***
――2039年6月6日 15:02
戻ってきたのは、さっきの噴水広場のような場所だ。
その噴水のすぐ近く、水場を囲う石壁に身をもたれかけさせ、拳銃のグリップを強く握りしめたまま、ギャビンはその場に座り込んだ。
「ハーッ、ハーッ、ハーッ……」
息が荒い。全力疾走の代償か、それとも、さっきの出来事が原因か。
背中を流れる冷たい汗が気持ち悪いと思うのと同時に、幾度も頭を過ぎるのは、爆発に巻き込まれて吹き飛んだポンコツ備品の姿だ。
さっきあいつは、ドローン2機を明らかに“わざと”こちらに回した。
あの2機を自分の盾にしていれば、吹き飛ばされなどせずに済んだはずなのに。
――なのに、その盾をギャビンのために使った。
自分の身の安全よりも、他人の安全を取ったのだ。
「なんのつもりだ、クソッ」
低く、呟くように呪詛の言葉を漏らす。
「誰が助けてくれと頼んだ、クソッたれが」
奴にまた借りが増えてしまった。これで合計2つ――否、最初にナイフで襲われた時にも庇われているから、3つになってしまった。
3つだと! なんてことだ。
それにもしあいつがこれでくたばっていたら、ファウラーに釘を刺されていたように、一生を閑職で――
「んなわけあるか、クソが!」
そうだ、あのクソ堅いアンドロイドが、頑丈なのだけが取り柄のポンコツ備品が、たかだか爆風くらいでくたばったりなどするものか。
あいつはアサルトライフルの斉射のただなかにいてもピンピンしていた。
だから今さら手榴弾くらい――それくらい、なんだっていうんだ。
決してあいつを「信じている」だなんて言うつもりはない。
――信じている、だなんて臭え言葉、豚にでも食わせてしまえばいい。
そうじゃなく、ただ俺自身のためだけに。
あそこでくたばるのは、絶対に、この俺が許さない。
「……!」
息が整ってきた。
意図的に息を深くしながら、ギャビンは油断なく銃を構え直す。
座り込んだ姿勢は保ち、そのまま、耳に全神経を集中させた。
――そうだ、このギャビン・リードが、たかだか不良品のクソ殺人アンドロイドごときに、ビビって逃げ出したと思っているのなら大間違いだ。
署の連中の応援を呼べず、地下にいるアンダーソンどもとも連絡が取れないというのなら、考えがある。
相手はきっと、こちらを舐めているはずだ。
さっきのアンドロイドに比べればこいつはただの人間、足跡や足音にさえ気を付けていれば絶対に自分の居場所がバレるはずないと。
そこを衝いてやる。
やがて自分自身の息の音すら聞こえなくなり、しん、と静寂が辺りを包む。
だがそれから数秒して、ギャビンの頭上で、小さくぱらりと小石の転がるような音がした。
頭上――すなわち、噴水装置の頂上。
――鼻筋の傷が、また激しく痛みだす。
これは予兆だ。
間違いない、風切り音が近づいてくる。
「くたばれ!!」
ギャビンは銃口を自分の真上に向け、そのまま全弾発射する勢いで発砲した。
すると果たして――思っていた通りだ。
はるか上空で――恐らく、噴水の頂上からさらに跳躍していたのだろう――こちらの放った弾丸が、透明な何かに当たっている。すなわち、吸血鬼に!
石畳は足跡がつかないが、その代わりに足音が出る。そして相手は、昨日高速から逃げ出した時に見せたように、恐ろしい跳躍力を持っている。さらに、機関銃を使ってこなくなったところから見て、奴のアサルトライフルはもう弾が尽きている。
となれば、相手の戦法は一つ。石壁の上を飛び回って移動し、広場に回り込み、さっきと同じように、頭上からナイフで一突きを狙ってくるはず。
そう読んだからこそ、わざと、こうして噴水の近くに身を潜めていたのだ。噴水の真上からの攻撃という一択に、相手の選択肢を狭めるために。
そして読み通りに襲ってきたクソ吸血鬼に、こうして銃弾をたくさん馳走してやっているというわけだ。
なのに――
「クソ……!!」
オートマチックの拳銃の弾も尽きよとばかりに、ギャビンは弾を連射している。
空中では身動きがとれない相手は、まっすぐこちらに自由落下してきている。
しかし皮肉なことに、その動きにはまったく変化がない。
弾は確実に5発、いや6発以上は相手の身体の同じ場所に叩きこめているはずなのに、ちっとも効いているフシがないのだ。
時間にすればほんの数秒、しかし薄く引き伸ばされたような思考の中で、ギャビンはうっすらと自分の臓腑が冷えていくのを感じた。
――クソが。
軍用なら多少は堅い造りになっているだろうとは思っていたが、これほどとは。
まさかこいつの頑丈さは、あのクソポンコツと同じ程度なのか――
「死」のイメージが、再び思考を覆っていく。
それともここから退いて逃げるほうが得策かもしれない、と一瞬ちらついた考えを、強靭な意志が否定する。
死んでたまるか。逃げてたまるか。必ず生きて、俺は、俺をコケにした連中を全員見返してやるんだ――
放った最後の弾丸が眼前で透明な何か、すなわち吸血鬼に当たり、無情にもあらぬ方向へ跳ね返る。
吸血鬼が振り上げた透明なナイフの形状が、ちらりと目に映った――
その時だ。
――バララララララララ!!!!
