聴いて驚け!強竜者と歌姫のブレイブシンフォニー   作:マガガマオウ

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蘇る伝説~強竜者集う~

今はまだ光灯らぬステージセットに組みつけられた照明は、今より始まる歌い手達を称える時を今か今かと待ち望み、観客を迎え入れる為に並べられた客席は誰も居ないにも関わらず一足早くその喧騒を浮かべている様だった。

そして、そんな浮かれた空気が漂う会場の裏側では物々しい雰囲気を醸し出し厳めしい面持ちの一人の少女がそこには居た。

その表情は緊張で強張りこれからステージの上で歌声で多くの人を魅了する一対の翼の片翼を担う風鳴翼その人とは思えぬ程であった。

「間が持たないって言うか、何て言うかさ。」

そんな翼に砕けた調子で語り掛ける人影が一つ、年のころは翼より少し上だろうか溌溂な雰囲気を纏った少女である。

「開演するまでのこの時間が苦手なんだよね。」

そう語った少女、天羽奏はじれったそうにしながら小さく縮こませている翼の前に腰掛けた。

翼はその様子を伺いながら、奏の一人語りのような問い掛けに無言で頷き返す。

 

「こちとら、さっさと大暴れしたいのにそいつもままならねぇ!」

 

「そうだね……。」

 

奏が頭を軽く掻きながら気難しい顔でそう言うのを、翼は短く固定した。

 

「もしかして翼?緊張とかしちゃったり?」

 

何とも気の抜けた声が気になり奏は顔を翼に向けるて、少し意地悪そうな顔で尋ねた。

 

「当たり前でしょ!櫻井女史も今日は大事だって……いっ!」

 

揶揄われた思ったのかムッとした様な声音で返すも、次第に声が窄んでいく。

そんな彼女の皺の寄った眉間に奏は少し強めのデコピンをした。

いきなりの事で反応が遅れ呆気に取られる翼を余所に、彼女の難儀な部分を茶化した。

 

「奏、翼ここに居たのか。」

 

何ともちぐはぐでそれでも和気藹々とした会話をしていた二人の下に、壮年の威厳に満ちそれでも快活な男性が歩み寄る。

 

「司令……!」

 

「こりゃまた、弦十郎の旦那!」

 

翼は驚きながらも嬉しそうに、奏はわざとらしく大仰に彼を出迎えた。

風鳴弦十郎、翼の叔父であり二人の所属する秘密機関特異災害対策起動部二課の司令官であり彼女達ツヴァイウィングの直接の上司である。

 

「分かっていると思うが、今日は……。」

 

「大事だって言いたいんだろ?分かってるから、大丈夫だって!」

 

意味深げに語る弦十郎の言葉を遮り、奏は飽く迄明るい調子で返す。

その答えに満足したのか彼は口元を僅かに緩めた。

 

「分かっているなら、それでいい。」

 

言葉短めに返して、さらに続ける。

 

「今日のライブの結果に人類の未来を係てるってことにな……。」

 

彼の話す内容はたかがアイドルのライブイベントにしては豪く物々しい気がしなくもないが、それも仕方いのかもしれない。

彼女達、ツヴァイウィングは世間一般が呼ぶ普通のアイドルとは全く違うのだから。

弦十郎は、携帯を取り出し何処かに連絡を入れた。

場所は会場の地下、そこには白衣を着た複数人の研究者らしき人影が確認できた、その中の一人でひと際異彩を放つ女性が着信を告げる携帯を耳に当てた。

 

「毎度!櫻井了子です!こちらの準備は完了よ!」

 

彼女こそ特異二課の研究チームの要である櫻井了子である筈なのだが、態度と口調がそれを感じさせてくれなかった。

 

「分かった!すぐに向かおう。」

 

そんな了子の人相に慣れているのか、特に気にした風もなく爽やかに切り返す。

 

「ステージの上は、任せてくれ!」

 

話が終わったのを見計らい奏がスッと立ち上がり腰に手を当てサムズアップをしながら啖呵を切った。

 

「うん!」

 

彼女の意気込みを感じ取った弦十郎は、短くだが力強く相槌を打つ。

その頃、バックステージの外では一人の少女がコンサートホールの入場口から見た景色にある種の感動を感じていた、それはこれから始まるライブの前哨戦の様な心持ちであった。

