IS/仮面ライダークウガ A New Legend 作:赤バンブル
一夏たちが訪れる前日、九郎ヶ岳は嵐に見舞われていた。破壊された遺跡は痛々しく土砂に埋もれており、近くの川が雨の影響で水かさが増して濁流と化していた。其処から少し離れた集団墓地らしき場所でゲルショッカー戦闘員たちは何か作業をしていた。
「ギッ。」
「ギッ!」
彼らは墓を掘り返し、朽ち果てたミイラと思しき物を回収していた。しかし、目当てはミイラではなくそのミイラの腹部に埋め込まれていた「石」だった。彼らは石を取り出すと用なしとばかりにミイラをその場に捨てた。集められた石はアタッシュケースに収められ、次々とジープで運ばれていく。
「ギッ、これで全部だ。」
「うん。しかし、墓荒らしまでしてブラック将軍はこんな石で何をしようというのだ?」
戦闘員たちは任務の目的について聞かされていなかった。ただ、九郎ヶ岳近くの墓地らしきところを掘り、ミイラから石を取り出して回収しろという内容で石を何に使うのかは全く聞かされていない。
「上の言うことはわからないもんさ。まっ、大方何か計画してのことだろう。でなければこんな薄気味悪い所に足を運んだりしないさ。」
「それもそうか・・・・おっと、そろそろ戻らないとゲルパー薬の時間に間に合わないぞ。」
「持ってきていた分も使っちまったからな。」
戦闘員たちは急いでジープに乗ってその場を後にしていく。その場は再び静寂へと戻り、荒らされた墓地に傘を差した人影がスッと現れた。
『・・・・・・リントロゴヂダロボザバ。』
2週間後
少年仮面ライダー隊本部 地下の束の研究室
「う~ん~ムニャムニャ・・・・いっくん、もう食べられないよ・・・・・」
束はパソコンを立ち上げたまま眠っていた。ここ数日、遺跡から回収してきた破片の文字を解読するため栄養ドリンクなどでゴリ押しした結果、その反動で朝は基本的に眠るようになっていた。そんな束の部屋を滝はこっそりと覗き込み、彼女が寝ているのを確認すると盆に乗せた朝食を机の上に置いた上に戻って行った。
「おやっさん、束の所に朝食置いてきました。」
「おう。しっかし束ちゃんもよくやるもんだな、古代文字の解析なんて。」
上では朝食を取り終え、コーヒーを飲みながらくつろいでいる藤兵衛は新聞を開いていた。しかし、一夏の姿はどこにもなく、ガレージの方においてあるトライチェイサーもなかった。
「あれ?一夏は?」
「あぁ、朝食片づけたらすぐに鈴ちゃんの家に行ったよ。風邪引いちまったらしくてな、両親は病院に行っているから代わりに看病してるんだとさ。」
「そういえばお父さんの方が病気でついこの間手術したって言っていましたね。本郷がいい病院紹介したから大事には至らなかったそうですけど。」
「そうだな、一店の店主としては酷い痛手だからな。今じゃ一夏が週に何回か店に手伝いに行っているそうだ。」
「しかし、彼女も気の毒ですね。よりによって修学旅行の時に風邪をひいて寝込むなんて。」
気の毒そうに思っている滝に対してどういうわけか藤兵衛はニヤついていた。
「いやいや・・・・・・そうでもないぞ?」
「どういうことです?」
「お前さんもそのうちそういう時期が来るさ・・・・・・まあ、あの二人は少しばかり早いと思うが。」
「?」
関東医大病院
その頃、本郷は医大病院のある知人の元を訪れていた。本郷は病院の診察室の一部屋をノックする。
『どうぞ。』
「俺だ、椿。」
本郷はドアを開けて中に入るとそこにはレントゲン写真を確認している青年の姿があった。椿は、本郷の姿を見るや少し呆れた顔をする。
