聖闘士星矢x戦姫絶唱シンフォギア 13番目の黄金聖衣   作:アンドロイドQ14

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3話 戦士達の遭遇

リディアン周辺

 突然の出来事に響は戸惑っていた。

 

響「えっ?えっ?なんで!?私、どうなっちゃってるの?」

 

子供「お姉ちゃん、かっこいい…!」

 

 響は無意識に歌いながら色々考えていた。

 

響「(そうだ、何だかよくわからないけど、確かなのは…私がこの子を助けなきゃいけないって事だよね!?)」

 

 ギアの力を制御できず、響はジャンプしたのはよかったが、そのまま真っ逆さまに落っこちたが、無事に着地した。しかし、ノイズは追いかけてきたため、すぐに横によけた。だが、そこにもノイズがいたため、響は思わずパンチを打ち込み、ノイズを倒した。

 

響「私が…やったの…?」

 

 だが、響は突然の出来事でギアの力を使いこなせていないため、まともな戦いができず、すぐにノイズの大群が一斉に襲い掛かってきた。

 

響「い…いやぁああああっ!!」

 

???「ペガサス、流星拳!」

 

 逃げ場がなく、響が思わず悲鳴をあげた途端、懐かしい声がした。そして、閃光と共にノイズ達は一斉に炭素化して消滅した。

 

響「えっ…?」

 

 閃光が収まると、響は鎧を纏っている上、見覚えのある人物にお姫様抱っこされていた。

 

???「まさか、君がガングニールを受け継いでいたとは…。それに、君を助けたのはこれで二度目だな」

 

響「あ、あなたは……星矢さん!!」

 

 そう、響を助けたのは、かつてバッシングする大衆から響を助けた男、星矢だった。

 

子供「お兄ちゃん、かっこいい!」

 

星矢「こんな状況で子供を守り続けた君はいい子だ。ここからは俺達が戦うから、下がってるんだ!」

 

響「星矢さん、その鎧は…」

 

星矢「これは女神アテナを守護する戦士、聖闘士が纏う聖衣。そして、俺はペガサスの聖闘士、星矢だ!」

 

 そして、星矢の仲間達も駆け付けた。

 

紫龍「星矢が先行して助けたかったのは、この子か」

 

星矢「まぁな。響の小宇宙を感じたから、急いで来たんだ」

 

響「(小宇宙…?)あの…、あなた達って…、星矢さんのお友達なのですか?」

 

瞬「そうだよ。僕は瞬」

 

紫龍「俺は紫龍」

 

氷河「氷河だ。君は下がってこの子を守ってくれ。後は俺達がノイズを倒す!」

 

 星矢達の足があまりにも速すぎるため、結果的に翼が一番最後に来る事となった。

 

響「翼さんまで!?」

 

翼「もう、私を置いて行かないで!」

 

星矢「だったら、俺達の誰かがあんたをお姫様抱っこして行こうか?それだったら、あんたも置いて行かれずに済むぜ」

 

翼「むぅ…!」

 

 星矢のからかいに翼は顔を赤くした。

 

氷河「やっぱり、翼も防人という割には年頃の女の子だな」

 

翼「と、とにかく、ここは戦場!無駄口は叩かずに敵を倒すわよ!」

 

 気を取り直して翼は歌を歌って変身し、一同はノイズの群れに向かっていった。

 

星矢「ペガサス、流星拳!」

 

瞬「ネビュラチェーン!」

 

 星矢と瞬はそれぞれの技でノイズを蹴散らした。

 

響「(何かが光って、それからは何が起こったのかわからない…。でも、星矢さんの技はかっこいい…!)」 

 

紫龍「むううっ!」

 

 紫龍は本気になるため、聖衣を脱いで上半身裸になった。

 

子供「髪の長いお兄ちゃん、ムキムキでかっこいい!」

 

響「な、何で急に裸になるの!?見てる私がとっても恥ずかしいし、鎧を脱ぎ捨てたら危ないから、ちゃんと鎧を着ようよ!」

 

紫龍「悪いが、これが老師の教えなのでな」

 

 子供の方は紫龍の上半身裸に見惚れていたが、思春期真っ盛りの響には紫龍の脱衣は刺激が強すぎた。

 