そして、ツヴァイウィングの二人がステージの上で主役になる時間が近づいた。

 

「さて!難しいことは、旦那や了子さんに任せてさ。あたしらはパーッと!ん?」

 

やる気十分な奏とは裏腹に、翼はやはり一抹の不安を払拭できずにいた。

長い沈黙が流れて、奏は無言のまま翼の背後から優しく抱きしめる。

 

「んぁ?」

 

いきなりの行動に、一瞬戸惑う翼に奏は優しく語り掛けた。

 

「真面目が過ぎるぞ!翼、あんまりガチガチだとそのうちポッキリいっちゃいそう

だ。」

 

「!……奏。」

 

奏の、自分を心配してくれているとわかる言葉に表情が少しほぐれてきた翼は視線だけ後ろにいる奏の方へ向けた。

 

「私の相棒は翼なんだから、翼がそんな顔してると私まで楽しめない。」

 

まるで神に祈るように握られていた両手の上から、奏が自身の重ねる。

 

「うん。」

 

奏の優しさに満ちた言の葉に翼は頬を緩め笑みを見せる。

 

「私たちが楽しんでないと、ライブに来てくれたみんなも楽しめないよね。」

 

「分かってんじゃねぇか。」

 

穏やかで暖かな時間、二人の間にある確かな絆を感じるささやかでとても大切な時間、それは今もそしてライブの中でも同じだった。

だからこそ、より多くの人とそれを分かち合い共感したい心地よいこのこの感覚を。

 

「奏と一緒なら何とかなりそうな気がする!」

 

「うん……!」

 

翼にとってそれを共に表現できるのはやはり、奏しかいなかった。

 

「行こう!奏!」

 

もうその目に迷いはなかった、強く澄んだ透明な意思がその口から発せられる言の葉にもよく表れていた。

そんな翼の様子を見て、奏は立ち上がる。

 

「あぁ!あたしとあんた、両翼揃ったツヴァイウィングはどこまでも遠くへ飛んでいける!」

 

「どんなものでも、超えてみせる!」

 

二人の視線は、もう目の前の自分たちが輝かせるためステージしか見えていなかった。

暗転したアリーナに光が灯る、煌びやかなステージライトに誘われて客席にも観客一人一人のライトが波を描くように一斉に光り輝く、さまざま色の光が灯る中舞い散る羽根が今日の主役の到来を告げた。

天井から舞い降りように下りてくる二人に会場は釘付けになる。

今この場は、日常と切り離された誰しもが笑い喜び熱狂する異世界へ作り変えられた、そしてその中心で歌声で魅せているのはツヴァイウィングだけである。

そして最早この会場だけでは狭すぎると言うかの如く、天井が開き幻想的な茜空を晒して異世界は現実世界と融合した。

地上が盛り上がる時、ステージの地下では地上とうって変わって静かで緊迫した空気が満ちていた。

 

「フォニックゲイン、想定内の伸び率を示しています。」

 

そう告げる、職員の言葉がこのライブには別の思惑がある事を語っていた。

 

「成功!みたいね、お疲れ様!」

 

「やった!」

 

「成功だわ!」

 

そう職員たちに労いの言葉を送る了子の隣で、弦十郎は安堵の意気を漏らす。

彼らの、思惑がどういった目的の下に行われているか詳細は分からないが人類のためであること、そしてその目的は達せられたということは彼らの反応を見ても明らかである。

しかし、地上の盛り上がりがピークを迎えた頃、地下でも異変が起きた。

けたたましくアラームが鳴り響き、計器が異常を示す警告音を忙しなく起て出した。

 

「どうした!」

 

弦十郎の緊迫した声が誰ともなく質問を投げかけた。

 

「上昇するエネルギー内圧にセーフティーが持ちこたえられません!」

 

計測していた職員が、焦ったように答える。

 

「このままでは聖遺物が起動……いえ!暴走します!」

 

続けて別の職員が、謎のワードを出した。

聖遺物、キリスト教に於けるキリストに縁の有る物又は信仰心の強い信仰者の遺体や人骨、遺品やを指す言葉であるが、同時に人類の持つ科学力では解析できない技術で作られたオーパーツを指す言葉でもある。

しかし、彼らはキリスト教徒ではない、厳密には居るかもしれないがそれで彼の行動と宗教とは結び付きがない。

ではやはり、オーパーツの方だろうか?

