インフィニット・ストラトス 亡霊達の戦記 作:薄影 (黒ウサギ党)
6月某日、俺達はIS学園の任務とは別の任務でロシア南西部のウクライナ国境付近に来ていた。
今この場所では紛争が起きていた。ウクライナの反政府軍「北方解放戦線」がロシア領に進行、国境警備をしていたロシア軍公認の傭兵団「デラーズ・フリート」と交戦に入り、そしてそれを救援に来たのが亡霊だった。
『後1時間でデラーズ・フリートの航空支援が来るぞ!どうすんだよ隊長!』
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時間を遡ること数日前の6月初旬、櫻庭悠綺はIS学園にある自分の自室でレポートを作っていた。その周りには銃の整備をしている亡霊のメンバーである葛木龍也が居た。
現在の任務はIS学園にいるIS専用機持ちの戦闘訓練を請け負っている。
『龍也?そっちはどんな感じよ?』
『あぁ?そうだな、オルコット嬢は射撃の腕はまぁまぁある方だけど課題点はまだまだあるな』
そう言いながら龍也は、狙撃ライフルを分解していた。
『そうか、ほかの連中も問題があるって言ってたからなぁ』
『最近戦場に行ってないもんなぁ暇でしょうがないな』
そうこうしている間に俺はレポートを作り終え、龍也はライフルの整備を終わらせた。
♪Союз нерушимый республик свободных
Сплотила навеки Великая Русь.♪︎
その時、携帯の着信音が鳴った。
『ん?こいつは珍しいやつからかかってきたな』
俺は画面を見て少しニヤけた。
『久しぶりだな少佐、元気にやってるか?』
俺は何気もない会話をしながら電話の相手と話し続けた。
『何?それはつまり親友としてか、それとも仕事として受ければいいのか?』
電話の内容は仕事の依頼だった。
『あぁわかった。こっちのクライアントと話が済んだらこっちから出向く、じゃあな』
俺は電話を切ると龍也がこっちを見て
『なぁ?何で着信がソ連の国歌なんだ?』
『ん?別にたいした理由はないけど、大体の相手の着信はそれぞれの国の国歌にしてるだけだか?それにデラーズ・フリートは周りから第3ソビエト連邦軍なんて呼ばれてるから国歌にしたんだよ』
俺は龍也の質問に答えながら、作ったレポートをまとめた。
『じゃあ俺今から千冬さんとこにこのレポート提出してくるは、あと今来た依頼についての説明もしてくるわ。』
俺が龍也にそう言うと龍也は
『わかった。みんなにはそう言っておく』
『頼んだわ』
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俺はIS学園の教員用の寮に向かって歩いていると前から、ちょうど千冬さんの姿が見えた。
『ん?薄影かどうしたんだ?』
『千冬さん、ちょうど良かったです。これ今までの専用機持ちのレポートです。後 少しだけ話をしても良いですか?』
俺は千冬さんに先程、電話の内容を説明した。そして千冬さんは
『うむ、内容は理解した。しばらくお前達はこの学園を離れるという事か?』
『まぁそうなりますね。もし契約を守れと言うなら俺以外の奴らなら置いていってもいいですよ』
『それでもいいのか?』
千冬は疑問を口にした
『まぁ今回は俺個人に来た依頼ですからね、アイツらを巻き込む訳にはいかないというのが本音ですね』
『わかった。その依頼は亡霊全員で当たることを許可しよう。ただし少し条件がある』
『条件とは?』
意外だった、まさか千冬さんが一時的に契約解除を承認するとは思いもよらなかった。
そして千冬さんが出した条件と言うのが
[IS専用機持ちを戦地に同行させるという事だった]
『いやいや待てよ悠綺!ラウラや鈴ならまだしも専用機持ち全員っていうのは流石にまずいんじゃないか?』
清の言い分はわかっている。確かに鈴やラウラなど元々軍隊に属している奴は戦場でも生き残る可能性は高い、それにセシリアやシャルロットの様に一通りの軍事訓練経験者も大丈夫だろう、だが問題は1人民間人が居るという事だ。
織斑一夏、男にしてISを動かした人間だ。だが第1彼はただの民間人だ。軍に属しているわけでも一通りの軍事訓練も受けてる訳ではない。
『問題は一夏の処遇についてだが…』
『ISを使えるが普通の一般人だからなぁ』
(亡霊の一時的な新人教育という名目なら大丈夫だと思うが……)
『まぁ一夏については追追決めるということで、今はデラーズ・フリートの1件についてミーティングをしようかジェイク!』
『まず今回の問題が起きたのは北方解放戦線がロシア領にちょっかいを出したことから始まった。北方解放戦線はヨーロッパ各地に居る傭兵崩れやテロリスト集団で構成された準危険集団に属してる。そして奴らの目的はその名の通りで北側に囚われている民族解放が目的と言っているが、その実態は殺しや身代金要求のための誘拐なんかを繰り返している』
