・この作品はスパイク・チュンソフト社の作品「ダンガンロンパ」シリーズの、オリジナルキャラクターを使った二次創作です。
モノクマ以外の登場人物は(おそらく)登場しません。
・「ダンガンロンパ」シリーズのネタバレと作者の自己解釈(ゲーム・アニメ共に)が含まれる場合があります。
・17歳以上を対象とした人を選ぶ描写、残虐描写が含まれています。
・文章、トリック、ストーリー共に素人のものです。大目に見てやってください。
以上のことをご理解できる方のみ、お読みください。
では、どうぞ。
小鳥の囀りは聞こえないけど、太陽の光がログハウスに差し込む朝。
ゆっくりと目を開けると、天井のシーリングファンが回っているのが見えた。
身体を起こし、辺りを見回す。梅田くんは床でまだ寝ているし、蒲生くんは掘り炬燵テーブルに伏せている。
…どうやら、このログハウスにいる人たちは全員無事なようだ。
「二人とも、おはよう…」
「鈴原嬢、おはようございます。ところで、今の時間は…」
挨拶をすると、それを聞いたのか早速蒲生くんが頭を上げた。
壁に掛けてある時計を見てみると…短針は『11』の数字を、長針は『28』を指している。
「…え?も、もうすぐ11時半!?」
思わず大声をあげた。本、深夜まで読みすぎちゃったな…。
梅田くんも驚いたのか、目を開き大きなあくびをしながら起き上がる。
「マジか!?早く朝食取らないと昼飯に間に合わな…」
その瞬間。ガチャ、という音がドアの方面から鳴ったような気がした。
ドアの方向を向くと、カラフラが三人分とは思えない山積みのパンと缶コーヒーの入ったバスケットを持っているのが見えた。
「おはろんぱー!カラフラ印の朝食なのだ。全員起きるまで待ってたのだ」
…カラフラは、バスケットを玄関に置くとドアを閉めて去っていった。
「パン、みたいだけど…急いで食べようかー?」
「…そうだね。何もないよりはマシだし」
わたしたちは、バスケットに大量に積まれたパンを急いで食べていく。
食べれば食べるほど口の中が乾く。缶コーヒーがいくつあっても足りない。これじゃあ朝食と昼食が一緒になってしまう気がする…。
ただ、蒲生くんだけはゆっくり咀嚼しながら食べていた。まあ、急ぎすぎるのも大変だしね…。
わたしたち三人がパンを食べ終えたのは正午ギリギリの時間。
ドアからまた音がしたと思うと、カラフラが顔を覗かせてきた。
「パン、美味しかったのだー?」
「…そこそこ美味しかったけど、あんな量を持ってくるとは思わなかったよ…」
胃がパンパンになりそうなのを抑え、カラフラに苦言を呈す。美味しいものをたらふく食べられるのも考えものだ。
「作りすぎちゃってごめんなのだ。さて、今の時間は正午。なので…ログハウスから出てもいいのだ!」
「…本当に、いいのかー!?読んでない本があるのは心残りだけど、出られるのは安心なんだなー!」
梅田くんがガッツポーズを決め、玄関に早速駆け込み外へ出ていく。
やっと外の空気を吸える。わたしはそう思いながら、ログハウスの外へと出ていった…。
◆
「ミーくん、久しぶりってか一日ぶりだねー!」
「僕も梨々が無事で良かったよ。怪我はないか?」
「女二人に殿方様一人の空間なんて、気味が悪くて早く逃げ出したかったですわ。さて、お掃除でもしてきますわね」
「その女には自分も含まれているんじゃが、気付かんのか…?」
「今の所は、みんな大丈夫みたいだね。コロシアイも起きてないし…」
皆がそれぞれ、再会と無事を喜んでいる。絹川くんも、辺りを見回してほっとした雰囲気だ。
「さて、みんなログハウスから出たみたいだしそろそろ解散しようか。僕は梨々と一緒にいるけどね!」
未隅くんは皆をまとめるかのように手を叩く。笑顔が少し、無理矢理作ったような感じはするけど。
まあ、監禁状態にあったしそうなるのも仕方ないよね…。
こうしてわたしたちは、それぞれの場所へと散らばっていった。
…折角だから、園内の空気を吸いながら散歩してみようかな。
◆
【自由行動4】
檀くんは、旅館のプレイルームの筐体の画面をじっと見つめながら…ポテチを食べていた。
「レゲーのOPってどっかシュール感あるよな…格ゲーのやつとか本編に出てないキャラいるし…」
そういやモノクマコインじゃここのゲームはプレイできなかったんだよな。
檀くんも暇そうだし…一緒に過ごしてみようかな?
