東方労働記 〜 Beautiful Labor Days   作:水仙寺 桔梗

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毎回ながら久しぶりの更新です
お待たせして申し訳ありません…

では、特に何もないので本編をどうぞ


第七話 後編

『魔法の森』

 

ルーミアに追われて荷物を失くすわ、妖精メイドに置いて行かれて迷子にさせられるわ…

 

不幸を重ねたこの場所で、俺は再び心強いお供を連れて盗まれた物を捜す旅に出ていた。

 

もう直ぐ夏も終わりだと言うのに、森の中は湿度が高くてかなり蒸暑い。

 

俺は手袋を外し、ネクタイを緩めて何とか涼を感じようと策を講じていたが、それとは対照的に隣を歩く小さな少女はとても涼しい顔をしている。

 

「君は、何をそんなにそわそわしているんだい?」

 

黙々と歩き続けていたナズーリンは俺の落ち着かない心情を悟ったのか、そんな風に尋ねた。

 

「いや、別にそわそわ何て…。 まあ、少しだけ焦る気持ちはありますけど」

 

「ふむ…その盗まれた物が君にとってどれほどの物なのかは知らないが、よっぽど大切な物のようだね」

 

「ん〜…大切と言うか、無くても死にはしませんが、失くしたらすごく後悔するでしょうね…」

 

財布に入ったカードはまた作り直すことも可能だが、失くした現金はもう戻ってこない。

 

しばらく使っていなかった携帯は最近奮発して買い換えたばかりのほぼ新品であり、失くすにはかなり惜しい。

 

(つい)でにあの訳の分からない本も取り返さなければ寺に帰るのも悔やまれる…

 

本と言えば、パチュリーから頼まれた物もそれと同時に取り返さなければ館に戻るのも怖い…

 

このように、俺の心中は全く穏やかではなかった。

 

「大丈夫ですよ奏さん! ナズーリンさんも着いて来てくださるんですから、きっと盗られた物は返ってきますよ!」

 

「私にそんな期待をされても困るのだが…」

 

全力で俺を元気付けようとする美鈴にナズーリンは困惑の表情を浮かべていた。

 

「何を(おっしゃ)いますか。 ナズーリンさんは探し物のプロだとパチュリー様から伺っていますよ」

 

「確かに私は物を探すことが得意とは言うが、それは探す物の詳細がしっかりと分かっていることが前提の話でね。 今回の場合はリュックと本としか聞いていないし、百発百中で見つけろと言うのは流石に無理があるよ」

 

「そうなんですか…?」

 

「ああ、ダウジングロッドも役に立ちそうにないし、今頼れるのは私の小さな友達くらいかな?」

 

「小さな…友達?」

 

「うん。 まぁ、狭い狭い幻想郷。 そんなに焦らなくても彼らなら必ず見つけ出してくれるさ」

 

すると、ナズーリンの肩から小さな(ねずみ)がひょこっと顔を覗かせた。

 

「おや、お帰り。 そっちはどうだったかな?」

 

ナズーリンはその鼠に気がつくと人に話しかけるのと同じ様に問いかけていた。

 

「なるほど、山の谷にそれらしい物が…いや、それは多分河童の物だろう。 ふむ…あぁそうか、やはりこの森にもあったか。 うん、ありがとう。 ご苦労だったね。 気を付けてお帰り」

 

(はた)から見るとそれは実に異様な光景だったが、どうやらナズーリンは鼠と会話をすることができるらしい。

 

常人ならば鼠を肩に乗せただけでも虫酸(むしず)が走るだろうに…

 

幼げな少女が独り言のように鼠に話しかけるその姿は正にシュールな()としか言い表し用がなかった。

 

「喜ぶといい、君に良い知らせだよ。 私の友達がこの先の建物でそれらしいリュックを見つけたらしい」

 

「本当ですか⁉︎」

 

「ああ、どうやらそこの主人も今は留守の様だから、取り返すには絶好の機会(チャンス)だろうね」

 

「良かったですね奏さん!」

 

「はい! ありがとうございます美鈴さん。 それとナズーリンさんも。 お陰で早く取り返せそうです」

 

俺は二人に心から感謝の気持ちを込めて礼を言った。

 

