ねてコツを教えたのだよ。話の続きだが、私はあの方にもう一度会うためには人の身を捨て、神になるしかないと悟った。だから、私は聖衣の修復師の経験を積んでから次の目覚めの時に必死に修行を積んで黄金聖闘士となり、医者や修復師の経験も活かして病や怪我に苦しむ人々を救い、聖衣が壊れて困っている同僚を助けるなりして周囲から神のようだと言われていた。そんな人々の姿に私も心を癒され、神になるために精進せねばと思った…」

 

紫龍「神になろうとした?まさかフィーネ、お前は…」

 

フィーネ「そう、私こそ蛇遣座の黄金聖闘士の伝説に登場する黄金聖闘士、蛇遣座のアスクレピオスの正体なのだよ!」

 

 その事実に星矢達は衝撃を受けた。

 

紫龍「超先史文明の巫女のお前が伝説に伝わる蛇遣座の黄金聖闘士で、伝説と違って最初から神になろうとしていたというのか!?」

 

フィーネ「そうだ。私は他人に迷惑などかけず、むしろ積極的に助けていた。それだというのに、人の身から神になろうとするのをアテナを始めとする神々は許さなかった!そんな私をアテナは聖衣共々追放し、しかも追っ手としてペガサスを差し向け、私を殺したのだ!」

 

氷河「だから、沙織さんと星矢にあれ程の憎しみを向けていたのか」

 

フィーネ「殺されてから再び目覚めた後、私は歴史の転換期以外にも聖戦にも関わってきた。ある時はハーデスの冥闘士、ある時はアスガルドの神闘士、ある時はポセイドンの海闘士として様々な勢力の戦士として戦った。だが、黄金聖闘士の頃のような充実感は全くといっていいほどなかった。特にアスガルドはつまらん風習に囚われ、苦しまなくていい苦しみを味わう輩がたくさんいる下らん国だからな」

 

星矢「何だと!?アスガルドを下らない国だと!?俺達が戦った神闘士はほとんどが誇り高い戦士達だったのだぞ!お前はそれでもかつてはアスガルドの神闘士だった身なのか!?」

 

フィーネ「貴様らの視点ではそうでも、私からしたら下らん国だ。聖闘士の頃は人格と実力が認められ、素顔のままでいても誰も咎めはしなかったが、神闘士の頃は女の神闘士は前例がないとしてアスガルドの民はおろか、同僚の神闘士でさえ私に白目を向けてきたのだ。そんな国を下らん国と言って何が悪い?たかが十数年生きただけのガキと何千年も様々な視点から見てきた私とでは見てきた世界が違う!」

 

 他人の体を乗っ取りながら何千年も生きてきたフィーネの言葉に星矢達は反論のしようがなかった。

 

紫龍「だが理由がどうであれ、お前の悪行は今は亡き天秤座の童虎の弟子、このドラゴン紫龍が絶対に許さん!」

 

星矢「そして、俺達が必ず倒す!」

 

フィーネ「やってみるがいい、伝説の青銅聖闘士よ!」

 

 そう言ってフィーネはカ・ディンギルの中からサイコキネシスでデュランダルを取り出し、ネフシュタンの鎧に取り込んだ。

 

氷河「デュランダルを吸収した?」

 

フィーネ「これで私は無限のエネルギーと再生能力、全盛期を超えるパワーと耐久力を手に入れた!例え黄金聖闘士レベルの聖闘士が何人束になってかかってこようとも、私には勝てない!」

 

氷河「それを勝手に決めつけるのは早いぜ!」

 

瞬「僕達は今まで普通に戦っても勝てない敵と戦い、勝利してきた!」

 

紫龍「例えお前が完全聖遺物と黄金聖衣の力で黄金聖闘士が束になってかかっても勝てないとしても」

 

星矢「俺達は必ず倒してみせる!」

 

 そう言って星矢達は小宇宙を燃やし、聖衣が黄金に輝いた。

 

未来「星矢さん達の鎧が金色に!」

 

弦十郎「本気で挑むようだな」

 

 星矢達が本気である事を弦十郎は悟っていた。そして、フィーネは光速拳を放ったが、星矢達は軽々とかわした。

 

星矢「お前の光速拳はそれだけか?」

 

フィーネ「これはほんの小手調べだ。この技を見て驚け、ライトニングプラズマ!」

 

