異端者が英雄になるのは間違っているだろうか?   作:もち米

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 ラムザのLvですが、これは私が考えている物語の中でこうした方が良いと結論させた結果です。申し訳ありません。

 少しネタバレになりますが今後物語りを進めていくと、とある怪物達が数倍パワーアップしてラムザ達の前に立ち塞がるのです。

 それらの事を頭にいれながら今後の話を楽しんでくれたら幸いです。

 


2話 冒険者ギルド

 ヘスティアはアルマに『神の恩恵』を刻む。するとアルマの背中からステイタスが浮かんできた。ヘスティアは紙にステイタスを書き服を着終えたアルマに手渡した。

 

 

 

 

アルマ・ベオルブ

 

 

Lv1

 

 

 

力 :I0

耐久:I0

器用:I0

敏捷:I0

魔力:I0

 

 

 

《魔法》

 

マバリア

 

 

デスペナ

 

 

アルテマ

 

 

《スキル》

 

 

 

 

「これがアルマ君のステイタスだ!」

 

 先ほどのラムザに比べたら全うな数字と言っても良いだろう。それでも魔法が3つあるのは予想外だが。

 

「兄さんに比べたら全然ね」

 

 アルマはそう言いながら自分のステイタスを見る。

 

「でもこれが普通だよ。それでも魔法が三つもあるのが意外だけどね!」

 

 ヘスティアはアルマにそう言った。ラムザのステイタスは規格外といっていいだろう。それに比べてアルマのステイタスはまだマシなほうだ。ヘスティアはそんなアルマのステイタスを見て安堵したほどだから。

 

「終わったか」

 

 事が終わったのを確認し終えたラムザは部屋に入る。

 

「…さて、これで二人は僕のファミリアの団員になったわけだ! 要するに家族って訳だ!!」

 

「家族…」

 

 ラムザは家族という言葉に反応した。そしてあることを思い出す。

 偉大な父親の死。

 そんな父親を毒殺した長兄ダイスダーグがルカヴィに乗っ取られ、戦わなければならなかったこと。

 次兄のザルバッグがルカヴィに操られ、殺し合いをしなければならなかった忌まわしき戦い。

 名門騎士のベオルブ家の最後が実に悲惨であった。

 

「…ラムザ君? どうしたんだい?」

 

 ヘスティアが心配そうにラムザに言った。

 

「いえ、少し昔を思い出しただけです」

 

ラムザはそう言って微笑んだ。

 

「そうかい。でも何かツライことがあったとしたら僕に相談してくれよ! 力になってあげるぜ!!」

 

「その時はよろしくお願いします」

 

 その後、今日は夜も遅いのでここで夕食をとることになった三人。

 

「さあ、今日は僕の眷属となった二人にご馳走だー! ジャジャン! これを見たまえ、大量のジャガ丸くんだぜ! 今夜は君達を寝かせないぜ?」

 

大量のジャガ丸くんをお皿の上にいっぱい広げるヘスティア。ラムザはジャガ丸くんを見て――――。

 

「…これ、どういう食べ物なんだろう?」

 

 ふとそう呟く。

 そんなラムザをよそにアルマがジャガ丸くんを一口食べる。

 

「あ、美味しい!」

 

 そんなアルマの言葉を聞きラムザも食べる。

 

「本当だ…!」

 

「フフン どうだい! とっても美味しいだろう! 実を言うとこのジャガ丸くんは僕が働いている露店の品なんだぜ!」

 

「神が働いているのですか?」

 

 ラムザが率直な疑問をぶつける。

 

「う……痛いところをつくね…今まで眷属が一人もいなかったから、こうやって働いて生活していたのさ…」

 

 机にふせながら、どんよりと落ち込むヘスティア。そんなヘスティアの姿を見たラムザは聞いてはいけない話題だったかと反省をした。

 実を言うとヘスティアは下界に降り立った際、ファミリアも作らず全く働こうともせず、親友のヘファイストスのファミリアに世話になっていた。そんなぐうたらな生活が続いたていたら、当然親友の堪忍袋の緒が切れるのは時間の問題であった。そしてついにヘファイストス・ファミリアを追い出される。だがそれは当然の結果。ろくに動かなかったヘスティアが悪い。因みに今働いている露店や廃教会はヘファイストスの手配りだ。なんだかんだ言ってヘファイストスは面倒見が良いといって良いだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

 

 

 

 ラムザは町の大通り歩いていた。活気にあふれ、様々な種族の人々が生き生きしていることがわかる。小さい子供を連れて買い物に来ている親子、公園のベンチで新聞を読んでいる成人男性、武器を持っているのは冒険者なのだろう、その冒険者は果物を買っていた。それらを見てわかるとおり実に平和な世界だった。

 思えば自分のいた元の世界では、血塗られた戦争ばかりだ。

 五十年戦争―――貴族・平民が酷く疲弊したその戦争が和平協定により終結したのもつかの間、今度はラーグ公とゴルターナ公との権力闘争を発祥とする内戦、獅子戦争が勃発したのだ。その獅子戦争の影では影響力を落としたグレバドス教会が暗躍していたり、更にその教会をも利用してルカヴィが聖天使アルテマを復活させようとしていた。

 比べることはよくないとラムザは思うのだが、やはり比べてしまう。そして思った。この世界がいつまでも争いのない平和な世界であるようにと。心から願った。

 

 

 

 

 

 

 

「ここがギルドか…」

 

