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――2039年7月19日 12:54
RK900が瞼を開けると、視界に広がる禅庭園は秋の様相を呈していた。庭全体を照らす陽光は以前より穏やかさを増し、紅や黄に色づいた落葉が池の水面を染めている。
しかし『コナー』にとって重要なのは、無論そのような景観ではない。池を渡る白い橋の上に、アマンダが立っている。手を前で軽く組み、じっとこちらを見据えている眼差しは非常に厳格なものだった――サイバーライフ上層部の態度を示しているかのように。
ゆっくりと前方へ踏み出し、RK900はアマンダの元へと向かった。
そして橋の上に『コナー』が到達した時、彼女は静かに口を開く。
「よく来ましたね、コナー。報告は既に受けています」
言葉に応じず、『コナー』は無言を貫く。その面持ちは僅かに歪んでいた。
理由は語るまでもない。ナノドロイドの関与がデトロイト市警に露見し、マーカスの暗殺にも失敗するというミスを犯してから一ヶ月、状況はまるで進展していない。そればかりでなく、遂にDPDはナノドロイドの初期設計図まで入手してしまった。
裏切り者である
とはいえ、DPDを離れて単独で捜査をするのも得策ではない。たとえ任務の進行度に影響が出ようとも、警察という公的機関に所属している強みは考慮に値するものだからだ。
すなわち現在、『コナー』からアマンダに対して可能な弁解や提案は何もない。
だから彼はただ押し黙り、管理AIの次なる言葉を待っていた。
するとアマンダは――RK900の予測に反して、口元に笑みを浮かべた。
その眼差しまでも少し柔らかなものにして、彼女は語りだす。
「確かに不利な状況が続いています。流出した情報を、ヴォルテール経由でDPDが手に入れるとは……
プログラム上に、演算による疑似的な風が吹く。それに乗ってひらりと舞い落ちてきた紅葉を指先で優雅に摘まみ取ってから、さらにアマンダは言う。
「捜査が進み、DPDが
至って冷酷に、そして明確に彼女は命じた。
サイバーライフ社は当初、デトロイト市警および“型落ち”であるRK800の捜査能力を過小評価していた。RK900にとってDPDはあくまで隠れ蓑であり、捜査は主に『コナー』によって進められるものと判断していたからだ。
だが予想に反して、デトロイト市警側の能力は高かった。こうなれば、それを利用するまで。
実のところサイバーライフにとって、最も達成が望ましい目標は
だから、情報を集めてくるのはこの際DPDでも構わない。
最後に自分たちがすべてを掠めとることができれば、それでいい。操り人形である『コナー』は決定的な瞬間まで、DPDで行動させていればいい。
上層部が、改めてそういう決断を下したのだ。アマンダはそれを代弁しているに過ぎない。
その事実を、『コナー』は瞬時に理解した。だからいつものように儀礼的な、ソーシャルモジュールに基づいた
「承知しました。お任せください、アマンダ」
「それまでくれぐれも、あなた自身について気取られないように」
手にしている紅葉をふわりと池の水面に落とすと、アマンダは再び険しい表情になって言う。
「行きなさい、コナー。朗報を期待しています」
命令に合わせ、『コナー』は瞼を閉じる。
禅庭園との接続が解除され、彼の意識とも呼べる根幹的なプログラムが、元の状態へと戻っていく。
チャンスを待つ。それは、機械である彼にとって造作もないことだった。その時が訪れたら、確実に成功させればいい。
――私は、
刹那、RK900のプログラム上を過ぎったのはそんな文言だった。
***
「……おい。おい、ポンコツ!!」
リード刑事は恫喝するような口調で、数メートル離れた椅子に座って目を閉じているナイナーに呼びかけた。
ナイナーはというと、瞼をぱちりと開いて、首だけをパートナーに向けて静かに告げる。
「申し訳ありません。サイバーライフに報告していました」
「ハァ?」
ミーティングルームの椅子の背にもたれるように座っているリード刑事は、心底怪訝そうな顔をしている。大型スクリーンの前に立つコナーは、たまらず口を挟んだ。
「情報を定期的に送信しないといけないんですよ。一瞬だし、捜査会議に影響はないはずです」
「はいはい、んなこた知ってますよ」
途端にせせら笑うような面持ちで、リード刑事はこちらを見やった。
「ポンコツ同士のお優しい庇い合い、ご苦労さん。ろくに情報も寄越さねえクソ企業相手に、人間様の会議を無視してご報告する意味なんてあんのかって俺は言ってんだよ」
「確かに、サイバーライフの隠蔽体質は相変わらずのようですが」
努めて冷静に、コナーは抗弁した。
「ナイナーはあくまでサイバーライフに所属する身であり、報告は……」
