IS/仮面ライダークウガ A New Legend 作:赤バンブル
少年仮面ライダー隊本部
「それは本当ですか!?」
「えぇ、彼のおかげで。」
ライダーとクウガが戦闘を終えた頃、無事に少年仮面ライダー隊本部まで逃げることに成功した峰夫妻は家族との再会の後に仮面ライダーが生存していたことを滝たちに伝えていた。今まで死んでしまったのではないかと思っていた仮面ライダーが生きていたことを知った少年仮面ライダー隊一同はホッとした顔をしながらも喜ぶ。
「よかった・・・・・仮面ライダーは生きていたんだ!」
「無事だったのね!」
「アハッハハハハ」
「「仮面ライダーばんざーい!!」」
「私もそうじゃないかって思ってたんだ!!」
「何よ、一番泣きにべそかいていたのに。」
「ヨッコだってトイレで泣いてたんじゃない。」
「「「「「「はっははははは」」」」」」
互いに笑い合いながらも滝は一番心配していた藤兵衛に早く伝えようと考える。
「早く会長に知らせないとな。会長はどこへ行った?」
クウガが出た後、藤兵衛は誰にも言わずに一人で外出して行ってしまったため全員知らなかった。
「そう言えばどこへ行ったのかしら?」
「変ねぇ・・・・・」
その直後に通信機が着信のアラームを鳴らした。
「おっ、もしかして本郷からだな。」
滝は通信機を取って連絡を取る。
「本郷か?滝だ。」
『滝隊長、以下少年仮面ライダー隊諸君に伝える。』
「ブラック将軍!?」
だが相手は本郷ではなくブラック将軍からだった。
『仮面ライダーとクウガに伝えるがいい。我々ゲルショッカーは、日本首都圏1億数千万人の命を左右できる。即ち、首都圏一帯の上空の酸素を一瞬にして消してしまう。その時間は・・・・・後、1時間だ。』
「そんなことができるものか!」
『可能か、不可能かはそこにいる峰に聞くがいい。その身をもって味わったのだからな。』
滝は峰博士の方を見る。
「峰さん、本当なんですか?」
峰博士は少し言いづらそうな表情をしていたがすぐに口を開いた。
「えぇ・・・・サソリトカゲスが口から吐き出す酸欠ガスは、空気中の酸素を一瞬にして消してしまう恐ろしい威力を持っています。もし偏西風に乗せて首都圏一帯にばら撒かれてしまえば・・・・・東京を中心とする首都圏一帯は死の街と化するでしょう。」
峰博士の恐ろしい証言を聞きながらも滝は通信を続行する。
「・・・・・二人に何を伝えるんだ?」
『条件は一つ!仮面ライダー及びクウガをゲルショッカーの手によって再手術し、完全に我々の改造人間になること。・・・・それによって1億以上の命が救われる。場所は仮面ライダーのトレーニング場だ。』
「仮面ライダーのトレーニング場?」
滝は不意に藤兵衛の行き先がトレーニング場ではないかと考えた。
「奴らがトレーニング場を指定してきたということは・・・・・・会長が危ない!!」
一方、滝の直感通り藤兵衛は仮面ライダーの特訓場ともいえる山の切り開かれた場所に来ていた。
「猛・・・・俺はもう少し頑張ってみようと思う。ゲルショッカーは確かに恐ろしい奴らだがお前が残してくれた一夏は確実に強くなってきている。お前が望んでいた奴らがいなくなった後の平和な世界・・・・・必ず実現させてみせるからな。」
藤兵衛は、行方が分からない本郷に対して安らかに休んでくれという意味を込めて花束を崖の上から落とそうとする。
「ん!?」
その直後、藤兵衛は背後に複数の人の気配を感じて振り向く。すると三色の巨大なカードのようなものが落ち、一瞬にして戦闘員たちが姿を現した。
「「「ギッィ!!」」」
「ハッ!ゲルショッカー!?」
藤兵衛が動揺していると彼のすぐ後ろにサソリトカゲスが現れ、持っていた花束を奪った。
「ソーレーッ!!」
「くそ・・・・・猛を殺しといて今度は何をしようというんだ!?」
