IS/仮面ライダークウガ A New Legend 作:赤バンブル
市街地から少し離れた丘の麓に立っている「峰医院」
ゲルショッカー サソリトカゲスの酸欠ガスの実験から何とか逃れた峰博士が妻である峰芳子夫人と共に立ち上げた診療所で伝染病の研究で峰博士が南米に発つまでは看護師など合わせて十数名で経営していたが博士が消息を絶った後は芳子が仕切るようになっていた。
「先生、それでは失礼します。」
「はい、お疲れ様。夜中に何かあったら連絡するわ。」
丁度診療所を閉める時間帯になり、看護師などの従業員たちは帰宅し、芳子はまだ帰宅してこない娘の帰りを待ちながら、机の上に置いてある家族写真を眺めていた。
「ふうぅ・・・・・貴方、香子はもう中学生よ。あの子も貴方が帰ってくるのを待っているわ。今どこで何を・・・・・・」
ソーリーッ!!
「?」
ソーリッ、ソーリーッ!
聞き覚えのない声がどこからともなく聞こえてくる。芳子は窓の外を見てみるが誰もいない。
「おかしいわね・・・・・・香子が帰って来たのかしら?」
ソーリーッ!
明らかに声は近づいて来ていた。芳子は不安になり、娘の携帯に掛けようとする。しかし、かけようとした直後ドアの隙間から煙が入って来て部屋全体を覆い隠そうとしていた。
「何?」
彼女は恐る恐る近づこうとすると煙の中からサソリトカゲスが現れた。
「ソーリーッ!!」
「きゃあ!!」
芳子は突然目の前に現れた怪物を目の前に反対側の非常口から逃げようとするがサソリトカゲスは瞬く間に夫人を捕らえる。
「ソーリーッ!!言え!言うのだ!お前の夫、峰信太郎はどこだっ!?ソリッ!!」
その数十分前、峰博士は既に診療所の前まで来ていた。途中の荒れ道を必死に走ってきたことで身に付けていたスーツはあちこち泥や土埃で汚れていた。
「ハア・・・・・・ハア・・・・懐かしい。何もかも昔のままだ。」
博士は、追手が来ていないかどうか確認する。
「・・・・・・誰も追ってこない。ゲルショッカーは俺が逃げたことに気づかなかったのか?」
追手がいないことにほっとしながらも博士は、診療所の中へと急ごうとする。追手が来ていないとはいえ、自分が逃げたことに気づいていないとは言い切れない。いずれ、自分は愚か妻や娘にまで狙ってくるかもしれない。少なくとも早く妻と娘を連れてここから離れなければならない。
「芳子!私だ!開けてくれ!!」
既に本日休診という看板が掛けられている入り口で博士は、呼び出しブザーを押そうとする。ところが後ろから何者かの手が博士を押さえた。
「んぐっ!?」
突然の出来事に博士は逃げ出そうとするが明らかに常人離れした力に気を失いかける。博士を押さえた者はそのまま診療所の近くの林の中へ博士を連れて消えて行った。
その後、クウガが現場へ向かっている中サソリトカゲスがいち早く診療所へと乗り込み、芳子夫人を捕らえた。
「ギッ、病院の中には誰もいません。」
「さらに索敵班から少年仮面ライダー本部より見たことも無いマシンに乗ったクウガの姿を確認。こちらに向かっているとのことです。」
病院の中をくまなく探した戦闘員たちは、椅子に座っているサソリトカゲスに報告する。
「そうか、奴はまだ着いていないのか。だが、娘が少年仮面ライダー隊に保護されているとも知らない以上間違いなく此処に来るはずだ。待ち伏せをしろ!!」
「「「ギッ!!」」」
その直後、診療所の入り口のブザーが鳴った。
「フハッハッハッハハハ・・・・やっぱり来たな。死にぞこないめが!よりによってクウガよりも早く来てくれるとは都合がいいものだ。」
入口が開いていることもあって足音は着々と彼らのいるこの部屋へと近づいて行く。
「フッフフフ・・・・・奴を始末した後は、何も知らずにここへ来たクウガを八つ裂きにしてくれる。この目の恨みをな!!」
サソリトカゲスは義眼に触れながら言う。自分の功績を無駄にされた上に、負傷された屈辱が彼の中で煮えたぎり、クウガは何としても自分の手で始末したいと執念を燃やしていた。足音はどんどん近くなり、部屋から数メートルも離れていないところにまで達した。