そして、地下での異変は地上にも現れた。

会場の一角が突然爆発し噴煙が立ち上る、その異変をステージの上で見ていた翼と何かを感じ取った奏。

 

「ノイズが来る!」

 

張り詰めた様に視線を鋭くした奏がそう呟いた。

その言葉の後、爆発元から存在が酷くあやふやな怪物たちが這い出てきた。

それを見た観客たちが恐怖に顔を引きつらせ、固まったように動きを止めた。

 

「ノイズだぁ!」

 

誰が叫んだか、その叫びが呼び水となり阿鼻叫喚の濁流となって人々を飲み込んだ。

そんな人々の恐怖に反応した様に、這い出てきた怪物は辺りに何かを吐き出し、その吐き出された中から人と同じサイズの化物が生み出されて人々に滲みよる。

 

「助けてくれ!」

 

誰かが化物に取り付かれたらしい、しかしその声に聞いてくれる者はいなかった。

やがて取り付かれた人は化物と共に灰となり、かき消されてしてしまう。

 

「死にたくない!死にたくない!イヤー!」

 

また別の誰かが捕まり共に灰となり、消えていく。

逃げ惑う人々に成す術など無かった捕まれば即座に死を意味し、更に姿も残らず消えていく無の抽象化したものこれがノイズである。

更に、空を舞い錐揉みしながら突き刺さると言ったタイプまでいる。

また一人また一人と捕まり消されていく惨状を、奏で黙っては見てはいられなかった。

 

「飛ぶぞ翼!この場に槍と剣を携えているは、私たちだけだ!」

 

「でも、司令からはなにも!……奏!」

 

相棒に向けて強く言う奏の焦燥した表情に気圧され腰が引ける翼、その姿に焦れたのかステージの上から駆け降りる。

そして、宙に浮いた奏はそれまでとは違う、例えるなら聖歌の様な歌声の歌を口ずさんだ、その時である奏の体のを光が取り囲んだのは。

それは一瞬の出来事であった、奏の姿がステージ衣装から戦装束へ変わっていた。

更に腕に装着されたガントレットを腕を合わせるように繫ぐとガントレットが外れ大型の槍の様な形状に変形した。

力強く地を蹴り、手にした槍でノイズを斬りながら彼女の口は何処から流れる音楽に合わせて歌声を紡ぐ。

彼女の纏う鎧は、シンフォギアこの世界で人類が手にした反抗の切り札、今の所唯一の対ノイズ兵器である。

そして、翼もその鎧を纏い戦場を駆け始める、一人でも多くこの会場の人間を助けるために。

 

「了子……君!了子君!無事か⁉」

 

その頃、聖遺物の暴走による爆発で崩壊した地下の施設の中で弦十郎が近くにいた了子の安否を確かめようと一人声を出していた。

 

「⁉ネフィリム……鎧⁉」

 

施設内は殆どが損壊し、崩落を始めていたが彼はその事を気にする事は無かった、何故なら視線の先にある聖遺物は煌々と輝き姿を変えていったのだから。

崩れかけたステージ、人々が我先に逃げ出し混雑する入場口、混迷を極めるそんな中で

も気丈にそして美しく歌い戦う二人の歌姫が居た。

 

「あれは……え?」

 

その光景を、茫然と見ていた少女は目の前の非現実的光景を思考が追い付かないのか逃げることも忘れ立ちつく尽くしていた。

猛然と戦いノイズを迎え撃つ二人ではあったが、奏のシンフォギアに異変が起きる、輝きを放っていた槍が光を失った。

 

「時限式はここまでかよ!っあ!ウーアッ!」

 

動きが止まったその一瞬を、ノイズは見逃さなず突っ込んでくる。

どうにか槍で守り、持ち堪えるが彼女の荒い息を吐く姿は疲労している事を示していた。

 

「キャア!」

 

その時、客席の一部が崩れた音が聞こえ少女の悲鳴が聞こえた。

崩れた客席の残骸の傍には、足を痛めた少女が居た。

それを感じたのかノイズたちは、動けない少女に迫る。

 

「この!」

 

恐怖のあまり目を瞑る少女は、短い声が聞こえ目を開き自分に背を見せノイズたちと対峙する奏の姿を見た。

 

