また視点変更&新キャラ登場。
見てくださる皆様、謝謝。
「よし、帰るよ。お姉ちゃん」
リビングで京也が一人お通夜状態みたいになってから数分後。
刀奈ちゃんの首根っこを掴んだ簪ちゃんが、いつの間にか帰る仕度を終えて言いました。
因みに、3人からフレンドリーな関係を希望されたので今はちゃん付けで呼んでます。
「えぇ~せっかく一夏ちゃんというお友達が出来たんだから泊まっていきましょうよ~」
「はよ帰れ鈍刀」
「京さんもこう言ってる」
「じゃあ一夏ちゃんはどうするのよー。成人男性っていう狼のところに餌おいておくのは乙女として見過ごせないわ!」
「大丈夫、
「肉食獣倍プッシュじゃないの!ていうか簪ちゃん置いてく気満々なのね……」
「あれは無理でしょ」
そう言って簪ちゃんがこっちを見る。私は依然として京也に正面から抱き着いたままだ。
「えぇ……何で会って数時間であんなに懐く訳?じゃあ私達もいいじゃ…」
「狭いわアホ。雑巾に野獣だけ手一杯だ」
「
「まさか二人そろっていただきます……!?」
「んな肉質悪い子熊誰が食うか。ついでに雑巾食う趣味もねぇよ」
その言葉を聞いて、本音ちゃんが即座に京也を絞めに飛びかかる。私もそれに加勢する。少し残ってたプライドが、つい。
しかし、まるで効果がない。
「うん、問題ない。風邪かと思ったけど精神的な過労だったんじゃないかな」
「あれだけ元気なら大丈夫そうね。うん、もう疲れたわ……」
「そんなお姉ちゃんに良いニュース」
「?」
「あとで虚さんのお説教が待っています」
瞬間、刀奈ちゃんが逃げの体制に入ろうとする。が、すでにその身体は簪ちゃんが持つ縄につながれていた。
「ちょ、いつの間に!?」
「さあお姉ちゃん。夜のおs……帰る時間だよ。」
「今何かいやらしい響きが聞こえなかった!?しかもどんどん縄が食い込むんですけど!?」
「おじゃましましたー。明日も来ますねー」
挨拶をしながら簪ちゃんが刀奈ちゃんを連行していく。明日も来てくれるみたいだ。
「待って!京さん助けて!」
「少しは反省しろ」
「ああ……無情……ごめんなさい簪様私が悪うございました!だからストップ!ストッププリー…」
そんな最後の断末魔を残して姉妹は帰ってしまった。……本当にいつもあんな感じなのだろうか。
「……おい子熊、あれ何回目だ」
「私は10から数えるの止めた~」
「やっぱあいつ真性か……」
本当にいつもあんな感じだった。
更識姉妹が帰って急に静かになった京也の家。
特にやることもないので時間も考え、本音ちゃんとお風呂に入ることにした。
……今度は京也は一緒に入ってくれなかった。
昼は入れてくれたのに。どうせ雑巾だから恥ずかしくもないのに。
で、現在脱衣所にいるのだが、一緒にいる全身着ぐるみの本音ちゃん。ここまで素顔を見せていないのだ。
まさかお風呂にまで着ぐるみは持ち込まないと思う。
「ん~よいしょ~!」
猫パジャマを脱ぎながら本音ちゃんを見ていると、そんな気の抜けた声と共にクマの頭が取れた。
そこから出てきたのは、さらさらな長い茶髪。とてもきれいな白い首筋。
そしてまた顔を隠す狐のお面だった。
「え……?」
どうなっているのだろう。というか暑苦しくないのだろうか。いや、それよりも。
「……
本音ちゃんの声は少し悲しげだった。
私が驚いて固まっている間に今度は胴体を脱ぎにかかる本音ちゃん。
そして程なくして身体が見えた……見えてしまった。
……思わず自分の胸に手を当てる。
着ぐるみの足裏でかさましされていたらしく、実際の身長は私と大して変わらなかった。だからこそ納得いかない。あの大きさはなんだ。昼間にちらっと見えた刀奈ちゃんと同じくらいか、刀奈ちゃんの方が大きいか。でもそれに加えて刀奈ちゃんは身長もあるしあれ、何だか揉みたくなってk……い、いや、お姉ちゃんが大きいから希望はあると思いたい。あれ、でもお姉ちゃんの胸は昔一緒に入ったときからまあまあ大きかったし、束お姉ちゃんも大きいし、私も、ふざけて、揉んでた、か、ら……
「どしたの?早く入ろうよ~」
私を呼ぶ本音ちゃんの声ではっと我に帰る。本音ちゃんはお風呂の扉を開けて待っていた。
とりあえず、今は冷めないうちにお風呂に入って温まろう。
そして揉ませてもらおう。そのおっきいの。
side change
ガキ共2匹が風呂へ向かったところで、台所へ向かいコンロで湯を沸かし、来客を迎える準備をする。
先ほど、取り調べを纏め終わったとの通知が入ったので、少ししたらこちらに来るだろう。
ただ、少し簡単に結果が書かれていたが、それが奇妙なのが気にかかる。
犯人は皆一様に言ったのだ、「覚えていない」と。
当然そんなことありえないので、強く聞き出そうとしたところ、またおかしなことが起こったらしい。
そのことを詳しく聞く必要がある。
やがて、飲み物の準備が終わったところでインターホンが鳴った。更識の者だろう。
扉を開けると、そこには長袖シャツにロングパンツのラフな格好をした1人の女がいた。その顔を見て、苦い顔になるのが自分でもわかる。今日で何回目だろうか。
「……お前を寄越すなんて、更識家従者は人手不足なのか?」
