IS/仮面ライダークウガ  A New Legend   作:赤バンブル

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ゲルショッカー編

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決意

数日後 ドイツ近郊のホテルの一室より

 

「そうか、一夏が。」

 

一夏の姉 織斑千冬はホテルから国際回線を利用して束と連絡をしていた。束からすべてを聞き千冬は思わず頭を押さえながら弟を守ることができなかった自分を悔やむ。

 

「・・・・・・日本政府もそうだが私自身にも問題があった。これなら・・・・・」

 

『そんなことはないよ。奴らはどっちにしろちーちゃんといっくんに狙いをつける可能性は十分あったことだし。』

 

「・・・・そうだな。」

 

千冬は気難しい顔をしながら昔のことを思い出す。

 

 

千冬はかつてショッカーが推し進めていた遺伝子操作による改造人間適正素体量産計画「プロジェクト・モザイカ」の試作体の一体だった。しかし、彼女の場合はほとんどの目標基準を超えたもののボディのサイボーグ化手術を行った場合拒絶反応を起こすことが発覚し、それを克服するべくさらに自分の遺伝子をさらに最適化させたのが一夏だった。だが、途中で自分たちの理想基準を達成させた篠ノ之束という天然素体を発見したショッカーは突如このプロジェクトを放棄・凍結。処分予定にされていた彼女と一夏はプロジェクトの責任者であった織斑博士によって解放され、彼の姓名をもらって今日まで生きることとなった。もちろん千冬自身はいつ自分たちの目の前にショッカーが現れるのではないかと常に警戒していた。洗脳教育前に一緒に出た一夏に関してはショッカーのことを教えず普通の人間として生きるように不器用ながらも面倒を見ていた。

 

だが、今回それが裏目に出た。しかも束の話によれば今までデータで確認したものはと全く異なるタイプの改造人間に改造されたという。幸い脳改造手術を受けなかったのが救いといえるが。

 

「それで今の一夏の様子は?」

 

『今は、ぐっすり眠っているよ。余程疲れたんだろうね。』

 

「・・・・束。」

 

『ン?』

 

「・・・・しばらく、一夏を預かってくれないか?」

 

『およ?ちーちゃんは帰ってこないの?』

 

「誘拐されたことを知らせてくれた上に捜査に協力してくれたドイツ軍に借りができてしまってな。一年間、軍で教官をしてくれないかと頼まれたんだ。・・・・・・・それに・・・・・今は一夏に会わせる顔がないんだ。今まで秘密にした上に・・・・改造人間にしてしまって・・・・・」

 

『・・・・・別に束さんは構わないよ。こっちは立花さんや本郷さんたちもいるし。でもね、ちーちゃん。逃げても現実は受け入れなくちゃならないもんなんだよ?いっくんのことが大切なら真正面から向き合わなきゃ。私はもうそれすらできないし・・・・・。』

 

「束?」

 

突然彼女らしくない弱い声に千冬は動揺する。

 

『ごめん、ちょっと寝不足なんだ。いっくんのことについてはこっちで面倒見るから。ちーちゃんはゆっくり考えながらお仕事やってね。じゃっ。』

 

そう言うと束は電話を切る。千冬は携帯をテーブルの上に置くと近くの窓に映っている自分の顔を見た。

 

「・・・・・・守ると決めたのに・・・・・・・私はなんてことをしたんだ!!」

 

千冬は映っている自分の顔を殴りつける。硬質ガラス製なこともあって割れはしないものの腕に伝わる痛みよりも後悔が彼女のことを責めていた。

 

「こんなので何が世界最強だ・・・・・・弟一人守れない世界最強なんて・・・・何の意味もない!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 日本 少年仮面ライダー隊本部

 

「おやっさん、彼の様子はどうですか?」

 

「あぁ・・・・・相変わらずの様子だ。」

 

藤兵衛と本郷は、数日前に連れてこられた一夏の様子を見ていた。一夏は部屋に入ったきり、食事やトイレ以外で外に出る様子はなく、何か大事なものを落としてしまったかのような表情をしていた。