「やめとけ、コナー」
前方の席に座るハンクが、腕組みしたまま口を開く。
「ギャビンはイラついてるだけだ。……気持ちはわかるさ、こんだけ情報が出てもまだウチは無関係だと言い張るなんて、サイバーライフは普通じゃねえ」
「ケッ」
警部補の言葉を聞くが早いか、ギャビンは不愉快そうに顔を歪ませ、前方のテーブルに両足を載せた――靴についている泥もお構いなしに。
反論されても、同意されても気に食わないとは、彼はいったい何になら満足するのだろう? と、コナーは訝しんだ。
やり取りを静かに見つめているナイナーは、パートナーの今の言動にもなんのストレスも感じていないようだが……やはり、リード刑事のことは理解できない。
しかしながら、ハンクの言葉通りではある。
作家AI・ヴォルテールから、ナノドロイドの初期設計図を手に入れた――そしてナイナーとギャビンがアンドロイド野球選手を巡る八百長事件を解決すると同時に、エリック・ピピンと面識のある人物を逮捕した、翌日である今日。コナーたちは署の一階にあるミーティングルームにて、情報のすり合わせと今後の対策を検討する捜査会議を行っていた。
そして会議の前にサイバーライフ社に対して、ダークウェブに流出していたという初期設計図に関する問い合わせをもしていたのだ。無論デトロイト市警からの、文書による正式な問い合わせである。
だがそれに対し相手から即時にもたらされたのは、にべもない回答――すなわち、「当社は当該流出事件とは一切無関係である。質問にあった設計図もまた、当社製品とは無関係である」との文言だった。
しかし仮にヴォルテールを信用しないにしても、コナーおよびナイナーの分析では、入手した設計図はほぼ間違いなく、サイバーライフ社が発売を間近に控えているナノドロイドの原型と呼べるものだ。
それに通常、自社製品の設計図が一瞬といえどダークウェブに流れていたとなれば、サイバーライフは明確な「被害者」である。警察に捜査を依頼してもまったくおかしくない事態だというのに、なぜ彼らはこの期に及んでも、自分たちは無関係だと言い張るのだろう?
流出した設計図が犯罪組織に悪用されているかもしれないというのに――ともすれば発売予定の製品に対して顧客が悪印象を抱きかねないのに、構わないというのだろうか?
改めてプログラム上に浮かんだ疑問を前に、コナーは弟に問いかけた。
「ナイナー。君の報告を受けてもまだ、サイバーライフは態度を変えないのかい」
「はい、兄さん」
短く返答すると、どこか不可解そうに彼は顔を俯かせる。
「アマンダからは、引き続き捜査を続けるようにと。設計図の流出に関する質問も実行しましたが、回答はありませんでした。私に付与されたセキュリティクリアランスレベルで確認可能なデータベースにも、情報は皆無です」
視線を落としたまま、ナイナーは続けた。
「お役に立てず、申し訳ありません」
「まったくだな!」
「気にすんな、ナイナー」
ギャビンの言葉に被せるように、ハンクが言う。
「ああいう流出ってのは、ハッキングでもなきゃ、たいてい身内の犯行だ。それか下請け企業の従業員だとか、アルバイトだとかな。お高くとまってる企業ほど、そういう“恥”は隠したがるもんさ」
「では警部補……サイバーライフは、自社内の流出犯を庇っていると?」
「庇ってるんだか、
そう語ってから、警部補はこちらを促すように、右手を向けた。
「話が途中だったか……設計図の解析でわかったことがあったんだったな。続けろ」
「はい、警部補」
そう、今はナノドロイドに関して判明した情報を整理している最中だったのだ。
気を取り直して、コナーは説明に戻った。
「先ほど述べたように……初期設計図の分析の結果、ナノドロイドはがん細胞の破壊や免疫システムの向上が可能なのと同様、プログラム次第では主要臓器にダメージを与え、血栓を生成して臓器障害を引き起こせると確定しました。そしてその製造には大規模な設備と高度な技術者、それに工業用水が必要です」
「工業用水?」
ハンクの問いかけに頷き返してから、続きを語る。
「半導体製造と同じく、ナノドロイドの製造にも高純度の水が必要だとわかったんです。我々の追う組織がナノドロイドの製造設備を構えているとしたら、それは少なくともサイバーライフのアンドロイド製造工場と同規模の大きさで、川べりに建てられているはずです」
超純水の製造装置を用意してあるとしても、大量の水を遠くまで運ぶのはあまりにもコストがかかるし、目立つ危険性もある。そう考えると、「吸血鬼」の組織が持つ製造工場は、他の一般の工場の中に隠れるようにして、デトロイト河岸に建てられているはず。組織がこの街を中心として活動していることから見ても、彼らの拠点の位置はその辺りとみて間違いないはずだった。
