聖闘士星矢x戦姫絶唱シンフォギア 13番目の黄金聖衣 作:アンドロイドQ14
リディアン
私立リディアン音楽院では、入学式を控え、少女2人が引っ越しの準備をしていた。
響「待ってよ~、未来!!」
未来「響が寝坊するのが悪いじゃない!」
そう言いながらも2人は微笑ましい様子で準備をしていたが、途中で響は転んでしまった。
響「いてっ!」
転んだ響はペガサスのタグを落とした。
響「よかった~、あの人にもらったタグが壊れてなくて!」
未来「このタグをくれた人って、あの人達だよね?」
響「うん。私を地獄の日々から救ってくれた人…!」
回想
それは、2年前のツヴァイウイングのライブの際、ノイズ襲撃から生き延びた響は激しいバッシング等を受けるという、地獄の日々を過ごしていた。それからしばらく後、バッシングをする人々の姿を偶然通りかかった星矢と沙織が目撃した。
沙織「車を止めてください」
運転手は車を止め、星矢と沙織は降りてバッシングを浴びせる人々の所へ来た。そこには、バッシングを受けて泣いている響の姿があった。
星矢「あいつら…、何の罪もない女の子を泣かせやがって…!」
人々に激怒した星矢と沙織は響を庇うように立ちはだかった。
民衆「なんだ、てめえは!そいつを庇い建てするのか!?」
星矢「ああ、そうだぜ。こんな人数で何の罪もない女の子をいじめるなんて、性根が腐ってるんじゃねえのか?」
民衆「何の事情も知らない奴が口を挟むんじゃねえ!」
沙織「皆さん、このようなみっともない事をして恥ずかしくないのですか!?この子には何の罪もないのです!この子を責め立てるのであれば、私にバッシングをしなさい!」
沙織の一喝で民衆は怯むと共に、顔を見て驚いた。
民衆A「あの女、グラード財団の総帥、城戸沙織じゃないのか!?」
民衆B「だとしても、あいつを庇い建てするのなら、誰であろうと許すな!」
結局、民衆は沙織の話を聞かなかった。それどころか、暴徒化した1人が沙織に殴りかかったが、星矢にボコボコにされた。
民衆「こ、こいつ、強え…!」
沙織「先に手を出した以上、あなた達には容赦はしません!星矢、恥ずべき行為を行う彼等を懲らしめなさい!」
星矢「任しとけって、沙織さん!」
数で民衆は星矢と沙織に襲い掛かったが、星矢によってあっけなく返り討ちにあった。
民衆「ば、化け物だ…!」
星矢「この子をいじめるのをやめるなら、これくらいで勘弁してやるぜ。どうする?」
民衆「くそっ!!」
星矢に恐れをなした民衆は逃げていった。
響「助けてくれて…、ありがとうございます…!その…どうして私を…。私を庇ったらあなた達が…」
星矢「あんな風にひどい事をされてる人を助けるのに理由がいるのか?」
沙織「あなたがそれを気にする事はありません。私達は人として当然の事をしたまでです。あなたにバッシングする人々の矛先が私達に向けられるのは迷惑ではなく、好都合です」
星矢「それじゃ、俺達は帰るぜ。もし、またいじめられでもしたら、沙織さんの家に遠慮なく電話してくれよ。俺達も力になるからさ」
沙織の家の電話番号を書いた紙を響に渡した後、星矢と沙織は帰ったのであった。そして翌日、響を庇った沙織はマスコミやツヴァイウイングのライブの際のノイズ襲撃事件の遺族などからのバッシングの矛先が向けられた。
遺族「なんであいつを庇い建てしたんだ!俺達の怒りや悲しみを金と力で踏み躙る気か!」
沙織「踏み躙っているのはあなた達の方です!彼女は何の罪も犯していません!なのに、その理不尽な怒りと憎しみをぶつけるあなた達は何なのですか!?その姿勢を改めないのであれば、私は断固として法廷の場でも戦います!」