 

「・・・・・・」

 

「余程辛いことがあったんだろうな。」

 

「・・・身近だった人間の最期を見たんです。それだけ彼の心も傷つきます。」

 

本郷は一夏の気持ちを察してか複雑な心境で言う。

 

本郷は幼い頃両親に先立たれて天涯孤独の身になっていた。それ故に姉とたった二人っきりの一夏と自分を何となく重ねているのかもしれない。藤兵衛もそれを理解しているのか一夏を特に強く言うわけでもなく、彼が立ち直れるを見守ることにした。

 

「おっ、本郷。すまないが一緒に来てくれないか?」

 

事務室へ行くと滝が慌ただしく戻ってきたところだった。

 

「滝、どうしたんだ?そんなに慌てて。」

 

「えぇ。聞いて驚かないでくださいよ?さっき少年仮面ライダー隊のメンバーの一人から連絡を受けたんですが山のキャンプ場近くの森で悲鳴を聞いて行ってみたら数人以上のショッカーの戦闘員たちの死体が確認されたんです。」

 

「なにっ!?」

 

滝の報告に藤兵衛は思わず叫んでしまう。

 

地獄大使の死後、ショッカーの活動は極めて沈静化しつつあった。しかし、その裏で何が起こっているのかは把握しきれていなかった。

 

「奴らにしては妙だな。」

 

「これからトラックで死体を回収しに行く。一緒に来てくれ。」

 

本郷と滝は、用意されたトラックの荷台の方へと乗り出発しようとする。

 

「・・・・・どこ行くんですか?」

 

そこへ今まで部屋に籠っていた一夏が何かを察して出てきた。

 

「子供には関係のないことだ。」

 

「組織の何かを掴んだんですか?」

 

滝の言葉に対して一夏は反抗気味に聞く。

 

「・・・滝、この際だ。一夏君も連れて行こう。」

 

「いいのか?束の許可を取らなくて?」

 

「一夏君はショッカー・・・・いや、ショッカー首領が言っていた新しい組織を憎んでいる。だが、憎しみに駆られたままでは彼も連中と同じようになってしまう。だから、憎しみだけで戦ってはいけないことを教えなくちゃならない。」

 

「それはそうだが・・・・・・・」

 

「いざというときは俺たちで彼を守ればいい。」

 

本郷の言葉を受けて滝は若干不安に感じながらも一夏の同行を許可した。

 

 

 

戦闘員の死体を回収後、帰りの道中本郷達は戦闘員たちの死体の量に困惑を隠せなかった。

 

「一体どうしたって言うんだ?裏切り者の処刑にしても数が多すぎる。」

 

「ガラガランダ・・・・いや、地獄大使が死んだ直後、ショッカー首領は、ショッカーは地上からすべて消え新しい組織を結成すると気になることを言っていた。」

 

本郷の考えていることは新組織を結成するにあたって旧ショッカーの構成員は必要ないとして処分したという事だ。ショッカーは基本的に裏切りを許さない組織だ。その組織を受け継いだ新組織にとって旧組織はお払い箱に過ぎない。

 

「つまり、新しい組織には旧ショッカー戦闘員は必要ないってことか?」

 

「邪魔者は殺せってやつかもしれん。」

 

「それにしても用がなくなれば仲間さえ容赦なく殺すとはショッカー首領が新しく結成する組織って言うのは余程えげつない組織なんだろうな。」

 

「あぁ。だから、一日でも早く新しい組織について何か手掛かりを掴まなければならない。でなければ手の打ちようがないぞ。」

 

「新組織はこの死体を残していった。解剖すれば何かわかるかもしれないな。」

 

「・・・・・」

 

しかし、トラックは迂回したところで止まってしまった。

 

「どうしたんだ?」

 

「道路工事で指示通りに迂回したんですけど行き止まりなんです。」

 

