拾われ少女   作:月蛇神社

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ちょっと精神的に病んだりやること多かったりで気づけばあんまりいじれていませんでした。申し訳ない。
リハビリ兼ねて今回は結構短めの話になっとります。
あと、前回のような展開になるときは注意書きが欲しいと言われましたので、今後は注意していこうと思います。

毎度読んでくださる皆様、謝謝。


20

「一夏……本当に大丈夫だったのか?」

「だだ大丈夫だったよ!?ね、鈴!?」

「そそそうよ!?何も無かったわよえぇ!?」

 

 鈴と箒が部屋を入れ替えた翌日。朝の食堂で箒は一夏と鈴の様子を聞いていた。

 

 二人の様子はどこかそわそわしてるしもう「何か隠してます」感がものすごく出ており箒の眼には怪しく見えた。

 

「……何か隠してないだろうなお前ら」

「「ぜーんぜん!」」

 

 追及してみてもやはり答えは予想通りのものだった。不自然な笑みを浮かべる二人とそれを睨む箒。やがて、箒は諦めたようにため息を吐いた。

 

「はぁ……これ以上は無駄だろうな。ほら、さっさと食べてしまおう」

「「ほっ……」」

「だがいつかは教えてもらうからな」

 

 呆れた顔の箒は朝食に手をつけた。それを見て二人も朝食にありついた。

 

 箸を動かしながら箒はそういえばと思い出したように話す。

 

「今日は石上さんの授業がある日だろう。鈴音は気になるんじゃないか?どんな人なのか」

「それは気になるわね。場合によってはボコすわよ石上京也ぁ……」

「そんなみんなにそくほーう」

「ん?……ひぃ!?」

 

 突如横からかけられた言葉に鈴音はそっちを向いて少し悲鳴を上げる。そこには顔を包帯で覆った女子生徒が立っていた。

 

「あ、本音ちゃん。速報って?」

「え、一夏この人の知り合いなの?というかなんで包帯なの?」

「更識関係の者らしいぞ。それで布仏、何なんだ?」

 

 鈴音が一夏の人間関係に謎を感じる中、本音はふっふっふっと笑いながら告げる。

 

「今日から蓮さんも特別コーチになりまーす」

 

 瞬間、一夏の表情が凍り付く。

 

「?蓮さんとは誰だ?」

「きょーさんと色々あった人、かな?」

「……なんでくるの?」

「一夏?顔めっちゃ怖いんだけど?」

 

 隣に座る鈴音は昨日とは別の怖さを出す一夏を不信に思う。仲が悪いからとかで出来る顔ではないからだ。

 

「ストッパー役だってさ~ほら、だいたいモッピーと織斑先生と暴れてるでしょ?それで止めれる人だからってことだってさ」

「京也ああぁぁ!!」

「落ち着け一夏!出席簿が飛んでくるぞ!というかモッピーとは私か!?」

「うん、箒って掃除道具でしょだからモッピー」

「せめてもうちょっと別の名前は無かったのか!?」

「え~じゃあどうしよっかな~」

「……何このカオス」

 

 一人だけ置いてけぼりで疎外感を感じる鈴音。とりあえず聞き流すことで情報を集めながら食事を再開させるのだった。

 

 ちなみに、騒ぐ三人は箒の予言通り飛来する出席簿によって沈められた。

 

 

 

 

 

 

 

「もっかい聞くが、何でお前がいる?」

「あなたが毎回暴れるからじゃないですか?まあ私も一夏ちゃんの様子は見たかったので丁度良いんですけどね」

 

 授業前のグラウンドにはジャージ姿の二人の男女がそこにいた。

 

 石上京也と雛森蓮である。

 

「仕方ねぇだろ、いい腕したやつ多いし鍛錬になるだろうが」

「当主自らがこれでどうするんですか……ちゃんと石上家を引っ張っていってくださいよ?」

「だから誠一が成人するまでだっつってんだろうが」

 

 柔軟運動をする京也。蓮はそれを手伝いながら話は続く。

 

「でも誠一様は継ぐ気はまだないそうですよ?」

「ったく、どいつもこいつも継がせようとしやがって。俺じゃあ出来ねぇだろうが、ただの拾い子だぞ」

「その拾い子に救われた人は大勢います。誰も文句は言いませんよ」

「一人でも出たら即出ていく気だがな。そろそろ交代するぞ」

「ええ、ではお願いします」

 