しかし、サソリトカゲスの口からは藤兵衛が言ったこととは正反対の言葉が出た。
「フン、とぼけるな!本郷猛・・・いや、仮面ライダーは死んだと思わせといてゲルショッカーの裏をかこうと言うつもりだろうがそうはさせん。奴はここに来るのだ!クウガも含めてな!!」
サソリトカゲスは花束を投げ捨てながら言う。
「何っ!?本郷は生きていると言ったな!?」
「そうだ・・・・貴様たちの芝居に危うく一杯食って『首都圏無血占領作戦』を妨害されるところだった。」
「ハッハハハハッ!猛は生きてる・・・・生きてるんだな!!」
まさか、敵から本郷が生きているということを聞かされるとは思わず藤兵衛は喜ぶ。
「笑って済むのか?立花、今お前は本郷猛と織斑一夏を始末するための道具なのだ!!」
「道具?・・・・・本郷が生きていると分かって道具として利用されてなるものか!!俺はいつ死んだって惜しい命じゃない。よぉおし、お前たちに利用されるぐらいなら俺の方から死んでやる!!本郷と一夏のためにも!!」
藤兵衛は崖から身を投げようと駆けだすがサソリトカゲスに腹部を殴られ、自殺を阻止される。
「うっ!」
「ソーリーッ!フハッハッハ、簡単に死なせてたまるか!!」
倒れた藤兵衛の頭を掴み上げながらサソリトカゲスは笑う。
「ギッ!滝和也がやってきます!」
「ムッ!」
サソリトカゲスは崖の下の方を見る。下の方では藤兵衛を探しに来た滝がバイクを走らせていた。
「よし、奴もひっ捕らえるんだ!!」
「「「ギッ!」」」
戦闘員たちは手始めに倒れている藤兵衛を拘束し、一部は滝が接近してくるのと同時に飛び掛かる準備をする。
「滝・・・・・」
藤兵衛は近づいてくる滝を心配するが本人は何も知らずに走ってくる。
「何も知らずに来るとは馬鹿め。」
ところが岩陰に入ってから滝は姿を見せなくなった。
「んっ!?何故出てこない!?」
サソリトカゲスは姿を見せなくなったことに奇妙に思えた。その後、後方の上空から何かが飛んでくるのが見えた。
「ぬっ!?あれはまさか!」
サイクロンに乗った仮面ライダーだ。ライダーはグライダー滑空しながらサソリトカゲスたちの元に着地する。
「仮面ライダー!?」
「よし、今だ!」
動揺している隙をついて藤兵衛は戦闘員たちを蹴散らしライダーの所へ駆けつける。
「ライダー!」
「おやっさん、早く後ろに。」
藤兵衛が後ろに乗るとライダーはサイクロンを飛ばして岩陰に隠れた滝に合流する。
「ライダー。」
「滝、連絡を寄越してくれてありがとな。」
「いいって。だが、どうする?」
三人は崖の上に立っているサソリトカゲスたちの方を見る。
「サソリトカゲスの酸欠ガスの放出を防ぐんだ。奴を倒さなければ東京一帯の人間は全滅だ。」
「おのれ~!!かかれ!!」
「「「ギッ!!」」」
サソリトカゲスの指示で戦闘員たちは三人に飛び掛かる。
「トウッ!」
「ギッ!」
「この!」
「イィイ!?」
三人は戦闘員を相手に奮戦状態になる。
「ハッハッハッハッ、この隙に酸欠ガスを・・・・・・・・」
「させるか!!」
ライダーたちが戦っている隙に酸欠ガスを吐こうとしたサソリトカゲスをトライチェイサーの乗ったクウガが体当たりで崖の下に落とす。
「ソーリッー!?」
「トウッ!」
クウガもマシンから降りて制御キーを抜く。そして、飛び降りてライダーと合流した。
「滝、おやっさんを頼むぞ!」
「わかった!」
滝が藤兵衛を連れてその場から離れるとライダーはクウガと共にサソリトカゲスと対峙した。
「ダブルライダー!お前たちの目の前で酸欠ガスをばら撒いてやる!!」
「そんなことはさせん!!」
「やれ!!」
サソリトカゲスの命令でどこからともなく戦闘員たちが現れる。
「「ギッ!」」
「本郷さん、ここは俺に任せてください!」
クウガは青の姿へと変わり、制御キーをドラゴンロッドに変化させて戦闘員と交戦する。ライダーは、サソリトカゲスと格闘戦を開始する。