 アイオリアが使っていた光速拳、ライトニングプラズマが星矢を襲ったが、星矢は軽々とかわした。

 

星矢「フィーネ、聖闘士に一度見た技は通用しない!そして何より、そんな魂のこもっていないそのライトニングプラズマはアイオリアのものよりもずっと遅い!」

 

フィーネ「やはり、アイオリアの技は通用しないか…」

 

星矢「今度はこっちの番だ!ペガサス、流星拳!」

 

 光速拳と化した流星拳がフィーネ目掛けて放たれるが、あまり効いていなかった。

 

フィーネ「その程度の技は私には通用しない!」

 

 再びフィーネは至近距離から星矢目掛けて光速拳を放とうとした。

 

紫龍「危ない!」

 

 咄嗟に紫龍は盾でフィーネの光速拳を防ぎ、カウンターでパンチを打ち込もうとしたが、フィーネの拳の前には黄金聖衣に限りなく近づいたドラゴンの盾はあっけなく砕け、同時にフィーネを殴ったドラゴンの拳も砕けてしまった。

 

紫龍「(そんなバカな!黄金聖衣に限りなく近づけたドラゴンの盾と拳があっけなく砕けただと!?まさか、予備策にあった4つも黄金聖衣を取り込んだ影響なのか!?)」

 

フィーネ「驚いているようだな、ドラゴン。このネフシュタンの鎧は黄金聖衣を4つも取り込み、黄金聖衣の4倍もの強度を得ている。例え88の聖衣の中で最硬を誇るドラゴンの盾と拳をいかに黄金聖衣に近づけようとも、黄金聖衣の4倍もの強度の前では無力だ!」

 

 驚いた紫龍の隙を突き、フィーネは光速拳を放とうとした。

 

瞬「ネビュラチェーン!」

 

氷河「ダイヤモンドダストォ!」

 

 瞬と氷河は同時に技を放ったが、チェーンはネフシュタンの鎧の鞭とのぶつかり合いにあっけなく負けて砕け、ダイヤモンドダストを受けても表面が凍っただけだった。

 

フィーネ「無駄な事を。この鎧の鞭も黄金聖衣の4倍の強度だ。だから、そんな鎖は通用しない。そして、そんな凍気ではこのネフシュタンの鎧を凍結させる事は不可能だ」

 

星矢「フィーネめ…、攻撃も防御も全く隙がない…!」

 

瞬「なぜ、双子座と獅子座と乙女座の聖衣を奪ったんだ?」

 

フィーネ「簡単な事だ。その3つの聖衣をそれぞれ纏っていたアイオリア、シャカ、サガは黄金聖闘士は指折りの実力者だからだ。そして、聖衣に宿る意思への嫌がらせも兼ねて奪ったのだよ。デスマスクやアフロディーテのような聖衣に見放されたり、青銅如きに手加減された愚か者の聖衣など纏うに値しない!」

 

星矢「どうやら、聖闘士としてのプライドだけは何千年経っても持っているようだな」

 

フィーネ「当たり前だ。黄金聖闘士の頃が私にとってあの方といた頃に並ぶ充実感があったのだからな。それ故に、青銅如きに負けて死んだ事が我慢ならないのだ!!」

 

 再びフィーネは光速拳を放ってきて、星矢達は何とかかわした。

 

フィーネ「最早貴様らに勝ち目はないのだ!」

 

紫龍「それは違うぞ、フィーネ!聖闘士の戦いは聖衣で決まるものではない、小宇宙を高めた者が勝つのだ!」

 

 そう言って紫龍は聖衣を脱ぎ捨てた。

 

フィーネ「お得意の脱衣ときたか」

 

紫龍「フィーネ、老師直伝の奥義を受けてみろ!廬山昇龍覇!!」

 

 自身を追い込み、小宇宙を高めて紫龍は廬山昇龍覇をフィーネに放った。しかし、昇龍覇をまともに受けてもネフシュタンの鎧はほんのちょっとヒビが入っただけだった。

 

紫龍「昇龍覇を受けても微動だにしない上、これだけしかヒビが入らないだと!?」

 

フィーネ「これが貴様らの限界だ。どれだけ頑張って黄金聖衣の4倍の強度を持つ私の鎧を砕くほど小宇宙を高めてもこの程度しかヒビは入らないのだ。そして、その苦労も無駄に終わるのだよ!」

 