『ありがとうジェイク、今より北方解放戦線の事を略称して北放とする。こいつらがもしロシア領に侵入したら多くの人命が失われることになる。俺たちの目的は北放の進行を阻止し、デラーズ・フリートを援護することにあり、明日明朝にロシアに進行しデラーズ・フリート本隊と合流する。全員装備を整え、作戦に備えよ!』
『『『『『了解!』』』』』
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そして朝5時頃、日は完全に昇り辺りを照らし始めていた頃、亡霊のメンバー5人と亡霊の軍服に身を包んだIS専用機持ち達がヘリポートに集合していた。
『諸君これより我々はこのオスプレイでロシアに向かう!全員搭乗!』
そう号令すると亡霊メンバーが搭乗を開始し、その後に専用機持ち達が続いて搭乗した。
そしてオスプレイはIS学園を後にし戦場と化したロシアに向けて出発した。
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IS学園を飛び出して10時間が経ちオスプレイはロシアのモスクワにあるクレムリンに降り立った。
そしてクレムリンから1人の軍人がオスプレイに向かってやってきた。その人物は銀色の髪を後ろに編んでいてその姿勢は軍人の鏡と言えるほど背筋を真っ直ぐに伸ばしていた。
彼の名はアナベル・ガトー、階級は少佐、初代亡霊では俺と同じ部隊で敵軍から呼ばれた異名はソロモンの悪夢と呼ばれた。
『よく来てくれた!悠綺!待っていたぞ!』
『久しぶりだなガトー!実に会うのは2年ぶりか?』
俺とガトーはお互いに握手を交わし腕を組んだ。
『早速で悪いが今からデラーズ閣下に会ってもらう、それより後ろの連中は?新生亡霊は確かに君を含めた6人じゃなかったか?』
『ん?あぁアイツらは俺が預かった新兵たちだ。今回の作戦に連れていくつもりだ』
『なるほどな、だが悠綺、君1人で閣下の所に来てくれないか?』
『あぁわかってる。閣下も元亡霊だからな警戒しているんだろう。お前らちょっと行ってくるからくれぐれも迷惑かけるなよ!』
そして俺とガトーはクレムリン内部に向かって歩いっていった。
クレムリンの一室で軍関係者達が作戦会議を議論していた。
コンコンとガトーがドアを叩くと扉が開き中に招き入れられた。
『閣下!亡霊隊長 薄影悠綺大佐をお連れしました!』
議論している軍関係者達の真ん中に立っている人物の名はエギーユ・デラーズ、このデラーズ・フリートの創設者にして元亡霊3番隊参謀を務めていた人物だ。
『おぉよく来てくれた悠綺。本当に久しぶりだな』
『閣下も元気そうでなにより、早速本題に入りたいのですがよろしいでしょうか?』
『うむ、今現在ウクライナとロシアの国境での戦闘が激化しているのは聞いているな?』
デラーズは今起きている戦況を俺に伝え始めた。
『現在前線を指揮しているの誰でしょうか?』
『前線を指揮しているのは、ノイエン・ビッター大尉だ』
『ビッター大尉ですか……あの人なら確かに戦線の指揮にはたけていますし、援軍に駆けつける時間は稼いでくれるでしょう』
『そうだ、お前達、亡霊にはビッター大尉の援軍に向かい3時間後に来るデラーズ・フリート本隊の為の安全の確保を依頼したい』
『確保と言うと空挺降下作戦ということですね?』
『その通りだ話が早くて助かる。だがそのためには敵重砲をどうにかしてもらう必要がある』
『わかりました。その依頼 亡霊が受けたまりましょう』
俺はデラーズ閣下に敬礼をするとその場をあとにした。そして広場で退屈そうに待っていた。仲間の元に行くとオスプレイに搭乗し国境まで飛行した。
だが予想以上に敵の空中放火が激しくオスプレイが撃墜され厄介な事にシャーリーと専用機持ち達と空中ではぐれるという事になり、俺と龍也、清、ジェイク、楓の5人は敵のど真ん中に落ちて敵の集中攻撃を受けていた。
シャーリー達は敵対空砲の近くに落ちたがほとんど素人の専用機持ち達を連れているため、迂闊に近づけずにいた。
そして現在に至る。
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『どうする!もう時間がないぞ!』
『仕方ない!シャーリー聞こえるか?』
『何さ、今新兵たちと一緒に居て動けないんだけど』
『時間がない!ISの使用を許可1列隊形で敵対空砲の破壊に専念しろ』
『いいんだね?』
『あぁ責任は俺が持つ、やってくれ!』
『了解!よーし!聞け新兵共!これから私達は敵対空砲に向かって突貫する!陣形は1列隊形!遅れたら死ぬと思えよ!行くよ!』
『よし!テメェら俺が盾役を務める派手にやってやろうぜ!』
『『『『フーラー!!』』』』
全員がMSを展開し、専用機持ち達もISを展開し残り時間30分と言った所で対空砲の破壊に成功、そして敵中央戦力の撃破しそこでデラーズ・フリートの空挺降下が開始された。
『やれやれ、疲れたな』
『帰りどうする。オスプレイ撃墜されたけど』
『まぁデラーズ・フリートに送ってもらうさ』
こうして、IS専用機持ちを伴ったロシア南西部攻防戦通称:北役攻防戦と呼ばれた戦いが集結し亡霊達は、元の任務に戻るのだった。
……To be continued