聖闘士星矢x戦姫絶唱シンフォギア 13番目の黄金聖衣 作:アンドロイドQ14
城戸邸
星矢達は報告のために帰ってきた一輝からこれまで手に入れたフィーネに関する情報を聞いていた。
星矢「一輝はフィーネに関する事を探るためにずっと聖遺物の研究所を回っていたのか!?」
一輝「ああ、そうだ。ノイズ襲撃から救出したある兵士から『フィーネ』というのを聞いて、それが何なのかを探っていた。そして、蛇遣座の黄金聖衣がフィーネの手掛かりになると判断して、日本にやってきたというわけだ。その道中、アメリカの工作員共が仕掛けた殺人の現場にばったり遭遇してそいつらからフィーネに関する情報を幻魔拳で聞き出そうとしたが、その直後にフィーネを知っているようだったリーダーや部下達はみんなノイズに殺されて口封じされたがな」
その言葉に沙織はピンと来た。
沙織「一輝、あなたが見た現場は広木防衛大臣暗殺の現場ではないでしょうか!?」
一輝「俺が見たのは政府要人暗殺の現場だったというのか!?」
美衣「沙織様、これで米国政府の弱みを握る事ができましたね」
沙織「それを突き付ければ、米国政府も聖遺物に関する事で日本政府に強く出る事はできなくなるでしょう。一輝、今回のあなたの行いは大手柄です」
一輝「ふっ、照れるな…」
瞬「でも、防衛大臣暗殺を米国政府に依頼した黒幕は誰なのかな?」
氷河「そこが引っかかるな…」
そんな中、紫龍は一輝の話である確信を得た。
紫龍「その防衛大臣暗殺の依頼主である黒幕で、口封じでノイズを使って工作員達を殺した犯人は一輝の探しているフィーネではないのか?」
氷河「そうか!フィーネが黒幕なら、邪魔になっていた防衛大臣を暗殺するために米国政府に依頼し、一輝に情報を漏らさないために口封じで工作員達を殺したのも納得がいく!」
瞬「あと、この前の戦いではあのネフシュタンの鎧の子は僕を気遣ったりするような事を言ってたから、あの子はノイズ事件の黒幕じゃなさそうな気がしたんだ」
星矢「とすれば、フィーネがリディアン周辺のノイズ事件の黒幕って事にもなるな」
一輝「星矢達の情報と俺の得た情報が合わさって、敵の正体も少しずつ判明してきたな」
星矢「なら、何で二課のメンバーと一緒に会議をしないんだ?ノイズ関連の専門家も一緒の方が」
紫龍「それは、櫻井了子が気になるからだ」
一輝「奇遇だな、紫龍。俺も櫻井了子が怪しいと思っている。もしも、二課のメンバーにもフィーネの事を話せば、了子は何かしでかすだろう」
沙織「だから、私達だけでこの事を話したいと紫龍は言ったのですね?」
紫龍「はい」
星矢「一輝はこれからどうするんだ?」
一輝「引き続きフィーネの情報を集め、行方を探る。お前達もノイズを倒しながら別の方向でフィーネを探ってくれ」
瞬「だけど、気を付けてね、兄さん」
一輝「心配するな、俺は簡単にくたばりはしない」
そう言って一輝は席を立ち、城戸邸を後にした。
???