紫龍「廬山、龍飛翔!」

 

 そのまま紫龍はノイズをなぎ倒していった。そして、今後は氷河が謎の踊りをしたため、その動きに響が反応した。

 

響「ひょ、氷河さん、ノイズが目の前に迫っているのに何でバレエなんか踊っているのですか!?しょ、正気」

 

氷河「俺は至って正気だ!」

 

響「ええ~~っ!!?」

 

氷河「ダイヤモンド、ダストォ!」

 

 ダイヤモンドダストでそのままノイズ達は氷漬けになり、消滅した。翼の方も次々とノイズを切り捨てていき、あっという間にノイズは全滅した。

 

響「す、凄い…!」

 

 星矢との再会に星矢達聖闘士の圧倒的強さ、そして紫龍の脱ぎ癖に氷河の謎の踊りと翼の登場に響の頭の中は混乱していた。そして、戦闘の現場は一課によって立ち入り禁止にされる事となった。

 

星矢「ほら、あったかい飲み物だ」

 

 戦闘が終わり、星矢は温かい飲み物を響に渡した。

 

響「あ、ありがとうございます!」

 

 1年前と今回、二度にわたって助けてくれた恩人の星矢に温かい飲み物をもらった響は喜んで飲んだ。気が緩んだためか、変身が解けてしまった。

 

響「翼さん!実は翼さんに助けられたのは、これで2回目なんです!」

 

翼「2回目…?」

 

 そして、響は助けた女の子とその母親の再会、機密に関する事を傍で聞いていた。

 

響「じゃあ、私もそろそろ…」

 

星矢「それが、そうもいかないぜ」

 

 帰ろうとした響だったが、翼と黒服とサングラスの男達に包囲されていた。

 

翼「あなたをこのまま帰すわけにはいきません」

 

響「何でですか!?」

 

翼「特異災害対策機動部二課まで同行していただきます」

 

 響は手錠をかけられた。

 

慎次「すみませんね、あなたの身柄を拘束させていただきます」

 

響「なあぁぁぁぁぁっ!!!なんで~~~~~っ!!!」

 

 そのまま響は車に押し込まれ、悲鳴が木霊したのであった。車内では、星矢達が同席し、話し相手になってくれた。

 

響「あの…、どうして星矢さん達が翼さんと行動を…?」

 

紫龍「目的地についたら教える」

 

氷河「今から行く場所は君も毎日行く場所だ」

 

響「毎日行く場所?」

 

 

 

リディアン

 

 車から降りた場所はリディアンだった。

 

響「な、何で学院に?」

 

星矢「それは行ってからのお楽しみだ。見慣れない人とは緊張するだろうから、俺達が傍についてるぜ」

 

響「(こんな状態でも、星矢さん達と一緒なら安心する…)」

 

 慣れない事が続く中、恩人の星矢とその仲間達が傍にいてくれて響は安心した。

 

響「あの…ここって先生達がりう中央棟、ですよね?」

 

瞬「ついて来ればわかるよ」

 

 二課の人間は答えなかったが、星矢達の方は聞かれれば答えてくれた。7人はエレベーターに入り、慎次が端末をかざすと扉が閉まり、他には取っ手が現れた。

 

紫龍「その取っ手に掴まれ」

 

響「えっ?」

 

翼「星矢達はともかく、あなたは危ないから掴まりなさい」

 

響「え?危ないって…?うぎゃああああっ!!」

 

 物凄い勢いでエレベーターは降りて行った。

 

響「(星矢さん達は取っ手にも掴まらずに平然としてるなんて…)」

 

翼「愛想は無用よ。ここから」

 

瞬「響は響らしくしてればいいよ。そろそろ着くから」

 

 翼は言おうとした事を瞬に遮られてしまった。

 

 

 

特異災害対策機動部二課

 着いた先にはクラッカーが作裂してラッパが鳴り、『熱烈歓迎!立花響さま☆』の看板と『ようこそ2課へ』の看板があり、色々な人達が待っていた。

 

弦十郎「ようこそ!人類最後の砦、特異災害対策機動部二課へ!」

 

 その様子に響は驚き、翼は呆れたが、氷河が翼の肩に手を置いた。

 

