深夜のコンビニバイトは忙しい時もある。   作:秋涼

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SAN値

 

「なるほど、そんなことがあったのか」

 

「あぁ、今はなぜか多重閉鎖空間がなくなったみたいだから解決は時間の問題だ。

安全なところもある。案内するぜ」

 

 

 そういって良樹は先導するように歩いていく

 追われてると思っていた相手は良樹だった。

 儀式のせいでここに連れてこられたこと、ここの空間の特殊な仕様などを教えてくれた。良樹はここにきてから生存者を探して色々回っているらしい。

 前々から身体能力すごいなと思っていたが、あんな大きいハンマーをバットを持っているように軽々扱っているのをみて改めてそう思う。

 

 「良かったな、由香もう少しで帰れるぞ……」

 

 「う……うん……」

 

 「どうした?由香」

 

 良樹と合流してから由香の様子がおかしい。

 まるで良樹に対してとても怯えているようすで俺の体で良樹の視界から逃れるように体を隠す。

 

 「お兄ちゃん、やっぱあの人変だよ……」

 

 「いつもと変わらない気がするがどうしたんだ?」

 

 「由香ね……お兄ちゃんとはぐれたあと見たの……あの人が人をハンマーで潰しているところ、Yシャツにも血の跡があるし、由香怖いよ……」

 

 確かによくみるとハンマーも褐色色に染まっており、Yシャツにも血が乾いた跡がるのに本人は怪我などしている様子はない。

 

 「何人も保護していると言ったけど嘘かもしれないよ?逃げようお兄ちゃん」

 

 由香が急かしてくるが、良樹に服装と装備以外に変な様子はない。

 良樹に距離を取りつつ聞いてみるか?

 

 「兄妹ごっこは楽しかったか?」

 

 「!!??」

 

 気づくと前にいた良樹が由香を片手で持ち上げていた。

 

 「良樹!何をしている!!由香を放せ!」

 

 「哲志、止れ、よく見とけ!」

 

 良樹に向って突撃しようと駆けだそうとした瞬間、良樹に制止される。

 

 

 「俺が保護した子の中に由香ちゃん居たんだけど、お前は誰なのかな?」

 

 「いやぁぁぁあ!たすけてお兄ちゃん」

 

 「由香!待ってろ!」

 

 急いで良樹にタックルをしたが、良樹を1ミリも動かすことが出来ずにはじき返される。

 このままでは良樹に妹が殺されてしまう。もう一度良樹に突撃しようとした時

 良樹がポケットからお札を取り出し、由香に張り付けた。

 

 由香にお札がついた瞬間、つんざく金切り音のような悲鳴が響く。

 次の瞬間、由香だったものが赤い服を着た女の子の姿に変わる。

 

 妹が急に見ず知らずの女の子になって動揺していると良樹がそのまま女の子を放り投げて、ハンマーで思いっきり振りぬいたところだった。

 

 鈍い音がして、赤い服の女の子が壁に叩きつけられる。叩きつけただけではなくそのまま良樹は壁に叩きつけられた女の子にさらに追撃を行おうとしていた。

2回目のハンマーが叩きつかれた時、女の子の姿は消えていた。

 

 「いまの女の子は?由香はどうしたんだ!!」

 

 「落ち着け、黙ってたのは悪かったが本物にあったら言おうと思ってたんだよ。つまり、さっきまで一緒にいた由香ちゃんは由香ちゃんの振りした偽物なんだよ。話を聞いてたらお前と俺を戦わせたくて仕方がない感じだったから早めに対処したんだ。驚かせてすまなかったな」

 

 「あぁ……、ところで由香は無事なんだな?」

 

 「篠原たちと一緒にセーフエリアにいるはずだ、今度こそ付いてこい、行くぞ!」

 

 先導する良樹についていくために、俺は走り出した。




校舎の中に窓ガラスをぶち破って侵入する。

彼は一通りあたりを見回ったあと教室を出ていく。

出て行ったあと教室は巨大な百足に壊されていく。

彼が通った道は大百足が通り、文字通りなくなっていく。

終わりの時が近い。
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