 今度は蓮が柔軟を始め、京也はそれを手伝う。背に京也の両手で押される感覚を感じながら蓮は楽しそうに言う。

 

「こうしていると思い出しますね。まだ白夜様に鍛えられていたことを」

「あんときゃ全員殺意むき出しで襲ってきたからな、おかげで十分強くなったわ」

「私もかなり毛嫌いしていましたからね。今となっては恥ずかしい思い出ですよ」

「その反応が当然だろ。そりゃあぽっと出のガキと突然一緒に学べとか無理にもほどあるだろうよ」

 

 その言葉を聞いた蓮は苦笑する。

 

「そのガキが一番強くなってるんですけどね」

「奇襲も大歓迎だったからな。だからって一番はねぇよ」

 

 そう答えて京也は手を離す。

 

「そら、もうすぐ時間だ。ガキ共もそろそろ来るだろ」

 

 そして、予鈴が鳴り生徒達がグラウンドに入ってくる。笑顔でこちらに手を振る、見たことの無い女性の存在に生徒達は驚き、

 

「京也ああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 後ろから走ってくる一夏の怒号に道を開けるのだった。

 

「あら良かった、ずいぶんと元気そうですね。毎回あんな感じなのです?」

「いや、毎回じゃねぇけど何か今日はおかしいわ」

「覚悟おおおおぉぉぉぉ!!!!」

 

 叫びながら放たれる一夏の飛び蹴り。それは、京也の眼からみてもここ最近の中で一番の出来だと感じるものだった。

 

 まあだからといって通じはしないのだが。

 

「随分と元気だな一夏。何かいいことでもあったか?」

 

 京也はその襲撃を流し、一夏は地面に倒れる。しかし、一夏はすぐさま受け身を取り体制を立て直すと再び京也に突っ込む。

 

「うがああああぁぁぁぁぁ!!!!」

「せめて人の言葉で話せ。じゃねえとわからんぞお前」

「京也のバカあああああぁぁぁぁぁ!!!!」

「さっそくそれかおい」

 

 一夏と京也の乱闘に他の生徒どころか特別授業参加組の生徒達も驚く。ここまで鋭い一夏の動きは見たことが無いからだ。

 

 乱闘は続く。

 

「なんで蓮さん呼ぶ事にまでしちゃったのかなぁ!?」

「俺に言うなよ上に聞けや。今日まで知らなかったわ」

「いっつも箒やお姉ちゃんと暴れるからでしょうが!そのおかげでアリーナ1つ昨日まで修復中だったし!」

「……本当に何やってるんですか京也さん?」

「ただの授業だよ。にしてもお前今日はやけに冴えてるじゃねぇか、いつもこれくらい出来ねぇか?」

「京也のせいでしょうがあああああぁぁぁぁぁ!!」

 

 それは離れたところから鈴音達も見ていた。

 

「……一夏ってあんなに攻撃的だったけ」

「うむ、あの動きは見事なものだ。それよりあの蓮さんとやらも強そうだな……」

「あんたもあっち側か……にしてもあれが石上京也ねぇ。ボコそうかと思ってたけれどあれに入る気はないわー」

「いっちゃんは蓮さんが絡むと大体あんな感じだったねー」

「……あの様子は元カノとかですかね?」

 

 そういってセシリアも話に加わってくる。

 

「元カノねぇ……ところであんた誰?」

「セシリア・オルコット。イギリスの代表候補生ですわ」

「あんたがイギリスの……あたしは凰鈴音。中国の代表候補生よ」

 

 鈴音とセシリアが友好を結ぶ中、乱闘騒ぎは蓮によって止められた。

 

「そろそろ止まってください二人共。授業の時間ですよ」

「ん、もうそんな時間か」

「がるるる……」

「お前はそろそろ人間に戻ってこい」

「ふぐっ」

 

 京也の手刀で一夏の動きは一先ず止まった。しかし、今度は京也の背中に張り付いてしまった。

 

「おい離れねぇか」

「むー」

 

 背中に張り付いた一夏を京也は剥がすが、次はその腕に抱き着く。とにかく離れる気はないらしい。

 

「あらあら、そこは変わっていないのですね」

「……やっぱボコすわ、授業で」

 

 結局この状況は千冬が来るまで続くのだった。




本当は対抗戦前まで行く予定だったんですけどね。あんまり進んでいないです。



感想、指摘、「お前やる気あんの?」といった文句があればぜひ感想欄まで。
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