聞こえてきたのは、馬鹿が超高速でドラムを叩くような音と、小さな金属が床に次々とぶち撒けられる鼓膜を苛む音。
ほぼそれと同時に、透明なそいつは真横から銃弾の雨あられを受け、砕かれた噴水ごと吹き飛ばされていった。
それでもなお、音とその「力」が止むことはない。
「……ッ!」
ギャビンが反射的に振り向いた先には、あの放置された軍用トラックがあった。
そしてその上に設えられていたミニガンが、すさまじい勢いで銃弾を放っている。
毎分6000発だという凶悪な破壊力は、それを堂々と示すように、施設の設備を粉々にしつつ吸血鬼に弾丸をお見舞いしていた。
そう――
ミニガンを腰だめに構えて撃っている、あのポンコツ備品が。
足元に薬莢の山を築きながらも、奴は、しっかりとそこに立っている。
「お前……!」
命の危機が去った今、再び荒く息を吐きながら、ギャビンは備品野郎の様子を見つめた。
――どこか「ほっとした」感覚があったが、もちろんそれは、自分のクビが繋がったことへの喜びである。
備品は、それは、ダメージを受けてはいた。
顔面の真ん中に火傷のようなものができていて、その部分だけ白く素体の肌が露出していたし、剥き出しになった両腕もまた部分的に焦げ、焼けた服の袖からは未だに煙があがっていた。
しかしやはり、活動自体に支障が出るものではなかったらしい。
電柱のように固い脚も、機関銃にも耐える身体も、カタログスペック通りいい仕事をしたというわけだ。
だが――と、ふと思う。
備品野郎の目つきは、異様に冷静である。無表情なのはいつものことだが、普段のそれと今とは、一種異なった雰囲気があった。
奴はまるで何も思っていないかのように、ただミニガンのトリガーを引くだけの装置であるかのように、ひたすらにガトリングを撃ち続けている。
噴水広場の石畳が、そしてその脇に咲いていたアザミの花が――銃弾に巻き込まれていったというのに。
小さなその紫色は、弾丸の暴風を前になすすべもなく掻き消され、千々に砕かれていった。
それでもなお、奴の表情には何も揺らぎがない。
あいつはあの花を、死者への弔いのようだと言っていたのではなかったか――
ちらりと、ギャビンは違和感を覚えた。
けれどもその正体を探るより先に、ガトリングガンの喧騒に紛れて、別の声が聞こえたのに意識を取られる。
『……グ……!!』
聞こえたのは、ガトリングの威力のせいで遠くに押しやられた吸血鬼の微かな悲鳴だ。
どうやら奴の光学迷彩というのは、アンドロイドの皮膚の仕組みと同じで、連続して同じ箇所に強いダメージを受け続けると状態を保てなくなるらしい。
今や、吸血鬼の身体の前面は、その姿を露わにしていた。モスグリーン色の装甲と、フルフェイスのヘルメットは(どんな素材を使っているのか知らないが)凹むだけで破壊されることはなく、むしろ奴の背後の書き割りだの石壁だのが、ミニガンの破壊力の前に粉々に破砕され、千切れ飛んでいくばかりだ。
だが――勝てる!
内心で、そう確信する。
この調子で攻撃し続ければ、いくら奴が無敵の軍用アンドロイドだとしても、もうおしまいだろう。そうでなかったとしても、これで吸血鬼はしばらくの間、光学迷彩を使えないはずだ。
それならば――!
――しかし。
奴は、本当に、軍隊でしか使われないような武器を山ほど持っていたらしい。
ガトリングガンの斉射を受けながら、吸血鬼は、自分の手首の辺りから何か丸いものを取り外した。
そして銃弾の雨に身を撃たれ、身体のあちこちをひしゃげさせながらも、その何かに指をかけ、引っ張り――
キン――!