「ソリッ!」
「トウッ!」
「ソリ!」
やはり、改造人間としてのスペックはややサソリトカゲスの方が有利のようだ。ライダーを下に落として怯んだところをサソリトカゲスは後ろから飛び掛かって首を絞めた。
「くっ!」
「ライダー・・・二度と邪魔はさせんぞ!!」
サソリトカゲスはそのままジャンプをして背負い投げをする。ライダーは態勢を整え直して着地をしようと試みるが目の前が崖であったため崖に掴まるのが精いっぱいだった。
「うぅ・・・・・・」
何とか崖から這い上がろうとするも手をサソリトカゲスに踏みつけられ、うまく上がれない。
「くそ・・・・・」
「ソーリーッ、見ろ!風は酸欠ガスを巻くにはお誂え向きだ。一億人皆殺しだ!!」
サソリトカゲスはそのまま酸欠ガスを吐こうとするが背後にはすでに戦闘員を倒したクウガがドラゴンロッドを構えて迫っていた。
「オリャア!!」
「ヌオッ!?」
背後から必殺「スプラッシュドラゴン」をまともに受け、サソリトカゲスは真っ逆さまに崖から落ちていく。クウガは赤の姿に戻るとライダーに手を貸して崖から上げる。
「大丈夫ですか?」
「あぁ。」
二人はジャンプをして落ちたサソリトカゲスの前に来る。
「ヌウウ・・・・・おのれ!!」
サソリトカゲスは背中を押さえながら起き上がろうとする。突きが甘かったのかスプラッシュドラゴンが命中したところには紋章の形に焼き印が付いていた。
「背中に刻まれた紋章を押さえている?」
「改造人間ならあのようなことはしない。・・・・・そうか、奴の弱点は背中か!」
二人は同時にジャンプをし、サソリトカゲスの背後の岩まで飛び、そこで左足で蹴ることにより、勢いをつける。
「反転キックだ!」
「はい!」
クウガとライダーは同時にサソリトカゲスの背後からキックを繰り出す。その時クウガの右足は赤く燃え上がっていたがクウガ自身に悪影響がないのか二人は同時にキックを放った。
「「ダブル反転キ―――――――――ック!!」」
「ソリーッ!リィイアァァァァアア!!」
背中に大打撃を受けたサソリトカゲスはそのまま吹き飛ばされる。再び起き上がって何とか態勢を立て直そうとするが背中に大きく紋章が浮かび上がり、耐え切れずに大爆発を起こした。
「・・・・・・・」
気がつけばクウガの右足は先ほどの炎に関係あるのか煙を吹いていた。
「ライダー!!」
そこへ藤兵衛と滝が駆けつける。
「おやっさん、ご心配おかけしました。」
「いいんだよ!無事に戻って来てくれたなら。」
藤兵衛は笑いながら二人の肩を軽く叩く。
後日 長野県のある山奥
「束さん、こっちにもありました。」
「ほいほ~い。こっちに持って来て。」
本郷がみんなの元へ戻って来てから数日後、束は少年仮面ライダー隊、そして、新しくメンバーへ加わった鈴たちと共に長野県 九郎ヶ岳へ来ていた。ライダー隊各員は、近くの岩場に紛れ込んでいた奇妙な石を見つけるとせっせとパソコンを操作している束の元へと運んで行った。
「随分集まったが妙に欠片が多いな。」
滝は回収されてきた石を見ながら言う。そこにはクウガのベルトにも刻まれている古代文字が彫り込まれている。
「うん、ゲルショッカーがここからベルトを見つけたのは間違いないんだよね。ただ、どうして破壊された遺跡の外にもこんなに欠片が散らばっているのか謎なんだよね。」
「それで解読できた内容は?」
本郷が聞いてくると束はパソコンを見せる。
「馬の鎧?」
「それがよくわからないんだよね。まあ、見つけるだけ見つけて後は帰ってから詳しく解読しようと思うけど。」
「・・・・・馬の鎧って言ってもこれがどうやって鎧になるんでしょうかね?」
一夏は破片の中で一番大きい物を手に取ってみる。
「?」
一夏が手に取った瞬間、その破片は光ったかのように見えた。
怪人を一部カットするべきか。