インフィニット・ストラトス 亡霊達の戦記   作:薄影 (黒ウサギ党)

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第3話 亡霊の戦い方

IS学園第3アリーナ、そこには、蒼いISと武装した少年がお互い向き合っていた。

『さぁはじめましょう。あなたが無様に私に負ける姿をクラスの皆さんに見せて差し上げますわ!』

『おぉそいつは嫌だねぇ』

『ふふ、今ならまだ許して差し上げてもよろしくてよ』

一方第3アリーナの通信室、そこには千冬さんと山田先生それに箒と一夏がいた。

『オルコットさん余裕ですね』

『あぁだが油断しすぎだあいつは』

そんな会話が進むと一夏が、疑問に思った。

『でもよ千冬姉?悠綺はどうやって空を飛ぶISと戦うんだよ。明らかに悠綺の方が不利じゃないか?』

『織斑先生だ。あぁ確かに他から見れば桜庭が圧倒的に不利に見えるだろう、しかしオルコットは桜庭の事を知っているか?』

『あっ!』

『そうだ知らないのさ。しかし桜庭は違う事前に戦う相手の癖、仕草、どんな戦い方かを全て頭に叩き込んでいるんだからな』

『ではオルコットさんは』

『あぁ負けるな、それも桜庭にダメージを当てることは出来ないだろう』

そして戦闘の開始の合図である、ブザーがなり始めた。

『行きますわよ!』

瞬間ブルーティアーズは、空高く舞い上がり持っていたライフルを構え射撃の体勢に入った。

俺は右腕の義手の動きを確かめてから、空中に浮くブルーティアーズを見上げた。

『はぁー以外と高く上がるんだな…』

『あなたにチャンスを上げましょう』

『あぁ?チャンスだ?』

『えぇ、今このままこの学園から出て行くというのなら、先程までの無礼を許してさしあげます』

『はっはっはっ、そういうのはチャンスとは言わないんだよ。オルコットさん?逆にこちらもチャンスを上げましょう』

『何を言ってますの?』

『なぁに簡単だよ、俺は1分間、オルコットさんあなたに攻撃を仕掛けないという事だよ』

『なっ!ふざけてますの!』

『いや、至って真面目に言ってるんだけど』

『その言葉、後で後悔しても遅いですわよ!』

『上等だよ!早くかかってきな!』

その瞬間セシリアはブルーティアーズの持っていたライフルを構え射撃を始めた。

キュインッ!その音は甲高い耳鳴りのような音と共に銃口から蒼い閃光が発射された。

その閃光は真っ直ぐ俺の体を貫いたかのように見えたが、しかしそれは空振りに終わり地面に当たり地面から砂煙が上がっていた。

『どうです?私のブルーティアーズの一撃は?』

そうセシリアが言うと砂煙から、悠綺が現れた。その体には、傷一つ付いてなかった。その足元は穴が空いていた。

『どうした?こんな物なのか?』

俺は、左手首にある時計を見て

『さぁ、あと30秒だぞ?』

『っ!ならこれでどうです!』

そしてセシリアはブルーティアーズのビットを射出し悠綺の周りを包囲し始めた。

『やっと出てきたか!』

そう悠綺が言うと同時に包囲していたビットから蒼い閃光が放たれた。だが悠綺はそれを巧みに回避していた。

その光景を見たアリーナにいた1組の生徒やモニターで見ていた山田先生、それに一夏と箒は驚きを隠せなかった。それもそうだISと生身で戦うことが出来る人間などこの世界を探しても普通はいないのだから。

そしてその時は訪れた。悠綺の示した1分が来たのだから。

『さてと、反撃開始だ!』

悠綺は左手首にある時計を見て、腰に付けたホルスターから拳銃を2丁取り出した瞬間周りにいたビットは一瞬にして空中で撃墜されていた。そして悠綺は手に持っていた拳銃に新しいマガジンを込めていた。