耳を破壊せんばかりの高い音と同時に、真っ白な閃光が辺りを包む。
「なっ!?」
ギャビンは、たまらず目を閉じた。そしてそれはアンドロイドにも同じように効くものらしく、ガトリングガンの斉射の音が止む。
そしてゆっくりとギャビンが目を開き、白く染められた視界が元に戻った頃には――
もはやあの吸血鬼の姿は、どこにもなくなっていたのである。
「チッ、今度こそ逃げやがったか……!」
一言毒づいてから、素早くポンコツ備品のほうに目を向けた。
奴は変わらずミニガンのすぐ傍に立っていて――
否。変わらず、ではなかった。
「…………?」
さっきまで傲然として見えるほど冷静にガトリングをぶっ放していたはずの奴は、今、こちらを見て目を丸くしていた。
「リード刑事」
ぽつりと、まるで寝起きのように、ポンコツは言った。
「あの……お怪我は、ありませんか」
「あぁ? お節介のせいで元気だよ。それよか、てめえのほうが黒焦げじゃねえか」
「……私……?」
ぼんやりとそう応えた備品は、自分の前に自分の両手を広げて、また目を丸くしている。
その灰色の瞳に、これまでにないほど色濃く戸惑いを浮かべて――
LEDリングのライトが、黄色のままぐるぐると光っていた。
「私……私は」
ポンコツの淡々とした、しかし震えた声が聞こえてきた。
「私は、一体……何を」
「何が『何を』だ、てめえ!」
不可解な現象を前に苛立ちが勝って、ギャビンは声を荒らげた。
「ドローンを俺の盾にした後、ぶっ飛んで姿を消して! それからそのガトリングで、吸血鬼のクソッたれに銃弾お見舞いしてやってたんじゃねえか」
親切に教えてやったのだから感謝しろよ、クソが。
「……爆風が直撃した時点までは、記憶しています」
なおもLEDライトを点滅させて、奴は続ける。
「しかし、ガトリング……? 私が、一体……どうして……」
「ハッ、無我夢中だったってか?」
本当は、吸血鬼を追うべきなのはわかっている。だがアドレナリンが切れたのか急速に足の力が抜けはじめ、なんだか立っていられず――しかしそれを悟られたくなくて、ギャビンはその場にしゃがみ込んだ。
しゃがみ込みつつ、ポンコツ備品に向かって肩を竦めた。
「そりゃ夢中だったんでしょうよ。あの可愛いお花も、吸血鬼ごとまとめて吹き飛ばしたくらいだもんな、てめえは!」
「……!!」
それを聞いた備品野郎の動きは、とてつもなく速かった。
奴は流れるようなスピードでトラックからひらりと降りると、さっき花が咲いていた場所に、居ても立ってもいられないといった様子で駆け寄っていく。
「ああ……!」
今は何もなくなっている地面の土を、身を屈めた奴は、まるで壊れ物にでも触るように、焦げた指先で撫でた。
無表情な面持ちのまま僅かに開いたその唇の奥から、怯えたような謝罪の言葉が、おろおろと漏れているのがこちらの耳に届く。
「ああ、ごめん、ごめん、よ……私は……何故、そんな……メモリーに存在するのに、未認識の行動、なんて……」
「てめえのその『エラー』は」
その言葉を聞いていられなくて、ギャビンは口を挟んだ。
「後でサイバーライフのクソどもにシコシコ直してもらえよ。それよか、あのクソったれ吸血鬼の逃げた先だ! 何かわからねえのか、ポンコツが」
「……!」
こちらの発言を受けて、ポンコツは、びくりと機体を震わせた。
それから奴はすっくと立ちあがって――目を閉じて、首を何度か横に振る。
そしてLEDを青色に戻してから、まるで子どもが殊更にキリッとした顔をしたかのように、表情をいつも以上に堅く引き締めて、こちらに向かって頷いてみせた。
「……申し訳、ありません。情動によるプログラムの混乱、でした。それよりも」
奴のLEDが、また黄色く点滅する。
「重ねて申し訳ありませんが、吸血鬼の所在地は不明です。閃光手榴弾を用いた撤退とドローンのハッキングにより、完全に攪乱されています。ですが」
と、備品の視線がこちらのポケットに向けられた。
「現在、電波ジャミングは実行されていません。端末も通常の電波状態に復帰しました、ご確認願います。それから」
「それから?」
「吸血鬼のジャミングが終了した今、地下で捜査中のアンダーソン警部補と兄さんたちに、連絡の試行が可能です。彼らに危険が及ぶより先に、情報の共有が必須だと判断します」
――なるほど、癪ではあるが、それが一番だろう。
奴の言葉通り「圏外」状態から復帰した端末を使って市警に連絡を取りながら、ギャビンは脳内で独り言ちた。
もっとも、あの吸血鬼には痛手を与えておいてやったのは紛れもなくこっちなのだから、ハンクとコナーどもにはせいぜい泣いて感謝してほしいものだが――
しゃがみ込んだまま、ギャビンは、市警の応答担当者と口汚い会話を開始した。
***
――2039年6月6日 15:10
「クソッ……!」
スキンを解除した手でドアノブに触れたまま、コナーは思わず毒づいた。
――この電子錠、思いのほか強固なセキュリティが組まれている。ハッキングは今なお、遅々として進まない。まだか、まだか――!