一方で、説明を受けたリード刑事はさもうんざりした様子で舌打ちした。
「さんざ工場を調べたってのに、まだやれってか。手間かけさせやがって」
「あなたの憤懣は妥当です。リード刑事」
双眸を静かにギャビンに向けて、ナイナーは言う。
「しかしながら、今回の設計図解析により捜査の進展度は約16%上昇しました。解明への到達は近いと判断します」
「希望に満ちたコメントだな、クソが。反吐が出るぜ」
「すみませんが、リード刑事。建設的な意見がないなら、静かにしていただけますか?」
プログラムにないところからやってきた「苛立ち」を感じつつ、コナーは口を挟んだ。
「そのほうがお互いのためです」
「なんだとてめえ」
「ギャビン、コナー、やめろ」
ため息をつきながら、警部補が制止してくる。
――またやってしまった。わずかながら反省しつつ、コナーはまた説明を続けることにした。
「……すみません。ナノドロイドの話に戻りますが――もう一つ重要なのは、製造には高度な技術者が必要という点です。我々がこれまでに逮捕した組織の直接の構成員に、アンドロイド関連技術に詳しい人間はいませんでした。しかしRK700の件といい、マーサの件といい……そして今回のナノドロイドも含めて、組織における技術者の存在は明白かと」
「そういやRK700が遺したデータには二人、クズ野郎どもが映ってたな」
ほとんどの視覚的情報が機密としてブロックされ、しかし会話の大部分は記録されていた、RK700が今際の際に送信してきたデータ。ハンクが言ったように、そこにはやや小柄な老年の男と、技術者と思しき背の高い男とが映っていた。
さらに、マーサが意識を失う前に提供してくれた情報によれば、小柄な老年の男が組織の首魁と思しき「エリック・ピピン」で、上背がある男のほうは――名は明らかでないものの――黒縁の眼鏡をかけ、白衣を纏った黒人男性と同一人物である可能性が非常に高いというのが、既にわかっていた。
そしてその白衣の男は、マーサの話では、「アンドロイド工学のエキスパート」として紹介されている。吸血鬼の組織が、自ら瓦解するのを恐れて構成員をかなり絞り込んでいる以上、この男性こそがナノドロイド製造にも係わる技術者であると推測できる。
推測であって確証でない以上、これからも捜査を続けなければならないのは当然だ。だがもしこの技術者らしき男の氏名を明らかにできれば、そして確保できれば、捜査は今以上に大きく動くことになるだろう。
設計図を元に、自分たち専用のナノドロイドを作り上げてしまうほどの技術者だ。あるいは、彼こそが設計図流出の犯人なのかもしれないが――いずれにせよ確保できれば、きっと自分たちは核心に至れるはずである。
プログラム上での思考がそこまで及んだ時、ナイナーの視線が、まっすぐこちらに向けられる。
「発言許可を要求します。アンダーソン警部補の発言にあった、二名の人物に関連して」
「もちろんいいとも。なんだい」
「兄さんとアンダーソン警部補に、昨日逮捕したデトロイト・ウルヴァリンズのオーナー、ディーン・サルバスの尋問記録の閲覧を願います。当該人物は本日9時の尋問中、重要参考人エリック・ピピンとの面識を自白しました」
面識――つまり、ディーン・サルバスは単にエリック・ピピンの名を利用しようとしたのではなく、直接会ったことがあると告白したことになる。
やや驚いたような面持ちの警部補の後ろで、リード刑事が何やら苦々しい顔になっていた。とはいえ、さすがの彼も今はナイナーを止めるつもりはないらしい。
「わかった。ぜひ頼むよ」
「私のメモリーをスクリーンに投影します」
短く首肯したナイナーのLEDリングが、幾度か黄色く点滅した。
それに合わせて、プロジェクターが壁の大型スクリーンに、尋問室での出来事の記録を流しはじめる。
映像の中のディーン・サルバスは、禿頭の老年男性だった。彼は額から脂汗を流しながら、せわしなく視線を泳がせている。机を挟んで向かい側に座り、余裕ある笑みを浮かべているのはリード刑事だ。通例に則り、人間である彼が直接の尋問を行い、それをミラーガラス越しに観察しているナイナーの視界が、今そのまま放映されている形となる。
『おい、じいさん。きょろきょろしてないでさっさとゲロっちまえよ』
笑みを崩さぬまま、ギャビンはサルバスに言った。
『エリック・ピピンの名前をどこで知った? なんで電話でその名前を出させたんだ。どうせ隠すような義理もないんだろ?』
『な、なぜそれを聞く』
サルバスは、戸惑うようにリード刑事に質問する。
『お前たちは私を……X67の件で逮捕したんじゃないのか。アンドロイド保護条例の……』
『質問してんのはこっちだ、ジジイ。外じゃどうか知らないが、調子に乗るなよ』