「いや、まだ礼を言われる様なことはしていないよ。それに、その場所ではそれらしいリュックは見つかったそうだが、本の方は同じ様な物で(あふ)れていて彼らには上手く見つけられなかったそうだ」

 

「つまり、魔理沙の家(向こう)に着いてからが勝負と言うことですか?」

 

「ああ、そうなるだろうね。 何にしても見つけ出すのは困難そうだから、ここは急ぐのが得策だと思うよ」

 

ナズーリンは美鈴の問いに答えると早く行動を起こすことを提案した。

 

「そうですね。 では、少し急ぎましょうか、奏さん」

 

「はい。 でも…すみませんね。 自分の所為(せい)で御二人に迷惑をお掛けして…」

 

「ははは、なぁに私は別に構わないよ。 私の御主人に比べれば、今回の探し物(依頼)は非常にマシな部類だからね。 君にはそこまで非はないのだからそんな風に謝る必要はないさ」

 

「そうですよ奏さん。 今回の場合、奏さんは完全に被害者なんですから御自分を責める必要はありません。 さあっ、目的地も近いですし、早く見つけて館へ戻りましょう!」

 

「はい! では御二人とも、引き続き宜しくお願いします」

 

「ああ」

 

「ええ、お任せください!」

 

薄暗く不気味なこの森も、陽気なガードウーマンとクールで頼れる捜索員(この人)がいればとても心強かった。

 

 

「と、言うわけで奏と美鈴は私用で外に遣わせたから。 30分程前に」

 

「そう…いや、まあそれは別に良いんだけどさ…。 何で出かけさせる前に言わないかな?」

 

「何でって、今日まで(アレ)の使用権は私に委譲してくれる約束だったじゃない? それとも何か奏に用でもあった?」

 

「特別用があるってわけじゃないけど、私に無許可で紅魔館の人員配置を勝手に変えてもらったら困るのよ。 執事を司書にしたり、普段動かない門番を動かしたりしてさ〜…」

 

午前の紅茶をテラスで優雅に楽しんでいたレミリアはここ最近のパチュリーの言動に対して若干(じゃっかん)苛立(いらだ)ちを感じてた。

 

「レミィ、紅魔館(ここ)の頭脳=私でしょ? 他人(ほか)は全員頭の中がすっからかんかポンコツしかいないんだから、こう言うことは全て私に任せておけばいいのよ」

 

パチュリーがそう口にした矢先、門の方から大声で叫ぶ声がした。

 

「お〜い、クズ魔館のゴミ屑ども〜。 容姿端麗! 絶世独立! 一笑千金のこの私! 博麗の巫女が、わざわざ来て上げたわよ〜」

 

霊夢は二人がテラスにいるのを目視すると、そちらの方に向かって歩みを進めて来た。

 

「ほら〜…門番がいないから、恥じらう月花(げっか)も血に染める、爆笑無銭のデストロイヤーが勝手に入って来ちゃったじゃないの! どうしてくれるっ⁈」

 

レミリアは霊夢を指差しながらパチュリーに訴えた。

 

「何を言ってるの? 例え門番がいたとしても元々ここのセキュリティーレベルはカスなのよレミィ(ゴミ屑)。 だから私の所為じゃないわ」

 

「誰が、ゴミ屑じゃ! パチェ(お前)もクズ魔館の一員だろ⁈ や〜い、ゴミくずぅ〜☆」

 

レミリアは悟ったように冷静な答えを返すパチュリーのことを憎たらしくバカにした。

 

「ちょっと落ち着きなさいレミィ。 何と言われても、今からあの怪物を私一人で止めるのは不可能よ。 さっさと諦めてカップのお茶を(すす)りつつ、脳内でアーメンとでも唱えなさい」

 

「悪魔がそれ唱えたら終わる! ってか、さっき任せろとか言ってたわよね⁈ ならこの状況を何とかしてみなさいよ! クズ魔館のク()脳さんよぉ〜!」

 

そうこうしているうちに霊夢がテーブルの側まで寄って来て二人に話しかける。

 

「何にそんな怯えてるのよ、あんた達は…」

 

「うわわっ! れっ霊夢…えーと、何かごめんなさい!」

 

「は? あんた、私に何かした?」

 