「あー、ツバ吉?何やってんの?」
檀くんとゲームの画面を見ながら過ごした。
檀くんと少し仲良くなったが、相変わらず機嫌は悪そうだ…。
非常用に使えるかなと思い、『ペンライト』を渡した。
「タダでこういうの、貰っていいの?いい時代になった…のかな?」
それなりに喜んでくれたようだ。
檀くんは相変わらずポテチを食べながら、漫画本を捲っている。いつもこうなのかな?
漫画の表紙は…『レベル99.5の最弱魔術師に転生した元落ちこぼれニートの俺、美少女エルフ賢者に弟子入り&婿入りします』。中央の金髪の耳の尖った巨乳の美少女と、隅にいる主人公と思わしき黒髪の男の子のイラストが表紙だ。
努力嫌いのはずなのに、なんで賢者に弟子入りして修行するような小説を…?
「これ、気になるの?」檀くんがこっちを向いて聞いてきた。
「ストーリーが気になるだけだよ。あらすじはタイトルでなんとなくわかるけど、弟子入りするってことは、魔術師がちゃんとレベル100になるまで修行する話…だよね?」
「修行シーンなんでないよ。ずっとレベルは99.5だし、賢者が主人公に魔力を注入するだけで古代呪文が使えるようになるからね。んで、その魔力注入方法がベッドで毎晩…」
「いや、あらすじはこれ以上言わなくていいよ…」
読者の親から抗議出ないのかな…。そういや、檀くんの読んでる漫画のジャンルって…
「…これ、異世界転生ものってやつだよね?」
「そうだよ。最近の俺の中での流行りなんだ。死んだやつがチート能力与えられて、異世界に生まれ直して、現地人相手に無双するやつが異世界転生。
最初から現代知識とチート能力があるから努力しなくていいし、敵は弱い雑魚ばっかだからストレスあんま溜まらないんだよね」
二次元の世界でも努力が嫌いなんだな。それにしても、敵が弱いのって話として成り立つのか…?
「女の子キャラもみんな主人公に惚れる美少女ばかりだし、彼女らでハーレム作れるし。現実ではモテたいなら努力しろとか言うやついるけど、異世界転生ものではそんなやつは全く出てこないんだよね」
「美少女のハーレムが好き…ってことは、恋愛ゲームとかも好きなの?」
「そんなに好きじゃないな。デレるまでの過程がかかるし、ヒロインが余るのが当て馬って感じがして嫌だな」
当て馬って、主人公にフラれちゃう人のことだったよね。ハーレムなら主人公の隣にいられるから、
なんだかんだで幸せに感じるのかな…
檀くん、意外と女の子のことを考えられる人だったりするのかな…?
「…ギャルゲーっていいなと思ったキャラが攻略できなかったりするのも嫌だよね。あと、元カレ持ちだったりとかするとキレそう」
元カレがいるだけでキレるのか…。これも、檀くんの一つの考えなのかな…?
『二次元好きで、最近のマイブームは異世界転生もの。ハーレムも好きだったり。ギャルゲーは当て馬が出るので好きではないらしいが…。』
◆
ふと図書館の近くを通ると、梅田くんが中に入ろうとしているのが見えた。
「梅田くん!昨日みたいに、また沢山本を読もうと思ってるのか?」
「まあ図書館だしなー。ログハウスみたいな狭い空間より、広い空間で読む本がいいよなと思ってなー。折角誰もいなさそうだし、朗読でもするぜー!」
梅田くんは腕まくりをすると、図書館の中へと入っていった。
図書館のドアの前にずっと立っているのも滑稽なので、立ち去ろうとした瞬間。
ゴンッ、という床に打ちつけるような大きな音が聞こえた。
「…何があったんだ!?」
心配になり、ドアを開き図書館の中へと入っていくと…梅田くんが、うつ伏せで倒れていた。
「いってぇ…」
「大丈夫か、梅田くん!?怪我は…って、うわっ!?」
そこに着物姿の女性とは思えないほどの猛スピードで、一ノ瀬さんが走ってきて…梅田くんをわたしから引き離した。
「ちょっと鈴原!そうやって梅田様に触れて、誰でも助けちゃうアピールするつもりはやめてくださる!?梅田様待ってくださいね…私が早く治療をして差し上げますわ!」
一ノ瀬さんが急いで袖の下を探っている最中、梅田くんは足を抑えながら立ち上がって、苦笑いを浮かべた。
「いや、ただの打撲だと思うし、転ぶのには慣れてるからそこまでする必要はないんだなー…」
そう言う梅田くんだが、右膝をさする様子はどこからどう見ても痛そうだ。
「あれほど硬い床にぶつかったのですわ。まずは打撲した場所を湿布で冷やして…」
「…何か騒ぎが起きているようですが…どうかしましたか?」
近づいてきた人影から、何やら声がした。どこからどう見ても蒲生くんだ。『子供でもわかる!レンジの使い方』と書かれた本を持っている。
「が、蒲生様!大変ですわ!梅田様の膝の骨にヒビが入ったかもしれないんですわ!」
一ノ瀬さんが梅田くんの右膝に湿布を貼りながら叫ぶ。打撲から骨折にグレードアップしているが、大げさに言っていいんだろうか。
「これはただの打撲だとおもうのですが…。打撲なら、まずは湿布の前に冷水や氷のう、冷却剤などの冷たいもので患部を冷やしてきてください。次にテープ類で患部を固定しましょう。一ノ瀬嬢、包帯やテープなどは持たれてますか?」
蒲生くんが応急処置について説明する。
「包帯ならありますわ!鈴原、氷のう持ってきてくださる!?どこのでもいいですわ!早く!さあ!」
いきなり命令された。でも、梅田くんの様子を見ていると放っておけない。
「わかった、持ってくるよ!」
わたしは図書館を飛び出し、旅館へと向かった。目的は旅館の厨房、冷凍庫の中にあるであろう氷もしくは冷却剤だ。そういや応急処置も知ってるんだな、蒲生くん…。
「みんなありがとうなー…打撲はまだ痛いけど」
応急処置が終わった後、梅田くんは図書館のソファで寝転がりながらしばらくの間安静にして過ごすことになった。
周りに本が沢山あるとはいえ、まともに本も読めない梅田くんは少し退屈そうだ。
わたしは今、『怪人ポロリ・ニューヨークへ行く』という本を持っている…どうしようかな?