「逃げて、貴方!!」
芳子は、夫が何やら恐ろしいものに捕らえられていたと察して逃げるように言い渡す。
「峰!逃げれば可愛い妻の命はないぞ!!それだけじゃない、貴様の娘もどうなってもいいのか!?」
香子が少年仮面ライダー隊本部に保護されていることを知らないことをいいことにサソリトカゲスは脅しに掛かった。足音は部屋の前で止まり、ゆっくりとドアが開いた。
「・・・・・・・・」
だが、部屋に入ってきたのは顔が包帯で覆われた男だった。男はゆっくりと顔を上げてサソリトカゲスを見る。
「そんなもので変装したつもりか、峰?」
「・・・・・ふっはっはっはっはっはっはっ・・・・・・」
サソリトカゲスの言葉に対して包帯男は、不敵に笑い始めた。その様子にサソリトカゲスは動揺する。
「逃げ切れたと思った矢先に妻諸共殺されると分かって気でも狂ったか!?」
「俺は正気だぞ、ゲルショッカー サソリトカゲス!」
「ぬっ!?そ、その声はまさか!?」
包帯男の声にサソリトカゲスは驚く。包帯男は顔に巻かれた包帯をすべて解くとそこには峰博士の顔ではなく、死んだと思われていた本郷猛の顔があった。
「本郷!?生きていたのか!?」
本郷は戦闘員を一人蹴散らしサソリトカゲスと対峙する。
「ガニコウモルとの戦いで傷を負った俺は、辛うじて生還できたが傷がひどく、この診療所の近くで倒れていたところを峰先生に助けられ、治療を受けていたんだ!!おかげで傷は癒えた!!今度は俺が助ける番だ!!」
本郷は芳子を捕らえていた戦闘員を殴って怯ませ、彼女を自分の後ろへ匿う。
「御安心なさい、ご主人は無事だ。さっきここに入るところを止めて外で一緒に逃げられるように待機させている。」
「ヌウ・・・・・・フッ、本郷猛。まさか、逃亡者とクウガを始末するついでに貴様から出てきてくれるとは俺もついておるわ。お前を倒し、クウガを倒せば俺は汚名返上どころかゲルショッカーの中で最も優れた改造人間として崇められることになるのだ!!ソーレーッ!!」
サソリトカゲスは、本郷へ襲い掛かる。本郷は、芳子を逃がすとサソリトカゲスへ殴り掛かる。
「逃がすな!追え!!」
「ギッ!」
「ギィイッ!!」
戦闘員たちは、外まで彼女を追いかけていく。外では既に峰博士が車で待機していた。
「貴方!よくご無事で・・・」
「話は後だ。早く乗るんだ!}
博士は、芳子を乗せると車を走らせる。
「ギッ!」
「ギィイッ!」
「ギィイ!!」
戦闘員たちは身体能力を駆使して追いかけようとするがそんな彼らの目の前に予想以上に速くトライチェイサーに乗ったクウガが到着していた。
「ゲルショッカー!もう来ていたのか!?」
遅れてサソリトカゲスが診療所の中から出てくる。
「ソーリーッ!クウガ、もう来たのか!?」
「お前・・・・・もう目が治ったのか!?」
「ソーリッ、ゲルショッカーの技術に掛かれば目の一つや二つ作るなど造作でもないわ!!やれ!!」
「「「「「ギイッ!!」」」」」
戦闘員たちはクウガを包囲する。クウガはマシンから降りて臨戦態勢に入る。
「待てっ!!ゲルショッカー!!俺も相手だ!!」
「!?」
クウガが声のした方を見るとそこにはいつ来たのか本郷が立っていた。
「本郷さん!?無事だったんですね!?」
「心配かけてすまなかったな。」
本郷はそう言うと変身の構えを取る。
「ライダー・・・・・・・・・変身!!トウッ!!」
ジャンプすると同時にベルトのタイフーンが回転し、本郷は仮面ライダーへと姿を変える。
「ギッ!」
「ギィイッ!!」
「トウ!」
「ハッ!」
クウガとライダーは、戦闘員を容赦なく蹴散らして行く。いくらショッカー戦闘員以上の能力を持つゲルショッカー戦闘員と言えど、仮面ライダー2人を相手にするのは分が悪かった。
「後はお前だけだぞ、サソリトカゲス!!」
「くう・・・・・・」
サソリトカゲスは二人を目の前に怖気着く。