湖の畔でクリスは佇んでいた。
クリス「(完全聖遺物の起動には相応のフォニックゲインか膨大な聖闘士の小宇宙が必要だとフィーネは言っていた…。あたしがソロモンの杖に半年も手古摺った事をあいつはあっという間に成し遂げた。そればかりか、無理矢理力をぶっ放して見せやがった…)」
それは、デュランダルを起動させて暴走した響の事であった。その時は瞬が庇い、一輝が暴走した響に幻魔拳をかけて正気に戻したために事なきを得たが、クリスには屈辱だった。
クリス「くっ、化け物め!このあたしに身柄の確保なんてさせるくらい、フィーネはあいつにご執心ってわけかよ。あの金ピカ鎧と同じぐらいに」
金ピカ鎧とは、黄金聖衣の事であった。そして、クリスは両親の死、地獄の苦しみなどの思い出したくない忌まわしい過去を思い出していた。
クリス「(そしてまた…、あたしは一人ぼっちになるわけだ…)」
日の出を眺めていると、プラチナヘアーの女で一輝が探している謎の人物、フィーネが背後にいた。
クリス「わかっている。自分に課せられた事くらいは。こんなものに頼らなくとも、あんたの言う事くらいやってやらぁ!」
そう言ってクリスはソロモンの杖をフィーネに渡した。
クリス「あいつよりも、あたしの方が優秀だってことを見せてやる!あたし以外に力を持つ奴は全部この手でぶちのめしてくれる!そいつがあたしの目的だからな!例え聖闘士であっても、女の面をした鎖野郎でも容赦しねえ!」
フィーネ「(この子もそろそろ用済みね。奴等もフェニックス相手にヘマをやらかしてあの女に弱みを握られたし、所詮はこんなものよ。やはり信頼できるのは、あの聖衣だけだわ)」
クリスの態度にフィーネはそろそろ用済みだと判断しており、利用していた相手も一輝を相手に失態を犯したため、心の底から信頼しているのはいつも自分の傍に置いている聖衣だけだった。
病院
その頃、入院している翼は手術前に紫龍が小宇宙で応急処置をしてくれたため、歩行などの軽い運動はできていたが、まだ点滴はとる事ができなかった。
翼「(奏、私も見てみたい!見なければ奏と同じところに立てない。戦いの裏側、向こう側に何があるのか確かめたいんだ)」
???「あまり無理をするな、翼」
声をかけたのは紫龍と氷河だった。
翼「紫龍、氷河…」
紫龍「司令から頼まれてお前の様子を見に来た」
氷河「きちんと大人しくしないと、治るものも治らなくなるぞ」
2人の言葉に翼は渋々戻る事にした。3人がふと外をみると、響と未来が走っているのを見た。響は先のデュランダル暴走の事を思い出していた。
響「(暴走するデュランダルの力。恐いのは制御できない事じゃない、ためらいもなくあの子や止めようとした瞬さんに向かって振りぬいた事。一輝さんの言う通り、私がいつまでも弱いばっかりに)くっ」
未来は途中でへばったが、響はまだ走り続けていた。
響「(私は、ゴールで終わっちゃダメだ!もっと遠くを目指さなきゃダメなんだ!もっと遠くへ、遠くへ!)」
焦る響を未来は悲しそうに見ていた。
リディアン 寮
走り込みが終わった響と未来はお風呂に入っていた。
未来「もう、張り切り過ぎだよ!」
響「ごめん、考え事したらつい…」
未来「やっぱり、響は変わった子!」
響「日曜の朝なのにごめんね、付き合わせちゃって」
未来「ううん、私も中学時代を思い出して気持ち良かったー」
響「あれだけ走ったのに?やっぱ流石だよ、元陸上部。こっちはヘトヘトのヘロヘロでトロトロだったのに…」
そんな響に未来は寄り添った。
未来「ひ~びき!」
響「ん?」
未来「なんか、リディアンに入学してから変わったよね。前は何かに頑張ったりとか好きじゃなかったでしょ?」
響「ん?そうかな?自分じゃ変わったつもりはないんだけど…」
未来「あれ?少し筋肉が付いてるんじゃない?あっ、よく見たら傷だらけじゃないの!」
なんやかんやで騒ぐ未来と響はお風呂から上がった。
未来「ねえ、今度フラワーでお好み焼き奢ってよ。日曜に付き合ったお返しという事で」
響「えっ?そりゃ、おばちゃんの『渾身の一枚』はほっぺの急降下作戦と言われるくらいだけど…」
未来「んじゃ、契約成立ね!楽しみだなぁ、フラワーのお好み焼き」
響「ほんとにそんなのでいいの?」
未来「うん、そんなのがいいな!」