「皆、提案があるんだけど…本を自分で読めない梅田くんのために朗読会を開こうと思うんだけど、いいかな?」
「賛成ですね。このまま梅田殿を無視して解散するわけにもいきませんし。では、僕が朗読してもよろしいでしょうか?」
「いいよ。わたし、朗読にはあまり自信がないし…」
「鈴原ごときの意見に賛成するなんて嫌ですけど…蒲生様の素晴らしいであろう朗読が聴けるのなら別にいいですわ」
蒲生くんに『怪人ポロリ・ニューヨークへ行く』の本を渡す。児童文学だが、梅田くんは満足してくれるだろうか?
「これ、怪人ポロリシリーズだろー?オレ、結構好きなんだよなー!たしかそれ、ブタの怪人が相棒を助ける為にニューヨークのカジノに挑戦するやつだろ!?」
はしゃぐ寸前だったのか梅田くんが立ち上がりそうになるが、まずいと思ったのかすぐに横になる。
「料理研究のリフレッシュにもなるでしょうし、楽しみですわ…」
一ノ瀬さん、図書館で料理の本でも読んでたのかな。随分と勉強熱心だ。
でも『怪人ポロリ・ニューヨークへ行く』ってタイトル。
ブタなのに『怪人』って、なんか矛盾してる気がするな…。
「…ポロリは自分の背丈ほどあるマシンガンを、今にもキレそうなマフィアたちに向けます。『腐ったカスども!蜂の巣か犬の餌になりたくなきゃ武器と100万ドルを離しな!』」
蒲生くんはゆったりと語りかけるように、優しい声で物語を朗読する。
「…ネコニーの場所を突き止めたポロリ。ケージタワーの頂上、ドン・コケッコーのアジトへと盗んだジェット機で走り出します」
台詞のある所は感情は篭ってはいるが、それでも朗読の雰囲気が崩れないのが凄い。
「蒲生様の声はとても澄んでいて、どんな話でもいいお話になっていって。ああ、これが耳が浄化されるということなのですね…」
「一応、朗読中は静かにしといた方がいいと思うんだけどなー…」
語りに魅入られる一ノ瀬さんと、彼女を小声で注意しながらもしっかり聞いている梅田くん。
「お互いにメンチを切るポロリとコケッコー。ポロリの手には44マグナムが握られていますが、コケッコーの得物は大きな大きなガトリング砲です。はたしてポロリはマフィアのボスに勝利し、相棒のネコニーを助けることができるのでしょうか?」
そして、途切れることなく本を読み続ける蒲生くん。
蒲生くんの朗読は、一ノ瀬さんの言うとおり確かに凄いと思う。
あんな殺伐とした話なのに、優しい世界の牧歌的なストーリーに思えてくる。読み方次第でも、こんなに違ってくるなんてね。
『超高校級の神父』だから、やっぱり教会の子供たちに読み聞かせとかやってるんだろうか…?
「ポロリとネコニーの旅は、これからも続くのでした。おしまい」
…朗読が終わる。しばらくして、わたし含めた三人の拍手が鳴った。
「すごくいい朗読だったよ、蒲生くん。ストーリーに夢中になれたし、聞くだけで優しい気持ちになれる…そんな感じがしたな」
「感涙もののストーリーでしたわ!ハードボイルドなのにどこか情には熱いポロリが、マフィアの幹部に人質にされた少年は殺さずに、
幹部の頭に数秒で風穴を開けるシーンは『無関係な奴は殺さない』という信念を貫いたんだろうなと思うと…胸が熱くなりますわね!