「落ち着け、コナー」
「しかし警部補!」
傍らで腕組みしつつ、ため息交じりに言うハンクに、コナーはなかば食ってかかるように抗弁した。
「地上で爆発音がしてから、12分が経過しています。ナイナーたちとの連絡も取れない……もしかしたら、何かあったのかも」
「ああ、だろうな」
そう応じる警部補の青い瞳が、諭すようにこちらを見据えた。
「だからってお前が慌てりゃ、何かいいことが起きるのか? 少なくとも、俺たちはこうして無事でいるんだ。今は、こっからなんとかして出るしかねえだろ」
「……そうですね」
小さく頷き、コナーは、眼前の扉を見つめた。
スチール製のその扉の表面には、5分ほど前にハンクがつけた足跡がいくつか残っている。
さっき発見したフロッピーディスクをひとまずポケットに回収した後、力任せに扉を蹴破ろうとしたのだが、どうにも上手くいかなかった結果が、今の状況だ。
「進捗状況から考えて、ハッキング完了まではあと6分ほど必要です。それまで、ナイナーとリード刑事が無事でいてくれればいいのですが……」
祈るように呟いた、その時。
ふいに視界の端に、【通信状況:復帰】の表示が現れる。
同時に、ハッキングが今までの3倍以上のスピードで進行しはじめた。
通信可能になったのだ!
「どうした?」
こちらの表情の変化を察知して問いかけてきた警部補に、コナーは明るい声音で応えた。
「通信が回復しました! ナイナーからの連絡も入っている。さっそく接続します」
通知通り、状況は完全に回復している。
ナイナーからの通信を繋ぐと、デバイスを介して、弟の声が聞こえてくる。
『兄さん。無事ですか』
その声音は、やや緊迫してはいるがいつも通りだ。
――よかった、と、コナーのプログラム上にじわりと「安堵」の感情が広がる。
「ああ、大丈夫だ。君のほうは」
『申し訳ありません。仮称・吸血鬼と遭遇し、戦闘しましたが逃亡を許しました』
「吸血鬼と戦った……!?」
隣で通信を聞いているハンクと、目を見合わせた。
「やっぱりここまで来ていたのか……! 本当に無事なのかい、ナイナー? 君やリード刑事に怪我は」
『ともに軽微な損傷はありますが、活動に支障はありません。それよりも』
と、ナイナーの声の響きがひときわ深刻さを帯びる。
『逃亡した吸血鬼が、地下へ移動する可能性があります。不測の事態に備え、対象との戦闘記録に基づくデータを送信します。確認を願います』
「わかった。僕のほうからも情報を送る、解析してくれ」
この事務室で得たいくつかの情報――金庫に隠されたフロッピーディスクと、改造されたアンドロイドが語った、この施設と吸血鬼の過去について。
それらを送信するのと入れ違いになるように、ナイナーからいくつかのデータを受信した。
吸血鬼との戦闘ログ、推測される相手のマシンスペック、そして“光学迷彩”――その対処法についても。
【開錠まであと1分20秒】という表示を確認しつつ、コナーは、軍用アンドロイドたる吸血鬼の恐ろしいほどの性能に表情を堅くした。
ミニガンの掃射を受けて破壊されないというその耐久力もすさまじいが、何よりも恐ろしいのは、姿を消すという能力だ。まさに潜入と暗殺のためだけに組み込まれたようなその機能――もし対峙することがあれば、非常に危険なのは言うまでもない。
『先ほど、市警に応援を要請しました。また現在、我々もそちらに移動中です』
ナイナーは淡々と告げる。
『移動所要時間は、およそ5分。先ほどのフロント部分での合流を提案します』
「ああ、わかった。扉を開錠したらすぐ、上に向かうよ」
そう言って、一旦弟との会話を終了してから――
コナーは、ハンクにかいつまんで説明を始めた。
「……吸血鬼は自分自身だけでなく、持っている物体の表面にまで流体金属を移動させることで、透明な状態を維持していたようです」
ナイナーの戦闘記録(無事だったのはよかったが、至近距離で手榴弾の爆発を浴びただなんて、なんて気の毒なんだろう!)を元に、コナーはさらに吸血鬼の能力について述べる。
「強力なダメージを与えられれば、光学迷彩を解除できるようですが……少なくともハンドガンでは、正面からの対抗は難しいでしょう」
「そんな奴と、どうやってナイナーは戦ったってんだ?」
話を聞くだに目を丸くしている警部補の問いかけに、データの解析結果から判断して応える。
「放置されていた銃火器を、やむなく使用したようです。それから……光学迷彩で透明になっているといっても、存在そのものが消えるわけではありません。ナイナーは空気中に舞い上がった砂埃などの動きを分析・予測して、相手の居場所を間接的に判断していたんです」
物体が移動すれば当然空気はそれに従って動き、また空気中に漂う微粒子も流れて動く。
ナイナーの目はそれらを捉え、計算することで、吸血鬼の動作を把握していたというわけだ。
「お前もできるのか?」
「いえ、残念ながら」
コナーは素直に否定した。
「煙など、肉眼で確認できるような大きな粒子が空気中にあれば別ですが……ナイナーの視覚機能は、私よりもさらにアップグレードされていますから」
「そうか。じゃあ一刻も早くここを出て、吸血鬼が戻ってこねえうちに……」
――と、言いかけたところで。
ふいに警部補が、訝しげな面持ちで口を噤んだ。
それと同時に、コナーの音声プロセッサもまた異常を感知する。
「……これは……?」