激しい言い争いになったものの、結局は忽然とした態度を貫き、響を庇い続けた沙織の勝利に終わった。自分を地獄の日々から救ってくれた星矢と沙織に大きな恩を抱いた響は未来と共に城戸邸に来た。
沙織「あなたは、あの時の…」
響「私、立花響と言います!星矢さん、沙織さん…、私を助けてくれて、ありがとうございます!その…どんなお礼をしたらいいのか…」
星矢「お礼なんていらないよ。君がこうやって来てくれただけでもお礼も同然さ」
沙織「遠い所からわざわざ来たので、あなたにこれをお渡しします」
わざわざお礼を言いに来た響に沙織はペガサスのタグを渡した。
未来「これは何ですか?」
星矢「これは俺達からのお守りさ。大事にしろよな?」
響「はい!」
お守りをもらった響は嬉しそうに未来と共に帰ったのであった。
未来「あの人達のお陰で地獄の日々が終わってよかったね」
響「うん。星矢さんと沙織さんには私じゃどう頑張っても返しきれない恩があるよ。星矢さんは王子様みたいだし、沙織さんは女神様みたい…」
未来「確かに、星矢さんは王子様みたいで、沙織さんは女神様みたいだったね。でも、きちんと勉強しなきゃね」
その言葉に響は苦い顔をしたのであった。
城戸邸
星矢達は沙織がグラード財団総帥の仕事で特定災害対策機動部二課との話し合いがあるために日本の城戸邸に滞在する事となったため、護衛も兼ねて同行し、星矢は目隠しをしてマラソンをやり、マラソンが終わって屋敷に戻ってきた。
二百数十年周期で行われた冥王ハーデスとの戦いは遂に星矢達の代でアテナと星矢達が冥王ハーデスを倒し、長きに渡る因縁の聖戦は終わった。しかし、その聖戦の前に起こった双子座のサガによる内乱や聖戦の際の嘆きの壁の破壊による黄金聖闘士の全滅などがあり、内乱の被害や長きに渡る聖戦を終わらせた代償はあまりにも大きかった。黄金聖闘士の全滅により、事実上の聖域最高戦力となった星矢達の責任は以前にも増して重大となった
星矢「あれから、もう1年か…。激しい戦いも今になればあっという間だったな…」
瞬「うん…。十二宮での戦いも、海底神殿での戦いも、冥界での戦いも何日も経ったようで、あっという間だったよ…」
氷河「因縁の敵は葬られたが、その代償はあまりにも大きかった…」
紫龍「今度は残された俺達がこの世の邪悪な敵と戦うなり、新たな若き聖闘士達を鍛え上げるなりしていかなければならない」
星矢「それより、俺達の聖衣の修復はどうなんだ?」
紫龍「貴鬼の修行が終わる前にムウは死んでしまったからな。まだ未熟ながらも、貴鬼は全力で修復技術を覚えて修復しようとしている。俺達と同行したから聖衣の修復状況を聞いてみたが、俺達の聖衣の修復はもう99%終わっているが、黄金聖衣の修復の方は1年経っても射手座と天秤座、水瓶座が70%といった所で、乙女座と獅子座はまだだそうだ」
氷河「完全に砕かれた黄金聖衣に必要な血は俺達が提供するしかないか…」
???「私をお忘れですか?」
星矢達が話している所に沙織と秘書の美衣が来た。
星矢「沙織さん!」
沙織「無理に星矢達が命に係わるほどの血を提供しなくても、私の血ならちょっとだけで大丈夫なのですよ。既に射手座と天秤座と水瓶座の黄金聖衣へ私の血を提供しました。聖衣を蘇らせるのに必要であれば、私は献血など躊躇いません」
星矢「そういう沙織さんこそ、無茶も程々にしてくれよ。沙織さんは俺達を気遣って1人で敵の本拠地に突撃してピンチに陥る事はよくあったからな」
瞬「これからは僕達の事も頼っていいんですよ」