「行き止まりだって?」

 

滝はトラックから降りて前に行ってみると道路工事をしている様子はないが確かに道がバリケードで封じられていた。

 

「ったく、誘導した人間の顔が見たいもんだぜ。仕方ない、バックだ。」

 

滝は取り敢えず分岐点まで戻ろうとトラックの後ろに立って合図を送ろうとする。

 

「!滝さん危ない!!」

 

「えっ?」

 

一夏の声に滝は後ろを振り向くと後方で停車していたはずの工事用トラックがこちらに向かって突っこもうとしていた。

 

「滝、掴まれ!」

 

本郷は衝突する前に滝を引き上げる。トラックは衝突寸前で動きを止め、後部の荷台をこちらに向けて上げ始めた。

 

「ふざけた野郎だ!」

 

「待て!」

 

自分をひき殺そうとばかりに迫ってきたトラックに対して殴り込みに行こうとする滝を止める本郷。荷台が完全に上がるとそこには青・赤・黄というカラフルな色彩をした戦闘員3人が待機していた。

 

「「「ギィ――――――――ッ!!!」」」

 

「なんだコイツ等!?」

 

「ハッ!」

 

謎の戦闘員3人を目の前に動揺している滝を他所に一夏は、自分を拉致した連中と同じ格好をしているのに驚く。

 

「二人とも危ない!」

 

本郷は飛び掛かってくる戦闘員3人のうちの一人を蹴り飛ばす。しかし、別の所から何の音沙汰もなく仲間の戦闘員が数人彼らを包囲していた。

 

「「「「ギィッ!!」」」」

 

「「「ギイッ!!」」」

 

「間違いない・・・・・コイツ等あの時の連中だ!!」

 

一夏はトラックから飛び出して加勢する。

 

「お、おい!」

 

滝も参戦し、三人は戦闘員たちと交戦状態になるが戦闘員の実力はショッカー戦闘員以上であり、多彩な体術で翻弄する。

 

「コイツ等・・・・間違いなくショッカーに代わる新組織の手先だ。」

 

「コイツ等が・・・・・コイツ等が!!」

 

一夏は戦闘員を容赦なく殴り飛ばす。怒りに反応してか、腕から本人の意思に関係なく変化し始め、瞬く間に仮面ライダーに似た戦士へと変身した。

 

「なっ!?」

 

しかし、前回とは違いどういうわけか姿は最初になったときの白い状態だった。

 

「何で白なんだよ!?」

 

「あれがアイツの姿!?」

 

目の前で変身した一夏を目の前に滝は少しばかり驚く。

 

「た、助けてくれ~!!」

 

あまりのパニック状態にトラックの運転手は座席から降り逃げ出す。

 

「おい、待て!」

 

本郷が止めようとしたのも束の間、戦闘員たちが潜伏していたトラックの座席から鋭利な鋏が飛び出し、運転手の首を掴む。

 

「グワアアァァ・・・・・・・・」

 

運転手は首を切られ、力なくその場に倒れる。座席からはウニドグマ戦以降たびたび姿を見せていたガニコウモルの姿があった。

 

「ガニコウモル!お前の仕業だったのか!?」

 

「キィイッ!そうだ、本郷猛。とうとうこのガニコウモルの出番が来たのだ!貴様ら邪魔者を始末するためにな!!」

 

「お前の所属する新しい組織の名前はなんだ!」

 

本郷達三人は、ガニコウモルの後を追う。

 

「キィイー!!俺の所属する組織の名前だと?いいだろう、冥土の土産に教えてやる!ショッカーの全組織は再編成された!」

 

「何!」

 

「やはりか。」

 

「そして、アフリカの砂漠で猛訓練された秘密集団『ゲルダム』がパワーアップに加わった!」

 

「勿体ぶらずに言え!」

 

「その名は『ゲルショッカー』!」

 

「何?ゲルショッカー・・・・」

 

「へっ!名前を変えれば強くなると思っているのか!」

 