 そして、紫龍の渾身の一撃がムダであるかのように鎧が再生していた。

 

星矢「再生した!?」

 

瞬「紫龍、離れて!」

 

フィーネ「もう遅い!」

 

 驚いている紫龍にフィーネは光速拳を放ち、吹っ飛ばした。

 

紫龍「うわあああっ!!」

 

星矢「紫龍!」

 

 星矢は勢いに任せ、突っ込んでいった。

 

星矢「これならどうだ!?ペガサス、彗星拳!」

 

 流星拳を一点に集中させた彗星拳でも結果は同じであり、ネフシュタンの鎧にとても小さなヒビしか入らず、逆にフィーネの反撃で吹っ飛ばされた。

 

瞬「なんて防御力なんだ!」

 

星矢「くそっ、どうしたらいいんだ!?」

 

紫龍「星矢、フィーネに迂闊に突っ込んでいっても反撃されるだけだ」

 

星矢「じゃあ、どうすりゃいいんだよ?」

 

氷河「星矢、紫龍、俺が奴の鎧を凍らせる。いくら再生する鎧でも凍結すれば再生できないはずだ。例え一部しか完全に凍結させる事ができなくても、そこを攻撃すれば何とかなるはずだ」

 

紫龍「よし、頼むぞ!」

 

 氷河が前に出た。

 

フィーネ「作戦会議は終わったのか?」

 

氷河「フィーネ、お前の鎧は頑丈さと再生能力が自慢のようだが、それを俺の凍気で全て無効化してやろう!凍結リング!」

 

 時間稼ぎのため、凍結リングでフィーネの動きを封じたが、氷河本人も考えた通り、数秒でフィーネは破った。

 

フィーネ「そんな技で」

 

 しかし、ほんの少しだけでも時間を稼げたため、小宇宙を高め、カミュとの戦いで会得した奥義の構えをとった。

 

氷河「受けてみろ、我が師カミュ最大の奥義、オーロラエクスキューション!!」

 

 絶対零度の凍気が放たれた。フィーネは鞭で防御しようとしたが、ネフシュタンの鎧は凍結し始めていた。

 

フィーネ「これは絶対零度!?だが、それ以上の熱を出せば凍りはしない!」

 

星矢「うおおおおっ!!」

 

 フィーネはデュランダルの無限のエネルギーで鎧は凍っても何とか体だけは凍らないように抵抗していたが、即座に星矢が彗星拳を放ってきた。完全に凍り付いた左胸の部分に彗星拳を受けたため、命中した箇所はあっけなく砕かれ、心臓部が無防備になった。

 

星矢「紫龍、締めは頼むぞ!」

 

紫龍「任せろ、星矢!受けよ、シュラから授かりし聖剣、エクスカリバー!」

 

 シュラから授けられたエクスカリバーで紫龍は無防備になったフィーネの左胸の部分を貫いた。

 

フィーネ「うわあああああっ!!」

 

 心臓をエクスカリバーで貫かれたフィーネは動かなくなった。

 

星矢「やった、やったぞ!」

 

紫龍「やっと一矢報いたな!」

 

 それと時を同じくし、心臓マッサージと人工呼吸をした事で奏者達の心臓は動き出した。

 

慎次「3人の心臓が動き出したようです」

 

未来「よかった…」

 

創世「人工呼吸という形だけど、未来は響とキスできたもんね」

 

未来「そ、それは…」

 

弦十郎「これでひとまず安心だな」

 

 3人の一命をとりとめる事ができた事に未来達は安心した。

 

瞬「まだ終わってないよ!急いで」

 

 瞬が呼びかけようとしたその時、鞭が動いて氷河を拘束し、近くにいた星矢と紫龍は心臓を貫かれたはずのフィーネに掴まれた。

 

氷河「うわっ!」

 

瞬「星矢、紫龍、氷河!」

 

 心臓を貫かれたフィーネが動いた事に未来達も衝撃を受けていた。

 

弦十郎「何だと!?」

 

弓美「心臓を貫かれても生きているなんて!」

 

美衣「やはり、そうなりましたか…」

 

未来「そうなったって、どういう事なんですか!?」

 

沙織「フィーネは再生能力を持つ完全聖遺物、ネフシュタンの鎧と一体化していたのです。だから、フィーネは心臓を貫かれても死ぬことがないんです」

 

未来「そんな…!」

 