確かにライダーは変身機能が回復したとはいえ、全快とは言い難い。現に先ほどの戦闘員との交戦でも若干ながら動きが鈍っていた。しかし、クウガと合わせての二人掛かりの場合は危険すぎる。
過去のショッカーの改造人間は、一号、二号と並んだダブルライダーを相手に無残に敗れた。スノーマン、ゴースター、イソギンチャック、ユニコルノス、ギルガラス、ザンジオー。更に強化された後は、モスキラス、シオマネキングと言った怪人が倒されている。しかもクウガは一度自分の目を奪ったこともあってトラウマになっている。
「どうした?今更怖くなったのか?」
クウガは構えを取っていつでも仕掛けられるようにする。
一方、そんなサソリトカゲスの情けない姿はゲルショッカー基地からも見られていた。
「本郷猛が生きていたとはな・・・・・・だが、いくらショッカー怪人以上の戦闘力を持つサソリトカゲスとは言え、クウガと同時に相手にさせるのはリスクが高い。奴には首都圏を手中に収めるための『首都圏無血占領作戦』に必要不可欠だ。」
ブラック将軍は通信回線を開く。
「私だ。・・・・・・・・・そうだ、その二人の気を一瞬引けばいい。」
峰医院の近辺を見渡すことができる山頂付近にて一つの人影がライダーとクウガを見ていた。
それは、ゲルショッカーが製作した特殊スナイパーライフルを構え、標的を二人に定める。更に弾を込め、引き金を引く。
「・・・・・・・・」
金色のマフラーを靡かせながらそれは、ライダーとクウガを狙い、トリガーを引いた。
「・・・・・!一夏、避けろ!」
「!?」
何かが飛んでくると察し、クウガとライダーはジャンプをして後方へ下がる。二人のいた場所は勢いよく爆発し、それに応じてサソリトカゲスは急いでその場から逃げ出して行った。
「あっ!待て!!」
クウガは急いで後を追おうとするがライダーが膝をついたため、追うのをやめる。
「大丈夫ですか?本郷さん。」
「すまない・・・・・・傷は治ったとはいえ、体の方がまだ万全ではない状態で変身したから体力の消耗が激しいらしい。」
ライダーに肩を貸しながらクウガは爆発物が飛んできた方を見る。
そこには何もいなかった。
「・・・・・一旦、どこかで休みましょう。あのまま奴が逃げるはずがありませんし。」
クウガはライダーと共にその場から離れていく。
「・・・・・・・・・・」
その二人の姿を遠くから黄色の複眼が捉えていた。
それはライフルをしまうと山を下り、近くに止めてある車から通信機を取る。相手はブラック将軍だ。
『ご苦労だったな、サソリトカゲスはこちらに戻ってきた。流石ともいうべきだな。』
「・・・・・・・」
『なんだ。あの二人を狙撃で仕留めたかったのか?残念だがお前の役目は飽くまで我々の邪魔になる者を消すことだ。そのためにその充実感と共に力を与えたのだからな。』
「・・・・・・」
『成功した報酬は後で振り込む。次の仕事まで十分楽しむがいい。』
そう言うとブラック将軍は通信を切る。するとそれは変身を解いて一人の女性の姿へと変えた。
「・・・・・・」
彼女は車に乗るとサングラスをかけ、そのまま車を走らせるのであった。
次回こそはサソリトカゲスには倒れていただきたい。
この作品で一番出る確率が高そうな平成ライダーはどれだと思いますか?
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仮面ライダー剣
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仮面ライダーアギト
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仮面ライダーW
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仮面ライダーOOO
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仮面ライダーカブト