特異災害対策機動部二課
その頃、二課では弦十郎は喪服に着替えていた。
了子「亡くなられた広木防衛大臣の法要でしたね?」
弦十郎「ああ。ぶつかる事もあったが、それも俺達を庇ってくれての事だ。心強い後ろ盾を失ってしまったな…」
朔也「ですが、グラード財団総帥の沙織お嬢様や聖闘士という新しい後ろ盾もできました。亡くなられた防衛大臣のためにも、彼等と共に力を尽くしましょう」
弦十郎「そうだな…。こちらの進行はどうなっている?」
了子「予定よりプラス17%」
朔也「デュランダル移送計画が頓挫して、正直安心しましたよ」
あおい「その後に本部の防衛システム、及び強度アップを行う事になるとは」
了子「ここは設計段階から限定解除でグレードアップしやすいように織り込んでいたの。それに、この案は随分昔から政府に提出してあったのよ」
あおい「でも確か、当たりの厳しい議員連に反対されていたと…」
弦十郎「その反対派の筆頭が、広木防衛大臣だった。非公開の存在に血税の対応や無制限の超法規措置は許されない、ってな。大臣が反対していたのは、俺達に法令を遵守させる事で余計な横槍が入ってこないように取り計らっていたからだ」
あおい「司令、広木防衛大臣の後任は?」
弦十郎「副大臣がスライドだ。今回の本部改造を後押ししてくれた立役者でもある。あるんだが…」
あおい「どうかしましたか?」
弦十郎「協調路線を強く唱える親米派の防衛大臣の誕生。つまりは、日本の国防政策に対し米国政府の威光が通りやすくなったわけだ」
あおい「まさか、防衛大臣暗殺の件にも米国政府が?」
???『その通りです』
通信で沙織が連絡を入れた。
弦十郎「沙織お嬢様!」
沙織『一輝が偶然現場を目撃しましたが、広木防衛大臣暗殺の犯人は米国政府の工作員でした。それを一輝から聞いた私は米国政府に直接電話でその事実を突き付け、『今後、日本政府に聖遺物関連での余計な口出しを慎む事。それを守れない場合、広木防衛大臣暗殺等の暗躍を全て暴露し、それと共に聖闘士が裁きを下しに来ます』と警告して彼等の弱みを握りました。今後、表立って余計な干渉は控えるでしょう』
朔也「やはり、米国政府の仕業だったのか!」
弦十郎「行動が早いな。それに、その強い正義感と忽然とした態度は間違いなく育ての祖父の光政翁譲りだ。グラード財団の世界経済への影響力もあって、米国政府も光政翁にはタジタジにされていたからな」
あおい「沙織お嬢様の心強さは亡くなられた広木防衛大臣にも匹敵しますね!これで、今までのようにいけますよ!」
弦十郎「ああ、その通りだ」
了子「それじゃ、ちょっと現場を見てくるわね」
少し現場を見に行こうとした了子だったが、冷たい視線を通信の先の沙織に向けていた。
リディアン
そして翌日、響の電話に連絡が入った。
響「はい、えっ?私がですか?」
慎次『ちょっと手が離せないんですよ。すみませんがお願いできませんか?こんな事頼めるの、響さんしかいなくて』
どうしても諜報部との活動で手が離せない慎次は響に依頼したのであった。
響「…はい、わかりました!あぁ、それじゃあ、失礼します!」
ちょうど未来が来たため、響は電話を切った。
響「あれ?未来、どうしたの?」
未来「うん。今日これから買い物に行くんだけど、響も行かない?その後でフラワーに寄ってね」
響「ごめん、たった今用事が入っちゃって…」
未来「……そっか」
響「せっかく未来が誘ってくれたのに、私呪われてるかも…」
未来「ううん、わかった。じゃあ、また今度」
断ってしまった事を申し訳なく思う響であった。
未来「気にしないで!私も図書室で借りたい本があるから、今日はそっちにする」
響「ごめんね」
謝ってから響はその場を離れた。しかし、二人の心には陰りができ始めていた。
病院
慎次に頼まれ、響は病院に来たが、病院には星矢達も待っていた。
響「星矢さんにみんな!」
星矢「待ってたぜ」
瞬「緒川さんから聞いて、僕達も待ってたよ」
響「あの…、一輝さんは…?」
星矢「一輝は群れるのが嫌だからある事で報告をしてからまたどっかへ行ったよ」
響「あんなに強いのなら、いつも一緒の方がいいのに…」
紫龍「響、人は違った性格の人がたくさんいるんだ。一輝みたいな生き方を好む奴がいても不思議ではない」