沙織「うふふふっ、1本取られてしまいましたね」
星矢の指摘に沙織も笑ったのであった。
美衣「沙織様、今日は特異災害対策機動部二課の方々との話し合いがありますよ。そろそろこちらにお見えになります」
沙織「わかりました、美衣さん。皆さん、私は特異災害対策機動部二課と話し合いをしてきます」
美衣と共に沙織は話し合いに行った。
瞬「もし、この状況でポセイドンやハーデスみたいな新たな敵が出てきたら、聖衣を修復に出している僕達は生身で戦わなくてはならない。星矢やみんなも聖衣を着けている状態のような無理はできないよ」
星矢「確かにやばいけど、そういった時に敵が出てくるかも知れないんだぞ。そん時はそん時だ」
瞬「それはそうだけど…」
城戸邸の別の部屋では、師のムウが亡くなってから貴鬼は必死で聖衣の修復の仕方を学んでいた。
貴鬼「もうムウ様はいないんだ…。星矢達の聖衣やタナトスにぶっ壊された黄金聖衣を元通りにするためにも、そしてムウ様の聖衣を継ぐのに相応しい聖闘士になるためにも、泣き言は言ってられないぞ!」
そう言ったものの、戦闘面での修行は星矢達がつけてくれるが、聖闘士として、修復師としての修行を終える前にムウが亡くなったショックは大きかった。
貴鬼「ムウ様…」
???「坊や、泣いたって何も始まらないのよ」
そんな貴鬼を励ますかのような温かい声が聞こえた。その声の主は科学者のような女性だった。
貴鬼「おばさん、誰?」
了子「お、おば…!?私は出来る女、櫻井了子よ!次からはおばさんじゃなくて、お姉さんというのよ」
おばさんと言われた事に了子はショックを受け、二度とおばさんと言われないように自己紹介したのであった。
貴鬼「おいら、貴鬼。今、聖衣の修復の仕方を学んでる所」
了子「黄金聖衣…」
修復している最中の射手座の黄金聖衣を見た了子は何やら笑みを浮かべた。
貴鬼「どうしたんだ?」
了子「あ、いや、何でもないわ!つい、完全聖遺物と勘違いしちゃって…!」
貴鬼「その完全聖遺物って何だよ。おいら、知らねえぞ」
了子「ま、教える機会があったら教えるわ。それと、聖衣を修復したいのなら、気持ちをリラックスさせ、精神を集中してやるのよ」
貴鬼「聖衣、修復できるのか?」
了子「ちょっと道具を貸して。やり方のコツを教えるから」
適当に誤魔化した後、了子は貴鬼から修復用の道具を借りた。
了子「こんな風に…ね!」
精神を集中させて了子が聖衣の修復のやり方の手本を見せたが、その挙動はムウにも匹敵するものだった。
貴鬼「す、すげえ!ムウ様と同じぐらいすげえや!」
了子「ま、ざっとこんな風にやるのよ。さ、坊やもやってごらんなさい」
了子の手本を見せてもらった貴鬼は早速、同じように始めた。すると、聖衣を修復できた。
貴鬼「ほんとに聖衣の修復ができた!このペースなら、星矢達の聖衣は今日中に修復が終わりそうだ。ありがとう、おば…いや、お姉さん!」
了子「いいねえ!筋がいいわよ!それじゃあ、私は沙織お嬢さんに用があるから、ここで失礼するわねぇん!」
微笑んで貴鬼のいる部屋を後にした了子だが、部屋を出てからは貴鬼と一緒にいた時とは違う笑みを浮かべた。
了子「坊や、私が聖衣の修復のコツを教えたから、頑張って黄金聖衣を修復するのよ。そうしたら…」
???「櫻井女史、どこをほっつき歩いているんですか!?あなたが来なかったら特異災害対策機動部二課と沙織お嬢様との話し合いが始まりませんよ!」
了子「すみません、辰巳さん!今から行きます~!」
辰巳に呼ばれて了子は慌てて沙織の部屋に来た。その場には二課の司令官である風鳴弦十郎とその腹心の緒川慎次もいた。