『なっ!そんな……一瞬で……』

『どうした?こんな物なのか?代表候補生ってのは?』

『なっ……何をしましたの!』

当然といえば当然である。悠綺の周りを囲んでいたビットが突然撃墜されたのだから、アリーナにいた生徒達も同様な反応を示した。しかし1人だけそれらを見ていた者がいた織斑千冬である。

『織斑先生一体何が起きたのでしょう?』

山田先生が聞いてきた。それに千冬は

『山田先生、今奴は腰から拳銃を抜いた瞬間全方位にあるビットに向かってありったけの弾を撃ち込んだんだ。それも目に見えないほどの速さでな』

千冬の見立ては当たっていた。悠綺は銃を抜いた瞬間まるで西部劇のガンマンの様に周りにいたビット目掛けて早撃ちをしたのだから。

『何って?普通に銃を抜いて撃っただけだが?』

『そんな事が……出来るはずがありません!』

『あのさぁ、お前は誰を相手にしてるわけ?聖人とでも言いたいわけ?御生憎様、俺は傭兵だ!さぁ構えなお嬢さん、ここからは本気を出してやる!』

そう言うと悠綺は手に持っていた拳銃をセシリアの方向に向けた。

『望むところですわ!』

お互いが武器を構えそして相対しようとした時それは現れた。

『!?、セシリア!後ろだ!!』

『えっ?』

いち早く気づいたのは悠綺だった、しかし気づくいた時は既に遅かった。

『ッ!!』

セシリアの腹部から透明な刃物が飛び出した。それはセシリアの血を浴びて先端からは血の水滴が滴っていた。

『ちぃ!持つか!俺の足!』

そう言った悠綺は自分の足に力を入れセシリアとその後ろにいる何かに向かって飛んだ。

『どーけー!』バァンッ!

悠綺は背中に背負っていたショットガンを取り出すとセシリアの後ろに向けて発砲した、そしてその何かは散弾を諸に受けて後ろに飛ばされた。そしてセシリアは気を失い落ち始めていた。ブルーティアーズは解除されいた、悠綺は空中でセシリアを抱くとそのまま両足で着地した。

一方通信室では千冬と山田先生が事態の処理に追われていた。

『桜庭、オルコットを回収できるか?』

『難しいですね、相手がステルスを張っている以上背中を見せるのは得策ではないですね』

悠綺はセシリアの傷の具合を確かめつつ周りに気を配っていた。

『織斑先生、1つ提案が』

『なんだ?言ってみろ』

『一夏をこちらにこさせてください』

『何?どういうことだ?』

『一夏の瞬時加速ならセシリアを連れてそちらに戻ることも可能なのでは?』

『しかしそれでは桜庭くんが……』

『わかった、お前の案を採用しよう織斑!』

『はいっ!』

『織斑先生!』

『わかっている山田先生!しかしこれしか方法はない!』

『わかりました……』

『織斑!お前はオルコットを救助後、瞬時加速でここに戻ってこい。良いなあくまでも桜庭の援護なんか考えるなよ!』

『あっはい!』

そして一夏がセシリアの側まで来た時、それは動いた。

『ッ!!』

『しまった!』

まさに一夏がやられるその瞬間、悠綺が間に割って入っていた。

『同じ手が通用するかよ!一夏!今だ!』

『うぉぉぉぉぉぉ!』

その瞬間、一夏のIS白式が目に止まらぬ速さでISの射出口に戻った。

そしてアリーナに残っているのはステルスを張っている未確認機と世界最強の傭兵の総隊長だった。

『さてと、けが人もいなくなったことだし、いっちょ暴れるか!』

ガチャッ!カシャン!