「全く、とんでもないもん押し付けてくれたな本郷。お前のおかげで彼女とのデートお預けになったんだぞ?」
「すまなかったな、だがこういう関係の仕事はお前にしか頼めないんだ。」
「まっ、興味深いものだったからいいけどよ。その代わり今度いい店紹介してくれよな、彼女の機嫌直しするの大変なんだぜ?」
「難しいことを言うな。」
「お前は真面目過ぎんだよ。そんなんだと気が参って倒れちまうぞ。改造人間でもお前はお前で不死身じゃないだぞ?」
椿はレントゲン写真を本郷に手渡す。
「それがこの間お前が連れてきたガキの身体のレントゲンだ。」
「ふむ・・・・・」
本郷はレントゲン写真を見ながら首をかしげる。
「お前はどう思うんだ?椿。」
「どう思うって?興味深いね。あんなに興奮したのはお前の時以来だ。お前と本人が許してくれるんなら解剖してじっくり調べてみたいもんだ。」
「椿、悪い冗談はよしてくれ。」
真面目な顔で話す椿に対して本郷は困惑した表情で言う。
「わかってるよ。ブリュンヒルデ・・・・・世界最強の女の弟の身体を解剖するほど俺も無謀じゃないからな。」
「それで一夏君の身体はどうなんだ?」
「うん・・・・・・お前の時とはケースがかなり異なるからな。まあ、素体としての基礎改造した体の上にこの腹にくっ付いているベルトから新たに神経が伸びて全身に隈なく張り巡らされているといったことぐらいだな。」
椿は改めてレントゲン写真を張り付ける。そこには腹部のベルトから無数の神経が伸びていることが確認できる。
「お前の身体を調べた時色々と改造人間の構造は見てきたけど、基本的にお前のようなタイプは擬態に近いものなんだ。他の改造人間は基本的にこの素体改造を済ませた上に更に第二段階として本格的なサイボーグ手術を施す。それであの異形な姿になるんだ。だが、奴の場合はかなりパターンが異なる。この腹のベルトからいわゆる特殊な信号が発生して肉体そのものを細胞レベルで変化させるんだ。しかも、それだけじゃない。体の傷もベルトのこの霊石がすぐに直す。それも通常の改造人間と比べ物にならないぐらいの速さでな。」
「そんなすごいものなのか。」
「だが、何でもいいっていうわけじゃない。このベルトから出ている神経が体全身を張り巡らせるということはお前たち以上に早く戦闘兵器へと変えることを意味している。はっきり言っちまえば戦うことしか考えられなくなるかもしれない。」
「!」
椿の言葉に本郷は改めて事の重大さを感じ取った。
「あいつが自分の意志でお前と戦うのは別に構わない。だがな、本郷。もし・・・・・もし、織斑が本当に戦うだけの戦闘兵器になっちまったときは・・・・・覚悟を決めた方がいいぞ?」
「・・・・・・あぁ。だが、俺はそうならないことを信じている。一夏君が人間としての心を持っている限り、彼もまた仮面ライダーとして生きることができる。それが茨の道だとしても。」
「・・・・フッ、そうかもな。」
椿は、写真を封筒に戻し机の上に置いた。
「さてと・・・・・デートもおじゃんになったし、俺は次の仕事に行くとしますか。」
「診てもらってすまないな。」
「それが俺の仕事だ。お前も無茶だけはするなよ、正義の味方が倒れたら協力者の俺なんかあっという間にあの世に送られちゃうんだからな。」
「わかっているさ。」
本郷はそう言うと笑いながら部屋を出る。
「本郷。」
「ん?」
「たまにはいい女と付き合ってみろ。せっかくのイケメンが勿体ないぞ。」
「ハッハッハッハッ・・・・・」
???