 星矢達が苦労してやっとフィーネを倒したと思いきや、死んでいなかった事に未来達は衝撃を受けた。

 

フィーネ「これで心臓を貫かれたのは2回目だな。ネフシュタンの鎧と一体化していなければ貴様らが勝っていただろう」

 

紫龍「瞬が手に入れた情報を聞いていたが、やはりフィーネは響のケースを参考にしてネフシュタンの鎧と一体化していたから、一輝に心臓を貫かれても死ななかったのか!」

 

フィーネ「そう!だが、もっとデータ集めと時間をかけてから融合をやりたかったが、予想以上に一輝が私の元に来ていたから賭けでやらざるを得なかったがな。しかし、私は賭けに勝った!もはや貴様らが鎧を砕こうが、心臓を貫こうが私を殺す事はできない!私の勝利は確定したも同然だ!」

 

 そう言ってフィーネは鞭や手から電撃を流した。

 

星矢達「ぐああああっ!!」

 

 フィーネの電撃はかなりの威力であり、まともに受けた星矢達はふらついていた。

 

星矢「この電撃はシャイナさんのサンダークロウとは比較にならない威力だ…!」

 

紫龍「まだ…体が痺れているようだ…」

 

フィーネ「貴様らは我が最大の技にして、一千億Vの拳で葬ってくれよう。プラズマクロウ!」

 

 自然の雷を軽く凌駕する一千億Vの電撃の拳、プラズマクロウが放たれ、電撃を受けてふらついている星矢達はよけられずに直撃した。

 

星矢達「うわああああっ!!」

 

 フィーネの電撃の拳は黄金聖衣に限りなく近づけた星矢達の聖衣さえ簡単に砕き、猛烈な電撃をまともに受けた星矢達はまともに立てないほどのダメージを受けた。

 

瞬「星矢、紫龍、氷河!」

 

 星矢達が倒された事に未来達は衝撃を受けていた。

 

未来「星矢さーーん!!」

 

 星矢達を立てない状態にした後、フィーネは憎んでいる星矢に狙いを定めた。

 

フィーネ「ペガサス、まず貴様から殺してやる…!」

 

 ところが、風がフィーネの体に絡みつくように拘束していた。

 

フィーネ「これは…」

 

瞬「フィーネ、あなたは二課のみんなを完全にだましたわけじゃないはずだ。だから、もう一度了子さんとして」

 

フィーネ「ふん、貴様は兄に勝るとも劣らぬ才能を持ちながら、その甘さで全く生かせていない。その程度の技で私の動きを封じる事ができたと思うな!」

 

 突如瞬の足元からネフシュタンの鎧の鞭が出てきて瞬を拘束した。

 

瞬「そんな!地面から出てくるなんて!」

 

フィーネ「立場逆転だな。貴様は本当に甘い。今まで見てきた聖闘士の中でも最も甘い!」

 

 そう言った後、もう片方の鞭で瞬の脇腹を貫いた。

 

瞬「がはっ…!」

 

フィーネ「邪魔をしたから貴様を殺す!」

 

 フィーネは片方の鞭で瞬の首を締め、両方の鞭で首を落とし、体を引き裂こうとした。

 

瞬「うわっ、うわああああっ!!」

 

フィーネ「ふはははっ!ちょっとでも力を入れれば貴様の首は落ち、体は引き裂かれるぞ。行くかな?ポトリと」

 

 そのままフィーネは瞬の首を落そうとした。ところが、ある乱入者により、鞭は焼き切られたのであった。

 

フィーネ「何!?(それに…この攻撃的な小宇宙は…)」

 

 小宇宙が使えない了子の肉体でも小宇宙を感じる能力は使えたのか、感じた事のある小宇宙に気付いた。

 

???「フィーネ、星矢達を…特に瞬を殺そうとしたことは絶対に許さんぞ!」

 

 攻撃的な小宇宙と共に一輝が姿を現した。

 

フィーネ「貴様は…フェニックス!」

 

瞬「兄さん、やっぱり来てくれたんだね……」

 

一輝「ああ、勿論だ」

 

 今度は一輝がフィーネと対峙した。

 

瞬「兄さん、フィーネはネフシュタンの鎧と一体化しているから心臓を貫いても死なないんだ!」

 

一輝「何だと!?では、あの時の違和感の正体がネフシュタンの鎧とやらと一体化していた事だったのか!」

 

