あ、1評価?あと10倍は予想してたから予想圏内よ?
いつも見てくださる皆様。謝謝。
前半はまじで昨日半寝で書いたからめちゃくちゃだと思うの
「では、一夏さん。何か聞きたいことはありませんか?」
どうにか今後のことが決まり、虚さんが確認のためか聞いてくる。
「……石上家って何ですか」
せっかくなので色々聞き出すことにする。京也のことを少しでも知るいい機会だ。
「では、まずは……」
「俺が言う」
虚さんが何か言いかけ、それに被せるように京也が答える。
「まず、石上家は更識家の分家って言ったが実際は従者みたいなもんだ。昔の当主が双子だったらしく、識者の兄と武の弟がどちらが当主となるかを話し合ったときに兄が引継ぎ、その兄が弟に自分の子孫と従者の家系に武術を伝えるように言って分けたことが始まり、らしい。」
「実際、私達も京さんや白夜さんにお世話になったことがある」
京也の言葉に簪ちゃんがうなずく。
「とくにお姉ちゃんはすごく強いよ。京さんが10本相手して2本とれるくらい」
ごめん簪ちゃん、基準が今一わからない。
とりあえず次の質問だ。
「じゃあ当主代理っていうのは?京也は何で後を継いでないの?」
「継いでないんじゃない、継げないんだ」
その言葉の意味が分からず、京也の顔を見る。
「俺は拾われたんだよ。今のお前みたいにな」
京也のその言葉はとても重たい声だった。
もういいだろ。
そう言って京也は虚さん達を少々強引に帰した。虚さんも不満とかはなかったようで、本音ちゃんを引きずりながら素直に部屋を出ていった。
そして、私と京也だけの今。
お昼を簡単に済ませた私達は、ただ無言で静かな時間を過ごしていた。思えば昨日のシャワー以来だろうか。京也と二人きりでいる空間は。
壁に背もたれて座る京也の足の隙間に身体を入れて、全身で京也の存在を感じとる。
京也の腕をとって回し、私を抱いているかのように拘束させると、とても安心出来て心地いい。
正面から抱き着こうかとも思ったが、これはこれでいいものだった。
「……ねぇ京也」
「なんだ」
「私みたいに拾われたってどういうこと?」
「俺にもお前みたいなときがあったんだよ。どうしようもなくて、死にてぇと思った時期がな」
「だから私を拾ってくれたんだね」
「……お前は俺じゃねぇよ」
静かな部屋に流れる静かな会話。出会って一日しか経っていないのに、何となく言いたいことが言わなくても通じてちょっと面白い。
「それでも京也は私に似てる、だからこんなに安心するんだ」
「俺はそれを消そうとすることも出来るんだぞ」
「私思うの。人が誰かを蹴落とそうとするのは達成感が欲しいから、その安心感を自分のものにしたいからだって」
これは私の考え。きっと間違っているし、くだらない。でもこれだけは確信できる。
「京也は私の安心を消さない。だってボロ雑巾の安心感なんて、自分のものにしても意味がないじゃない?」
「じゃあそんなもんを寄越せって俺が言ったらどうすんだ」
「こんなものでいいなら、私は京也になら差し出すよ。だって私は京也のものだもの」
それに、と身体を反転させて向き合う形になり目を見る。
「私は嬉しくなるよ、京也は私が欲しいから拾ったんだって思えて」
「……そうかい」
再び訪れる静寂の空間。今度は京也の足を胡坐にし、その上で丸くなって横になる。気分は御主人様に構ってほしい捨て犬だ。
京也は私が何をしても、何も言わない。私の全てを受け入れてくれる。そんなことを感じさせてくれるこの人が好きだ。
だからだろうか、ちょっと眠くなってきた。
「……京也」
「なんだ」
「私、頑張るよ」
膝の上で微睡みながら、私は寝言のように決意をあらわにする。
「これから学校が変わるまで私は笑い続けるの。そして教えてやるんだ、私が笑えることを、お前達のやってきたことは無意味になったんだって。無駄な時間を過ごしてご愁傷様ってね」
あの人達はどんな顔をするだろう。生意気な、とさらにいじめが苛烈になるかもしれないかな。それとも驚くだろうか。
いずれにせよ、これからは色々と楽しみだ。楽しみで仕方ない。
それに、また苦しいことがあったら京也の背中へ飛びつこう。
京也の手が私の頭を撫でる。それがとどめになったのか、私は京也の上でくぅくぅ寝息を立てるのだった。
ここからはこれからあったことを話そうと思う。
先ず、私は刀奈ちゃんたちの学校へ転校した。
前の学校では笑みを絶やさなかった。それだけで、ほかの人達は驚いていたけれど、下校時に京也に迎えにきてもらって飛びつくともっと驚かれた。初日に、勢いよすぎて、飛んだところでアイアンクローされたのはいい思い出だ。
私の転校を告げる先生の声は淡々としていた。まあ、私というおもちゃが消えてどうしよう、とか邪魔者がいなくなって清々した、とかそんなことを考えていたのだろう。
いじめは予想通り苛烈になった。でも笑って流していたら、最終日には何も来なくなった。
そういえば告白の呼び出しっぽいこともされたっけ。まあ一切受ける気がなかったから行かなかったけれど。
あなたの中に、虚構の私を置くのは構わないよ。でも、私の心はもうないから。
そうして転校したけれど、そこは前のところとは違ってみんな優しかった。最初は緊張したけど徐々に打ち解けることには成功していったと思う。
それより驚いたのは、生徒会長が刀奈ちゃんだったということだ。
簀巻にされて、妹の簪ちゃんに責められて悦んでいる刀奈ちゃんが、だ。