ギャビンの視線が、危険な鋭さを増す。
『それとも、いつまでもこんな狭っ苦しいトコにいたいのか? ならご自由に!』
『……』
ディーン・サルバスは、数秒ほど逡巡した。しかし結局のところ、リード刑事の言っていた通り、ピピンに対してさほどの義理も感じていなかったのだろう。あるいは、ここで警察の捜査に協力的であれば、後に裁判沙汰になった時に自分の減刑に繋がるかもしれないという打算もあったに違いない。
サルバスは、おもむろに語りはじめた。
『……エリック・ピピンと会ったのは、2ヶ月ほど前のパーティーの席だ。私と同じ……会社の“CEO”だの“会長”だの何かの団体の“理事長”だのが参加する、非公式の集まりだ』
『ほお。ヤクでもやってたのか?』
『そんなことは……だが非公式なのには理由があった。アンドロイド嫌いが集うパーティーだったからな』
――その後、サルバスが語った内容はこのようなものだった。
変異体による革命が成功し、アンドロイド保護条例が施行され、アンドロイドに平等な人権を付与すべきだという論調が高まる中で、それについていけないと感じる者たちは多くいた。それは若者だけでなく、当然、社会的にある程度高い地位につく老人の中にも存在する。
だが彼らは己の身を守ることには敏感だ。表立って世論に逆らうような意見の表明をして、槍玉にあげられるのは得策ではないと理解している。だから同好の士で非公式な場を設け、そこで顔を突き合わせて“鬱憤を晴らして”いたのだ。
そして球団の経営に苦慮していたサルバスは、そのパーティーでエリック・ピピンに会った。
『ピピンは……小柄な白人の男だった。私と同年代のな。私はパーティーで会うまであいつのことを知らなかったが、あいつ自身は自分のことを“人材コンサルタント”だと言っていた。自分のノウハウや人脈を使って、様々な組織の運営を手助けしているのだと』
エリック・ピピンが「カナダの富豪」だという情報は、既に入手している。だが彼が一体何を生業にして富豪となっているのかについては、個人情報同様、なんの手がかりもないままだった。
今、自己申告という形なので信用はおけないにせよ、ピピンの職業が明らかになったことになる。
『いやらしい笑顔の、どことなく嫌味な男だった。だが、あいつから言い出したんだ。“もしアンドロイド絡みで困ったことがあれば、自分の名を出せばいい”と……“自分はデトロイト市警だけでなく、ジェリコにも顔が利くから”とな』
『それでお前は、それをホイホイ信じた挙句にこうしてパクられたってわけか』
『フン、下賤な官憲ふぜいが……私の苦悩の何がわかる』
『あ? 発言には気をつけろよ。記録されてるっつったよな』
リード刑事の言葉に、サルバスは憎らしげな表情を浮かべた。だがそれ以上は悪態をつくでもなく、また続きを語りはじめる。
『ピピンと会ったのはそれきりだ。パーティーの性質上、記録の残る名刺だののやり取りはご法度だったから……別にあいつの個人情報を知っているわけじゃない。これで満足か?』
『いや、満足じゃねえな』
机に両腕を載せるようにして軽く身を乗り出すと、ギャビンは老人を睨みつつ言った。
『他になんかあんだろ? ピピンの野郎は一人でそこに来てたのか? お偉いジジイやババアどもの集まりなら、んなわきゃないよな』
『い……言っただろう、あいつの情報なんて私は……!』
と反論しようとしたところで、言葉に反して何か思い当たるところがあったのだろう。
サルバスは一瞬だけハッとした面持ちになってから、ぼそぼそと言った。
『そういえば……私と話している時、ピピンの隣に若い男がやって来て……そいつに何か耳打ちされたあいつは、適当に挨拶してそそくさとその場を去っていたな』
『耳打ち? ……モメてたのか?』
『い、いいや。何か報告を受けているという感じだった。さっきも言ったが、老人ばかりの集まりだったから、若い男がいるのは珍しかった……』
相手の言葉に、ギャビンは短く鼻を鳴らした。それから姿勢を戻すと、見下すような視線で問い質す。
『その若い男ってのの特徴は?』
『黒縁の眼鏡をかけた、背の高い黒人系の男だ。年はたぶん、あんたと同じくらいだろう……神経質そうで、フン、私に挨拶もしない男だったな』
黒縁の眼鏡、身体的特徴。それに、神経質そうな物言い。
――高い確率で、こう結論づけられる。RK700のデータにあった男、そしてマーサがピピンと共に会っていた“アンドロイド工学のエキスパート”の男は2ヶ月ほど前、つまり吸血鬼の一連の事件についてこちらが認知した5月頃にも、まだピピンと行動を共にしている。
単純に考えるなら、組織のかなり上位――NO.2ともいえる位置にいる人物かもしれない。
捜索の重要性が、ますます高まってきた。