我知らず、低く呟いた。
あと【20秒】で開錠が完了するこの扉――その向こうから、何かが聞こえてくる。
扉の向こうには地上への階段くらいしかないはずだが、その階段を、誰かが下りてくるような足音がする。
そして――
かすかに漏れ聞こえてきたのは、ハミングの音色だった。
断片的にプロセッサに届くそれを分析すると、視界の端に、こう曲名が表示される。
――【ハッシュ・リトル・ベイビー マザーグース:童謡、子守歌】。
認識した瞬間、プログラム上に再生されたのは、あの改造アンドロイドの『彼/彼女』から託されたばかりの、メモリーの光景だ。
暗闇に閉ざされたメモリーの中で、かすかに聞こえるハミング。
かつての英雄、そして現在の吸血鬼が歌う、あの子守歌――
――まずい。
思考プログラムが発した深刻なアラートに、コナーはハッキングを継続したまま、傍らの警部補に呼びかけた。
「ハンク、ドアから離れて――!」
その刹那。
――ドン。
右肩に激しい衝撃を感知しながら、コナーは、真後ろに突き飛ばされるように吹き飛んだ。
「コナーっ!」
ハンクの叫びが聞こえる。
事務机にぶつかり、椅子を床に転がしながら視界の端に表示されたのは、生体部品の損傷を告げる警告だった。
すなわち――【生体部品#23-rおよび右腕部関節ユニット:中程度の損傷】。
そう、扉を
扉の向こうに来た吸血鬼が、まるで槍のように、尖った吸い込み口の先端を使って攻撃してきたのだ!
向こうから室内に向かって伸びるその透明な
スチール製の扉は閉ざされたまま、そこに丸い穴だけが残る。
「ぐうっ……!」
ゆっくりと立ち上がると、機体の損傷を受けて、ソーシャルモジュールが自動的に「苦痛」の声を漏れさせた。
当然、アンドロイドは痛みを感じない。だが、しかし――
「おい……おいコナー、大丈夫か!」
ひどく心配した様子でこちらに駆け寄ってくる警部補は――よかった、彼は無傷だ。
こちらの様子を一瞥してから、ハンクは吐き捨てるように言う。
「クソッ、あいついきなり来やがった……! おい、無事か!? 畜生、ひどい血だ……」
「平気です、掠っただけだ」
応急の止血処置として、右腕部のブルーブラッドチューブへの血流を【一時的に遮断】しながら、コナーは強気に答えた。
しかし――ハンクにはこう言ったものの、今の状況は、客観的にいってとても「平気」ではない。
人間でいうところの“動脈”を激しく傷つけられたせいで、ブルーブラッドの約6%が流出してしまった。右肩に空けられた穴から溢れ出た血が、白いシャツだけでなく、ジャケットの右袖までも青く染め上げている。
そればかりでなく、右腕部の関節ユニットに損傷を受けたのに伴って、コナーの右手の機能性は通常時と比べて【約40%】に低下していた。
つまり、今のコナーは右手をうまく動かせない。何かを「掴む」程度の動きならできるだろうが、例えば銃のトリガーを引くとか、コインを弾くといったような指先だけで行う動きは、恐らく不可能だろう。
「……それより、なんとかしないと……!」
告げる間にも、ドアは閉ざされたままだ。
そしてその外も、不気味な静寂を保っている。
「……妙に静かだな」
ホルスターから拳銃を抜き、ドアに向かって構えながら、ハンクが低く告げた。
「だからって、今すぐここから飛び出すってのはいいアイディアじゃなさそうだが」
「ええ。待ち伏せされているかもしれない」
そう応えつつ、音声と視覚のプロセッサに最大限のリソースを割いて、コナーは周囲の様子を探った。
すると――
天井のほうから、また物音が聞こえてくる。
先ほどのような爆発音ではなく、もっと別の、小さな――
ごそごそと、何かが這いまわっているような音。
「……!」
コナーとハンクは、同時に天井を見上げて――
それから、また同時に互いに目を見合わせる。
「コナー、潜れ!!」
警部補の指示が飛ぶやいなや、コナーはすぐ近くの事務机の下に潜り込んだ。
体格に比べれば少し狭いが、剥き出しの身で外にいるよりはマシだ。
なぜなら――
「畜生!」
隣の机の下に入ったらしいハンクが、窮屈そうにしながらも怒りを露わに言った。
「あいつ、どうしても俺たちを串刺しにしたいらしいな!」
彼がそう言う間にも、騒音と共に、事務室は恐ろしい状況になっていた。
吸血鬼は天井裏に上がり込み、そこからめったやたらにこの室内に向かって、吸入ホースの槍を突き刺しているのだ。
さっきまでコナーたちが立っていた場所、あるいは別の事務机の天板が、天井からの一撃によってへしゃげ、穴を空けられている。
数秒間に1回というすさまじいペースだ。
音の方向性から考えて、あの段ボール箱のほうには被害が及んでいないようだ――
箱の中の『彼/彼女』まで、傷つけられるようなことがなければよいのだが。
ともあれ、ここでずっと籠城しているわけにもいかない。
打開策を見つけなければ。
――走らせた思考プログラムが、いくつかの選択肢を提案してくる。
一つ、ハンクと共に机の下から出て、扉からの脱出を試みる。成功率は【45%】。駄目だ、低すぎる。別の方法を採るべきだ。
二つ、ナイナーとギャビンの援護を待つ。吸血鬼に襲われていると通信すれば、きっと弟たちはここへ助けに来てくれることだろう。だが、やって来た彼らが無事でいられるとも限らない。それにこの猛攻を、あと5分も凌げるだろうか?
