俺が殺人鬼の生まれ変わりってマ?   作:輪廻の主

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めちゃくちゃ難産でした…………。その上駄文と………すみません。リハビリがてら書いています。

原作突入は次回出来れば良いなぁ(願望)

ではどうぞ!


「帰宅部にとっては放課後なんて家までのRTAでしかない」

新学期が始まってはや一ヶ月近くが経とうとしていた。俺達の日常も事件と呼べるものはなく、せいぜいがはぐれ悪魔を狩ったり、アナスタシアやマリー、サンソンや小太郎が告白の嵐に見舞われたり、俺とアナスタシア達が同居していることがクラスの奴らにバレて野郎共に追いかけ回されたりと…………まあそこそこ多忙な毎日を過ごした訳だ。

 

「ん?」

 

何やら邪気………もとい、厭らしい気配を感じて見てみると、そこには兵藤一誠を筆頭とする変態三人組の姿が………。やれやれ、アイツらも懲りないな。どうせ数分後には覗こうとした先の女の子達からリンチを受けるだろう。欲求に忠実な人間は嫌いじゃないが、学習しない人間もどうかと思うな。

 

「どうかした?」

 

あの変態共で頭を痛めていると後ろから声を掛けられた。抑揚が無く、氷のようなイメージを抱かせる。

 

「アナスタシアか。別になんでもねぇよ。世界は平和だなーってさ」

 

「何よそれ。確かに表面上はそう見えるかもしれないわね。でも……」

 

「あぁ。わかってるさ」

 

この平和が……偽りのものだと言うことくらい。嘗ての大戦争から三大勢力は疲弊し、それぞれのトップは和平へと進みたいのだろう。しかしそれを好まない連中もいるのだ。それは内側にも

外側にも━━━。

 

「堕天使がまた怪しい動きを見せてるそうよ」

 

「へぇ?あの研究一筋な総督が何かしでかそうってか?」

 

「それはまだ分からないけれど………。でも、動いているのは極一部らしいわ」

 

「ふぅん?」

 

成る程ねぇ。それなら誰かは予想はつく。大方あの戦争狂だろう。うちの幹部の間でも問題になってたな。神話に名を刻んだ堕天使と真っ向から戦えば、被害は抑えられないだろう。あの戦争狂を相手に、周囲の被害も出さず完封出来る廻り者なんて何人居るよ。取り敢えず、あの世界最強野郎は除く。つーか今どこに居るのか知らねぇし。あと雷電博士と爆弾野郎。…………そもそも廻り者が周囲の被害を考えるとか無理じゃね……?

 

一人で悩み続ける俺に、アナスタシアは小さくため息をついた。

 

「しっかりしてちょうだいな。あなたは私達のリーダーなのよ?」

 

「そうだよな~。やっぱ戦争狂程度はリーダーたる俺が…………んっ?」

 

リーダー?誰が?

 

「俺が?なんだって?」

 

「リーダー」

 

「oh!冗談きついぜアナスタシア!」

 

HAHAHAHAHAHHA★と深夜の通販番組の外国人よろしく笑いかける。俺がリーダーだと?馬鹿を言え。俺はそんなタマじゃない。勝手に動いて、勝手に殺す。誰かに指示を出すなんて無理だし、ましてや戦術なんて分からない。そう言うのはカエサルやヒトラーに任せりゃ良いんだよ。俺は単に仕事をこなすだけ。

 

「別にあなたにカエサルのような事をしろと言ってる訳じゃないわ。それに才能だって違う」

 

あぁそうさ。俺は殺すだけしか出来ない。犠牲が出る前に殺す。速く、鋭く、的確に敵の命を奪う。

 

「でも私が言っているのは、カエサルやましてや【項羽】のようなカリスマ性でもない。もっとこう………私達の身近に居てくれる………精神的に支えてくれるような……」

 

「アナスタシア?」

 

段々と顔が赤くなっているアナスタシアに心配になって声をかける。気づけばアナスタシアとの距離は近づき、お互いの顔の距離は数センチまで迫っていた。

 

互いの吐息が当たる距離まで来た。アナスタシアの右手は俺の胸板に触れ左手は俺の手を握りしめていた。

 

この状況━━━━冷静になれ、霧崎朱鳥━━!!