氷河「それに一輝は大事な時、特に瞬の危機には必ず駆け付けて俺達と共に戦うから、普段は一輝の好きにさせてやってくれ」
響「そうですか…」
そして、響は決意した様子で翼が入院している個室に佇み、深呼吸した。
星矢「別にそんな事をしなくても」
響「失礼します!」
翼の個室に入った響だったが、その有様に驚愕していた。
星矢「あちゃ~…」
紫龍「相変わらずだ…」
???「何をしているの?」
部屋の有様に響が驚愕し、星矢達が呆れていると、後ろに翼がいた。
響「大丈夫ですか!?本当に無事なんですか!?」
翼「入院患者に無事を聞くって、どういう事?」
響「だって…これは…!」
そう、翼の個室は強盗が入ったかのように物が散らかっていたのであった。
響「私、翼さんが誘拐されちゃったんじゃないかと思って!二課のみんながどこかの国が陰謀を巡らせているかもしれないって言ってたし!」
紫龍「翼はそういうのが全然ダメな奴でな、俺達が来る度にこうなってるんだ」
星矢「仕方ねえな。俺達でお片付けしようぜ」
氷河「そうだな」
そう言って、星矢達はマッハの動きであっという間にお片付けを終えてしまった。
瞬「はい、終わり!」
響「は、早すぎっ!!?5秒で終わっちゃった!」
星矢「今のでも軽くだ。本気を出せば、光の速さで動けるぜ」
響「ひ、光の速さ!?」
翼「これ程のものとは…!」
聖闘士の圧倒的な動きの速さに2人は驚愕していた。
翼「もう、そんなのいいから…」
響「私、緒川さんからお見舞いを頼まれたんです。ほんとは、片付けたかったんですけど…」
星矢達にマッハの速さで先に片付けられて響はしょんぼりしていた。
翼「私はその…、こういう所に気が回らなくて…」
響「以外です。翼さんって、何でも完璧にこなすイメージがありましたから」
瞬「でも、それはあくまでもイメージでしかない。実際はどんなものかは、他の人が見てみなきゃわからないんだ」
翼「そう。真実は逆ね。私は戦う事しか知らないのよ」
星矢「奇遇だな。俺達もガキの頃から戦いの訓練に明け暮れていたんだぜ」
紫龍「もっとも、星矢の師の魔鈴さん、俺の師の老師、氷河の師の水晶聖闘士、瞬の師のアルビオレは戦い方以外にも人として大切な事も色々と教えてくれたがな」
氷河「本来だったら、俺達も学校に行ってた年頃だけどな」
響「本当だったら、星矢さん達が学校に行っているイメージが思い浮かばない…」
星矢達はあまりにも大人びているため、響には制服姿の星矢達のイメージが思いつかなかった。
翼「…今はこんな状態だけど、報告書は読ませてもらっているわ。私が抜けた穴をあなたが良く埋めている事もね」
響「そんな事は全然ありません!いつも星矢さん達や二課のみんなに助けられっぱなしです!」
その様子に響達の前で初めて翼は笑い、星矢達も一緒に笑ったのであった。
図書館
その頃、図書館では未来は『素直になって、自分』という本を手に取っていた。
未来「はぁっ…」
ふと、窓を見ると、そこには楽しそうに会話している響と翼、そして星矢達の姿があった。その姿に未来はショックを受け、落ち込んだ。
病院
病院では話が続いていた。
響「嬉しいです。翼さんにそんな事、言ってもらえるなんて…」
翼「でも、だからこそ聞かせてほしいの。あなたの『戦う理由』を」
響「えっ?」
その言葉に響は驚愕した。
翼「ノイズとの戦いは遊びではない。それは今日まで視線を超えてきたあなたならわかるはず」
響「よくわかりません…。私、人助けが趣味みたいなものだから、それで…」
翼「それで?それだけで?」
響「だって、勉強とかスポーツは誰かと競い合って結果を出すしかないけど、人助けって誰かと競い合わなくていいじゃないですか。私には特技とか人に褒められるものがないから、せめてみんなの役に立てればいいかなぁって、あはははは」
しばらく沈黙が続いた。
響「きっかけは、やっぱり『あの事件』かも知れません。私を救うために奏さんが命を燃やした2年前のライブ。奏さんだけじゃありません。あの日、たくさんの人がそこで亡くなりました。でも、私は生き残って今日も笑ってご飯を食べていたりしています。だから、せめて誰かの役に立ちたいんです。明日もまた笑ったりご飯を食べたりしたいから…、人助けがしたいんです」
