前話にて良樹の委員長に対しての呼び方が篠崎なのに委員長呼びになっていたのを修正しました。
皆様前作に続いて読んでくださる方、今作から読み始めた方もありがとうございます。
篠崎を連れて装置がある部屋に入ると教室の黒板あたりから前の席があるあたりまでを切り取ったかのような細長い部屋だった。
この部屋にはいった瞬間、少し空気が変わった。いままでとは違う空気を感じる為、あたりを警戒するが特に危険な相手は目視では見当たらない。
「大丈夫か?」
視界の端で篠崎が座り込んだのが見えたので声をかける。
「頭が……痛い、ここにいては駄目だと思う……」
「そうだな、あまり長居したい場所じゃないな、奥の装置に行くから辛いと思うが付いてきてほしい、俺も怖いしな。一緒にいてくれると助かる」
「うん……」
篠崎は余裕がないのかそのまま頷くと大人しく付いて来てくれる。
しかし、篠崎がさすがひのえさんの妹というか、ここまで霊感が強いとなるとなにか対策が必要だなと考えるが、ひとまずこの部屋の用事を片付けてから対応することにする。
こういう場所でこそ、別々の行動を取ると碌な事にならないのは羽生蛇村で学んだ。
急に壁とかからすり抜けて出てくる可能性があるので念の為、スマホのアプリから射影機アプリを立ち上げてレーダーを確認する。レーダーに近くに赤い反応がない為、とりあえず警戒しながら奥へ進む。
射影機アプリはこともが作ったアプリでこともが持っているデジタルカメラ型や一眼レフ型射影機には性能が劣るが、スマホのカメラで射影機の機能が使える優れ物である。
俺はあまりカメラ部分は使わないが、レーダーは念の為の確認や討ち漏らしがないかどうかの確認等で割と使う。割と訓練とか受けているので討ち漏らしたことはないが、人間ミスはあるので2重で確認したほうがいいと店長の婆様からそう言われている。
何事もなく奥の装置へたどり着き、装置を起動すると部屋の外から2階で押したときと同じ音が聞こえた。廊下のどこかが開いたのか?
「篠崎、廊下でなんかの音が聞こえたし、もうここに用はないから出るぞ」
教室を出ようと引き返そうとした時、黒板の下に膝を抱えている男の子が座っているのが見えた。男の子の体は半透明であり、人間ではないことは一目で分かった。
男の子はじっと膝を抱えて座っており、こちらへの害意は今のところは感じない。
近くを通らないと外に出れない為、警戒しつつ通るかと方針を決めてた時
「駄目ッ!!」
「おぉ、びっくりするから大きな声出さないでくれ」
「駄目……絶対目を合わしちゃ駄目……」
篠崎がそう俺に警戒してきた。
目を合わすと憑り殺されるというところだろうか、直接、切りかかってきたりしてくれたほうが俺としては対応しやすいんだけどな、確かにあそこまではっきりと姿が見える奴はそうそういないので警戒して進む。
通り過ぎる時に排除も考えたが、下手に突いて余計にややこしいことになる可能性もあるので何もなければそれでいい。
篠崎の手を引きながら幽霊の横を通る。
俺が通りすぎたときには何も反応を示さない。
篠崎が通り過ぎようとした時。
「オネェチャン!……アソ」
急に篠崎に手を伸ばしてきたので思いっきり幽霊を蹴飛ばしてしまった。
幽霊はそのまま吹き飛び窓ガラスにぶつかりそのまま倒れこんで頭だけこっちを向いた。
その顔は憎悪ではなくびっくりした顔でじっと俺の顔を見たあとそのまま消えた。
なんだその表情……見た目に加えてなんかおれがいじめたみたいになってるじゃない?
しかし思いっきり蹴飛ばしても消滅しないとか意外と強い霊なのかもしれない。
警戒はしといたほうがいいだろう。
篠崎を見るとなにか言いたそうな目をしているが何も言ってこなかった。
「とりあえず、出るぞ」
篠崎に声をかけてそのまま廊下に出る。
そろそろ説明しといたほうがいい事と篠崎の霊感が強いので影響を少なくする対策を考えながら廊下を歩いていると急に後ろから思いっきり押されて少し体勢が崩れる。
崩れた先が崩落した廊下の先だった為慌てて飛び壁を蹴って足場に戻る。
「おい、篠崎危ないだろうが、気を付け……」
篠崎に文句を言いながら振り向くと篠崎が呻き声をあげながら女の子がしちゃいけない顔をして廊下に立っていた。