「駆け出せ!」

 

自分に向けられた言葉に我に返り、痛めた足を引き摺りながら出口に向かおうとする。

奏も少女の避難の時間を稼ごうと、体に鞭を打ち抵抗を続けるが鎧は彼女の思いとは裏腹に小さな亀裂が幾つも奔る。

 

「奏!」

 

翼は、そんな奏を見て思わず大声で名を叫ぶ。

 

「奏ぇ!」

 

「うぉぉぉ!」

 

それでも抗い続ける奏に、ノイズたちは更なる猛攻を食え続け遂には槍が砕け散った。

破片は四方八方に四散し、その一つが逃げる少女の胸に突き刺さる。

大きく後方へ吹き飛ばされ大きな瓦礫に叩き付けられる少女の下に奏は焦った様子の駆け寄った。

 

「おい!死ぬな!生きるのを諦めるな!」

 

少女の体からは大量の血液が流れ出し意識は朦朧としていたようだが、それで目を開けた事に奏は安堵の表情を見せる。

だが状況は楽観してはいられない、奏は最後の歌を歌う決意を固た時目の前の少女が何かを呟いた。

 

「音?……違う歌だ……諦めるな……希望はまだある……。」

 

「歌?何を言って……!」

 

自分はまだ何も歌ってない、しかし彼女には歌が聞こえている。

それに訝しみ奏も耳を澄ませた時、彼女にもその歌は聞こえた。

初めて聞くはずなのに、とても懐かしい感覚のその歌は目の前で死にけている少女にもこれから命を擲とうとした自分にも語り掛けてくような優しさがあった。

 

「か…!かな…!奏!しっかりして!」

 

「翼?……っは!」

 

暫くの間、不思議な歌に引き込まれていた奏の耳に翼の叫ぶ声が届いた。

どれ程、呆然としていたのか気づけば大量のノイズに取り囲まれすぐ近くにまで接近されていた。

 

「やばいな……これは。」

 

歌を聞き一度は命を捨てる事を思いとどまった奏だが、流石にこの状況では今一度最後の切り札を切るしかないと思わせた。

 

【キャオォォォォォン!】

 

その時、夜が迫り黄昏の気配が濃くなった空に何かの獣の様な鳴き声が木霊した。

 

「何だ⁉何が起きたんだ⁉」

 

声のした方に顔を向けようとしたとき、眼前に居たノイズの群れの突然大きな雷光が降り注いだ。

 

「あれは……翼竜?」

 

その様子を少し離れたところで見ていた翼が、雷光を降らせた発生源を見て呟いた。

そうそれは正に、人が誕生するより遥か大昔を生きた空の支配者翼竜の姿をした巨大な竜だった。

その体は、雷を纏ったかのように黄金に輝き雄々しき翼を広げ高速で空を飛んでいた。

 

【キャオォォォォン!】

 

もう一度、雄たけびを上げると口から激しい放電を放ち空を飛ぶノイズたちを打ち落としていく。

 

「こっちに……来る!」

 

竜の進行方向は、アリーナに向けて真っ直ぐ飛んでいる、それを感じ取ると翼は剣を強く握り直した。

 

「あれは……一体……。」

 

「大丈夫……敵じゃない……歌がそう言ってる。」

 

「へ⁉……そっか、じゃあ安心だな。」

 

またもそう呟く少女の声に、驚く奏はやがて思い直したようにそう返す。

そうしている間も、竜がスピードを落とさずアリーナの上を通過したその時竜の背から降りる六つの影が見えた。

その影が、二人とノイズの間に降り立ち、六人の男女がそこに立っていた。

 

「送ってくれて、ありがとな!プテラゴードン!」

 

「感謝でござる。」

 

「あぁ、だが大分遅れちまったらしい。」

 

「うん……もう犠牲者が大勢出てるみたいだ……。」

 

「……だったら、遅れた分まで暴れればいい!」

 

六人組は、沈痛な面持ちで辺りを見回すと、一人が暗い気持ちを振り切るように大声で呼びかけた。

 

「あの?あんた達は?」

 

奏は、突如として現れた六人組に声をかける。

 

「あれ?ツヴァイウィングの天羽奏さん!姪がファンなんだ後でサインくれるかな?」

 

「へ?はぁ……。」

 

「のっさん、それ位で彼女も戸惑ってる。」

 