氷河「戦場においてはクールに徹しなければならないが、こういった所では肩の力を抜くのも大事だぞ。張り詰めすぎると余計に疲れるだけだ」

 

瞬「せっかくだから楽しもうよ」

 

 氷河の師であるカミュや水晶聖闘士からの教えである『クールに徹する』はあくまでも戦いの時ぐらいであり、こういった場所では肩の力を抜くように翼に語った。

 

了子「さぁさぁ、笑って笑って♪お近づきの印にツーショット写真♪」

 

 スマホで響とのツーショット写真をとろうとした了子だったが、響に嫌がられた。

 

響「えぇ!?嫌です!手錠したままの写真なんてきっと悲しい思い出として残っちゃいます!それに、どうして皆さんは私の名前を知ってるんですか?」

 

弦十郎「我々二課の前身は大戦時に設立された特務機関なのでね、調査などお手のものなのさ」

 

了子「はい、これ」

 

 弦十郎を説明しながら手品をし、了子が響の鞄を持ってきた。

 

響「あああっ、私の鞄!?な~にが調査はお手のものですか!!鞄の中身、勝手に調べたりして!」

 

沙織「星矢、そろそろ響さんの手錠を外してあげなさい」

 

星矢「そうだな」

 

 そう言って星矢は力尽くで響にかけられた手錠を外した。

 

慎次「(力尽くで手錠を…!)」

 

響「て、手錠を簡単に…!凄い力持ち…!」

 

紫龍「俺達聖闘士にとってはそれくらい簡単な事さ」

 

響「あ、ありがとうございます…」

 

慎次「いえ、こちらこそ失礼しました」

 

弦十郎「では、改めて自己紹介だ。俺は風鳴弦十郎。ここの責任者をしている」

 

了子「そして私は…『できる女』と評判の櫻井了子、よろしくね」

 

響「ああ、こちらこそよろしくお願いします」

 

弦十郎「君をここに呼んだのは他でもない。君に協力を要請したいのだ」

 

響「協力って…あっ!」

 

 響は自分の体から生まれた鎧の事や星矢達聖闘士の事を思い出した。

 

響「教えてください、あれは一体何なんですか?それに、聖闘士なんてよくわからないので、そっちも」

 

沙織「まず、聖闘士について教えましょうか。風鳴司令もよろしいですか?」

 

弦十郎「いいとも」

 

響「お願いします!沙織さんとあと…」

 

美衣「私は沙織様の秘書を務めさせて頂いております、アリシア・美衣・ベネトールと申します。以後、お見知りおきを」

 

響「よろしくお願いします、美衣さん!」

 

美衣「では、説明します。この世には、あなたが先程見たノイズを始めとする人の理解の及ばぬ邪悪なるものが存在しています。そして…、神話の時代からその邪悪と戦い続けてきたアテナという1人の女神がいました。彼女は数百年に一度地上に降臨し、『アテナの聖闘士』と呼ばれる超人的な力を持つ戦士達を従えて、悪しき神々や邪悪から地上の愛と平和を守ってきたのです。それと、聖闘士の超人的な力の源は『小宇宙』と呼ばれる己の肉体に宿る力を使う事で生み出します」

 

響「アテナの聖闘士…!星矢さん達って、悪い神様やノイズなどから世界を守ってきた凄い人達だったんですね!?」

 

星矢「いやぁ、そこまで言われると照れちゃうなぁ…」

 

瞬「確かに僕達は悪い神とかと戦ってきたけど、ノイズと戦ったのはごく最近なんだ」

 

響「あの…聖闘士って、女の子でもなれるんですか?」

 

美衣「はい。本来、聖闘士になれるのは男子だけですけど、女子でも掟で仮面を着用し、女である事を捨てればなる事ができます。それと、アテナの侍女と戦士の役割を兼任する特別枠としてセインティアというのもありますが、セインティアには優れた素養を持つ純潔な女子だけがなれます。私は聖闘少女にして、いるか座、ドルフィンの美衣です」

 

響「女の子が聖闘士になるには仮面を被るか、特別枠のセインティアにならなきゃダメなんですね…」

 

美衣「その通りです」

 