「そう思うのはあなただけです。人手もありますし、質もいいですよ」
そう言って笑う顔を見てしまって、余計に顔がこわばる。
「それに、そんな苦い顔しないでくださいよ。あなたがいなければ私は生きていないのですから」
そういって女は、「雛森 蓮」は自分の右肩を愛おしそうになでた。後ろでまとめられた長い黒髪が、僅かに揺れた。
「インスタントで悪いな」
そういって俺は雛森にインスタントコーヒーの入ったカップを渡す。
「構いませんよ、ありがとうございます」
カップを受け取りながら、雛森は廊下の、浴室の方を見やる。
「女がいるのに別の女を連れ込むなんて悪い人ですね」
「あれを女と言う気はねぇ。ただのガキだ」
「相変わらず優しくない言葉ですね」
雛森は「ふふっ」と笑った。
「……何がおかしいんだ」
「あの頃から変わりませんねってことですよ」
そういって、カップに一口つけた雛森が真面目な顔になるのでこちらも気を引き締める。
「まず、先の連絡は見てくださったと思いますが、被疑者は全員、隣街で有名な高校生から浪人生の不良でした。ピッキングツールを使って鍵をこじ開け、家内を物色したのではと考えられています……というかそれを全員制圧したのあなたでしたね」
「そこは俺も見たから知ってる。そこはいいから結論をくれ」
「では結論を」
そういって雛森は一息ついて、
「わからない。この一言ですね」
と言った。
「……どういうことだ」
「全員が覚えてないと証言したのは知ってますよね。それで、しらばっくれているのかと思い、さらに聞き出そうとしたのです。そしたら」
また一息つく。
「……全員、突如として痙攣を起こし、文字通りに泡を吹いて気絶。警察病院へ搬送されました」
「新手の薬や草とかは」
「簡易検査では何も、毒物も無しです」
「そいつらの交友関係で怪しそうなのは」
「3日前に中学生の男子生徒と会っているのが所持していたスマートフォンと目撃証言からわかりました。制服姿だったのですぐにわかったと」
「どこのだ」
雛森から中学校の名前を聞き出す。
それは今、一夏が通っているところと同じ学校だった。
「俺の考えが一応通ってるわけか……だとしたらますますわからねぇ」
「その男子生徒の情報は現在待つしかないです……ここらが限界ですかね」
「謎ばっかだけどな。ったく、魔法か何かでも使われたってか?」
「それが一番当てはまるというのがまた何とも言えませんね……」
これ以上話し合っていても答えは出ないだろう。話しは終わりだと、お互いに少し冷めたコーヒーを口に入れる。
カップを置いて、雛森が口を開く。
「……もう、戻ってくることは無いんですか?」
「無理だろ」
その問いかけを即座に切る。
「あれだけのことをやっておいて許される訳ねぇだろ」
「……あの時は、運が悪かったんです。お互いに……」
そういって悲しげな表情をする雛森。あの時のことを思い出しているのだろう。
そして、顔を上げて俺の目を見た。
「でも、私達は戻ってきてほしい。それは楯無様も同じお気持ちですよ。だから、刀奈様がここに来れたり、あなたが今も生活できるのです」
「出てくって辞表叩きつけたはずなんだけどな。勝手に住居まで用意して金まで押し付けやがって」
「楯無様はきっと、息子の一人立ちか家出くらいにしか思ってませんよ。あの方は本当に心が広い」
「だったら自分から勘当叩きつけた息子くらいほっとけや」
「それが出来ない人ですよ」
雛森が立ち上がってこちらに近づく。
「それに、私はあなたと居たいです」
そう言って、正面から背中に細い腕が回される。
「……俺は擦り木か何かか?」
「今日だけで何回も抱き着かれているのかしら?全身から嗅ぎなれない匂いがしますよ。肌までしみ込んでそうなくらい」
「ガキくせぇんだよ。とっとと洗いたいわ」
「上書きしてあげましょうか?」
腕の力がさらに強くなる。
「あの時、私の心を癒してくれたように、今度は私がしてあげます。物足りなければ薄墨も交えましょう?」
「お前らが勝手に押しかけてきただけだろうが」
「でもあなたは拒まなかった、受け入れてくれた。それだけで……」
「…………誰、その人」
突如、声が入り世界が壊れる。その方向を見やって声の主を見ると。
タオルも巻かず、髪の先や全身から水滴を滴らせ、そして感情の無い目で俺の顔を見る一夏の姿があった。
「……着替えてからこいや濡れ雑巾」
「誰、その人」
聞く耳はないらしい。
そして、その姿でこちらへずかずかと近づき
「そこは、私の場所」
と、敵意の籠った目で雛森を睨んだ。
その視線を受けた雛森はこちらから離れ、しゃがんで一夏を見る。一夏はまだ睨みつづける。そして立ち上がり俺を見やる。
「やっぱり、ガキじゃなくて女じゃないですか」
笑顔で雛森はそういった。
復活した一夏ちゃん。しかし一夏ちゃんはおっぱい魔人二人を見て育ち、おっぱい魔人へと覚醒した覚醒者だった。あの二人バルンバルンだからね。仕方ないね。
割と好き放題やってるこの作品。感想、指摘、つまらんといった文句があれば是非、感想欄へ
一夏ちゃんヒロインのはずが気づけば女性陣がどんどん増えていく恐怖。あれー?おかしいぞー?()