ネコニーとの種族を超えた絆もまさに美しいブロマンスでしたわ!」
「原作の面白さもそうだけど、蒲生のお陰でここまで聞きやすい語りになってるのも凄いよなー」
それぞれ称賛の声をあげるわたしたち。
「皆さん、ありがとうございます。少し読みづらい残酷なシーンもありましたが、そう感想を述べられると天もお喜びになられると思います。この本をお選びいただいた鈴原嬢にも感謝します」
蒲生くんは、ニコニコしながらわたしに感謝の言葉を述べる。
「どういたしまして。蒲生くんも楽しんだみたいで嬉しいよ。」
こうして図書館から去っていった後も、わたしたちは朗読会の余韻に浸っていた。
この思い出が、いつまでも残ったらいいな。わたしは心からそう思った…。
◆
部屋に戻ろうかな、と思った瞬間。博物館からガシャン、という割れるような物音が聞こえた。
…また、誰かが転んだのかな?それとも、事件?そう思い、博物館へと向かう。
◆
博物館に入る。エントランスのシャンデリアの明かりはついているが…誰かがスイッチを入れたんだろうか?
「ごめん、はしゃぎすぎた僕が悪かった…」
「どれも貴重なものじゃが、壊してしまったものはどうしようもない。反省もしているようじゃし…」
『小』の部屋から、灰寺くんと湖林くんの声がする。
「一体何があったんだ?皆…」
部屋に入ると、落ち込む様子の灰寺くんと彼を宥める一ノ瀬さん。そして、床に落ちて割れたであろういくつかのランプとガラスシェードを見つめる湖林くんがいた。
ランプはどれも電球式で、電源に繋がれているのかどれも明かりが付いたままだ。
「鈴原姉ちゃん?どうしてここに…」
「物音がしてさ、一体何があったんだろうなって」
「オレたち三人が博物館を見学していたんじゃが、灰寺がうっかり棚の上にあったランプを割ってしまったんじゃよ」
床には割れた色とりどりのガラスが散乱している。もし誰かが怪我をしたら危ないから拾っておこうと思い、ガラスを一枚拾い上げる。
「掃除でもするのか?別に構わんが、怪我したら危険じゃ。それにむき出しの電球は火災の可能性があるからな。気をつけろ」
湖林くんは割れたランプの電源を抜き、部屋の隅にあったゴミ箱へと入れる。
そういや、素手でガラスを拾うなんて危険すぎる行為だよな…。
「鈴原はともかく湖林様と灰寺様が怪我をされたら危険ですわね…じゃあ、私が旅館から箒とちりとりとゴミ袋、紙とペン、セロハンテープを持ってきますわね」
「掃除道具はともかく、紙にペン…?旅館に置いてるの?」
「あら、やっぱり鈴原はバカですわね!『ワレモノ注意』と書いてゴミ箱に貼るんですわよ。旅館には事務所があって、そこに筆記用具は置いていますわ。
それに、危険物の入ったゴミ袋に注意を書くのは当たり前のことでしてよ」
「一ノ瀬、そこまで念入りにしなくてもいいんじゃが…」
「ガラスに気づかず殿方様が怪我をしてしまったら大変ですわ。私は全ての殿方様の味方ですからね」
一ノ瀬さんは部屋から立ち去って行った。それにしても、彼女にとっては旅館は色々揃ってる所なのかな…
『小』の部屋は割れずに棚に載ったままのランプが光を放っている。よく見ると、油式のランプまで置いてある。
一ノ瀬さんをしばらく待っているうちに『小』の部屋の割れていないランプの光が全て消えた。
何が起きたんだ、と思ってエントランスに向かうと…スイッチを前にして困惑する蒲生くんがいた。
「蒲生兄ちゃん、ここで何してるんや?」
「天を飛べる機械があると聞いて、ここに来たのですが…」
「それ、『大』の部屋の複葉機じゃないかな。」
「複葉機という名前なのですね、あれ。名前だけなら聞いたことがありますが、『大』の部屋で実物を見られるのですか?」
「レプリカっぽいから動かないと思うし、動かせたとしても大惨事になりそうだけど…それにしても、なんでスイッチを押したんだ?」
「まず機械に慣れれば、少しは天に近づける…天がそう申されたからです。そのために、これがどういうものか調べていました」
スイッチを指差す蒲生くん。彼、機械について何も知らないんだな。電子生徒手帳、持ち歩いていないらしいし…。
「檀殿にも動かし方について聞いてみたのですが、無視されるので。自分で調べることにしたのです。ところで…貴方たちはなぜここに?一ノ瀬嬢が先ほど、博物館から出て行かれたようですが…」
「僕と湖林兄ちゃんと一ノ瀬姉ちゃんで、博物館の色んなもの見てたんや。でも、僕がうっかりランプを壊しちゃってな。
壊れたランプや電球は火災の原因になって危険らしいし、みんなで片付けようって話になったんや。」
灰寺くんはまた少し落ち込んだが、すぐに元に戻った。
「三人はいつも一緒のようですね。仲睦まじい友を持つことは良いことです」
「湖林兄ちゃんは一見偉そうに見えるけど、一ノ瀬姉ちゃんや僕とかの面倒をちゃんと見てくれるねん。最初はなんか怖かったけど、絡んでるうちにだんだんいい人だって思えてきたんや」
「ははははは!灰寺、貴様も本当のことを言えるようになったな!」
湖林くんが、灰寺くんの肩を組む。本当に自分が大好きなんだな、湖林くん…。
「…他人を導くことができる。それも、才能のひとつでしょうね」
蒲生くんは、そう呟くと博物館の外へと去っていった。
一瞬、彼の笑顔が消えたような気がしたけど、何を考えたんだろう…?