弦十郎「グラード財団の総帥が代替わりされてから初めてお会いになれて光栄です、沙織お嬢様。私は特異災害対策機動部二課司令、風鳴弦十郎です」
慎次「自分は緒川慎次です」
了子「私は櫻井了子よぉん」
沙織「あなた達の事はお爺様から聞いております」
弦十郎「光政様ですか。我々に様々な資金を支援してくださったあの方が亡くなられた事は遺憾に思います…」
沙織「そうですか。弦十郎さんがこちらに来られたのはどのような要件ですか?」
弦十郎「実は…特異災害であるノイズの対策のために、聖闘士の力を貸していただけないでしょうか?沙織お嬢様。いえ、女神アテナ」
弦十郎が自分の素性を知っていた事に沙織は驚いていた。
沙織「なぜ…、私がアテナだと知っているのですか?」
慎次「我々の捜査力と情報収集能力を侮ってはいけませんよ。それに、既にお気づきだと思いますが、聖闘士の存在はギャラクシアンウォーズ以前から各国政府も知っているのです」
弦十郎「あなた方は冥王ハーデスとの聖戦の後で壊滅的被害を受けて余裕がないのは知っております。ですが、ノイズも放ってはおけない人類の敵なのです。どうか、力を貸してください」
弦十郎からの頼みに沙織の答えは既に決まっていた。
沙織「わかりました。ノイズの存在は人類の敵だとお爺様から聞いております。私達も協力しましょう」
弦十郎「ありがとうございます、沙織お嬢様」
星矢達の方はゆっくりしていた。そこへ、ある人物が入ってきた。
星矢「あんたは…?」
翼「私は風鳴翼。あなた達に聞きたいのですが、伝説の青銅聖闘士の星矢、瞬、氷河、紫龍の4人はどこに待機しているのですか?」
星矢「聖闘士?俺達を探してるのか?」
翼は目の前にいる自分と同じぐらいか、19か20ぐらいに見える星矢達が聖闘士だという事に驚いていた。
翼「(こ、この4人が…かつて海神ポセイドンや冥王ハーデスの軍勢をことごとく打ち倒した伝説の青銅聖闘士なのか…!?だが、報告ではあと一人、一輝という男がいるようだが…)」
瞬「僕達をじっと見つめているのはどうしてかな?」
翼「い、いえ、私はポセイドンやハーデスを打ち倒した聖闘士は歴戦の勇士だと聞いて、てっきり私達のニ課の風鳴司令のような屈強な男の集まりではないかと思っていたから、想像とのギャップに拍子抜けしてしまって…」
氷河「こう見えても、俺達は非常に強いぞ。勝負は顔で決まるって市が言っていたが、人を見た目だけで判断するのはよくないからな」
翼「は、はぁ…」
翼から見たら、星矢達の見た目は同年代の男子に比べると屈強ではあるものの、とても歴戦の勇士とは思えなかった。
星矢「それに、俺達は堅っ苦しいのは苦手なんだ。砕けた感じで話してくれよ」
翼「わかった。星矢達に聞きたいのだが、年齢はいくつなんだ?」
紫龍「年齢は俺と氷河は今年で15、星矢と瞬は14歳になる。あと、単独行動をしている一輝は16歳だ」
翼「じゅ、10代半ば!?」
どう見ても自分と同じぐらいか、20歳ぐらいにしか見えない星矢達が自分より年下だという事実に翼はまたしても驚き、今度は表情さえ崩した。
氷河「何を勝手に驚いてるんだ?翼」
翼「すまん。ところで、お前達は星座を象る聖衣という鎧を纏うそうだが、その鎧はどこにあるんだ?」
星矢「冥王ハーデスとの戦いでの損傷が激しくて、今は修復中。貴鬼の話じゃ、俺達の聖衣はあと少しで修復が終わるって言ってたぜ」
翼「そうか…」
瞬「翼さん、もしかして聖衣を見たかったんじゃ…」
翼「そ、それもあるが、修復中なら仕方あるまい」