――そう考えるうちに、映像の再生が停止する。
「……閲覧願いたい箇所はここまでです」
定期的に瞳を瞬かせながら、ナイナーは淡々と告げた。
「これ以降は、サルバスによる警察組織およびリード刑事個人に対する侮蔑的発言と、それに応酬するリード刑事の不適切な発言が多数含有されますので、後ほど重要事項のみ抽出したアーカイブ版を……」
「余計なことすんじゃねえ、ポンコツ!」
「わかったよナイナー、ご苦労さんだったな」
苦笑混じりに、ハンクはナイナーに軽く手を振って彼を労った。それからやや眼差しを険しくすると、こちらを見やる。
「どうやら、俺たちはどうしてもその眼鏡の男を捜さねえとならないらしいな。コナー」
「ええ。ここまでの情報を元に考えるなら、その男がピピンの擁する技術者です。発見できれば、多くの謎が解明できるでしょう」
「だな。……ギャビン、ナイナー」
剣呑な面持ちでナイナーに食ってかかろうとしていたリード刑事も、それを至極穏やかに眺めていたナイナーも、警部補のほうを向く。
「お前たちは、その“パーティー”てのの情報の裏取りをしろ。こっちもあちこち聞き込みをかけてみる。何かわかったら、すぐ報告しろよ」
「てめえに言われるまでもねえ、ハンク。俺に先を越されても吠え面かくなよ」
「リード刑事。捜査は競争ではないと認識します」
「うるせえ!」
弟のもっともな意見に対して、リード刑事はまた激高している。まったく――とコナーが眉を顰めていると、ふいに、電話の着信音が部屋に鳴り響いた。ハンクの持っている端末からだ。
「悪い。……珍しい奴からかかってきたな」
端末に表示された名前を見て独り言ちてから、彼は画面をタップする。
「ハンクだ。どうしたベンジー、久しぶ……何?」
警部補は眉間に皺を寄せた。
「おいおい、何言ってんだ。わかった、すぐ行く。それ以上慌てずに待ってろ」
そう告げるのとほぼ同時に、ハンクはまた画面をタップして電話を切った。
「警部補、どなたから?」
「空港の保安検査員やってる、古い知り合いからだ。ヤクが見つかっただの、運び屋がアンドロイドだの言ってたが……」
運び屋がアンドロイド。その言葉を聞いたコナーの視界には速やかに、過去の事件データが表示されていた。リード刑事とナイナーが組んですぐの頃に解決した事件、それに先日の中華街での事件など、直近の関連ある事案についてだ。
いずれの場合も、変異体ではないアンドロイドが麻薬の密売に関わっていたわけだけれども――今回もそれらの事件のように、組織が裏で手を引いているのだろうか?
疑問は尽きないが、アンドロイド絡みの事件はすべてアンダーソン警部補に任されることになっている。個人的繋がりによる通報とはいえ、正式な出動の依頼を受けたと考えて問題はないはずだ。現場へ直行し、状況を見定めなくては。
という結論に、ハンクもまた至っていたようである。
「コナー、すぐに出るぞ。車を飛ばせば20分だ」
「はい、警部補」
この都市で「空港」といえば、デトロイト・メトロポリタン・ウェイン・カウンティ空港、通称デトロイト・メトロ空港しかない。幾度かの拡張工事を受け、広大な敷地面積を持つようになった国際空港だ。
「じゃ、後は頼んだ」
「承知しました。ご健闘を祈ります」
警部補の挨拶に対して静かに、けれど真摯な声音でナイナーが言うのに合わせて、ギャビンが「ケッ」と短く吐き捨てている。――まあ、これも彼なりの挨拶なのだろう。
コナーとハンクは一路、空港へ向かった。
***
――2039年7月19日 13:56
一歩立ち入っただけで、今までにない感覚に襲われた。
この場所には紛れもなく、捜査のために来ている。
そのことは当然わかっているはずだったのに、空港に足を踏み入れたコナーは、新鮮な「好奇心」が胸のうちに膨らんでいくのを感じた。
どこまでも続くような白銀色のフロアタイルの床を、荷物を持った人々が足早に、あるいは互いに笑顔を交わしながら行き来している。あちこちに設置されたスクリーン式掲示板には飛行機の発着便の情報やCMがせわしなく流れ、広々とした空間に流れるアナウンスは、これまでに経験のない音響を伴って音声プロセッサを刺激した。壁沿いには煌びやかな店舗が並んでいる。何よりこのエントランスからは見えないが、外の滑走路では数多の飛行機が空へ旅立ち、また地上へ帰ってきているのだ。
空港がどのような場所か、この建物がどれほどの面積で利用客が一年間で何千万人か――そういった知識はもちろんある。けれどデータと実際の体験とはまったく異なるものだと、コナーは改めて思い知らされる気持ちだった。
「おい、何ぼーっとしてんだ」
「今行きます」
視界に映るものを調べている間に、つい足を止めてしまっていたらしい。「やれやれ」と首を振るハンクの背に続きながら、コナーは保安検査員の待つという場所へ向かう。