三つ、ハンクの拳銃で反撃する。命を奪うのではなく、例えば上手く片腕の機能だけでも停止させて、相手との交渉の場に持ち込めれば――
いや、駄目だ。吸血鬼の装甲は厚いし、それに今の状態では、相手が天井裏にいることまではわかっても、実際にどこに向かって撃てばいいのかわからない。そもそも、右手がろくに使えないのだから。
コナーはそう考えて――しかし、採るなら第三の策しかないと判断する。
そうだ――なんとかして、【相手の居場所を把握する】ことができれば、あるいは。
改めて、机の下から見える室内に注意を払った。
ちょうどここからはさっき開いたばかりの金庫が見える。そして、その真下――
部屋の片隅に置かれ、半分錆びかけた消火器も。
消火器。
そして、ナイナーから送付された吸血鬼のデータ。
プログラム上でこれらの情報が結合され、そして――
一つ、作戦が立案される。
成功確率は【62%】。
それに、ハンクの身に危険が及ぶことにもなる。
だが今の状況では、彼の力を借らざるを得ない。
意を決して、コナーは、傍らのパートナーに告げた。
「警部補」
「どうした!?」
「頼みがあります。今から、私が隙を作るので……合図をしたら、すぐにその机の下から出て、銃をまっすぐに構えて撃ってください」
槍の猛攻の音が響く中、こちらがそう語ると、隣からハンクの頓狂な声が聞こえた。
「何!? どういう意味だ、また無茶するつもりなら容赦しねえぞ!」
「無茶ではありません、作戦です」
相手を説き伏せるように、コナーは、あえて落ち着いた声音で続ける。
「お願いです警部補、私を信じて」
「……クソッ」
ハンクが毒づく。だがその声は、ある程度の諦念というか、許容のような色を帯びているように聞こえた。
「……気をつけろよ。ただでさえ怪我してんだからな」
「はい!」
相棒の許可も得た。
力強く返事してから、コナーは吸血鬼の一撃の音が背後に聞こえたのを皮切りに、勢いよく机の下から身を滑り出した。
その目で捉えているのは、壁際の消火器。
左手を伸ばして可能な限りの速度でそれを掴むと、萎えた右手をなんとか動かして、安全ピンを抜き、レバーを握る。
すると瞬時に消火器のノズルから大量に噴出されたのは、【リン酸二水素アンモニウム】――すなわち消火薬剤だ。耐用年数を超えているので効果は多少劣化していると分析結果が告げているが、今は消火が目的ではないのだからどうでもいい。
重要なのは――
この狭い事務室の中に、消火薬剤の白い煙が充満することだ!