苦い顔をしながらも滝は皮肉そうに言う。だが、ガニコウモルは余裕な態度を崩さない。

 

「ゲルショッカーは無敵の軍団だ。俺様が相手になるまでもない!ゲルショッカーの戦闘員たちよ、かかれ!!」

 

「「「「「「ギィイッ!!」」」」」

 

ガニコウモルの合図と同時に3人の周りをゲルショッカー戦闘員たちが飛び出して襲い掛かる。3人は果敢に戦闘員の相手になるが変身済みの一夏はともかく常人では格闘センスの高い滝と改造人間として戦闘経験を積んでいる本郷にとって今までの戦闘員とは比べ物にならないくらいの実力に苦戦を強いられた。

 

「強い!?ショッカーの戦闘員とは比べ物にならないぞ!!」

 

「弱音を吐くな、滝!ゲルショッカーとの戦いは始まったばかりだ!奴らの目的は処刑したショッカー戦闘員たちの死体なんだ。俺に構わず車を走らせろ!」

 

「わかった!」

 

滝はそう言うとトラックの方へと戻って行く。

 

「ウワアアアアア!!」

 

一方の一夏は戦闘員たちを何とか蹴散らし、ガニコウモルへと飛び掛かる。

 

「キィイ!お前が例の改造されたガキか。思ったよりも大したことなさそうだな。」

 

「うるさい!!よくも箒を・・・・・おじさんとおばさんを!!」

 

一夏は不完全な姿である白い姿の状態でガニコウモルを殴る。

 

「フッフフフ・・・・・大して効かんな。」

 

「!?」

 

余裕な態度で笑うガニコウモルに動揺し、一夏は連続で彼の身体を殴りつける。

 

「フッ!ウワア!」

 

「ハッハッハッハ・・・・・・効かないと言っているだろ!」

 

ガニコウモルは一夏の腹部を殴る。

 

「グウッ!?」

 

「キィイ!」

 

「ガッ!」

 

「キィイッ!」

 

「ウゥ!!」

 

連続で殴られて上に一夏は蹴り飛ばされる。

 

「一夏君!」

 

「フッハハハハハ!!哀れだな、これではお前のために実験にされたその一家が報われもしない。」

 

「・・・・・・何?」

 

一夏は本郷に支えられながら起き上がる。

 

「知らなかったのか?奴らはお前のような存在を簡易的に作る試験薬の実験台にされたんだぞ。組織から逃げたお前たち姉弟のためにな。」

 

「逃げた・・・・・・」

 

「やめろ!これ以上言うな!!」

 

「お前とお前の姉貴はショッカーの最高の改造人間の素体となるべく作り出された・・・・いわゆるサンプルだ。」

 

「!!」

 

ガニコウモルの発言に一夏はショックを隠せなかった。

 

 

今まで疑問に感じていた自分と姉にどうして両親がいない理由。

 

姉は、「家族はお前だけだ」という言葉で捨てられたと考えていたが成長するにつれて自分が本当に普通の人間なのかと感じ、あの言葉には何か裏があるのではないかと思っては何度も打ち消していた。その恐れが今目の前で現実のものとなった。

 

「俺と千冬姉が・・・・・・・ショッカーに作られた・・・・・サンプル・・・・・・」

 

「そうだ。お前と姉は組織から逃げ出した。だから、お前と姉の代わりになる素体を作り出すために何人もの人間を攫い、実験にかけた。お前たち姉弟のせいでな。」

 

ガニコウモルは一夏の反応を楽しみながら話していたが半分嘘を混ぜている。

 

実際一夏と千冬を生み出したプロジェクト・モザイカは、束を発見したことを機に放棄された。よって、篠ノ之一家の実験とは関係ない。しかし、一夏にショックを与えるには十分だった。

 

「あの家族はお前たち姉弟のせいで死んだんだ。お前たちが殺したも同然だ。」

 

「嘘だ・・・・・・嘘だああああああああああ!!!」

 