「いや…特に思いあたらないけどさ……。 何かこう、条件反射的に?」

 

「何で条件反射的に謝られないといけないのよ…。 まあ、いいわ。 別に悪い気はしないし」

 

霊夢はアワアワとしているレミリアを(さと)して落ち着かせながら、茶菓子のクッキーを幾つか口とポケットに入れていた。

 

「それで、殺戮(さつりく)でなければ、霊夢は何をしに紅魔館(ここ)に来たのよ?」

 

「何で私はそんな扱いなのかしらね〜? こんなにお(しと)やかにしているのに」

 

霊夢は皿からクッキーを盗り終えると、ティーポットに直接口をつけて飲み始めた。

 

(たか)りに来ただけなの…?」

 

「いや、違う」

 

呆れたように言うレミリアに霊夢は即答した。

 

「そう言えば咲夜は?」

 

「キッチンに追加のお菓子を取りに行ったわ」

 

「まあ、取り敢えずあんたらに伝えとけばいいか。 私はただ、あんたらを誘いに来ただけよ」

 

霊夢はポットをテーブルに置くと椅子を引いて、そこに腰掛けながら明日の宴会について話し始めた。

 

 

「霧雨魔法店…ここが魔理沙の家…というか、店ですか? ここ」

 

森の中でひっそりと(たたず)む一軒家、その玄関先には大きく『霧雨魔法店』という看板が出ていた

 

「さぁ? お店らしことをしているとは聞いていませんが…。 多分商売(まが)いのことはしてるんでしょうね」

 

美鈴の言葉に耳を傾けながら、俺はドアノブを(ひね)り中への侵入を試みた。

 

しかし、店の主人が留守ということもあり、都合良く鍵が開いていた、何て期待したようにはいかなかった…

 

「ん〜…どうしましょう?」

 

俺は美鈴とナズーリンに策を求めた。

 

「そうですね〜…ドアは木製のようですし、ぶち破ろうと思えば簡単にできますが…。 他人(ひと)の家を壊して侵入するというのは、なかなか抵抗ありますよね…」

 

「そうですね…」

 

二人して良心の呵責(かしゃく)(さいな)まれていると、隣で見ていたナズーリンが呆れたようにため息をついた。

 

「全く…君達は少し優し過ぎるんじゃないか? ここは自分達の物を盗んだ泥棒の家なのだろう? だったら遠慮なんてしてやることはないと思うのだけど?」

 

ナズーリンの言葉にも一理あったが、留守のお宅にドアを壊して入るというのは、どうしても気が引けてしまう。

 

「はぁ…君達に任せていては(らち)が明かないようだ…。 ここは私がやろう」

 

ナズーリンは俺たちの優柔不断さに痺れを切らしドアの前へと歩みを進めた。

 

「え? でも…失礼ながら、ナズーリンさんではこの扉を破るのは難しいのでは?」

 

俺はナズーリンの身体を見て、明らかに玄関のドアを壊すことのできる体格ではないと判断した。

 

「そうですね…やはり気は進みませんが、ここは私が」

 

「君達は、何かとんだ思い違いをしているのではないか?」

 

美鈴が前へ出ようとすると、ナズーリンは腕を真横にゆっくりと伸ばして美鈴の進行を妨げた。

 

「君達に一言いっておこう」

 

ナズーリンが(ひじ)から先を上に曲げると、森の奥からカサカサと草を掻き分ける音を立てながら数十匹の鼠が群れをなしてやって来た。

 

その姿はまるでグリム童話に出てくる『ハーメルンの笛吹き男』を思わせる光景だ。

 

鼠達は俺と美鈴の足を潜り抜けてナズーリンの足元で静止し、彼女が命令を下すのを大人しく待っている。

 

「ネズミを甘くみると…死ぬよ?」

 

ナズーリンがそう口にしながら腕を前方へと振り下ろすと、それを合図にして待機していた鼠達が一斉にドアに飛びついてノブの辺りを丸く(かじ)り始めた。

 

ガリガリと音を響かせながら、ドアは徐々に削られて行く。

 

ドアに群がる鼠達(彼ら)の姿は、正直言って気持ち悪く不快で、お世辞にも可愛いとは言えない…

 