「……見えた!」
これだけ大きな粒子が空気中に舞っていれば、コナーのプロセッサでも、相手の攻撃箇所は充分に予測できる。
白い煙を割って、天井から下に向かってまっすぐに突き下ろされる透明な槍の動きが、その形状までも含めて、視界上にくっきりと表示されている。
どこからいつ攻撃が来るのかこうしてわかってしまえば、もう何も恐れることはない。
「これ以上は無駄だ!」
コナーは、あえて自信たっぷりな調子で、天井の吸血鬼に向かって大声で呼びかけた。
「君の動きはすべて、居場所も含めて把握したぞ! 痛い目に遭いたくなければ、抵抗をやめろ!!」
もちろん、これは半分【はったり】だ。
これで相手が投降してくれるのならば、それに越したことはないのだが。
――という願いは、やはり虚しく散るものらしい。
「く……!」
眼前を槍が通過し、コナーは素早く後ろに下がって回避した。
どうやら吸血鬼は、どうあってもこちらを殺さなければ気が済まないらしい。
ならば、仕方がない。
注意深く、好機を見計らう。
狙うべきは、相手の槍ではなく、その根元。
軍用プロトタイプとして造られた当初は存在しなかった、組織にメモリーを消去された後に、改造されて付け加えられたのだろう部品――
すなわち、サイバーライフおよび軍部の最新技術が、及んでいないだろう箇所。
それがちらりとでも見える角度に、攻撃がきた瞬間を狙うしかない。
そして、そのタイミングは――
今だ。
「警部補!」
コナーが鋭く叫ぶと、それに応じたハンクは勢いよく机から飛び出し、まっすぐに銃を構える。
その彼に向かって、コナーは手を伸ばした。
彼の手に自分の手を添えると、コナーは、斜め上にその手を――握られた銃の先を動かす。
直後、ハンクの指がトリガーを引いた。
銃声一発。
そして――
『!?』
瞬間、吸血鬼の攻撃が止む。
相手は、異常事態に気づいたのだ。
弾丸が金属を突き破った鈍い音と共に、天井から床に向かって流れ出はじめたのは、おびただしい量のブルーブラッド。
無論、吸血鬼のものではない。
吸血鬼が背負っているタンク――それが弾丸で破れて、中身が漏れ出ているのだ。
察知した吸血鬼はすぐに天井裏に身を引っ込めたが、それでも、そう簡単にタンクの中身の流出が止まるはずはない。
「……なるほどな」
銃口を向けたまま、ハンクはにやりと笑った。
「軍隊の最新技術で作られた箇所は鉄壁。でも後付けのタンクはそうでもないってか」
そう、彼の言う通り。
吸血鬼の装甲は確かに、ミニガンの斉射にも耐えうるほどの防御力を誇る。
しかしそれはあくまでも、開発当初の部分の話。
吸血鬼の組織が後で取り付けたタンクに使用された金属が、軍事用のものと同程度の硬度でないという結論は、ナイナーからデータを受け取った時に予測できたのだ。
ハンクに応じて、コナーは言う。
「これなら相手の居場所を把握できるようになりますし、何よりこうして、動きを止められる」
欲しいのは猶予だ。
吸血鬼と交渉する、あるいは相手を変異させるだけの猶予。
そうすれば、命を奪わずに済む。『彼/彼女』との約束も果たせるというものだ。
『……!!』
吸血鬼は、しばらく動きを完全に止めているようだった。
タンクからは今なおブルーブラッドが漏れ出ているだろうが、それを止めようともしていないらしい。
混乱、そしてストレスレベルの増大――突発的な攻撃の可能性は低いが、説得に応じるとも限らない状態。
これは、もう一度こちらから呼びかけるべきだろうか。
そう判断したコナーが、口を開きかけると――
『ア、アア……!』
マスクの機能で歪められた声が――悲鳴が、響いた。
『ア、アアアア、アアアアアアーっ!!』
それは甲高く、そして、狂乱したかのごとき声音である。
何か思いもよらぬことが起きて、完全に取り乱している声。
ハンクが思わず表情を歪めるほどに、大きく、そして悲しげな声――
あまりにも意外なその反応に、つい、プログラム上は「戸惑い」で埋め尽くされる。
するとその隙を狙われたのだろうか――天井から、ガタガタと何かが大急ぎで移動するような音が聞こえてきた。
まずい、逃げられる!!
「待て!」
叫ぶが、しかし、応答はない。
天井裏の吸血鬼は、信じられないほどのスピードで部屋の外まで移動していく。
「クソ、逃がすか!」
ハンクが叫ぶのに合わせて、扉に全速力で駆け寄る。
天井裏の音を追いかけ、開錠されているドアノブを回し、階段を昇り――外に出てみるものの。
「……兄さん?」
一息に階段を昇った先、フロント前に立っていたのは――
ナイナーと、不機嫌な顔をしたギャビンだった。
「ナイナー!」
弟は――ああ、なんてことだ――酷い火傷を負っている。
――こんなの、ちっとも「軽微な損傷」じゃない。そう思った途端、シリウムポンプが軋んだような錯覚を覚えた。
けれど今は、任務に関することを先決にしなければならない。
「吸血鬼に襲われたんだ! 地上に逃げていったみたいだが、見なかったか!?」
「いいえ」
ナイナーは(そのLEDは青と黄色で点滅している)、どこか悲しげな面持ちで首を横に振った。
「私もリード刑事も、目撃しませんでした。相手の跳躍力は、予測を大幅に超過しています。一気に移動され、逃亡されたのでしょうか……」