星矢達の反応は微笑みを浮かべるものだった。
翼「あなたらしいポジティブな理由ねだけど、その思いは『前向きな自殺衝動』かも知れない」
響「自殺衝動!?」
翼「誰かのために自分を犠牲にする事で古傷の痛みから救われたいという、自己断罪の現れかも」
星矢「(前向きな自殺衝動か…)」
響「あの…、私、変な事言っちゃいましたか?」
星矢「ん?」
その場で笑った後、一同は屋上へ移動した。
翼「変かどうかは私が決める事じゃないわ。自分で考え、自分で決める事ね」
響「考えても考えてもわからない事だらけなんです。デュランダルに触れて暗黒に呑まれかけました。気が付いたら、人に向かってあの力を…私がアームドギアをうまく扱えていれば、あんな事にならずに…」
翼「力の使い方を知るという事は即ち、戦士になるという事。それだけ、人としての生き方から遠ざかる事なのよ。力を身に付けるために数年間修行に明け暮れていた星矢達のように。あなたに、その覚悟はあるのかしら…?」
その問いに響ははっきり答えた。
響「守りたいものがあるんです。それは何でもない、ただの日常。そんな日常を大切にしたいと強く思うんです。だけど、思うばかりで空回りして…」
翼「戦いの中、あなたが思っている事は?」
響「ノイズに襲われている人がいるなら、1秒でも早く救い出したいです!最速で、最短で、まっすぐに、一直線に駆け付けたい!そして…」
響の頭にクリスの姿が思い浮かんだ。
響「もしも相手がノイズではなく誰かなら、どうしても戦わなくっちゃいけないのかっていう、胸の疑問を……私の想いを届けたいと考えています!」
その答えに瞬が口を開いた。
瞬「僕も同じ考えだよ、響。あの子は完全に悪い子じゃないと思う。だから、君のやりたいようにしてみるんだ」
響「瞬さん…」
翼「今、あなたの胸にあるものをできるだけ強くはっきりと想い描きなさい。それがあなたの戦う力、『立花響のアームドギア』に他ならない」
フラワー
一方、未来は落ち込んだ様子で響とよく一緒に立ち寄るお好み焼き店フラワーに立ち寄った。
おばちゃん「いらっしゃい!」
未来「こんにちわ」
おばちゃん「おや?いつも人の三倍は食べるあの子は一緒じゃないの?」
未来「今日は私一人です」
おばちゃん「そうかい」
おばちゃんは早速お好み焼きを作り始めた。
おばちゃん「んじゃ、今日はおばちゃんがあの子の分まで食べるとしようかね」
未来「食べなくていいから焼いてください」
おばちゃん「あはははっ」
未来「お腹空いてるんです。今日はおばちゃんのお好み焼きを食べたくて、朝から何も食べてないから」
おばちゃん「お腹空いたまま考え込むとね、嫌な答えばかり浮かんでくるもんだよ」
未来「(そうかも知れない。何もわからないまま私が勝手に思い込んでるだけだもの。ちゃんと話せばきっと…)ありがとう、おばちゃん」
おばちゃん「何かあったらまたいつでもおばちゃんの所においで」
病院
その頃、響は考え事をしていた。
響「う~ん…、そう言われても、アームドギアの扱いなんてすぐには考え付きませんよ。ね、知ってますか、翼さん!お腹空いたまま考えてもろくな答えが出せないって事を」
翼「何よ、それ?」
星矢「腹が減ったのか?」
響「そうじゃなくて、前に私、言われたんです!お好み焼きのおばちゃんに。名言ですよ!」
翼「ああ、そう…」
響「そうだ、翼さん!私、フラワーのお好み焼きをお持ち帰りしてきます!お腹いっぱいになれば、ギアの使い方も閃くと思いますし、翼さん達も気に入ってくれると思いますよ!」
紫龍「響の言う通り、空腹ではろくな事も思いつかんからな」
星矢「だったら、それは軽く音速で動ける俺達に任せてくれないか?」
翼「待ちなさい、立花!」
氷河「初めて響の名前を呼んだようだな、翼」
お好み焼きを買いに行こうとした星矢と響だが、突如として連絡が入った。
星矢「沙織さん?」
沙織『星矢、ネフシュタンの鎧を纏った少女とノイズが出現しました。至急、響さんと一緒に出撃してください!』
星矢「わかったぜ」
響「星矢さん、そのネフシュタンの鎧の子は私に任せてください!」
星矢「ああ。俺はノイズを倒しに行く!」
星矢と響は出撃した。
翼「私も行かねば…!」
瞬「待って!翼さんはまだ戦える体じゃないんだ!僕の応急処置が終わるまで待ってて!」