フィーネ「そう、貴様が予想以上に早く来たから賭けでやったのだがな。フェニックスよ、貴様の幻魔拳とやらもいい夢を見せてもらった。貴様は聖衣だけが永久の存在でどうされても生きて帰れる悪運が強いだけの人間。しかし、ネフシュタンの鎧と一体化した私は文字通り不死身の存在だ。貴様の技は二つとも不死身の私には通用しない。私の勝利は既に確定している」

 

一輝「どうかな?貴様が再生するのなら、俺は小宇宙を高め、貴様が再生できないように完全に焼き尽くすだけだ!」

 

フィーネ「フェニックスよ、双子座のサガとカノンの兄弟にボコボコにされたのを思い出すがいい、ギャラクシアンエクスプロージョン!」

 

 フィーネはギャラクシアンエクスプロージョンを放ったが、一輝は防ぎ切った。

 

一輝「貴様のギャラクシアンエクスプロージョンなど、カノンの足元にも及ばん」

 

 反撃に一輝は指先から光速の幻魔拳を放ち、フィーネに幻覚をかけた。

 

フィーネ「ふっ、そんな攻撃で」

 

 一輝の光速拳が飛んできてフィーネはよけずに受け、再生させようとした。しかし、光速拳を受けた箇所は再生するどころか、どんどん朽ち果てていった。

 

フィーネ「そ、そんな!ネフシュタンの鎧と一体化した私が朽ち果てていくだと!?うわああああっ!!」

 

 どんどんフィーネの体は朽ち果てていった。しかし、これは幻覚であり、それはフィーネもわかっていた。

 

フィーネ「フェニックス、幻魔拳は通用しないと言ったはずだ」

 

一輝「ふっ、これは単なる時間稼ぎ。俺の小宇宙を高めるためのな!」

 

 一輝は小宇宙を高め、聖衣が黄金に輝いた。

 

フィーネ「面白い!ならば、我が雷で迎え撃ってくれる!プラズマクロウ!」

 

一輝「喰らえ、鳳翼天翔!!」

 

 炎の拳と雷の拳がぶつかり、激しいぶつかり合いの末、どっちも吹っ飛んだ。しかし、フィーネの鎧は少しのヒビしか入らず、一輝の聖衣の方は完全に砕けてしまった。

 

一輝「(何という威力だ…、ぶつかり合った際に黄金に限りなく近づけた鳳凰の聖衣が砕けてしまうとは…)」

 

フィーネ「貴様は悪運が強くて最もしぶといから、サガやカノンでも送り込めない別のより複雑な異次元の迷路へ送り込んでくれるわ!アナザーディメンション!」

 

一輝「うわああああっ!!」

 

 一輝はアナザーディメンションで異次元へ飛ばされた。

 

瞬「兄さ~~ん!!」

 

フィーネ「お前も邪魔だ!」

 

瞬「うわああっ!」

 

 ついででフィーネは瞬を吹っ飛ばした。

 

弦十郎「伝説の青銅聖闘士が全員倒されたとは…」

 

 星矢達が全員倒された事に未来達はショックを受けていた。

 

フィーネ「さて、改めてペガサスの抹殺に専念できるな。おっと、その前に邪魔が入らんようにしなければ」

 

 フィーネは五感を潰す光速拳で紫龍と氷河の五感を潰し、改めて星矢を抹殺することにした。

 

フィーネ「ペガサス…私は貴様が憎かった…!腸が煮えくり返るほど憎く思っていたぞ!!」

 

 フィーネは何千年も抱いていたペガサスの聖闘士への憎悪を露わにし、鞭で拘束してから星矢に殴るけるの容赦のない攻撃を浴びせた。

 

星矢「ぐはっ!」

 

フィーネ「私は神話の時代のペガサスの聖闘士に負けて殺された!黄金聖闘士たる私が青銅に負けたのだぞ!それだけなら私はアテナへの憎悪を優先させただろう。だが……私が青銅に負けたという事実以外に最も許せん事がある…。それは…、貴様がアテナに想いを寄せている事だ!!」

 

星矢「沙織さんに…?」

 

フィーネ「アテナは私のあの方への愛を否定したのだぞ!それだというのに、今のアテナはペガサスを愛し、貴様もアテナを愛しているではないか!!私の神と人の愛を否定しておきながら、自分は人間と相思相愛になっている!そんなアテナとペガサスを許しておけるものか!!」