またしばらくして。一ノ瀬さんが大きな袋を持ってきた。
「お待たせいたしましたわ!箒、ちりとり、ゴミ袋、紙、ペン、セロハンテープ…の一式ですわ!」
箒とちりとり、それからゴミ袋を取り出し、さっさと床のガラス片を片付けていく。
「…一ノ瀬姉ちゃん、僕も手伝っていい?」
「こういう雑用は女の仕事。私一人だけで片付けられますわ」
「じゃあ、わたしも手伝っていいかな?」
「なら鈴原は紙に『ワレモノ注意』と大きく書いてゴミ箱に貼ってなさい。早く」
一ノ瀬さんが冷淡に命令してくる。仕方ないので、大きな袋からペンや紙を取り出し注意を書いて、ゴミ箱に貼る。
やっぱり女嫌いは変わっていないんだな。
◆
こうして片付けが終わったので、自分の部屋に戻ることにした。
けど夕食までには時間がある。何をしようかな…?
◆
【自由行動5】
お化け屋敷から、灰寺くんが出てきた。湖林くんとは一緒でないらしいけど…。
あんなに恐怖を煽る演出だったのに、彼自身はなぜかピンピンとしている。
「裏山に出た猪のがよっぽど怖いと思えたんやけどなぁ。あ、鈴原姉ちゃん!一緒に入るか?」
こんな灰寺くんだけど…一緒に過ごそうかな?
灰寺くんとお化け屋敷に一緒に入った。
相変わらず元気な灰寺くんと仲良くなれたようだ…。
『スモークサーモン』を渡す。そういや燻製ってアウトドアで作る定番だったよね?
「これ、探検のお供にええやん!貰っとこ!遭難した時の非常食にもなるしな!」
かなり喜んでいるようだ。こっちも嬉しくなるな!
「どれも奇跡的に虫が付いてないし、味も苦いけど少し甘みがあってええなぁ…」
灰寺くんはわたしと一緒に、ジュースを飲みながら優雅におやつタイムを楽しんでいる。
…普通のおやつと違うのは、どこかで見つけてどこかで調理した沢山の木の実を食べてるってことだけだ。
ヒストリヱランドに植えてある街路樹の木の実だけど、本当に美味しいのかな、毒が入ってたりしないかなと思ってしまう。
「ところで…灰寺くんは木の実好きなの?」
「うん!栄養分もあるし、調理は大変やけどやりがいはあるし。というか嫌いな食べ物なんてあらへん。ニワトリじゃない鳥の肉も野生のキノコも、毒さえ入ってなければ食べられるしな」
「もしかしてアウトドア、好きだったりする?」
「アウトドアって、野外活動のことか?それなら大好きやな!小さい頃から裏山で遊んだり、川で魚釣ってキャンプしたりしてたんや。他にもクマの巣に泊まったり、湖の大きなハスの上でお昼寝とか…」
「…もしかして灰寺くん、どこでも寝れたりするの?」
「大体そうやな。ハスの上で焼いたカモの肉食った時は美味かったなぁ」
怖いもの知らずなんだな、灰寺くん…。そういう子だからこそ『超高校級の探検家』になれたんだろうな…。
「鈴原姉ちゃんも、ジュースだけじゃなくて木の実も食べへんか?これなんてシンプルな味やし柔らかくて初心者にも食べやすいと思うんやけど」
「いいの?ありがとう。じゃあ一口だけ食べようかな…」
好奇心が勝ったのか、それともチャレンジ精神が目覚めたのか。こんがりと焼かれた木の実に手が伸びていく…。
灰寺くんの言った通り。シンプルながらも甘みがあり、程よく柔らかな味だ。
「どうか?美味しいんか?」
「…中々いい味してる。こういうの、食べたの初めてだけど…」
「そうなんか!?鈴原姉ちゃんも木の実の良さわかってくれたんか!?」
「そこまでじゃないけど…結構美味しいと思う」
「やったー!木の実の美味しさ、わかってくれたのは鈴原姉ちゃんだけや!」
灰寺くんは万歳のポーズを取りながらはしゃぐ。わかってくれたのはわたしだけっていつたけど、どういう意味なんだろうか?