『ブラック将軍、どういうつもりだ?今更、破壊した遺跡周辺の墓地を荒らしに部隊を派遣したなど。』
ゲルショッカー基地では首領がブラック将軍に尋問をしていた。それは以前サソリトカゲスが爆破した九朗ヶ岳の遺跡に再び部隊を派遣したことだ。
「恐れながら首領、現在我々は仮面ライダー二人を相手にしています。本郷猛だけならともかく織斑一夏・・・・クウガに関してはただのゲルショッカー怪人では相手になるとは思いませぬ。」
『それで?・・・・・貴公に何か作戦があるのか?』
「あります。クウガを迎え撃つには奴と同質の力が妥当です。そこで私が提案するのが『プロジェクトΩ』です。」
ブラック将軍は基地の実験室の映像を見せる。それは遺跡の墓地で回収した石を装置に入れ、何やら加工をしている様子だった。
「解析班の成果によりますと古代クウガと戦っていた存在『グロンギ』は体内に魔石『ゲブロン』を埋め込んで独自の能力を獲得したということが分かっております。更にゲブロンはクウガのベルトに埋め込まれている『アマダム』と同質の物質です。」
『ほう。では、我がゲルショッカーの科学技術でそれに見合った改造人間を作ろうというのだな?』
「いいえ、それでは面白みがありません。クウガには同じクウガの力を・・・・奴の模造品を作り出し、徹底的に叩きのめすのです!!」
ブラック将軍は、こぶしを握り締めながら言う。そもそも自分がベルトを回収しなければゲルショッカーの脅威を増やすことはなかった。だからこそ、自分が放ってしまった力は同じ力で潰させるという結論に至った。
『・・・・・・よかろう。プロジェクトΩの実行を承認する。だが、仮面ライダーに悟られてはならん。』
「もちろんです。ですから、既に二体の改造人間を行動させています。一瞬にして人間を殺人鬼へと変えてしまう獰猛な怪人 イノカブトン、そして、実験素体を回収するために別行動をさせているワシカマキリが。」
鈴宅
ゲルショッカーの恐るべき計画が実行し始めた中、一夏は鈴の実家である料理店へと足を運んでいた。両親は留守のため、本日休業という札がかけられており、一夏は裏口から家に上がり込んだ。
「鈴、大丈夫か?」
彼女の部屋の前に来ると一夏はノックをする。
『・・・・いいわよ、入ってきて。』
「おう。」
鈴の返事を聞いて一夏は中に入る。中では額に濡らしたタオルを乗せ、ベッドで寝ている鈴の姿があった。熱が高いのか顔が少しばかり赤い。
「どうだ?調子は?」
「最悪よ。まさかこんな時期に風邪ひくなんて・・・・」
鈴はフラフラしながら上半身を起こす。一夏は額のタオルを取り、水で濡らし直して乗せ直す。
「大丈夫かよ?」
「病院で診てもらったら寝ていれば数日で良くなるって。」
「なら、いいじゃないか。」
「情けないわ・・・・・お父さんが退院するまではお母さんと一緒に何とかしようって言ったばかりなのに。」
しょぼんとしている鈴に対して一夏は少しため息をついて答える。
「無理して倒れたらそれこそおばさんに悪いだろ?それにおじさんの方だって何とかなったんだからさ。自分なりに進んでいけばいいんだよ。」
笑いながら言う一夏に対して鈴は思わず顔を真っ赤にしたができるだけ悟られないように平静を装う。
「そ、そうね・・・・・・お父さんの件もうまくいったしね!」
「そうそう。」
「でも、本郷さんってすごいわね。お父さんの癌、予想よりも早く進行していたのに手術がうまくいくなんて・・・・・」
「これ言っちゃいけないけどショッカーは僅かな細胞から健康な臓器を作る技術とかあるからな。だから、癌で悪化していたおじさんの臓器を培養した健康な新しい臓器に入れ替えたんだ。本郷さんはドナーからの提供だって言っていたけど。」
「あっ・・・・・」
鈴は思わず表情を暗くした一夏を見る。
一夏と千冬はショッカーが生み出した人造人間だ。同じ遺伝子を持つ姉弟でありながらも普通の人間とは異なる存在であり、本来ならいてはならない存在だ。
「ごめん・・・・・・余計なこと思い出させて・・・・」
「・・・・・いや、いいんだ。俺もそれを受け入れているから。」
一夏はそう言うと立ち上がる。
「とりあえず昼なんか作ってくるよ。おじやでいいか?」
「アンタが作るんなら何でもいいわ。」
「わかった。」
一夏はそのまま厨房へと足を運んで行った。
ドイツ ドイツ軍管轄IS実験場
『シュヴァルツェ・ハーゼ隊、諸君。今回のテストは、ターゲットの性能がどれほどなのかを調べるためのテストだ。テストとはいえ十分気を引き締めてほしい。』