 

 猛烈な怒りと憎しみと嫉妬でフィーネは星矢を攻撃し続けていた。

 

沙織「星矢…!」

 

美衣「いけません、沙織様!」

 

 美衣の制止を振り切り、沙織は星矢の元へ向かった。

 

星矢「…いくら自分の愛を否定されたからといって他人の愛に嫉妬するなんてみっともないぜ…。俺も沙織さんも辛い事や苦しい戦いを乗り越えてきたんだ…」

 

フィーネ「貴様という男は…!ならばアテナへの報復としてこの場で命を絶ってやる!」

 

???「おやめなさい!」

 

 星矢に止めを刺そうとするフィーネに響いたのは沙織の声だった。

 

沙織「フィーネ、星矢を殺させはしません!そんなに私が憎いのであれば、星矢ではなく私の命を奪いなさい!」

 

フィーネ「わざわざ愛する男を守るために殺されにきたのか…。ならば貴様が死ねえ、アテナァ!!」

 

 拘束している星矢を放り投げ、フィーネは鞭で沙織を貫いて殺そうとした。

 

星矢「ぐはっ…!」

 

沙織「星矢!」

 

 しかし、星矢が盾になって鞭に貫かれた事で沙織は貫かれる事はなかった。

 

沙織「星矢、なぜ私の盾に…?」

 

星矢「…俺は女の人を盾にする事はできない…。それに…、沙織さんを盾にするのはもっと嫌なんだ…。女の人の盾になるのが…男の役目だ…」

 

沙織「星矢…」

 

フィーネ「貴様ら…、私の前で愛に燃えているばかりか、月の破壊まで邪魔して!!月の破壊はバラルの呪詛を解くと同時に重力崩壊を引き起こす惑星規模の天変地異に人類は恐怖し狼狽え、そして聖遺物の力を振るう私の元に帰順するはずであった!痛みだけが人の心を繋ぐ絆!たった一つの真実のなのに!それを、それを貴様らは、貴様らはぁ!!!」

 

沙織「痛みが人の心を繋ぐ絆というのは間違いです!人の心を繋ぐ絆は勇気、友情、優しさ、そして愛なのです!愛なき絆は強くありません!」

 

フィーネ「何だと!?」

 

星矢「それにな…、俺と沙織さんは最初は仲は最悪だったんだぜ…。色々と反発し合ったりもした…。けどな…、互いを気遣ったり、共に戦う中でお互いが特別な存在だと想い合うようになったんだ…」

 

フィーネ「そいつが女神だからか?」

 

星矢「違うぞ、フィーネ…。俺は沙織さんが女神アテナだから従ってるんじゃない…、女神である前に…俺にとってとても大切な人だから共に戦うんだ…。聖闘士は地上の愛と平和を守るのが使命だが…、身近にいる大切な人を守れないようじゃ地上の愛と平和なんて守れはしないんだ!!」

 

 星矢の小宇宙の高まりにフィーネは怯んだ。

 

フィーネ「な、何だ!?ペガサスの小宇宙はまだ高まるというのか!?」

 

星矢「フィーネ…、お前は昔は聖闘士でありながら、聖闘士の神髄を忘れてしまったようだな…。聖闘士の戦いは聖衣で決まるんじゃない…、小宇宙で決まるんだ!例えエネルギーが無限の聖遺物を得たとしても、本物の小宇宙には及ばない!!」

 

 そのまま星矢は自身を貫いている鞭を握り潰し、抜いたのであった。

 

フィーネ「(この光景…、神話の時代に私がペガサスに殺された時と同じだ!それに、あの小宇宙は何だ!?)」

 

星矢「ペガサス、流星拳!」

 

 セブンセンシズを超えた小宇宙にフィーネは理解できないままペガサス流星拳で吹っ飛ばされた。

 

フィーネ「ぶ、分散させているのにヒビが…!だが、いくら小宇宙を高めようとも私を倒す事はできんのだ!」

 

星矢「それでも俺は諦めない…。俺達は今まで神が相手でも最後まで諦めずに戦い、勝ってきたんだ…!例え本当に不死身の敵であっても…、俺は…、俺は絶対にあきらめない…!」

 

 星矢に感化されるように五感を破壊された紫龍と氷河も立ち上がった。

 

フィーネ「そんなバカな!五感を破壊したはずなのになぜ…!?」

 