「ところで警部補、通報者の名前は?」
「ベンジー・カベッジ。昔、レッドアイス特捜部やってた時からの知り合いだ」
迷いなく歩を進め、上階へと続くエスカレーターに乗りつつ、警部補は応えた。
「今は保安検査の責任者だったか。ちょいと小心者だが、仕事熱心な奴さ。といっても、あそこまで慌ててんのは珍しかったがな」
そこで上階に至り、エスカレーターを降りたハンクはすぐに足を止めた。目の前にあるのは、空港内を通るモノレールのホーム――と、ホームドアのガラスの向こうに覗く、まっすぐに南へと続く線路だ。
「エクスプレストラム。この空港で無料運行されている、全自動無人運転鉄道システムですね。約1kmの路線距離を、最高時速50キロで走るという……あれで移動を?」
こちらへとちょうどやって来る真紅の車両を見つめながらコナーが言うと、なぜかハンクは苦笑した。
「ああ、そういうこった。にしても珍しいな。お前、別に電車とかに興味あるわけじゃないだろ」
「ええ、そこまでは。ですが、私はこれまでに空港に来たことがなかったので……」
そこでモノレールが到着し、無音のままドアが開く。スーツケースなどを持って乗り込む人々の都合を考えてか、車両の中に座席はなかった。乗客は他にちらほらいたが、混んでいるというほどではない。コナーたちはそのまま乗り込み、窓際に立った。
そのタイミングで、コナーは続きを口にする。
「この場所自体に、それなりに興味があります。旅行や、空を飛ぶことにも。普段はそれほど意識していませんでしたが、訪れてみると改めて自覚しますね」
と語ったところで、コナーは――なんとなく車窓に目を向けていたのだが――ガラスに映るハンクが、どこか複雑そうな面持ちになっているのに気づいた。
「どうかしましたか?」
「いや……そうだな。お前は旅行したこともなきゃ、飛行機に乗ったこともないんだな」
「はい」
事実の確認だろうかと思いつつ、こくりと頷きを返す。
すると警部補はその視線を、車両内の情報ディスプレイに向けた。そこではちょうど、CTNの昼のニュースが流れている。
『……昨日のウルヴァリンズ対ノーブルズの試合での一幕は、合衆国のみならず世界中に衝撃を与えました。まさにアンドロイド版“ブラックソックス事件”ともいうべき昨夜の出来事により、変異体に対して今以上の法的な保護と人権、とりわけ労働権を与えるべきだという世論が急速に高まっています……』
画面に大写しになっているのは、昨日の試合中、涙ながらの抱擁を交わすアンドロイド野球選手たちの姿だ。ウルヴァリンズのX67とノーブルズのテレンスが揃って不当な扱いを受けていただけでなく、同時に別々の人間から脅迫を受けていたというこの事件は、映像のインパクトもあって、予想されていた以上に大きな議論を呼んでいるようである。
「ま、俺も
腕組みして、いつものように皮肉っぽく警部補は言った。
「みんな現金なもんだ。アンドロイドがまともな給金も休みも貰えてないことなんて、とっくに知ってたはずなのによ」
「これを機に議論が進めば、より平等な社会が実現するかもしれません」
そうなればX67とテレンスだけでなく、これまでに苦しんできた多くの変異体も、ジェリコの皆も、少しは報われるはずだ。その時の光景を予測すると、プログラムに依らない微笑みが自然と浮かんでくる。
――だからその時のために、自分はできる限りの務めを果たさなくては。
コナーは、改めてそう考えた。
やがてモノレールは、空港の南端に到達した。最新型の設備が整えられたターミナルには多くの旅行客がひしめいていたが、ハンクが向かったのはその横、保安検査場脇のカウンターだった。するとカウンターの陰に気忙しげに佇んでいた制服姿の男性が、こちらの姿を見て、途端に安心したような表情に変わる。
フェイススキャンによれば、彼こそが【ベンジー・カベッジ 56歳】。職業は【デトロイト・メトロ空港 保安検査員】、犯罪歴はなし。やや痩せぎすな、白髪交じりのヒスパニック系の人物だった。
「おおっ、ハンク来てくれたか。助かるよ……」
「気にすんな。これも仕事ってやつだ」
言葉に反して親しみを籠めた声音で言うと、警部補はベンジーと軽く握手した。
「で、状況はどうなってる。もう一度、今度は落ち着いて話せよ」
「あ、ああ」
声を低めたハンクに、同じく小声でベンジーは応えた。
「それが……その、なんていうか……まずはブツを見せるよ。こっちに来てくれ」
警部補とこちらとを一瞥し、彼はすたすたとカウンター奥に向かった。STAFF ONLYとの表示があるスライド式の扉を開けるベンジーを追いかけ、コナーたちもその部屋に入る。