そう言ってはいたが、本心では一目でも見たかったようであった。しかし、ある知らせが翼に入った。
翼「これは…!」
その知らせは話し合いをしていた沙織達にも入った。
美衣「グラード財団秘密基地より緊急連絡です!この街にノイズ出現との報告です!」
弦十郎「ノイズがこの街に現れただと!?」
慎次「座標を特定します!」
手持ちのノートパソコンで慎次はノイズの出現ポイントを特定した。
弦十郎「この近くには星の子学園があるぞ!」
???「そこには美穂ちゃんや姉さんがいるんだ!」
声と共に星矢達が入ってきた。
弦十郎「君はあの…」
星矢「沙織さん、すぐに俺達を出撃させてくれ!このままだと、姉さんや美穂ちゃん達が!」
沙織「わかりました。ですが、今の星矢達は聖衣は修復中です。くれぐれも無理をしてはいけませんよ」
星矢「サンキュー!」
翼「では、私も出撃します!」
弦十郎「よし!奏者、及び聖闘士、出撃!」
指揮を弦十郎がとる事となり、翼と星矢達は出撃した。翼はバイクで向かったが、星矢達は自分の足で走って向かった。
翼「まだ聖衣は修復中なのだぞ!生身で大丈夫なのか?」
星矢「あんた、俺達を聖衣がなきゃ、何もできない一般人だと思い込んでないか?そうだと思ったら大間違いだぜ」
翼「それはどういう…」
紫龍「俺達の戦いを見ればわかる。だが、今は現場に急行するのが先だ!」
翼「(どうなっているんだ?この4人は乗り物に乗っていないのに車より速く走れるなんて…。やはり、聖闘士は生身の状態でも拳は空を裂き、大地を割る事が可能なのか…?)」
翼は聖闘士はシンフォギア適合者の自分のように特殊な力を秘めた鎧を纏って戦う戦士だと思っていたが、星矢の言った事はホラ吹きではないと思い始めたのであった。
星の子学園
星矢の我が家ともいえる星の子学園では、ノイズが襲撃していた。
美穂「みんな、急いで逃げて!」
美穂と星華は子供達の避難誘導を行っていたが、最後の1人の誘導が終わろうとしていた時にノイズが襲撃してきた。
星華「きゃあああっ!!」
???「ペガサス、流星拳!!」
ノイズの群れが触れようとしたその時、無数の光速のパンチでノイズの群れは倒された。その攻撃をしたのは、星矢であった。
星華「星矢!」
美穂「星矢ちゃん!」
星矢「姉さんと美穂ちゃんは急いで避難するんだ!こいつらは俺と仲間達がやっつける!」
星華と美穂はそのまま避難した。そして、仲間達が遅れて到着した。
氷河「姉さんの危機とあらば、星矢は光の速さで駆け付けたな」
翼「(ひ、光の速さ!?)」
瞬「こいつらがノイズなんだね?翼さん」
翼「ああ。こいつらは災害でしかない。止めに躊躇などいらんぞ!」
そう言って、翼は歌で変身し、次々とノイズを切り捨てていった。
瞬「うん!僕も人を脅かすノイズには一切の情けはかけない!最初から全開で行くよ!」
???『みんな、聖衣の修復が終わったから、すぐに送るぞ!』
貴鬼からのテレパシーが星矢達に聞こえ、星矢達の前に修復が終わった聖衣が転送された。
翼「これが聖衣…」
星矢「サンキュー、貴鬼!ペガサス!」
紫龍「ドラゴン!」
氷河「キグナス!」
瞬「アンドロメダ~!」
星矢達が叫ぶとそれぞれのオブジェ形態の聖衣がバラバラになり、装着された。
瞬「ネビュラチェーン!」
ネビュラチェーンで次々とノイズを一掃していった。
紫龍「俺達も星矢や瞬に負けてられないぞ!」
そう言ってノイズを何体か倒した後、紫龍はいつもの癖で聖衣を脱ぎ、本気の際の上半身裸のスタイルになった。逞しい体を露わにした上半身裸の紫龍の肉体美は翼にとっては毒も同然だった。