響「あ、あと女神アテナって言ってましたけど、アテナって本当にいるのですか?まさか、女神様みたいな沙織さんが神様なわけ…」

 

星矢「本物の神様さ」

 

 その言葉に響は衝撃を受けた。

 

響「ええ~~~っ!!!?沙織さんが本物の女神様!!?すっごい財閥の総帥で、おまけに女神アテナ様なんて凄すぎ~~!!」

 

紫龍「本当さ。沙織さんこそ、現代に降臨した女神アテナの化身だ」

 

氷河「グラード財団の総帥になったのは、今から14年前にギリシャの聖域に降臨した際、善悪強烈な二重人格の双子座の黄金聖闘士、サガによって暗殺されそうになった所を射手座の黄金聖闘士、アイオロスによって聖域から連れ出され、追っ手によって瀕死の重傷を負ったアイオロスが偶然先代のグラード財団総帥、城戸光政と出会い、そのアテナの化身を光政に託してアイオロスは息途絶えた。アテナの化身を託された光政はその子を自分の孫娘、城戸沙織と名付けて育てたから、沙織さんはグラード財団の総帥になれたんだ」

 

響「必死に赤ちゃんの時の沙織さんを守り続けたアイオロスさんって、凄すぎますよ…!」

 

星矢「アイオロスは死んだ後もその魂は射手座の黄金聖衣に宿ってて、度々俺達を助けてくれるんだ。でも、1年前の戦いで他の4つの黄金聖衣と一緒に射手座の黄金聖衣はぶっ壊されちまって、今は修復中だけどな」

 

響「あの…アテ…」

 

沙織「私が女神アテナだと知っても緊張する事はありません。いつものように、『沙織さん』でよろしいですよ」

 

響「さ、沙織さん…。雰囲気や接し方まで女神様そのもの~っ!!

 

星矢「(小さい時は今と違って俺達を馬にしようとしたりするワガママ放題のお嬢様だったけどな)」

 

 沙織の女神のような優しい態度に響は感激し、その姿に星矢と沙織は微笑んでいた。

 

響「年齢を聞くのは失礼だと思いますけど、年齢っていくつですか?」

 

沙織「星矢や瞬と同じ、14歳です。紫龍と氷河は15歳、あとこの場にはいませんが、瞬の兄の一輝は16歳です」

 

 大人びてて憧れの星矢と沙織が自分より年下であり、他の3人もまだ十代半ばという事実に響はまた衝撃を受けた。

 

響「ええ~~~っ!!!沙織さんと星矢さんが私より年下~~~~!!!!?」

 

星矢「びっくりしたか?」

 

沙織「それでは次、いいですよ」

 

了子「あなたの質問に答えるためにも、二つばかりお願いがあるの。最初の一つは今日の事は誰にも内緒。そしてもう一つは……」

 

 そう言って了子は響の腰に手を伸ばした。

 

了子「とりあえず脱いでもらおうかしら?」

 

響「え?だから…、なんでぇ~~~っ!!」

 

 エレベーターにまで響の悲鳴が木霊したのであった。

 

 

 

リディアン 寮

 色々終わり、ようやく響は女子寮に戻ってきた。

 

響「ただいま…」

 

未来「響!こんな時間までどこ行ってたの!?」

 

 戻ってきて疲れが一気に出て、リビングで倒れた。

 

響「ごめん…」

 

未来「近くでノイズがまた現れたって、ニュースで言ってたよ」

 

響「うん…。もう大丈夫だから…」

 

 テレビで翼のニュースを見てから、響は未来と一緒に寝た。

 

響「あのね、未来…。ううん、何でもない」

 

 帰る前に了子に言われた事を響は思い出した。

 

未来「私は何でもなくない。響の帰りが遅いから、本当に心配したんだよ」

 

 疲れたため、響はそのまま熟睡してしまった。

 

 一方、翼の方はシャワーを浴びながら響の前のガングニールの奏者であり、自分の相棒であり、片翼でもある今は亡き天羽奏の事を考えていた。

 

奏『2人一緒なら、何も怖くないな』

 

 その言葉は翼にとってうれしかった。

 

翼「あのギアは…奏のものだ…!」

 

 しかし、奏のギアを響が受け継いでいるのをまだ翼は受け入れられなかった。

 

 