「一夏君、待て!早まるな!!」

 

「わああああああああああああ!!」

 

本郷の制止を振り切り、一夏はガニコウモルへと向かって行く。ガニコウモルは余裕をもって一夏の攻撃を回避すると回し蹴りを決め、頭部にアッパーを喰らわせた。

 

「ガハァ・・・・・・」

 

「一夏君!」

 

本郷は変身を解除した一夏を抱える。幸い気を失っているだけだった。

 

「ガニコウモル・・・・・・・よくも一夏君にあんな嘘を!」

 

「嘘だと?」

 

「束さんの家族を死なせた実験に彼は関係ない。そんなでたらめを。ライダァ・・・・・・・・変身!!」

 

本郷は、すぐに本来の姿ともいえる仮面ライダー1号へと変身する。

 

「仮面ライダー、俺の相手をしててもいいのか?」

 

「何!?」

 

「お前たちが戦っている間にトラックに細工をしておいたのだ、後30秒もすれば滝はあのトラック諸共爆発する!!」

 

「くっ!」

 

1号ライダーは一夏を抱え、新サイクロンに乗せると一旦その場を後にした。

 

 

 

 

その後、滝は爆発寸前で脱出。

 

 

結果的に戦闘員の死体はすべて処分されてしまったが運よく撃退し生け捕りにした戦闘員からゲルショッカーの結成式を行う場所、そして、新組織樹立に伴い日本へ来る新たな幹部ブラック将軍の存在を掴むことができた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少年仮面ライダー隊本部

 

「・・・・・・・」

 

ガニコウモルからの衝撃的な言葉に一夏は完全に部屋に閉じこもってしまった。本郷からの話で箒たちの死は自分のせいではないとはわかったがそれ以上に自分が組織に作られたものだということがよっぽどショックだったようだった。ちなみに本郷と滝はゲルショッカーの結成式が行われるというポイントへと行くべく先に出て行った。

 

「いっくん?」

 

そこへ束が部屋に入ってきた。

 

「束さん・・・・・」

 

「大丈夫?」

 

「うん、本郷さんの話を聞いて少しは落ち着いたよ。」

 

言葉では言うもののその表情は決していいとは言えないものだった。

 

「正直言っておかしいと思ってたんだ。親が子供を捨ててどこかへ行くだなんてさ。少し考えれば気づくはずだったんだ・・・・・・」

 

「いっくん・・・・」

 

「でも、できなかった。いや、思いたくなかったんだ。気づいたら俺はショッカーに追われる恐怖に耐えられなくなって心を閉ざしてしまうかもしれない。千冬姉はそれを考えて何も教えなかったんだ。自分たちが作り物だっていうことも・・・・・・・。知ってしまったら俺と千冬姉の家族としての関係が崩れてしまうから・・・・」

 

「・・・・・・・」

 

「俺は何もしてあげられなかった。千冬姉の背を追いかけるように走って、強くなりたいと思っていたのに・・・・・・力を手に入れても結局誰も守れない!俺は連中にとっても完全な失敗作だったんだ!!」

 

「そ、そんなこと言っちゃダメだよ!?いっくんはいっくんでちーちゃんにできないこといくらでもあるじゃない。ちーちゃんなんて周りからはすごい目で見られているけど家じゃいっくんなしじゃダメな方でしょ?それにちーちゃんがいっくんのこと大切に思っているのは本当の事なんだから!ねっ!」

 

自暴自棄になっている一夏に対して束は自分なりにフォローをするがそれでも彼の折れた心は立ち直れない。

 

「あの怪人にだってそうだ・・・・・何のダメージも与えられていない。俺が弱いから・・・・・・俺がもっと強かったら・・・・・・」

 

「馬鹿者!何を甘えたことを言っているんだ!」

 

「「!?」」

 

突然の第三者の声に二人は振り向くと部屋の前に藤兵衛が立っていた。

 

「立花さん・・・・・・」

 