翼「(な、何!?なぜ裸になったんだ…!?)」
紫龍の脱ぎ癖には幼い頃から防人としての訓練を受け、抑え込んで来たはずの翼の思春期の心を呼び覚まし、紫龍の上半身裸に仰天して顔を赤くし、顔を背けてしまった。
紫龍「廬山、龍飛翔!!」
紫龍の技を受けたノイズ達は盛大に吹っ飛び、頭が地面にぶつかってから消滅した。
翼「氷河、紫龍はなぜ脱いだんだ?」
氷河「紫龍の師からの教えだ。紫龍は本気になる際は必ずといっていい程、聖衣を脱ぎ、上半身裸になって自らを追い込み、戦うんだ」
翼「は、はぁ…」
氷河「おっと、呑気に話をしている場合ではないようだ」
迫るノイズを見た氷河は小宇宙を高め、ダイヤモンドダストを放つ際に翼からしたら奇妙な踊りにしか見えない動きをした。
氷河「ダイヤモンド、ダストォ!!」
放たれた凍気でノイズたちは凍って消滅した。氷河の技を出す前の動きに翼は戦いを忘れ、見とれていた。
翼「(氷河は技を出す前にこんなにも奇妙な踊りをするのか!?というか、星矢達はハチャメチャだし、年長2人が特にまともじゃない!!)」
星矢達のトンデモ戦闘力と紫龍の脱ぎっぷり、そして氷河の奇妙な踊りに翼はあっけにとられていた。そして、星矢達がノイズを殲滅して一切の犠牲を出さずに星の子学園を救った。
美穂「ありがとう、星矢ちゃん」
星矢「ここは我が家みたいな所だからな。身近な人や大切な人を守れないようじゃ、地上の愛と平和を守れはしない」
翼「(大切な人…か…)」
その言葉を聞いた翼は2年前に死亡した相棒の奏の事を思い出していた。
星華「星矢、世界の平和を守るために戦うのはいいけど、たまにはここにも顔を出しなさいよ」
星矢「わかってるよ、姉さん。姉さんや美穂ちゃん達も、ノイズに気を付けるんだぞ」
戦いが終わり、城戸邸へ帰る星矢達を星華と美穂は見送った。
翼「あの人が星矢のお姉さんなのか?」
紫龍「ああ、そうだ。星矢が聖闘士になったのも、沙織さんの育ての祖父である城戸光政に引き取られて姉と引き離された際に『聖闘士になってペガサスの聖衣を日本に持って帰れたら姉と再会させる』という条件で聖闘士になったんだ」
氷河「だが、星矢の姉は星矢がギリシャに出発した際に後を追ってギリシャに向かったが、事故で記憶を失い、聖域の近くの村で過ごしていたんだ。ハーデスとの戦いの際に星矢の師の魔鈴さんが見つけて無事に再会できたという訳だ」
翼「(大切な人とまた会うために聖闘士になった…か…。聖闘士になるための修行は想像を絶する程厳しいと聞いている。そんな厳しい修行を耐え、聖闘士となって数々の悪と戦い抜いてきた星矢達はやはり、歴戦の勇士そのものだ…)」
初めは星矢達を歴戦の勇士だと思えなかった翼だったが、星矢達の戦いぶりや星矢が聖闘士になった理由を聞き、歴戦の勇士だと認めたのであった。
瞬「翼さん、これからも僕達と一緒にノイズから人々を守るために戦おう」
翼「…ああ(奏、急に脱いだり、変な踊りをしたりとおかしな所はあるが、死んだお前と同じぐらい頼りになる仲間ができた。これからも、私は防人として、ノイズと戦う。だから、見守っていてくれ…)」
すぐに上半身裸になる紫龍や奇妙な踊りにしか見えない動きをする氷河など、奇抜な所はあるが実力は確かな星矢達を仲間と認めたのであった。
城戸邸
沙織達の方は専用のドローンで星矢達の戦いの一部始終を見ていたのであった。
弦十郎「やはり、伝説の青銅聖闘士は伊達ではないな。あっという間にノイズを一掃した」
沙織「当然です。彼等は私と共に様々な強敵を相手に戦い抜いてきたのですから」