「よく天然の木の実拾って調理して、高校のクラスメイトにも食べさせようかなーって思っても『こういうのは小学生のうちに卒業した方がいい』とか言われてな。なんか、距離置かれたりしてるんや…」
そんなことを言う灰寺くんは、先ほどとは違い少し落ち込んだ様子だ。
「だから友達そんなおらへんし、アウトドアのこと話しても理解されへんのや。…鈴原姉ちゃんはわかってくれるんかな?」
「天体観測は最近はやってないけど、それもアウトドアの一つだよね。それも結構楽しい…と思うし、脱出できるならやってみたいと思うんだ」
「わかるんやな!じゃあ、今度はここのみんなで天体観測しような!僕、夜空を見るのは好きやしな!」
灰寺くんは大はしゃぎだ。わたしも、ここから脱出できたら天体観測したいなって思ってるし。
それからわたしと灰寺くんは、木の実を食べながら様々なことを話した。
脱出方法、美味しいジビエ料理の話、天体観測でバーベキューしたいとか…そんな話。
いつか、本当にアウトドアができたらいいよね…。
『どこでも寝れるし、木の実から野生動物の肉なんでも食べれるアウトドア派。そんな彼だが、意外なことに友達作りは苦手だったり?』
◆
もうすぐ夕食の時間なので、レストランへと入る。そこには先客がいた。湖林くんと灰寺くん、未隅くんと雨崎さん。
一ノ瀬さんが夕食の載ったトレーを一人分ずつテーブル上に並べている。ゆがいた薄切り豚肉と温野菜、小さなお皿に入った特製ソース。ご飯と味噌汁。それからデザートの定食…豚しゃぶ定食だ。
「一ノ瀬ちゃん、折角湖林くんやミーくんが手伝おうとしても拒否するんだよね。毎日三食作ってるんだし、遠慮する必要はないのに」
「彼女なりの意地があるんだろうね。まあ筋トレにも休暇は必要だし、たまには休んでもいいと思うけどね!ところで梨々は今日は何やってたんだ?」
「二階堂ちゃんと混浴風呂入ってたんだー!女湯よりは狭かったけどさー…」
雨崎さんと未隅くんの雑談が聞こえる。一ノ瀬さんは過労で倒れないか相変わらず不安だけど、他の人たちが手伝うのを拒否しているのはプライドの高さからなるものなのかなと思う。
やがて生徒全員が揃い、夕食を食べ始める。ちょうどいい感じの茹で加減の豚肉と野菜が中々いい感じだ。
同じ席の絹川くんは、備え付けのマヨネーズを豚しゃぶにかけようとしている。マヨネーズの虜になったのかな…。
「絹川、マヨはかけすぎると体に悪いぞー」
「え?マヨネーズ、体悪いの…?」
「カロリーがめっちゃ高くて太りやすくなるんだなー。あとトランス脂肪酸も含まれてるから悪玉コレステロールが増えるんだなー」
「そうなんだ…じゃあ我慢した方がいい?」
梅田くんの注意を聞き、絹川くんがマヨネーズをテーブルに置く。我慢しろとは言ってないと思うけど…。
「にしてもこの特製ソース、豚肉に合うなこれ!一ノ瀬が作ったのか?マヨネーズも混ぜると結構いいだろうな!」
豚しゃぶに特製ソースをかけながら、がっついていく二階堂さん。それを聞いたのか、絹川くんがマヨネーズを特製ソースに入れ、箸で混ぜる。
「まさかマヨ中毒になったのかー…!?」
「いや、一ノ瀬さんはマヨネーズ禁止とは言ってないし、別にいいんじゃないかな。流石にかけすぎたらダメだと思うけど」
わたしと二階堂さんの言葉を聞いたのか、絹川くんはマヨネーズと混ざった特製ソースを豚しゃぶにかけて口へと運ぶ。味わう彼の目はとても輝いていて…。
「まろやかで、すごく美味しい…」
「…」
絹川くんを見て、少し呆れた様子の梅田くんだった。
「ねえ、鈴原さん」
夕食が終わり、皿を片付けようとすると、絹川くんに話しかけられた。
「一体どうしたんだ?」
「今夜、少しだけ空を眺めて、お話ししたいんだけど…鈴原さんも一緒にいいかな?」
…絹川くんは、天体観測をしたいようだ。
でも、彼一人で夜の外にいるのも危険だし、わたしも最近は夜空をじっくりと見てないし…。
「いいよ。ちょうどいい星座図鑑も持ってるから、それを見ながら見よう」
「…ありがとう!じゃあ、今が7時45分だから…30分後の8時15分集合でいいかな?」
いきなり時間を決められた。まあ、準備もあるからね。ゆっくりやっていこう。
◆
部屋に戻り、星座図鑑を持って、また外に出る。夜空は雲ひとつない満月だった。そのおかげで星はとても明るいものしか見えない。
星座図鑑には月の観測方法は載っている。双眼鏡さえあれば、大きな月は見られるかな。
お土産屋に入り、双眼鏡を探す。安価だが性能の良さそうなものが三つあったので、二つ分頂戴する。
そういえばドアに貼ってあったけど、お土産屋、10時以降は立ち入り禁止なのか…。
◆