「一夏君、人間って言うものはな、みんな平等なんだ。いつどこで何があるかわからないし、ひょっとしたら次の瞬間に命を落としてしまうことだってある。助けられる命もあれば助けることができない命もあるんだ。」

 

「でも、俺は・・・・・・本郷さんや隼人さんみたいに強い人間じゃない。」

 

「猛もな、自分を助けてくれた人を助けることができなかったんだ。それどころかショッカーに魂を売ってしまった友人を救うことができなかった。」

 

「えっ?」

 

藤兵衛の言葉に一夏は耳を疑った。

 

自分が見る限り、本郷は自分とは比べ物にならない強い人間だと思っていた。しかし、その実態は全くの別であり、かつてショッカーに拉致され改造手術を受けたときは自分が人間とは異なる存在に変わってしまった苦悩を知り、恩師であり自分を助けてくれた緑川博士を目の前で殺され、かつての友人だった男は自分への嫉妬でショッカーに魂を売り説得もむなしく自分の手で倒すという数多くの悲しみを背負った男だった。そして、今は南米にいる一文字隼人もまた彼と同じく人間ではなくなった苦悩を抱えている人物でもあった。

 

「確かに束ちゃんの家族を救ってやることはできなかった。けどな、お前の手で救うことができる命もあるんだ!憎しみだけで戦えばお前はショッカーと変わらないただの戦うだけの怪物になってしまう。大切なのは守りたいという気持ちだ。」

 

「守りたいという気持ち・・・・・・」

 

一夏は、箒の最期を看取ってあの時感じた何かを思い出す。

 

 

『もう、これ以上彼女のような犠牲者を出させない。』

 

 

自分でも気づかないうちにその気持ちが戦う覚悟を決めさせていたのだ。

 

「・・・・・・俺、何か大事なことを忘れていたような気がしてたよ。」

 

一夏は思わず泣きそうになった。そして、少し落ち着くと決心した表情で立ち上がる。

 

「猛と滝は、ゲルショッカーの結成式が行われるというポイントに向かった。ゲルショッカーはこれまでのショッカーとは比べ物にならない。若い君にはすまんと思っているがあの二人に力を貸してやってくれ!」

 

「おやっさん・・・・・・俺、行ってきます!」

 

一夏は束に連れられて部屋を出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、本郷猛こと仮面ライダーと滝和也はゲルショッカーの罠に陥ってしまった。

 

事前に、二人が来ることを予測していたブラック将軍はガニコウモルの他に捕らえていた再生怪人たちを動員して待ち構えていたのだ。

 

戦闘員ならともかく怪人相手では力不足である滝はたちまち怪人たちに人質として捕まり、ライダーは手が出せない状況へ陥ってしまったのだ。

 

「結成式にまんまと来てくれるとはな、仮面ライダー。だが、来てくれたのは好都合だ。ゲルショッカー結成の記念としてお前たちの処刑もできるのだからな。」

 

「くそ・・・・・ライダー!俺に構わず戦ってくれ!!」

 

「ゴキゴキゴキ・・・・・・人質は黙っていろ!!」

 

「グフッ!?」

 

ゴキブリ男に殴られ、滝は口から血を吐き出す。ライダーもまた、ガニコウモルの他にカミキリキッド、サイギャング、カブトロング、アブゴメスと言った旧ショッカー怪人に痛めつけられていた。

 

「くっ・・・・・・・俺が戦えば、滝の命がない・・・何とかしなければ・・・・・」

 

「キーリー!!黙れ、ライダー!!お前を倒して俺たちは晴れてゲルショッカーに加えてもらうのだ!!」

 

カミキリキッドは、倒れているライダーを蹴り飛ばす。最早勝敗は明らかにゲルショッカー有利に思われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

っが、そこへ1台のバイクが入り口を突き破って侵入し、操縦者が不慣れなのか途中でバイクを滑らせ、ライダーのいる場所へぶつけ、アブゴメスとカブトロングを火だるまにする。