紫龍「フィーネ、セブンセンシズは五感を補完できるのを忘れたのか…?」

 

氷河「俺達も星矢と同じだ…。例え体が粉々にされようとも…、五感を破壊されようとも…、俺達は最後まで戦う!」

 

星矢「燃えろ、俺達の小宇宙よ!!」

 

 

 

城戸邸

 

 同じ頃、3つの黄金聖衣の修復が完了したのと同時に星矢達の小宇宙の高まりに反応し、黄金聖衣は飛んでいった。

 

貴鬼「黄金聖衣が!」

 

 急に飛んでいった黄金聖衣に貴鬼は驚いた。

 

 

 

リディアン

 

 飛んでいった黄金聖衣は星矢達の元に来た。

 

フィーネ「黄金聖衣だと!?」

 

星矢「貴鬼の奴、修復が完了したんだな!」

 

紫龍「それに、この小宇宙は懐かしい…」

 

 黄金聖衣が近くに来たのと同時にそれぞれの黄金聖衣の後ろにアイオロス、童虎、カミュの幻影が出た。

 

紫龍「老師…」

 

氷河「カミュ…」

 

星矢「アイオロス…」

 

童虎『紫龍よ、お前は幾多の戦いを経てわしの後継者に相応しくなったな』

 

カミュ『セブンセンシズの維持ができた今、氷河よ、お前を正当な水瓶座の黄金聖闘士として認めよう!』

 

アイオロス『立派になったな、星矢。今こそ新たな射手座の黄金聖闘士と認め、共に戦おう!』

 

 各黄金聖衣に宿る前任者の魂は星矢達を正当な黄金聖闘士と認め、それぞれに装着された。

 

フィーネ「ふん、今更黄金聖衣を纏った所で」

 

星矢「アイオロス、お前から受け継いだ技を使わせてもらうぞ!アトミック・サンダーボルト!」

 

 聖衣を通してアイオロスから継承した技、アトミックサンダーボルトが放たれた。 

 

フィーネ「うわあああっ!!」

 

 アトミックサンダーボルトをまともに受けたフィーネは大きく吹っ飛ばされ、ネフシュタンの鎧も今まで以上に破壊されていた。

 

フィーネ「そ、そんなバカな!黄金聖衣を纏っただけで黄金聖衣の4倍もの強度になったネフシュタンの鎧が!」

 

紫龍「さっきも言ったはずだ、フィーネ!聖闘士の戦いは小宇宙で決まると!」

 

星矢「その様子ではお前は聖闘士の頃はエイトセンシズには至らなかったようだな」

 

フィーネ「エイトセンシズだと!?」

 

氷河「それを身に付けたからこそ、俺達は生身で冥界へ行き、ハーデスとの戦いを完全に終わらせる事ができたんだ!」

 

フィーネ「おのれ!だが、私は不滅だ!ネフシュタンの鎧の神髄は再生にある!」

 

 星矢の攻撃による鎧の破損が再生してしまった。

 

星矢「再生するのなら、再生が追いつかなくなるほどの攻撃を加えればいいだけだ!仕切り直しだ、フィーネ!」

 

 新たな黄金聖闘士となった星矢達とフィーネの戦いが再び始まった。

 

 




これで今回の話は終わりです。
今回は青銅一軍とフィーネの戦いを描きました。
フィーネのネフシュタンの鎧は黄金聖衣を4つ取り込んで黄金聖衣の4倍の強度となりましたが、だいたいはΩの1級パラサイトが装着しているクロノテクターにいくらヒビを入れても再生してしまうような感じで考えてください。フィーネのプラズマクロウの最大電圧が一千億Vなのは、聖闘士星矢では光速などといったぶっ飛んだ設定の技が多いので、電気系の技も自然界を超える電圧でないとインパクトが出せないと判断したからです。
この話のラストは映画のお約束である黄金聖衣装着ですが、黄金聖衣に宿る前任者の魂に認められ、正式な黄金聖闘士になるシーンにしました。聖闘士星矢の派生作品の中にはΩやエピソードGアサシンといった星矢達が黄金に昇格しているのがあったので、今小説ではその昇格がやりたかったのもありました。異次元に飛ばされた一輝ですが、どうせ帰ってくるという予想が多いように次の話で帰ってきます。
次の話は奏者が復活し、星矢達と共に反撃のターンになります。
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