「……そうみたいだ」
タンクから漏れたブルーブラッドの飛沫を辿れば、相手の移動方向くらいはわかるだろう。だがこれだけの短距離で逃げ切られてしまったことを思うと、これからコナーたちが外に駆け出して探し回ったとしても、吸血鬼に追いつくのは不可能だと考えていい。
つまり、今日のところは――これで「お開き」だ。
「ここで、捕まえておきたかったのに」
忸怩たる思いを胸に、コナーは呟いた。
するとハンクが、取りなすように声をかけてくる。
「あんなバケモンじみた奴相手に、死なずに済んだってだけで充分だ。それに、応援はもう呼んだんだろ? 朝にも言ったが、あんなのの相手はSWATにでも任せねえとな」
「ケッ」
応援を呼んだ当の本人たるギャビンが、さも面白くなさそうにそっぽを向いた。
しかし――そう、警部補の言う通りだ。
「そうですね。もっと綿密な計画がなくては、吸血鬼の捕縛は難しいでしょう」
なにせ相手は、想定していた以上の武装を誇っていたのだ。
サイバーライフの最新鋭たる弟に、ここまでの手傷を負わせるほどに――
そう思い、黙考するコナーの左肩に、ナイナーの手が軽く置かれる。
「それよりも、それ、より、兄さん……」
表情は普段とほとんど変わらないものの、彼の声は、ひどく震えていた。
「酷い怪我を、だ、だい、大丈夫……ですか?」
「ああ! ……ああ、心配かけてすまない」
さっきからナイナーのLEDが点滅していたのは、そのせいか。
「大丈夫、システムに異常はないよ。ブルーブラッドは補給すればいいだけだし……損傷を受けたのもありふれたパーツだから、互換品があればすぐに修理できるさ」
「そうですか、それなら……それなら、よかった」
「僕のことより、君こそ酷い傷だ。サイバーライフが、すぐに治してくれればいいけど……」
弟を気遣いながら、コナーは思う。
――今こちらが説明したことくらい、きっと、弟なら一目見ただけで診断できただろう。
けれど彼は、それができなくなるほどに心配してくれたのだ。
彼をこんなにも戸惑わせてしまったなんて、申し訳ないと感じる。
けれど、それと同じくらいに――弟の戸惑いを、とても「温かい」と感じた。
「……おい!」
しかしその感傷は、ギャビンの一言で消え失せる。
「ご歓談中のところ悪いがよ。こいつはなんだ?」
彼は、いかにも嫌そうに靴の爪先で「それ」を指している。
フロントからほど近い床の上に落ちている、ブルーブラッドに塗れた、小さな何か。
「こりゃあ……」
近寄ったハンクもまた、眉を顰めた。
「なんだ? 人形……か?」
「調べてみましょう」
短く応え、「それ」に近寄ってしゃがみ込む。
機能低下した右手に代わり、左手の人差し指と中指をすっと伸ばし、ブルーブラッドを掬い取って、舌先で舐めた。
瞬間、視界の端に表示されたのは膨大なまでの情報。
【ブルーブラッド JB300型 #745 675 213 失踪届――2039年4月7日】
【ブルーブラッド CX100型 #740 897 436 失踪届――2039年2月11日】
【ブルーブラッド WB200型 #654 721 559 失踪届――2039年3月13日】
【ブルーブラッド EM400型 #529 014 833 失踪届――2038年9月27日】
【ブルーブラッド YK500型 #632 824 117 失踪届――2038年11月10日】
【ブルーブラッド AK700型 #773 299 125 失踪届――2039年5月3日】
【ブルーブラッド AP400型 #748 632 214 死亡――2039年5月10日】
――その他にも、合計で47件のデータ。
間違いない、これは吸血鬼のタンクから漏れたブルーブラッドだ。
トーマスの時と比較して、13人もの血が、新しく抜き取られている。
――深い「後悔」と「悲しみ」の感情が胸中に押し寄せるが、今問題にすべきはそこではない。
コナーは、そのまま左手で「それ」をおもむろに手に取り、持ち上げた。
それは、【羊毛フェルト】と【毛糸:カナダ産】で作られた、なんの変哲もない人形だ。
笑顔を浮かべた金髪の女の子の形をしていて――どうやら工業生産品ではないようだが、指紋が、くっきりと残っている。
その指紋が示す人物は――【マーサ・ガーランド】。
「マーサ……!?」
あの、動物園の事件で遭遇した女性。
彼女がなぜ――
吸血鬼に、一体なんの関わりが!?
戸惑うコナーに、説明を求めるようにハンクが歩み寄った次の瞬間。
彼方からこちらに向かって、パトカーのサイレンが近づいてきた――応援がやって来たのだ。
――こうして、スカーレットオアシスでの捜査劇はひとまず、幕を閉じたのだった。
(激突/The Invisible 終わり)
今回、もしルートを間違って地上部分にコナーたちが行っていた場合、当然耐久力がナイナーより低く残機のないコナーは詰みます。
あと、地下部分に行ったナイナーはコナーに比べるとあまりお喋りが得意ではないので(交渉技術自体はばっちりインプット済みだと思いますが)、やっぱり詰みます。
いわゆるベストな選択肢だったというやつですね。