行こうとした翼を静止した後、瞬は小宇宙で翼が戦闘できるように応急処置を行った。
公園
未来は帰宅途中であったが、ばったり響と遭遇した。
未来「あっ、響!」
響「未来…」
???「お前はーーーー!!」
クリスの気配がしたため、響がその方向を向くと、クリスは攻撃を仕掛けてきた。
響「来ちゃダメだ!ここは」
伝えようとしたのも既に遅く、クリスの攻撃の余波で未来は吹っ飛ばされてしまった。
未来「あああああっ!!!」
クリス「しまった!あいつのほかにもいたのか!?」
未来に車が迫る中、響は戦いの歌を歌った。
響「♪~~♪♪~♪」
そしてシンフォギアを纏い、車を粉砕した。
未来「響…?」
響「ごめん…」
響の鎧を纏った姿に未来は困惑していた。そして、響はクリスの元へ行った。
クリス「どんくせえのが一丁前に挑発するつもりかよ!」
未来が巻き添えにならないように響は誘導していた。
未来「何で響が…?」
特異災害対策機動部二課
指令室では響の戦闘の様子を追っていた。
あおい「響ちゃん交戦に入りました!現在、市街地を避けて移動中!」
弦十郎「そのままトレースしつつ、映像記録詳解!」
その様子は二課の面々だけでなく、少し前に来ていた沙織と美衣も見ていた。
森
改めて響は被害の出ない場所でクリスと対峙し、クリスは攻撃を仕掛けてきた。
クリス「どんくせえのがやってくれる!」
響「どんくさいって名前じゃない!私は立花響!15歳!誕生日は9月13日で血液型はO型!身長はこないだ測定では157センチ!体重は…もう少し仲良くなったら教えてあげる!趣味は人助けで!好きなものはご飯&ご飯!後、彼氏いない歴は年齢と同じ!」
クリス「な、何をトチ狂ってんだ?お前…。鎖野郎と同レベルじゃねえか…」
響「私達はノイズと違って言葉が通じるんだから、ちゃんと話し合いたい!」
クリス「なんて悠長、この期に及んで!」
鞭の攻撃を響はわかした。
クリス「(こいつ、何か変わった?覚悟か!)」
響「話し合おうよ!私達は戦っちゃいけないんだ!」
クリス「ちっ!」
響「だって、言葉が通じ合えば人間は」
クリス「うるさい!分かり合えるものかよ!人間が、そんな風にできているものか!気に入らねえ、気に入らねえ、気に入らねえ!!!わかっちゃいねえ事をペラペラと知った風にするお前がーーーー!!!」
惨劇を目の当たりにし、地獄を味わったクリスには響が鬱陶しくて仕方なかった。
クリス「お前を引きずってこいと言われたが、もうそんな事はどうでもいい!お前を子の手でたたき潰す!今度こそお前の全てを踏み躙ってやる!!」
響「私だってやられるわけには」
クリス「ああああああっ!!ぶっ飛べ!」
苛立ちがピークに達したクリスはNIRVANA GEDONをぶっ放した。それを響は受け止めたが、クリスはすぐに二発目を撃ち込んだ。
クリス「はぁ、はぁ、はぁ…、お前なんかがいるから、あたしはまた…」
響「はああああっ!!!」
しかし、響は両掌でNIRVANA GEDONを圧縮させて打ち消した。
響「(くっ、これじゃダメだ!翼さんのようにギアのエネルギーを固定できない!)」
紫龍『武器に頼れば隙が生じる!己の肉体を武器に戦うんだ!』
クリス「この短期間にアームドギアまで手にしようってのか?」
響「(エネルギーはあるんだ。アームドギアで形成されないのなら、その分のエネルギーをぶつけるだけ!紫龍さんが言ったように、己の肉体を武器に!)」
クリス「させるかよ!」
再び鞭の攻撃を行ったが、響は掴んだ。
響「(雷を握り潰すように!)」
そして、掴んだ鞭を引っ張ってクリスを自分の方へ引き寄せてから、バーニアで一気にクリスへ近づいた。
響「(最速で、最短で、まっすぐに、一直線に!胸の響きを、この想いを伝えるために!!)」
響は渾身のパンチをクリスに打ち込み、右手のパイルバンカーみたいなパーツが二発目を打ち込んだ。その衝撃でネフシュタンの鎧にヒビが入った。
クリス「(バカな…、ネフシュタンの鎧が…!)」
その衝撃で爆発が起こり、その光景を未来は泣きながら見ていた。
未来「響…」
これで今回の話は終わりです。
今回は響と未来のすれ違いとクリスとの戦いを描きました。
次の話はフィーネが奏者や星矢達の前に姿を現します。