午後8時15分になった。第一エリアの噴水広場にて、双眼鏡を使って絹川くんと満月を観測することに。
「星、全然見えないけど…」
「こういう時は、満月を見るといいらしいよ。クレーターとか、影とか見るとお餅をついているウサギに見えるって言うし」
「ボクは…女の人が龍に跨っているような感じに見えるんだ…」
…その発想はなかった。
天体観測用の望遠鏡さえあればもっと大きな月が見れたけど、空にポツンと孤独に浮かんでいる月もいいものだ。
「ねえ…ひとつ、聞きたいことがあるんだ」
「どうしたの?」
「鈴原さんの元々いた街のこと、教えて欲しいんだ…」
元々いた街。
それらの『設定』の記憶は、おそらく黒幕によって消されている。
もし記憶喪失や、『思い出しドリンク』で叶千華や断片的な記憶を思い出したことが知られたら、誰かに疑われるかもしれない。
絹川くんのことは信じているが、どうしても話す勇気がなかった。だからと言って、嘘を話すのも嫌だ。
「わたしのいた街は…なんか、とても綺麗でみんながいつも笑っている。そんな街だったかな。天文台もあったんだよ」
「…天文台って、星を見るところ?」
「そうだよ。そこにはレストランもあって、ここにくる前はそこでアルバイトをやってたな」
「アルバイトって、どういうのなの?」
え?アルバイト、知らないのか…?思わず驚いてしまうが、ここは教えた方がいいかもしれない。
「えーと、確か…学生さんとかがお金を稼ぐために働くことだよ」
わたしはアルバイトの定義については考えたことはなかったので、適当な答えになってしまった。
「働く…それって、面白いのかな?」
「大変だけど、生きてるって実感がして楽しいと思うよ」
「生きてる、実感…」
絹川くんが、胸に手を当てる。働くという行為が、どういうものなのかも知らないのかな…?
「ボクの街も、鈴原さんと同じような感じだったよ。みんな優しい人たちばかりだった。でも、あるものが流行っててね。それを楽しんでいる間は狂ったように喜んでて。正直、乗り気じゃなかったんだよね…」
優しい人たちの間で流行ってた、あるものって?どうしてぼかすんだろう。でも、これ以上は聞かない方がいいかもしれない。
「あと、もう一個質問していいかな。あなたは、ここに閉じ込めた黒幕のことはどう思ってる?」
「決して許すことはできないね。わたしたちを閉じ込めて、殺し合わせて、どんな犯人でも残酷な方法で処刑するなんて…わたしに力があれば、すぐにでも倒してしまいたいよ」
過去の事件と処刑を思い出しながら、そっと呟く。
「…鈴原さんは、どうやって黒幕に立ち向おうと思ってるの?」また、絹川くんが聞いてくる。
「せめて絶望しない。記憶を希望に変えるってのが、わたしなりの抵抗かな」
「そうなんだね。記憶も命も、絶対大切にしてね。たとえ、どんなことがあっても…」
絹川くんが願うように言う。
「わたし、思ってるんだ。みんなが希望を持てば、コロシアイなんてしないって…。
まずは、自分から希望を持って、そこから伝えていきたい。…理想論かもしれないけど、これができたらいいなと思ってる」
理想論。そう言ってしまえば現実を見ろ、と言われそうだけど。
人に道を示すのが現実なら、人に翼を与えるのが理想。わたしはそう思っている。
どっちかが優れていると言う訳ではない。それでもわたしは希望という理想を持って、絶望に立ち向かっていきたい。
ふと、絹川くんの方を見てみると…少しだけ涙を浮かべている。
「どうしたんだ?気分悪かったりする…?」
「ううん。少し、事件のことを思い出してたんだ…」
事件。あんな悲しい殺し合いが二回も起きれば、悲しくなるのも当然だろう。
ハンカチ、持ってくれば良かったかな。あと、防寒用のブランケットも。
「ところで、今は寒くないのか?」
「大丈夫だよ。夜の冷たさも、こうやって話してるのも、生きてるって感じで好きだから」
涙を拭き、絹川くんは優しい笑顔を浮かべる。
◆
こうしているうちに9時になる。わたしと絹川くんはホテルへと戻り、別れた。
部屋に戻り、シャワーを浴び、ベッドへと潜り込む。
せめて、希望が皆に伝わっていますように。
そう思いながら目を閉じ、眠りについた。
◆
しかし。
『現実』は冷たく苦しいモノだ。
◆
目が覚める。時計を見ると、7時45分だ。いつもは朝の7時に起きるんだけど、昨日の疲れからだろうか。朝のアナウンス、聞かないで寝てたな。
この前、8時に起きた朝よりはマシだけど。皆に心配されちゃうかな。
身体を起こし、髪を整えようとした瞬間…。
「死体が発見されました!一定の自由時間の後、学級裁判を開きます!」
思わず固まる。ただの、夢ではない。これは、現実なのか?