 ラムザは冒険者ギルドの前に来るとそう呟いた。建物は立派な西洋風であった。ラムザの目的は冒険者ギルドに行って冒険者として登録することだ。ギルドに行く際、妹のアルマが一緒について行くと言っていたが、何とか押し留め、ヘスティアと一緒に町の見学に行かせることが出来た。

 

「…………」

 

 ラムザは冒険者ギルドに入っていく。冒険者となってダンジョンに入るために、元の世界の手掛かりを得るために、そのための第一歩を踏み込んだ。しかし、ラムザはこの時気がつかなかった。その第一歩の最初の障害が今迫っている事に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ですから、ここに書いているLv9というのはどういうことなんですか!?」

 

 ギルドの受付嬢であるエイナ・チュールはそう指摘してきた。

 

「…と、言われても…」

 

 事の成り行きはこうだ。先ほど入ってきた男性が冒険者になりたいと尋ねてきた。エイナは事務的に書類を渡した。しかしその男性がLv9と書いた瞬間、落胆した。

 よくあるのだ。自分のLvを偽って登録をしようとする者が。しかし、それでも大抵Lv2というのが関の山だが、この男性はどうだ。なんら迷いもなくLv9と書いたではないか。嘘もここまでくれば逆に清清しいと思ったほどだ。

 

「いいですか? 今現在このオラリオにいる最高Lvの人はフレイヤ・ファミリアに所属するオッタルという人です。もしこれが本当なら貴方はオッタルより強いという事になります! もう一度言います。貴方は本当にLv9なのですか!?」

 

「ヘスティア様が言うには本当のことだと思う…」

 

 ラムザは迫り来るエイナ・チュールに若干気押されながらもそう言った。そんなラムザを見てエイナ・チュールはため息をはき、信用していない表情をした。

 

「―――では、貴方の背中に刻まれているステイタスをこの私に見せてください」

 

「ステイタスを? しかしステイタスをバラすことはしてはいけないことでは?」

 

「この書類を見て私が信用するとでも? いいですか? ダンジョンは危険なところなんです! それこそ命を落とすことなんかザラなんです! ちゃんと確認をしないと、私はいつまでも貴方の冒険者登録をすることはしませんよ!」

 

 エイナ・チュールは口を酸っぱくした。それもその筈。冒険者に成り立ての時期が一番命を落とすケースが多いからだ。

 冒険者は冒険しちゃいけない。エイナ・チュールの口癖だ。

 

「…しかし――――」

 

「ご安心ください。今から見るものは私は誰にも話しはしません。もし貴方のステイタスが明るみになることがあれば、私も相応の責任を負います」

 

「…わかりました。ステイタスを見せることにします」

 

 そんなエイナ・チュールに観念したのかラムザはステイタスを見せることを決意した。

 二人は部屋の隅に向かう。ラムザはそこで鎧を外し上半身裸になった。

 エイナ・チュールはラムザの背中に書かれている神聖文字を読む。実を言うとエイナ・チュールは簡単な神聖文字を読み書きできるのだ。その理由は簡単。学区で総合神学を専攻していたからだ。

 

「――――え!?」

 

 エイナ・チュールはラムザの背中に書かれている神聖文字が何かの間違いかと思って目を擦る。

 そして改めて背中に書かれている神聖文字を見る。しかし、現実は変わらない。

 そこに書かれているLvとステイタスは紛れもなく本物であった。

 

「ええぇぇーーーー!?」

 

エイナ・チュールの驚きの叫びが冒険者ギルド内に木霊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日はアルマ君とデートだー!」

 

 ヘスティアはアルマを連れてウキウキと町を歩いていた。

 

「随分と賑やかな町ですね」

 

「フフン! ここ迷宮都市オラリオは世界の中心だからね。富や名声、もしかしたら運命の出会いだって存在するかもよ。現に僕はこうして君に出会えたからね!」

 

 胸を張って言うヘスティア。そんなヘスティアを見てアルマは微笑んだ。その際ふと何気なく街路の隅に目を配る。それは本当に些細なことであった。いつもなら気にすることはないのだが、それでも気になった。そこにいた人が、とても寂しそうだったから。

 アルマは歩みを止めてその人を見つめる。

 

「どうしたんだい? アルマ君?」

 

 ヘスティアは立ち止まったアルマを見た。

 

「あの人……」

 

「んん?」

 

 

 ヘスティアはアルマが見つめる場所を見た。そこには白髪の少年の姿があった。

 その少年は何かを諦めたかのように力なく暗闇に包まれた裏通りへ入ろうとする。まるで、たった独りで、誰にも気付かれることがないように。

 

「――――おーい! そこの君ぃ。路地裏は危ないから行かないほうがいいぜ?」

 

 ヘスティアはそんな少年に声をかけた。それがもう一つの運命の出会いであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




オマケ


エイナ「ですからこのLv9というのはどうゆうことなんですか!?」

鬼畜王ラムザ「本当のことを言ったまでだ!」

エイナ「だからと言ってそんなこと信用出来ますか! 駆け出しの冒険者がギルトに訪れるのはLv1が常識なんですよ! 貴方嘘ついているんじゃないですか!?」

鬼畜王ラムザ「僕は嘘なんて言っていないッ!!」

エイナ「では背中に刻まれている神聖文字を見せなさい! 貴方の言ったことが真実ならそこで証明できるはずです!」

鬼畜王ラムザ「断る! 神聖文字は無闇に人にみせてはならないということを聞いた。貴様の言っていることは現実にはあってはならないことなんだ! ステイタスを他人に見せるということは、それすなわち己の弱点を見せることになる! そんなこと僕がするとでも思うか!」

エイナ「……なんでこうなるのよぉ~」
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