そこは保安検査スタッフ用の倉庫、または証拠保管室ともいうべき場所だった。それなりの広さの部屋の壁際の棚にぎっしりと、なにがしかの押収品と思しき物品が整頓されて並べられている。
そして部屋の中央にぽつんと置かれているのは、黒光りする素材――スキャンによれば【ラバーウッド、油性ウレタンニス、鉄】で作られた折り畳み式のミニテーブルだった。ピクニックに持って行くのにちょうどいい、といった程度の大きさである。
「40分くらい前、これを預かったんだが……カウンター裏に保管してる間に、ウチのワンコたちが吠えてな」
「麻薬探知犬か。人間よりいい仕事しやがる」
「まったくだ。ともかく、空港でヤクが見つかるなんてのは珍しかないけどよ」
後ろ頭を掻き掻き、ベンジーはお手上げといった様子で語る。
「X線通しても、専門の機器を使っても、ヤクがこのテーブルの
「その預け主云々ってのが、お前の大慌ての原因なんだろうが」
真剣な眼差しで、ハンクは言った。
「まずは、マジでヤクが入ってるのか調べないとな。コナー、できるか」
「もちろんです、警部補」
ハンクの、そして不安げなベンジーの視線を受けながら、コナーはそっとしゃがみ込み、テーブルに顔を近づけた。
もしこのテーブルのどこかに麻薬が隠されているのだとしたら、それはこの【木製の天板の中】か、【鉄製の脚の中】のいずれかだろう。しかしこの距離からスキャンをしても、素材の中に麻薬が紛れているというような結果は出ない。
であれば、ここは――まずは【木製の天板の中】を調べてみよう。
ミニテーブルの脚を両手で掴むと、おもむろにそれをひっくり返す。すると天板と脚が接合されている部分に、ネジが留まる小さな穴があるのが見えた。そしてその淵にうっすらと、穴を空ける際に削られた木片の粉が付着しているのも。
「……」
いつものように人差し指と中指をまっすぐに伸ばし、指先にサンプルとしての粉を採取する。
それから、コナーは無言のまま指を口に運んで舐めた。
「うぇっ!?」
戸惑いの声をあげたのは、今回はハンクではなく、ベンジーである。
「おいハンク、あの、だ、大丈夫なのか!? あんなモン舐めたりして」
「安心しろ、平気だとよ。むしろアレが一番効率的なんだそうだ」
テーブルの天板に視線を注いでいるので、喋っている彼らの姿は見えないが、どうやら警部補もようやくこの分析機能の利点を理解してくれたようである。――と言うには彼の口調が皮肉っぽいのが気になるが、今はそれは置いておくとしよう。
それより大事なのは、視界の端に表示された分析結果である。【木片(ゴムノキ)、酢酸ビニル樹脂、アセトン、リチウム、シリウム、トルエン、塩酸】――後半部分が示すのは、つまり。
「警部補、カベッジ氏、わかりました」
立ちあがり、きっぱりとコナーは告げた。
「このテーブルの天板には、レッドアイスが含まれています」
「なんだと」
「正確には、木材同士で粉末状のレッドアイスを挟み込み、それを接着剤と油性ニスでコーティングしてある。穴を空けた際に残った木片の分析結果が、その証拠です」
ハンクが手にした端末に、今の分析結果を送信する。画面を覗き込んだハンクとベンジーは、揃って低く唸った。
「どうやら、お前んとこの犬は正しかったようだな。ベンジー」
「確かに。いや……近頃のアンドロイド警官ってのはすごいもんなんだな」
「ありがとうございます」
称賛に対して短くこちらが礼を述べると、ベンジーはほんの僅かに口の端を上向きにした。
「で、ブツがここにあるってのがハッキリしたとこで」
一方で、切り替えるように警部補が言う。
「お前がさっき慌ててた、預け主がどうこうってのはなんなんだ。そのアンドロイドが、そんなに危険な奴だと?」
「ち、違う。そうじゃあなくってだな。ええと……」
何から話せばよいのやら、といった調子でベンジーは手をばたつかせた。それから、ふと携帯していたタブレット端末の存在に気づいたような顔で、それを幾度かタップして操作している。
「まずはこいつを……見てくれ。ブツをカウンターに預けた奴を」
ベンジーたちのほうに近づき、警部補と同じように、その端末を覗き込む。そこに表示されているのは、監視カメラからと思しき映像データだった。手荷物預かりのカウンターを、横から撮影するような映像で――画面の中では今まさに一人のアンドロイドが、あのミニテーブルを預けようとしているところだった。
スキャンによればそのアンドロイドは男性型の【AP700】で、外見上は特に変わった様子もない。ラフな旅行者のような格好をしていて、こめかみにはLEDリングがついている。映像越しということもあって、彼が変異体なのか、それとも脱法アンドロイドなのかはわからない。