 

城戸邸

 その後、星矢達は城戸邸に戻ってきた。

 

星矢「沙織さん、響の診察の結果はいつになったらわかるんだ?」

 

沙織「明日にはわかるそうです」

 

紫龍「(それにしても、一体何が原因で響はあの力を得たんだ?その答えは2年前にあるとでもいうのか…?)」

 

氷河「紫龍、何を考えているんだ?」

 

紫龍「響の力の事を考えててな」

 

瞬「どうして響はガングニールを受け継げたんだろう?」

 

紫龍「これは俺の推測なのだが、2年前のツヴァイウイングのライブの際のノイズ襲撃事件がきっかけではないかと思っている」

 

星矢「2年前だって!?」

 

氷河「その推測は正しいのかも知れん。そうでなければ、あのごく普通の生活を送っていた少女にあんな力が手に入れられるわけがない」

 

沙織「紫龍の推測は私も正しいと思います。それより皆さん、今はゆっくり休み、また明日考えましょう」

 

 次の日に備え、星矢達は寝たのであった。

 

 

 

リディアン

 翌日の放課後、響は未来と友達の安藤創世、寺島詩織、板場弓美の誘いを断り、教室に残っていた。

 

響「はぁ…。私、呪われてるかも…」

 

???「キャー、瞬様~~!!」

 

 女の子達の声がしたためそこを向くと、そこには星矢達が来た。

 

詩織「あなた、あの瞬様なの!?」

 

弓美「一緒に写真撮ろう!」

 

瞬「ちょっと待っててね」

 

 女の子たちの対応は瞬が担当し、残りの3人は響の元に来た。

 

星矢「もう1回本部まで来いってさ。さ、行こうぜ」

 

 今回は星矢達と一緒に二課へ向かう事となった。

 

星矢「どうしたんだ?翼。可愛い後輩に」

 

翼「黙りなさい!」

 

 星矢としては響と翼の親睦を深め、打ち解けさせようとしたのだが、翼は拒絶していた。その様子を他の3人は察していた。

 

紫龍「(翼の奴、響が受け入れられないようだな…)」

 

氷河「(もう奏はいないんだ。それを受け入れろ、翼…)」

 

 

特異災害対策機動部二課

 再び響は二課本部にやってきた。呼び出されたのは、メディカルチェックの結果発表で、壁に映された結果を見ていた。

 

了子「それでは、先日のメディカルチェックの結果発表!初体験の負荷は若干残っているものの、体に異常はほぼ見られませんでした~♪」

 

響「ほぼ…ですか?」

 

了子「うん、そうね。あなたが聞きたいのはこんな事じゃないわよね?」

 

響「教えてください、あの力の事を」

 

紫龍「その前に、俺の推測を聞いてくれますか?」

 

弦十郎「何の推測なんだ?」

 

紫龍「響があの力を得たきっかけは2年前のあの事件がきっかけではないでしょうか?」

 

 紫龍の推測にこれから響に説明しようとした了子ら二課の面々は衝撃を受けた。

 

翼「(あの時…、だと…!?)」

 

了子「(あの紫龍って子、もうここまで推測ができていたなんて…!)」

 

弦十郎「(流石はあの天秤座の童虎の弟子で、次期天秤座の黄金聖闘士とだけはある)」

 

了子「当たりよ。そこも後で説明するわね。じゃあ、今度は私達の番よ」

 

 改めて二課の面々が説明する事となり、翼が赤い宝石のネックレスを出した。

 

弦十郎「『天羽々斬』。翼の持つ第一号聖遺物だ」

 

響「聖遺物?」

 

星矢「何だ?そりゃ」

 

了子「聖遺物とは、世界各地の伝承に伝わる現代では生成不可能な異端技術の結晶の事。多くは遺跡から発掘されるんだけど、経年による破損が著しくってかつての力をそのまま秘めたものは本当に希少なの。星矢君達聖闘士が纏う鎧の聖衣もそのリストに入っているわ」

 

 響は星矢達が纏う聖衣が入った聖衣箱を見ていた。

 

弦十郎「この天羽々斬も刃の欠片。ごく一部にすぎない」

 

 響はもちろん、星矢達にもわかりやすいように了子はモニターで説明した。

 