確かにアナスタシアは美少女。それも超が付くほどの美少女だ。その肌は新雪のように白く。太陽の光に当たるとキラキラ光る銀髪はどんな宝石よりも美しい。儚くも美しい姿とは裏腹に、その心は強く、確固たる強さを持つ。

 

彼女との付き合いはもう数年以上になり、お互いの事も程よく知っている。互いに恋人が出来たことが無いのは知ってるし━━ああああああもう顔近っ、睫毛長っ!肌綺麗だな━━━別に、このまま理性を溶かしてしまっても構わんのだろう?━━━

 

「ッッッな訳あるかゴラァ!!」

 

おもいっきり空いてる右手で己の顔にグーパン★

見事、幻想は砕かれた。

 

「朱鳥!?」

 

俺の奇行に驚いたアナスタシアが大丈夫?とさらに距離を詰めてくる。

 

グッ、やめろっ、いったいどうしたんだ。様子がおかしいぞ。それに頭も上手く回らない。まるで魅了にでもかけられたような………魅了?

 

その時、俺の脳内は霧が晴れたかのように澄みきった。瞬時に一つの魔術を行使する。この学園内で魔術を使えば悪魔達に気づかれるが仕方ない。こんなクソ趣味の悪い事をしでかすのは、人類史の中でも有数のろくでなしと決まっている。

 

俺が行使した魔術によってガラスが割れるような音が教室に木霊する。これにより、俺は確信した。

 

「やっぱりな。発動したってことは、何らかの魔術が掛けられてたってことか。さらに言えば魅了、あるいはそれに関連する何か。ご丁寧に人避けの結界まで貼ってあるとはな。人の思いを弄んで満足か?ええ?おい━━━マーリン」

 

風が俺達を包み込む。さっきまで教室に居た筈の俺達は、一瞬で屋上に連れてこられた。

 

花の甘い香りが脳を刺激する。春の暖かな陽気に包まれると、あらゆる負の感情など忘れてしまいそうに━━━

 

「なる訳ねぇだろドカスが。死んで詫びろや」

 

両手に現れた大物のナイフで斬りかかるが、マーリンは軽く杖で防いだ。

 

「もー、乱暴だなー。ちょっとしたイタズラじゃないか。それにどう?放課後の教室に幼馴染みと二人きり。二人はお互いの成長した姿に男と女を意識して━━━━って、冗談が通じる状態じゃないよね」

 

マーリンは下半身を凍らせられ、その氷は徐々に上半身までも侵食していった。

 

「朱鳥っ!!」

 

「おう!!」

 

アナスタシアのフォローによって身動きが取れなくなったマーリンの首を、俺は一気に刈り取った。

 

マーリンの首が弧を描き花々の上へ落ちた。

 

━━━マーリン。かのアーサー王伝説に登場する魔法使いで、夢魔と人間のハーフであり、半人間の非人間。魔術の腕前はトップクラスなのに、それらを台無しにしてマイナスに行っても足りないくらいぶっちぎりの、人でなしでろくでなし。好き勝手に女達に手を出した挙げ句、最後は楽園の塔に幽閉された。それは今もなお続いている。

 

なら目の前に居るコイツはなんなのか。勿論マーリン本人には違いない。だがマーリン本体ではない。奴が作り出した分身だろう。だから━━━

 

「あいたたた………やれやれ。ホンの冗談だったのに、酷いなぁ」

 

「うるせぇ。お好みなら何度でもバラしてやるよ」

 

本気の殺意をぶち当ててもマーリンは堪えたようには見えない。そればかりかさらりと殺気を受け流しへらへら笑う。

 

「……………永久凍土に封じ込めれば、思考も出来ず永遠に封じ込められるのかしら……」

 

アナスタシアがぶつぶつとマーリンに向かって呪詛を呟いている。やだ………闇堕ち(オルタ化)待ったなし?………ちょっと見てみたい気も

 

「朱鳥?」

 

「…………なんでもない。それでマーリン(ド屑野郎)、何のようだ?」

 

マーリンは正座の状態で、さっきと同じように下半身を凍らせれていた。そんな事をしてもコイツにとってはノーダメージなんだろう。それが更にイラッとする。

 

「今僕の事をマーリンと書いてド屑野郎と呼びなかったかい?」

 

「気のせいだ。良いから早く言えよ。それとも何か?ひたすらバッドエンド固定のゲームをクリアさせるのが良いか?」

 

「ごめん。それだけはやめて」

 

今までのチャラついた雰囲気を消してマジになるほど脅しが効いたようだ。

マーリンは正座から立ち上がった。

 

「ノイマンから新しい依頼だ。この町に堕天使と廻り者が入り込んだらしい。『廻り者を捕縛、或いは排除せよ』だってさ。廻り者の名前はフリード・セルゼン。前世は不明だが、覚醒には至っていないようだ。彼は教会を追放されてる、謂わばはぐれ神父でね。悪魔を殺すためなら同胞すら手にかけるほどの狂人らしい。くれぐれも気を付けてくれ」