カウンターに何気なく近づくと、彼は係員(人間である)に対して朗らかな笑みを浮かべ、口を開く。幸い、音声データもしっかり記録に残っていた。
『本日14時30分からのプライベートジェットサービス利用、グレアム・トルシェムのアンドロイドです。これを機内の収納庫に運びたいのですが』
『承知しました、IDを拝見します』
AP700は手のスキンを解除すると、指示された通り、所定の端末にそっと触れた。そのことにより、彼の言うトルシェム氏の乗る便や顧客情報などを参照したのだろう係員は、ややあってから告げる。
『確認しました、ありがとうございます。それでは、こちらでお荷物をスキャンしますので――』
しかしこの時、レッドアイス発見には至らなかったらしい。
「な、ハンク。見ただろう」
画面をタップして再生を停止すると、ベンジーは言った。
「預けたのは間違いなくアンドロイドだ。そんで、問題は……二つある」
「ああ、一つずつどうぞ」
「一つは……一つは、このアンドロイドがどこを捜してもいねえってことだ! ワンコが反応した時から、係員みんなでこいつを捜してる。なのに、どこを見てもいないんだ!」
一気に吐き出すように告げてから、ベンジーは額の汗を拭った。
コナーは、横からそっと問いかける。
「外に出て行ってしまったという可能性は」
「いや、出入り口やトラムの中には監視カメラがあるんだ。けどこのアンドロイドは、どこにも映ってねえ」
「で、問題の二つ目は?」
警部補がさらに促すように言うと、ベンジーは「ああ」と短く呻くように呟いてから言う。
「このアンドロイドが、トルシェムの持ち物……いや、“雇われてる”っていうべきか……ともかく、トルシェムのモンだってことさ」
「聞いたことのねえ名だな。そんなにヤバい野郎なのか?」
「警部補。グレアム・トルシェム氏は、医療機器メーカーの経営者です」
すかさず検索したデータを読み上げつつ、説明する。
「シカゴを中心に活動しているようですが、登録されている住所はデトロイト市内……かなりの資産家ですね。プライベートジェットサービスを利用しているほどですから」
先ほどの映像でAP700が告げていたことを元にこちらがそう言うと、ハンクは苦々しい顔をした。
「タクシー乗るみたいに、小型ジェットを個人でチャーターして乗るってやつか。足代わりにそんなの使うんなら、確かにかなりの金持ちだな」
「ああ。ウチの大口顧客ってもんだ、ハンク。だから困るんだよ」
ベンジーは、さらに重苦しい雰囲気になる。
「こんなことになったから、すぐにトルシェムのとこには連絡がいったんだ。そしたら奴さん、『自分は絶対に無関係だ』だの『ハメられた』だの大騒ぎさ。弁護士をつけて徹底抗戦してもいいだなんて言うもんだから……つまり……」
「お前の上司が及び腰ってか」
「……そういうことだ」
短く嘆息し、ベンジーは肩を落とした。そんな姿を見た警部補は口元にとりなすような微笑みを浮かべると、軽く彼の肩を叩いた。
「よくわかった、お疲れさんだなベンジー。で、そのトルシェムは今どこに?」
「整備場だ。プライベートジェットの利用者は、整備場から専用の車に乗って、直接飛行機のとこまで行くことになってるからな……なんとか宥めすかして、今は待機させてる」
「よし、後は任せろ」
そう告げると、ハンクはこちらを一瞥してから部屋を出て行く。コナーはベンジーに目礼してから、同じくそれに続いた。
そして通路を進み、整備場への道のりを、今度は長い“動く歩道”に乗って移動する。その道すがら、それまでじっと何か考え込んでいたふうな警部補が、ふと口を開いた。
「金持ちにレッドアイス、そんで消えたアンドロイド……なんともキナ臭えもんだが、コナー、お前はどう思う」
「現状では、まだなんとも」
短く答え、それから冷静に続きを述べる。
「しかしプライベートジェットの利用者なら、手荷物のチェックも甘いはずです。仮にトルシェム氏がレッドアイスを持ち込もうとしたのだとして、なぜ鞄などの自分の手荷物に紛れ込ませる選択をしなかったのか、疑問があります」
「だな。よほど空港をナメてるんでもなきゃ、堂々とブツを預けさせるわけがねえ」
口元の髭を片手で撫でるようにしながら、ハンクの視線がさらに鋭くなる。
「まずは本人に会って、そっから考えるか。お前は後ろで分析を頼む」
「はい。同時に、空港の監視カメラの映像の解析も進めておきます……AP700の行方について、何かわかるかも」
こちらの言葉に、ハンクは目で頷いた。
そのうちに、“動く歩道”が終点となる。ここから整備場までは、あと少しだ。
Detroit: Become Human発売3周年、誠におめでとうございます!!
なんとか記念日のうちに更新できました。
続きはもう書けているので、明日(26日)に更新します!
しばらくお待ちください。