正直大丈夫なのかと思ったけれど、生徒会長として檀上に立つ刀奈ちゃんはしっかりとしていてかっこよかった。
勉強は前のところよりもレベルが高かったので追いつくのは大変だったが、そこは更識姉妹様様だ。
次に更識家について。
更識家はかなり規模の大きい日本屋敷だった。昔、お姉ちゃんと散歩したときにとても大きな屋敷で印象に残っていたのだが、まさかここだとは思わなかった。
引っ越しが終わったと連絡をもらった次の日、さっそく京也と屋敷へと向かったのだが、京也の入り方には流石に呆れた。
屋敷の前に着いて京也がしたことはインターホンを押すことではなく、準備運動だった。そして、終えたあと着ていたパーカーのフードを深くかぶる。もう何をする気なのか想像がついてしまったが、私が止める前に、よくドラマとかで見る木製の大きな扉の前に立ち、
重たそうなそれを蹴り開けた。
やの付く討ち入りとか道場破りじゃないんだからと呆れたが、そこから先はもっとひどかった。
蹴り開けて早々、一番近くにいた人がひるんでいる隙に一撃入れて投げ飛ばす。そうして、撃退に出向いた人達相手に大乱闘を繰り広げ始めたのだ。
ちなみに私はというと、仲間と勘違いされて襲われるという定番の展開は無く、そろりと寄ってきた女性に安全な場所まで保護されていた。
ただ、その保護してくれたのがあの時の女だったので、よしこっちも大乱闘だと考えてしまったが、目の前での騒ぎに混ざるようでアホらしくなり止めた。
大乱闘を呆れた目で観戦すること5分ほど。
「何してんだバカどもがぁ!!!」
と女性の怒鳴り声が聞こえ、家屋の方から刀やら薙刀やら槍やらが大量に降り注ぎ、全員が地面に縫い付けられ、家屋から影が走ったかと思うと参加者全員に高速で鉄拳制裁を下した女性が私の前に現れたところで大乱闘はゲームセットとなったのだった。
参加者全員にお説教の雷が落ちるなか、私は家屋へ向かうと、虚さんと今回はクマではなく、ライオンの着ぐるみ姿の本音ちゃんが出迎えて、部屋まで案内してくれた。
部屋に荷物を置いて、居間で待つ。程なくして京也が三人の人を連れてきて戻ってきたので自己紹介が始まる。
本来の石上家当主代理の石上春さん、石上家時期当主で私の1つ上の石上健一さん、弟で私の2つ下の石上信二くん。信二くんは京也にコアラのようにしがみついて離れる気は当分なさそうだった。
春さんが、さっきの大乱闘を止めた人物で、健一さんと信二くんは傷だらけだった。あの大乱闘に本来止めるべきであろう次期当主が参加していてよかったのだろうかとも思ったが、二人とも満足気だったのでまあいいかと思ってしまった。
ちなみに、刀奈ちゃんと簪ちゃんもあの乱闘に参加していたらしい。いいのか。それでいいのか更識姉妹。
……大分脱線してしまった。
とにかく、私は更識家の人達に受け入れられ、更識一夏と名前を改めるのだった。
私はIS学園を目指すことにした。
理由としては、刀奈ちゃんがそこへ進学して、簪ちゃんも日本の代表候補生ということで興味が出たというのもあり、適正を測ってみるとかなり優秀なランクが出たのも後押しとなった。しかし、お姉ちゃんが軍属を止め、IS学園に教員として入ったことが大きいだろう。
主に部屋の惨劇処理のために。
あれを誰かにやらせるのはなんだか申し訳ないし。
それに、IS以外の方面でも高度な教育を受けられるので。受けて損はない。
京也と離れてしまうことになってしまうが、それに関してはすぐに解決した。
それは、月に2度の体術指南である。
これはあとから知ったのだが、将来もISをパイロットとして動かす人は自国の軍属にならなければいけないらしい。
つまり、ISだけを動かせばいい、という訳ではなくなるのだ。
そこで、更識家武術指南役の石上家にIS学園から武術指南を依頼され、それを京也は受けた。
女生徒だらけのIS学園に男性が来て大丈夫なのかとも思うが、男性の事務員もいるそうなので、多分大丈夫だと思いたい。
京也に色目使ったら容赦はしないけどね。
まあ、大体はこんなものだろう。
ほかにも色々なことがあった。
刀奈ちゃんが日本のISパイロット代表となったり。
京也が帰ってきたことを知って、先代当主の楯無さんが泣き付いたり。
更識に向かい入れられた日の夜の宴会で、京也の周りが女ばっかりで、腹が立って京也にドロップしたり。
夜這い対策で常に私が京也の布団に勝手に潜り込んで寝たり。
帰国したお姉ちゃんと京也が出会って3秒で殴りあって同時に倒れたのを見て笑ったり。
久しぶりにお姉ちゃんとお風呂に入ったり。
たまに簪ちゃんの部屋から聞こえる声に悶々としたり。
でも、京也やみんなの過去、私を襲いかけた真犯人の情報、わからないこともたくさんある。
そしてこれが一番、世間に驚愕と謎を呼んだだろう。
世界初、ただ一人の男性IS起動者。
名前を大川光輝。私の元いた中学の同じクラスに在籍していた男子生徒である。
……らしい。だって、面識ないし。私をいじめていたやつらの顔はかつて復讐のために覚えていたけれど、顔写真をテレビで見てもピンとこなかった。更識家が調べた結果報告で、初めて知ったくらいだし。
学園でも一波乱ありそうだ。私は京也に抱き着いて昼寝する信二くんを京也と挟むように抱きしめながらそう思った。
信二くん、弟みたいでかわいいなぁ……。
次回、みんな大好きなあれのターン。
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