了子「欠片にほんの少し残った力を増幅して、解き放つ唯一の鍵が、特定振幅の波動なの」

 

響「特定振幅の波動?」

 

弦十郎「つまりは歌。歌の力によって聖遺物は起動するのだ」

 

響「歌?そういえば、あの時も胸の奥から歌が浮かんできたんです」

 

瞬「(だから、翼さんは戦いの最中に歌を歌っていたんだ…)」

 

 疑問がわかって納得した星矢達だが、翼の方は機嫌が悪そうだった。

 

了子「歌の力で活性化した聖遺物を一度エネルギーに還元し、鎧の形にして再構成したのが翼ちゃんや響ちゃんの纏う『アンチ・ノイズ・プロテクター シンフォギア』なの」

 

星矢「なんか難しいけど、それを聖闘士に例えるなら、歌が小宇宙、聖遺物が聖衣ってとこか?」

 

了子「そゆこと」

 

沙織「星矢にしてはよく頭で考え、わかりやすく例えましたね」

 

 沙織の微笑みに星矢も思わず笑った。

 

翼「だからとて、どんな歌、誰の歌にも聖遺物を起動させる力があるわけではない!」

 

 機嫌の悪そうな翼に場の雰囲気が変わった。

 

弦十郎「聖遺物を起動させ、シンフォギアを纏う歌を歌える僅かな人間の事を我々は『適合者』と呼んでいる。それが翼であり、君であるのだ」

 

了子「どうかしら?あなたの目覚めた力について少しは理解してもらえたかしら?質問はドシドシ受け付けるわよ♪」

 

響「あの…」

 

了子「どうぞ、響ちゃん!」

 

響「全然わかりません…」

 

 響がそう答える事は星矢達や二課の面々の予想通りであった。

 

星矢「そりゃ、そうだろ。俺だってあんまりわかんねえしな…」

 

了子「いきなりは難しすぎちゃいましたね。だとしたら聖遺物からシンフォギアを作り出す唯一の技術、『櫻井理論』の提唱者がこの私である事だけは覚えておいてくださいね♪」

 

響「はぁ…。でも、私は聖遺物というものを持ってません。なのに、なぜ…」

 

 そんな響の疑問に答えるべく、今度はモニターに響の胸のレントゲン写真を映した。

 

弦十郎「これが何なのか君ならわかるはずだ」

 

響「はい、2年前の怪我です!あそこに私もいたんです!」

 

了子「心臓付近に複雑に食い込んでいるため、手術でも摘出不可能な無数の破片。調査の結果、この影はかつて奏ちゃんが身に纏っていた『第三号聖遺物 ガングニール』の砕けた破片であると判明しました。奏ちゃんの置き土産ね」

 

 その事実に翼は驚愕し、頭を押さえてその場を去って行った。一方の星矢達は紫龍の推測通りである事に納得していた。

 

氷河「(やはり、紫龍の推測は正しかった)」

 

響「あの…、この力の事、誰かに話しちゃいけないんでしょうか?」

 

沙織「それはいけません。あなたにその力を持っている事を誰かに知られてしまったら、あなたの家族や友人、周りの人々にも危害が及び、最悪の場合は命の危険にも晒されます」

 

響「命に係わる…」

 

弦十郎「俺達が守りたいのは機密ではない、人の命だ。そのためにも、この力の事は隠し通してくれないだろうか?」

 

了子「あなたに秘められた力はそれだけ大きなものだとわかってほしいの」

 

 沙織達の言葉に響は何も言えなかった。

 

弦十郎「人類ではノイズに打ち勝てない。人の身でノイズに触れる事は即ち、炭となって崩れる事を意味する。そしてまた、ダメージを与える事も不可能だ。例外があるとすれば、『シンフォギア』を纏った『戦姫』と古来より聖なる鎧『聖衣』と己の肉体に秘められし力『小宇宙』を駆使し、ノイズに立ち向かう事ができた『アテナの聖闘士』だけ。日本政府特異災害対策機動部二課として改めて協力を要請したい、立花響君。君が宿したシンフォギアの力を対ノイズ戦のために役立ててくれないだろうか?」

 

 弦十郎の頼みに響は迷ったが…

 