そう思いつつも、早めに着替え部屋を飛び出す。
部屋から出た瞬間、同時に別のドアから蒲生くんと、絹川くんが出てきた。
「死体発見アナウンスが流れたようですが…何か起きたのでしょうか…?」
「みんなで手分けして探そう!わたしは第一エリアの…」
「…二人とも待って!」絹川くんが探索しようとするわたしたちを止める。
「一回目の事件は第一エリアの洋館、二回目の事件は第二エリアの納屋で起こったよね。もし次に死体が見つかるとしたら、第三エリアだと思う。
だから、第三エリアを重点的に探した方がいいんじゃないかな…」
根拠はわからないが、可能性は高いし、疑っている暇はない。第三エリアはここから遠いけど、別のエリアを探しているのならそうしているうちに、また犠牲者が増えるかもしれない。
「わかった。第三エリアへ向かおう!」
◆
第三エリアへと向かう途中の道のり。二人の人影に出会った。湖林くんと、灰寺くんだ。
「ねえ、さっき死体発見アナウンスが流れたけど…何かあったのか!?」
「…貴様、電子生徒手帳は持っているか?そうなら覚悟を決めて、旅館の混浴風呂へと向かえ」
湖林くんの顔は青ざめていて。灰寺くんは俯いたまま、何も言わなかった。
◆
走って第三エリアの旅館に入る。『女』と書かれた赤い、混浴風呂へと繋がる脱衣所のドアの前に立つ。
ドア近くの四角い枠に電子生徒手帳をかざす。電子音と共に、ドアの鍵が開いたので中に入っていく。
女湯と混浴風呂の、二つの引き戸。思わず女湯の引き戸を引きそうになる。
…恐怖と、現実と向き合うのが怖いのか?そんな考えが、脳裏によぎる。
いや、ただの間違いじゃないのか。でも、握っている金属の冷たさは本物だ。
そんなことを考えながら、女湯の引き戸の取っ手から手を離し、素早く引き戸を開け、混浴風呂へと入っていく。
混浴風呂は、この前入った女湯よりは少し狭めだった。
女湯と同じように様々な風呂があるが、その中でも目立つ、血で赤く染まった手前の大風呂。
無念の表情と、見開いた目をしながら…
『超高校級の女将』一ノ瀬秋穂さんは、何も答えず、静かに浮かんでいた。
「一ノ瀬さん…どう…して…!?」
一ノ瀬さんの死を直視できなかったのか、他の人たちが死んでいないことを確かめるためなのかはわからない。
わたしは瞬発的に、外に駆けて行った。
◆
そう思った時。
「死体が発見されました!一定の自由時間の後、学級裁判を開きます!」
思わず、体が固まる。
どうして、こんなことに。
…辺りを見回す。占いの館から、檀くんが出てきた。
「…畜生…」
まさか。もう一人、犠牲が…?
その顔に表情はない。偶然通りかかった蒲生くんがどうしたのですか、と檀くんに話しかけるが、無視する。
「蒲生くん、占いの館へ行こう!」
「ですね。檀殿は何も言っていませんが、そこで何かが起きたのでしょう」
紫のレンガの占いの館へと、足を踏み入れていく…。
◆
占いの館。そこには奇妙な光景が広がっていた。
館の奥のテーブルに、紫の布のかかった箱のようなものが置いてある。
「そういえば、奥を覆うカーテンが見当たりませんね」
「あの箱にかかってるのが、紫のカーテンじゃないかな…」
そう話しながら、紫のカーテンを取ろうとする。
…どこかで見たような、ガラスケースが目に入る。
そして、絶望を見る。
傷ひとつないが、身体はとても白く。
髪にも、服にも一切の乱れはなく。
それでも、自分が死んでいることを明らかにしながら。
『超高校級のモデル』雨崎梨々は、手を組みながら、ガラスケースの中で倒れていた。
まるで、童話の白雪姫のように、永遠の眠りにつきながら…。