「oh!久しぶりに集まったのに、前とそんなに変わらないわねのっさん。」

 

「え?そうかな~最近は、理香ちゃんも白髪が増えたって言われ出したんだけど。」

 

「いや、のっさんは元々老け顔だからなそんなに印象変わってないぞ。」

 

「えぇ~!イアン、それフォローになってないよ~。」

 

「ははは!相変わらず面白い仲間たちだぜ!」

 

「キング~!笑ってないで何か言ってよ~!」

 

「あの……各々方、彼女が置いてきぼりを喰らっているでござるよ。」

 

「あぁ!そうだった!」

 

この凄惨な状況にも関わらず、彼らは再開を喜び合う同級生の様な雰囲気で会話をしていた。

その様子を、ただ唖然と達観していた奏に視線が集まる。

 

「奏!大丈夫!」

 

その時、少し離れた所から奏を心配して駆け寄ってくる翼の姿が見えて現実に戻された。

 

「あっ……目の前の光景が衝撃的過ぎて翼の事一瞬忘れた…………コホン、翼!あたしは、大丈夫だ!」

 

「………今の間は何?奏?」

 

「いや、何にもないよ。ホント……」

 

奏の傍まで来ていた翼がジト目で湊を見る、その視線を目を泳がせて躱すのであった。

 

「まぁ、無事ならいいけど。それであなた達は誰ですか?」

 

「俺達か?俺達は……。」

 

年の割に腕白そうな風格を見せる男が、五人と視線を合わせて背後を見る。

そこには、また湧き出て来たようにノイズの大群が出現していた。

それを確認した六人は、ポケットから電池に似たアイテム獣電池を取り出した。

 

「「「「「「キョウリュウジャーだ(でござる)!ブレイブイン!」」」」」」

 

勢いよく振り返り、手にした獣電池のスイッチを押して、五人が竜の頭を模した拳銃ガブリボルバーを、一人が腕に巻かれたプテラノドンの頭型のガントレットガブリチェンジャーを掲げた。

 

『ガブリッチョ!』

『ガブティィィラ!』

『パラァァサガン!』

『ステゴッチ!』

『ザクトォォォル!』

『ドリケェェェラ!』

『プテラゴゥードン!』

 

上顎を開き持っていた獣電池を装填すると、ガブリボルバーとガブリチェンジャーからかなり巻き舌気味な音声が飛び出した。

 

「「「「「「キョウリュウチェンジ!」」」」」」

 

声を揃え変身セリフを叫ぶと、どこからサンバホイッスルと三味線の音が聞こえ、サンバのリズムと和テイストな音楽が同時に流れ出した。

 

「「「「「「ファイヤ!」」」」」」

 

そのリズムに乗って、軽やかなステップを踏み踊りだした六人は歌のピークを迎えた頃揃ってターンして引き金を引いた。

銃口から竜の頭部が飛び出して六人に噛み付くと六人は色彩豊かな姿へと変化した。

 

「聞いて驚け!ハッ!」

 

赤いスーツを纏った一人が大声で宣言すると、六人が一斉にノイズの群れに向けて走り出した。ノイズたちもそれに応じるように侵攻を開始した。

先頭集団と接触して戦いが始まった。

赤い戦士がノイズの一体に拳を突き出した、そうするとノイズは拳を受けた個所から脆く崩れだす。

「牙の勇者!キョウリュウレッド!はぁ!」

 

黒い戦士は、変身にも使用したガブリボルバーをノイズに向けて狙い定め撃ちだした、ガブリボルバーからは閃光が放たれノイズを穿った。

光弾を撃たれたノイズは、一瞬にして消えてなくなった。

「弾丸の勇者!キョウリュウブラック!」

 

青い戦士は、進行方向に立っていたノイズを抱き着くととそのまま締め上げた、力が加わった部分から灰になり霧散する。

「鎧の勇者!キョウリュウブルー!」

 

緑の戦士は、足早に走り抜けすれ違いざまに逆手で持った剣ガブリカリバーを振るう、切られたノイズは一泊置いてから切り刻まれた個所から二つに分かれ地面に崩れ落ちた。

「斬撃の勇者!キョウリュウグリーン!」

 