 

「「グワアアアアアアア!!!」」

 

「今だ!トウ!」

 

動揺している隙をついてライダーはカミキリキッドの弱点である頭部の角をキックで破壊する。

 

「ガアアッ!?俺の角を!!」

 

「ライダ――――――パンチッ!!」

 

「キーリーッ!!」

 

ライダーパンチでカミキリキッドの頭部が吹き飛びその場に倒れる。

 

「一体何者だ!?」

 

倒れた操縦者がヘルメットを外すとブラック将軍は目を大きく見開いた。

 

「貴様は織斑一夏!?」

 

一夏はそんなブラック将軍を他所に拘束されている滝の救助に行く。

 

「滝さんを放せ!!」

 

「「「ギッィ!?」」」

 

最初に交戦した時とは違い、ゲルショッカー戦闘員たちは一夏に瞬く間に蹴散らされてしまった。

 

「ゴギー!!何をす・・・・・」

 

「邪魔をするなでっかいゴキブリ!!」

 

「アダッ!?」

 

一夏に急所を蹴られてゴキブリ男は怯んでしまう。その隙に滝を拘束していたロープを解いた。

 

「お前・・・・どうしてここに・・・・・」

 

滝が聞こうとした瞬間、ゴキブリ男は背後から立ち直り、二人を襲いかかろうとする。一夏は急いで滝を押して攻撃を回避した。

 

「戦います!俺!!」

 

「無茶を言うな!!相手が誰だが分かっているのか!?」

 

痛めつけられて満足に動けない滝に攻撃を加えようとするゴキブリ男に一夏は立ちはだかる。

 

「俺だって怖いです!少しでも遅れれば死ぬかもしれないし、辛いことが多いかもしれない!!・・・・・でも、こんな奴らのためにこれ以上大切な人を失った人たちの涙を見たくない!!誰にも死んでほしくない!!」

 

ゴキブリ男に押されながらも一夏は負けることなく起き上がろうとする。

 

「だから、一緒に戦わせてください!!俺も、一緒に!!」

 

一夏は決意を込めて、両腕を大きく広げるとライダーとは違うベルトが出現した。それを両手で包むようにかざし、左腕はベルトに添え、右腕を左前方に突き出し、右腕を右方向に左腕は左方向にそれぞれスライドさせるように動かした後、右腕を左腕に重ねる。そして、自分に向かってくるゴキブリ男に向かって拳で殴りつけた。

 

「おりゃ!うりゃ!」

 

「グッ!?(な、なんだ!?コイツの力・・・さっきよりも強く・・・・・)」

 

一夏が攻撃が激しくなるにつれてベルトも音を発しながら光を放ち、腕から足から徐々に姿を変え、ガニコウモルが初戦で相手した時とは違う長く逞しく伸びた金の角に赤い鎧を纏った戦士の姿に変わっていた。

 

「ウオオオオ・・・・・・・・・オリャ!!」

 

「そ、そんなバカな・・・・・・・ゴリゴリゴリ!!」

 

完全に変身したと同時にゴキブリ男は攻撃に耐え切れずに爆発してしまう。その姿を見てブラック将軍は驚きを隠せなかった。

 

「まさか・・・・・古代の伝説の戦士へとなったのか、奴は!?“戦士クウガ”に!?」

 

「クウガ?」

 

「アイツの名前か?」

 

ブラック将軍の口から出た言葉にライダーと滝は一夏を見る。

 

「ガニコウモル、奴を殺せ!!奴を・・・・クウガを生かして帰すな!!」

 

「キイィ―――――――!!」

 

ブラック将軍の命令でガニコウモルは翼を広げて一夏改めクウガへと飛び掛かる。

 




クウガっぽくアレンジ加えたけど・・・・・なんかショッカー怪人に申し訳なくなってきた。

ゲルショッカーは知っていますか?

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  • 聞いたことはある
  • ショッカーと一緒だと思った
  • 知らない
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