「通信室、一つだけ聞きたい。新型のテストとは聞いているが何故、試作段階とはいえシュヴァルツェアではなくEOSなのか?」
『今回のテストの機体は厳密にはISではなくEOSに近い装着型タイプのものだ。』
「装着型タイプ?」
『なお、装着者は君たちの教官であるチフユ・オリムラだ。他に質問あるか?』
「問題ない。テストを開始する。」
ブザー音が鳴ると同時に実験場を緊張感が支配する。
「スウ・・・・・・・ハーゼ隊!これより、目標のポイントへと向かう!全員続け!!」
隊長に任命されているクラリッサ・ハルフォーフ中尉は、後ろにいる隊員たちを見ながら言う。
「ネーナ、ファルケは左から、マチルダとイヨは右へ配置に付け!私とボーデヴィッヒ少尉は前方へ・・・・・少尉?」
彼女は自分の目の前で硬直している銀髪の少女を見る。
「ガタガタガタガタガタガタ」
「少尉。」
「ガタガタガタガタガタガタ」
「お姉様、ダメです!少尉が緊張感のあまりに我を失っています!」
ガタガタ震えているラウラ・ボーデヴィッヒ少尉は緊張のあまりに彼女たちの言葉が聞こえていないようだった。そんなことをしているうちに実験場の扉が開き、ターゲットの足が見え始める。
「少尉!しっかりしろ!もうすぐ教官が姿を現すんだぞ!?」
「ガタガタガタ・・・・・・・ハッ!?」
クラリッサに必死に揺すられてラウラはようやく正気になった。
「ちゅ、ちゅ、ちゅ、中尉殿!!きょ、きょ、きょっ、きょ、教官は!?」
「落ち着け!まだ出てきていない!!総員、配置に付け!!相手は織斑教官だ!気を抜いたら速攻で撃墜されるぞ!!」
クラリッサの呼びかけでようやく部隊はそれぞれの配置についた。
「た、隊長殿・・・・・・」
配置についたのはいいもののラウラは未だに不安な表情をしていた。
「少尉、今はテストだ。別に相手を倒せという任務ではない。やるだけの力を教官にぶつけろ。」
「し、しかし、私は・・・・・・・」
「教官の拷問ともいえる特訓で貴官は既に私以上の実力を身に付けているのだ。自信を持て。」
クラリッサが言っていることは嘘ではない。
ラウラは軍の遺伝子強化試験体であり、通常スペックは他の隊員よりもだんとつの上位に位置する。移植したヴォーダン・オージェの不適合で一時的に成績が基準以下に下がってしまったものの千冬の訓練により、自信を取り戻し、今では部隊のわだかまりもほぼ解消しつつある。
彼女がふと聞いた噂によると上層部は近いうちに自分を副隊長に降格させ、ラウラを昇級させて隊長にするという話がチラホラ・・・・・
「フッ、私もあの拷問で少しは実力が上がっているのだ。例え新型でも・・・・・・」
その直後、開きかけの扉が何かで破壊された。
同時にクラリッサの方へグレネードランチャーが発射されて彼女にクリーンヒットし、はるか後方へと吹き飛ばされた。
「グホッ!?」
「隊長!!」
「「「「お姉様~!!!」」」」
<ハルフォーフ機、ロストしました>
実験場のアラームと同時に一同はグレネードが飛んできた方を見る。煙の中から見えるのはボディカラーがコバルトブルーで複眼が赤味がかかったオレンジのロボットのようなものだった。
「テストは開始と言われた時点で始まるという言葉を忘れたか?」
そのロボットのようなものから聞こえてくる自分たちの教官の声。その姿を見た時点で一同は勝ち目がないと悟った。
<GS-03、展開>
右腕に超高周波振動ソードを装着しながら千冬は五人の元へと向かっていく。
「さて、テストとはいえ本気を出せという私の教えは覚えているな?ハルフォーフが先にやられてしまったが問題はないな?」
「あ、あ、あ・・・・・・・・」
ラウラは既に涙目状態である。
この日、シュヴァルツェ・ハーゼ隊一同の千冬のイメージの中に「青い悪魔」という名称が追加された。
最近のジオウでG3・・・・出てきてくれたのはうれしいけどG3-Xはどこへ行ったのやら・・・。
アギトの中で最も出てほしいライダーは?
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仮面ライダーアギト
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仮面ライダーギルス
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アナザーアギト
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仮面ライダーG4