そして、ほんの数秒と経たないうちに鼠達は玄関からドアノブ部分を分離させてしまった。

 

「さあ、入ろうか?」

 

鼠を使役するナズーリンの姿に俺は少し恐れを感じながら家の中へと侵入し、盗まれた物の捜索を開始した。

 

 

それから数分後

 

 

足の踏み場もないくらいに色々な物が散乱した店内を探し回り、俺たちはようやく盗まれたリュックと風呂敷に包まれた本を探し出すことができた。

 

「思ったより早く見つかって良かったですね。 奏さん」

 

「はい、これもお二人と鼠達のお陰ですね。 御協力ありがとうございました」

 

「そうですね。 私も今日は少し鼠さん達を見直しましたよ」

 

美鈴はそう言い残すと大きな風呂敷を背負って玄関を先に出て行った。

 

「ふふふ。 やっと理解してもらえたようだね。 大型動物や人間、果ては未来の○型ロボットにまで彼らは恐怖の対象として見られているんだ。 鼠をあまりバカにする物じゃないよ」

 

「へぇ〜…そうですか」

 

『何か最後の例えおかしくね?』とは思いつつ俺はナズーリンの言葉を軽く受け流し、壊れた玄関を通って外へと出た。

 

「奏さん! 下がってください‼︎」

 

外へ出た瞬間、先に出ていた美鈴が大きな声で俺を呼び止める。

 

「どうかしたんですか、美鈴さん?」

 

俺は美鈴に声を掛けたが彼女は何も答えず、代わりに声はその先の上空から返ってきた。

 

「おいおい、お前ら。 人ん()で好き放題やってくれたみたいじゃねぇか?」

 

そこには箒に(またが)って宙に浮いている魔女の姿があった。

 

「全くよ〜。 霊夢もどっか行っちまってるし、帰ってきたらコソ泥が家に勝手に上がり込んでるし…。 本当、今日はついてねぇぜ……」

 

「自分のことを棚に上げて、他人を泥棒扱いですか? ははは、全く厚かましいにも程がありますね」

 

美鈴はそう言って背負っていた風呂敷包を俺の方へと投げ渡した。

 

「うぉ⁉︎」

 

かなりの重量感に落としそうになるも、俺は何とか体勢を立て直す。

 

「奏さん、すみませんが。 それを持って館へ急いでもらえますか?」

 

「えっ⁈ でも、美鈴さんは?」

 

「私はここで時間を稼ぎます」

 

美鈴は魔理沙から目を離さないように構えた。

 

「そうか。 なら私は依頼も果たしたことだし、帰らせてもらうとするよ」

 

今まで俺の背後にひっそりと隠れていたナズーリンは、実に冷静な態度でそう口にした。

 

「えぇっ? 一緒に来てくれないんすか⁉︎」

 

ナズーリンは一旦、宙に浮かび上がると俺に振り返って少し驚いたような表情を浮かべた。

 

「おいおい、勘違いしないでほしいな。 私の役目は探し物を見付け出すことだ。 自分の身が危ない時に護衛までするつもりはないよ」

 

「何だ、お前はかかって来ないのか? とんだ腰抜けだな」

 

魔理沙が軽く嘲笑(ちょうしょう)しながらナズーリンを挑発する。

 

「勝ち目のない相手に挑むほど(我々)も馬鹿ではないさ。 猫を噛むのは死の(ふち)まで追いやられた時だけだよ。 『逃げるが勝ち』それこそが、古から遵守(じゅんしゅ)してきた弱き者の生きる知恵さ」

 

「ははっ、相変わらず食えない性格だぜ…」

 

魔理沙はつまらなさそうにそう言うと、(ふところ)から八卦路(はっけろ)を取り出して目の前の(美鈴)へと向かった。

 

「まぁ、君も巻き込まれたくなければ今直ぐに全力で逃げることをオススメするよ。 じゃあ私はこれで」

 

そう言い残して、ナズーリンはふわふわと浮かびながら飛んで逃げて行った。

 

「マジかよ…⁉︎」

 

俺は今のアドバイス通りに急いでその場から離れようと荷物を抱えて全速力で駆け出した。

 

それを横目に、美鈴はどこからともなくカードを手に取り、魔理沙に対して啖呵(たんか)を切る。

 