桃色の戦士は、その場で跳躍しノイズの頭頂部を踏みつけ着地するとそのまま片足を大きく上げて回し蹴りを喰らわせた。

「角の勇者!キョウリュウピンク!」

 

金色の戦士は、空中を滑空し手に付けたガブリチェンジャーのレバーを引いて光弾を撃ちだし着地地点のノイズを蹴散らすと手にした幅広の太刀を振るい電撃を放ちながら切り込んでいく。

「雷鳴の勇者!キョウリュウゴールド!」

 

先頭集団が全滅すると、後方に控えていたノイズを見据えた。

 

「史上最強のブレイブ!獣電戦隊!キョウリュウジャー!」

 

名乗りを終えポーズを取ると、なぜか背後で爆発が起きる。

 

「久びさに、あぁばぁれぇるぅぜぇ~止めてみな!」

 

腕を突き出し高らかに宣言して、また敵の大群に突貫する。

その戦いぶりは、普段ノイズを相手してきた二人から見ても鮮やかだった。

明らかに戦慣れした六人の姿は、怪物との渡り合い方を熟知した洗練された動きであった。

やがて小物が一掃され、大型だけを残すのみたなったノイズを見遣る。

 

「粗方片付いたか?残りは、あのデカ物三体だけだな……。」

 

ブラックが大型ノイズを見据えて、全員に問いかける。

 

「あぁ、一体はケントロスパイカーで倒す。残り二体は、ウッチー!ソウジ!頼めるか⁉」

 

「心得たでござる!キング殿、任せて下され!」

 

「僕も、問題ないよ。それより、早くした方がいいかもね。」

 

また少しずつではあるが、小型ノイズが出現し始めた光景を見つめて言う。

 

「よぉし!じゃあ、早速!アームドオン!」

 

レッドが拳銃のシリンダーを右腕に当てて右手首まで押し付けて下げる、そうするとシ

リンダーに触れていた部分から銀の装甲が現れ手首より後には恐竜の頭の様なファングナックルが装備されていた。

 

「「「「アームドオン!」」」」

 

残りの四人も、同様の方法でそれぞれの武器を発現させる。

 

「じゃあ、後は頼んだよイアン。」

 

「あぁ、任せとけ。そっちも、しっかりなソウジ。」

 

グリーンが自身のクローをブラックに預け、少し四人から距離を取る。

 

「ブレイブイン!」

 

レッドが新たな獣電池を手にして高らかに叫びスイッチを入れると、それぞれの武器と獣電池が宙を舞い合体して剣のような形状なる。

 

『ケントロスパイカー!』

「獣電ブレイブフィニーーーーッシュ!」

『スパパーン!』

 

音声が流れると、三人が腕車を組みその上にレッドが飛び乗って跳躍すると宙に浮いたままのケントロスパイカーを掴んで大型ノイズに向けて投げ飛ばした。

ノイズを刺し貫いたケントロスパイカーは、そのままレッドの手元に戻りノイズが居た場所は爆発した。

 

「獣電池三本装填。」

『ザンダー!サンダー!ザンダーァサンダー!』

 

ゴールドが太刀を開きソケットに獣電池を三本嵌めると、太刀から声が響き電撃を刀身が放電した。

 

「ブレイブフィニッシュ雷電残光!」

『ザンダーァサンダーァ!』

 

上段に構えて振り下ろした斬撃が、英字の羅列の様なオーラに変わり大型ノイズを切り裂いた。

 

「来い!フェザーエッジ!」

 

グリーンが天に手を掲げそう叫ぶと、羽根の衣装が施された剣が飛んできてグリーンの手に収まる。

 

「トリニティストレイザー!」

 

剣閃が光の三角形を描き、翼のオーラが背に現れると三角の斬撃と共に大型ノイズに向けて飛び出し放った斬撃ともに断ち切った。

 

「美しい……なんてきれいな剣なの……。」

 

その剣技を見ていた翼はその美しさに心を奪われた、剣を使う者ゆえの感想であった。

 

「凄まじいな……あんな人たちが居たのかよ……!」

 

奏は、彼らの強さに脱帽していた。

 

「うむ!実にブレイブな戦いぶりだ!」

 

そして、謎の鳥と人を掛け合わせたような人物が彼らを見てそう呟いのであった。

 

恐竜+人間、億千年の時を超え今最強のブレイブチームが蘇った。

聞いて驚け!

 

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