弦十郎「この世に邪悪が蔓延る時、必ず現れる希望の闘士とはまさにこの事だ」
了子「あの紫龍って子、とっても逞しい体を晒してるわね。私も対抗して脱いじゃおうかしらぁ?」
戦闘の際に上半身裸になる事が多い紫龍への対抗心を燃やした了子はなんと上着を脱いで自慢のボディラインを晒し、上半身裸になろうとした。しかし、それらは他のメンバーに阻まれる事となった。
慎次「了子さん、いけません!」
美衣「こんな場所で上半身裸になるなんてみっともないですよ!」
了子「あら、残念…」
お茶目に凹む了子だったが、沙織に冷たい視線を一瞬だが浴びせた。その視線に沙織も気付いた。
沙織「(あの人…)」
弦十郎「まぁ、伝説の青銅聖闘士の実力は見せてもらった。これなら、翼の心強い助っ人になるだろう」
沙織「了子さん、お爺様から託された蛇遣座の黄金聖衣は何かわかった事はありましたか?世間では呪われた聖衣と言われているので、神話の時代の時の装着者の怨念が残っていたりとか…」
了子「う~ん…、何年も調べてみたんだけど、呪いとかは特になかったわ。ただの思い違いじゃないかしら?」
沙織「だといいのですが…」
弦十郎「(呪われた聖衣か…。聖衣は完全聖遺物のリストにも入っている上、他の聖遺物と違い、特定の修復師による修復も可能な珍しい代物だ。神話の時代から存在している代物だから、俺達じゃどう調べてもわからん事が多いだろうな…)」
慎次「しかし、司令が聖闘士は古来からのノイズに対抗できる希望と言っていたのですが、今回の戦いでそれが確信できました。櫻井女史は科学的に考えてどのようにして聖闘士はノイズを倒したのかわかりましたか?」
了子「ノイズは位相差障壁で通常兵器は全くといっていい程効かないから、それを無効化するシンフォギアシステムが唯一の対抗策だけど、聖闘士は小宇宙という力で炭素化を防ぎ、小宇宙による攻撃で無理矢理位相差障壁破っているのよ。つまり、ノイズの特性を無効化するシンフォギアシステムとは真逆で力押しってわけ。しかも、通常の青銅聖闘士レベルの攻撃力や防御力では小型ノイズはともかく、大型のノイズ相手だと下手をしたら返り討ちに遭うのがオチよ」
弦十郎「流石は了子君だな」
そう言ってると、星矢達が帰ってきた。
星矢「あんたがその2課ってとこのリーダーか?」
美衣「星矢さん、礼儀が」
弦十郎「堅っ苦しい話し方はしなくていい。ドローンを通して星矢達の活躍は見せてもらった。これからもノイズ討伐を頼むぞ」
星矢「任せとけって!」
氷河「俺達がいれば百人力、いや、千人力だろうな」
こうして、星矢達と特異災害対策機動部二課の共同戦線が張られる事となった。そして、複数の歯車もまた、組み合わさろうとしていた。
これで今回の話は終わりです。
今回は聖闘士と特定災害対策機動部二課との協力関係が築かれ、聖闘士と装者の共同戦線が張られた話となっております。
翼は驚きでSAKIMORIとしての活躍があまりできない流れになっていましたが、これは伝説の青銅聖闘士である星矢達の圧倒的な力や紫龍の脱ぎ癖で披露される上半身裸の姿、氷河のキグナスダンスを見たら、こういった反応をするだろうと思ったからです。
また、冒頭で響はかつて星矢と沙織に助けられたというのを描きましたが、こういった鬱展開には鬱クラッシャーがいた方がいいと思ったからです。ちなみに、響の視線では思い出補正で星矢は他の4人よりもかっこよく、王子様のように見えており、沙織も同じように女神のように見えています。
次の話はようやくシンフォギアの1話となり、本編から2年前にツヴァイウイングのライブの惨劇も回想で描きます。