悠綺は付けていた装備を全て外し始めた。そして右腕の義手の腕の部分を開き中からチップを取り出した。

『これをやるのは3年ぶりだな』

そして腰のポーチから別のチップを取り出した。そこには「EXAM」と書かれていた。それを腕の中に入れた。

「EXAMシステムスタンバイ」

『ぐっ!う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛』

チップを入れた瞬間悠綺は獣のような雄叫びをあげ始め目に見えない相手に向かって動き始めた。

『俺にはわかるぞ…お前の位置が!』

そして拳を振り上げ相手に向かって伸ばすとガンッ!と何かに当たった音が響いた。そして吹き飛ばされた相手の姿が徐々に見えてきた。今の衝撃でステルスが解除されたのだ。

その外見は右手部分が巨大なブレードが一体化していて明らかにバランスが偏っていた。

『なるほどな……資料にあった無人機と似てるな……』

ステルスが剥がれた相手の姿を見て悠綺は確信した。

(しかしどこの無人機だ?OZかそれとも連邦か?)

悠綺は思い当たる無人機を制作している軍や企業を考えていた。

『まぁいいや、壊しちまえば同じことだ!』

そう言うと、悠綺は左手首の時計のタイマーをセットした。

『持って2分半か……さぁ行くぜ!』

タイマーをスタートさせて悠綺は無人機に向かって走り始めた。

無人機のブレードと悠綺の義手がぶつかる度にカキンッ!キンッ!といった音がアリーナに響いた。

その戦いを通信室から見ていた千冬と山田先生は目を疑っていた。

『これは……』

『明らかに人間を超越しているな』

その戦いは恐らく誰も見たことの無い光景だった。人口AIを搭載した無人機と世界最強の傭兵の戦いは明らかに人類を超越している物だった。

『これで!』

ガンッ!悠綺の右ストレートが相手の懐に入った、そしてそのまま追撃を行った。

『右腕貰った!』

悠綺は無人機の右腕に関節技を決め右腕のブレードをもぎ取った。そしてそのブレードを担ぐと吹っ飛ばした無人機に向かって歩き出した。

『ハァハァ…………これで……トドメだ……』

悠綺はそう言うとブレードを無人機に突き刺した。

『………………!?』

そして無人機は全ての機能を停止した。

『ハァハァハァハァ……終わったか………』

悠綺は自分の装備を取りに戻ろうとした時、後ろから停止したはずの無人機が悠綺に向かってブレードが斬りかかろうとした。そして悠綺が後ろを振り向いた瞬間ブレードを上から振り下ろすが悠綺はそれを右手で受け止めた

『惜しかったな、それとお前にトドメを指すのは俺じゃないんでな』

そう言うと無人機の後ろ側から白い機影が姿を表した。織斑一夏の白式だった。

『うぉぉぉぉぉぉ!』

白式の雪片弐型の攻撃が見事に命中するとそのまま上に向かって斬り裂いた。そして今度こそ無人機は完全に停止した。

『いやぁ流石だよ一夏!よくわかったな、俺の合図?』

『いや最初は分からなかったよ。あの合図』

『まぁやったのは小学生の頃だったからな!』

『!?、そんなことより目から血が!』

たわいない会話をしていた一夏が悠綺の顔を見て驚いた。彼の目から血の涙が流れていた。

『あ?』

悠綺は一夏に言われて腕で顔を擦ると腕に血が付きその腕に着いていた腕時計を確認していた。

『クソ!30秒もオーバーだ!』

そう言って腕時計のタイマーを切ると右腕に入れたチップを取り出した。

『大丈夫なのか?』

『あ?あぁ大丈夫大丈夫!ちょっと力の使いすぎただけだから、問題ないって昔は血反吐を吐いたこともあるからこれくらいは平気だよ!』

そう言うと悠綺は何事も無かった様に自分の装備を手に取って

『あっ!そういえばオルコットさんは大丈夫だったか?』

『あぁ悠綺が応急処置をしてくれたおかげで大丈夫だって』

『そうかそれなら良かった。さぁ戻ろうぜ!』

そう言うと千冬の待つ通信室に向かって歩き出した。

こうして、IS学園初の亡霊対代表候補生との戦いは予期せぬ襲撃も会ったが無事に終わりを迎えた。

 

……To be continued

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