「さあ! 人の物を盗むような貴女の腐った根性、私が叩き直して上げましょう!」

 

「はははっ、何を人聞きの悪い! 私は盗みをしたことなんて一度もないぜ! ただ、死ぬまで借りてるだけだ‼︎」

 

両者は睨み合った直後ほぼ同時に、声高らかに叫んだ。

 

「儀符 『オーレリーズサン』!」

 

「気符 『星脈弾』!」

 

「えっ⁉︎ ちょっ、まだ始めるなって…! あぁぁぁぁ‼︎」

 

声と共に放たれた光の弾は辺り一帯に飛散し、俺はその戦火の中を必死で駆け抜けて紅魔館へと帰還した。




奏•ナズーリン:「次回予告コーナー!」

ナズーリン:「ハロー! 僕ミ○キー。 ハハッ↑↑」

奏:「ちょちょちょっ⁉︎ ちょっとぉ‼︎ いきなり、何やらかそうとしてくれてんですかー!」

ナズーリン:「いや、このコーナーでは限界に挑戦していると聞いてね。 前回のフリに応えてあげたんだよ」

奏:「いや、してませんよ⁉︎ それと、もう色々限界なんで…勘弁してください」

ナズーリン:「ははは、まあそれはそれとして、真面目に次回予告をするとしようか」

奏「はい…そうしていただけると助かります」

ナズーリン:「うん。 確か次回は神社で宴会が(もよお)されるんだったかな?」

奏:「ええ、そうみたいですね。 自分も詳しいことはよく分かりませんが、これまでに出て来ていない方々も多数出演予定らしいですよ?」

ナズーリン:「ふむ…宴会か。 楽しい回になるといいね」

奏:「ナズーリンさんは来ないんですか? もしよろしければ御一緒しません?」

ナズーリン:「え? ん〜…誘ってもらえるのは嬉しいが、今回は遠慮させてもらうよ」

奏:「そうですか? 今回のお礼を兼ねてと思ったのですが、残念ですね…。 宴会はお嫌いでしたか?」

ナズーリン:「いや、別に嫌いと言うわけじゃないよ。 実は、私が世話になっている所の主は、仏教を熱心に信仰していてね。 宴会への参加を自主的に拒絶しているんだよ。 幻想郷(ここ)の住人は特に他人に酒を勧めてくるから注意しているという訳さ」

奏:「では、ナズーリンさんだけでいらしては如何ですか?」

ナズーリン:「御主人達を差し置いて私だけが楽しむわけにはいかないよ。 それに、私にはやることがあるしね」

奏:「そうですか…まあ、事情は人それぞれですし、無理に誘うのはいけませんね…」

ナズーリン:「ああ、だから今回はキッパリお断りさせてもらうよ。 まぁ、ハメを外し過ぎないように楽しんで来るといいさ。 お酒は飲んでも飲まれないようにね」

奏:「いや…自分、未成年ですからお酒はちょっと…」

ナズーリン:「ああ、そうか…まっ、宴会の雰囲気にでも酔いしれて来るといいさ」

奏:「………」

ナズーリン:「ん? どうかしたのかい?」

奏:「ああ、いえ。 ナズーリンさんって見かけの割りに、とてもしっかりした人だなと思いまして」

ナズーリン:「ん〜……それは、褒めてもらえているのかな…?」

奏:「ああっ、すみません。 また失礼なことを…」

ナズーリン:「ははは、別に私は自分の体型についてコンプレックスを感じてはいないし、気にする必要はないよ。 でも、執事としてはなかなか…今の発言は慎むべきだろうね」

奏:「はい、仰る通りで……」

ナズーリン:「うん、まあそんなことばかり考えていたら息が詰まるだろうし、次回はリフレッシュできる回であるといいね」

奏:「ナズーリンさん…ありがとうございます」

ナズーリン:「ふふふ、じゃあ今回はこれで締めてもらえるかな?」

奏:「はい! ではっ」

ナズーリン:「次回『狂奏(きょうそう)ナイトフィーバー! 色欲のヒステリックモード?』」

奏•ナズーリン:「次回もお楽しみに!」

奏:「なんか、このタイトル…嫌な予感しかしないんすけど…」

ナズーリン:「………」
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