響「私の力で誰かを助けられるんですよね?」

 

 それに星矢達は頷いた。

 

響「わかりました!星矢さん、紫龍さん、氷河さん、瞬さん、よろしくお願いします!」

 

星矢「こちらこそよろしく頼むぜ、響」

 

紫龍「君はまだ戦闘の経験がない。だから、無理はせずにわからない事があったら俺達に聞くんだ」

 

氷河「どうにもならない時は俺達も力になる」

 

 星矢達の優しさに響は嬉しくなり、星矢達と握手した。そして、星矢達と一緒に翼の所に来た。

 

響「私、戦います!」

 

 しかし、翼は何も返さなかった。その翼の違和感は響にはわからず、星矢達にしかわからなかった。

 

響「慣れない身ではなりますが、星矢さん達と一緒に頑張ります!一緒に戦えればと思います!」

 

 響は握手を求めたが、翼は険しい顔をしてそれに応じなかった。

 

響「あ、あの…一緒に戦えればと…」

 

 そんな折、突如警報が鳴って通路が少し暗くなった。

 

瞬「現れたみたいだよ」

 

星矢「今日も返り討ちにしてやるぜ!」

 

 星矢達は闘志を燃やし、奏者達は緊張して指令室に来た。そして、出現ポイントなどを聞いた。

 

翼「迎え撃ちます」

 

星矢「沙織さん!」

 

沙織「ええ。皆さん、ノイズを殲滅し、人々を救うために出撃してください!」 

 

 翼は出撃し、星矢達と一緒に響も出撃しようとした。

 

弦十郎「待つんだ!星矢達はともかく、君の力はまだ」

 

響「私の力が誰かの助けになるんですよね!?シンフォギアの力でないとノイズと戦えないんですよね!?だから行きます!」

 

沙織「…そこまで言うのなら、出撃を許可します。星矢、響さんを手助けしてあげてください」

 

星矢「まかしとけって、沙織さん!」

 

紫龍「では、出撃します!」

 

 そう言って響を連れ、星矢達は出撃した。

 

朔也「危険を承知で誰かのためになんて、響君はいい子ですね」

 

沙織「果たして、そうなのでしょうか?」

 

あおい「どうしてですか?」

 

弦十郎「翼や星矢達のように幼い頃から戦士としての鍛錬を積んで来たわけではない。ついこの間まで日常の中にその身を置いていた少女が『誰かの助けになる』というだけで命をかけた戦いに赴くのは『歪な事』ではないか?」

 

美衣「司令のおっしゃる通りです。星矢さん達や私は聖闘士となるため、数年かけて厳しい鍛錬を積んできました。ですが、あの子は戦士になるための鍛錬を積んでいません。なのに、そんな事に赴こうとするのは、前向きに自殺しに行くようなものです」

 

 響の姿勢を美衣は『前向きな自殺衝動』と捉え、それに弦十郎や沙織達も同意したのであった。その『前向きな自殺衝動』は紫龍も気付いていた。

 

星矢「どうした?紫龍」

 

紫龍「星矢、響のあの姿勢は俺からしたらおかしいとしか思えな。俺達は数年もの修行を経て、戦士に相応しい力と心得を身に付けて聖闘士となった。だが、響は助けになるというだけで命をかけた戦いに赴く。それは異常ではないのか?」

 

 その紫龍の推測には星矢達も同意した。

 

瞬「僕から見てもおかしいと思う」

 

氷河「普通、怖いという感情で即答できないはずだ」

 

星矢「俺達がフォローしなきゃならねえみたいだな…」

 

 響の歪さに星矢達はフォローしなければならないと思っていたのであった。




これで今回の話は終わりです。
今回は響の初戦闘と戦場での星矢達との遭遇、そして二課や聖闘士、沙織の正体を知るという話になっております。
今回の話の星矢は響のピンチに現れ、颯爽とノイズの群れを蹴散らして響をお姫様抱っこするというとてもおいしい登場をしましたが、今小説における星矢はセインティア翔でのミロみたいな響にとっての王子様で、どうにもならない時は力を貸し、悩める事があったら相談に乗ってくれるようなポジションだと思ってください。
次の話は響の事で翼と星矢達の対立を描きます。
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