 

はっ、なんだそりゃ。態々マーリンを寄越してくるからどんな大事かと思ったら、その程度の事かよ。

 

堕天使がこの町に入ってることは小太郎から聞いてたし、奴らが集めたであろうはぐれ神父供もいるのは知ってた。その内の一人が廻り者か………退屈しのぎにはなりそうだ。

 

「これでノイマンからの依頼は以上となる。捕縛か排除かは現場の君たちに任せるそうだよ。排除した場合、“枝”の回収は忘れずにってさ」

 

「分かってるって。つーかお前、この程度で働かされたのか?」

 

「いやー、私も暇だったからね。それに確かめておきたいこともあったし………」

 

マーリンは目を細めてどこかを見ている。恐らくはここではない別の場所。彼が確かめたかったこととは………?

 

「ま、それも済んだし、大人しく帰るとしよう。じゃあね、二人とも。またホームに帰っておいで」

 

マーリンは現れた時と変わらぬ笑みを浮かべて、無数の花弁に囲まれて消えた。まるで最初から存在していなかったように………。

 

「チッ、言うだけ言って帰りやがって。あーむしゃくしゃする。帰ろうぜ、アナスタシア…………アナスタシア?」

 

アナスタシアは頬をほんのり赤らめ虚空を見つめていた。

 

「おーい。どうしたんだよ。マーリンの魔術が解けてないのか?」

 

彼女に近づいて両手で肩を軽く揺さぶる。すると彼女はハッとして、俺の目をジッと見つめる。

 

「………朱鳥?」

 

「おーそうだぜー。朱鳥さんだぜ。大丈夫か?マーリンの悪趣味なイタズラは今に始まった事じゃねぇが、今回のは更に質の悪いもんだった。今度しっかり報いを受けさせてやろう」

 

俺がそう言って笑いかけると、アナスタシアはさっきとは比べ物にならないくらいに顔を真っ赤にして勢いよく離れた。

 

「あっ、え、えっと………その………わ、私!先に帰るわね!それじゃ!」

 

アナスタシアはあたふたしつつその場から足早に去っていった。残された俺はそんな彼女の後ろ姿を呆然と見ていることしか出来なかった。

 

うわー、なんだよ………めちゃくちゃ気まずいじゃん………。マーリンの野郎………今度あったらバラす。十七分割にバラしてやる。

 

奴が俺達に掛けた魔術は恐らく精神干渉系の魔術。対象の秘めた感情を増幅させるとかそういうやつ…………止めよう。これ以上はいけない。やつのやったことは最低最悪なのは間違いない。今度あったらバラす。殺す。バラして晒して並べてやる。それで良い………。

 

 

 

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「はぁ……はぁ………はぁ!」

 

私は勢いよく階段を下りていく。すれ違う生徒から驚かれるが気にする余裕がない。心の中に渦巻く様々な感情でおかしくなりそうだ。焦り、羞恥、怒り………。今日はいつもと変わらない日のはずだった。授業を受けて、朱鳥達と昼食を食べて、昼から眠気と戦い授業を乗り越える………そして皆で家に帰る。そうなるはずだった。あの最低最悪の人でなしの魔術師が現れるまでは。

 

気づけなかった。気づいた時には、もう遅かった。止められなかった。感情が溢れだして、どうにかなってしまいそうだった。あともう少しで、キスをしていた。それ自体は良いのだけど…………こんな形じゃ無い。マーリンのお膳立てでするなんて御免だわ。ちゃんと自分の意思で、自分の口で伝えるはずだったのに━━━━

 

「きゃっ!?」

 

「あっ!」

 

考えに夢中で、廊下の曲がり角で人とぶつかってしまった。勢いよく尻餅をついてしまう。

 

……………情けない……ぶつかった人に申し訳ない………

 

私はすぐに立ち上がってぶつかった人に謝った。

 

「ごめんなさい!怪我はないかしら………?」

 

「ええ、大丈夫ですわ。でも気を付けてね?他の生徒なら怪我をしていたかもしれないから」

 

自分がぶつかった相手を改めて知った。この人は………

 

「姫島………朱乃………さん」

 

「あらあら、私を知ってるの?とは言っても、私もあなたの事は知ってるんですけどね。アナスタシアさん」

 

姫島朱乃。この学園の二大お姉様の一人で、同じ二大お姉様のリアス・グレモリーの女王。そして…………朱鳥が苦手としている人物。理由は知らないけど、朱鳥は彼女と会うのを避けてる。けど彼女は、どうやら朱鳥を気に入っているようだ。

 

「でもどうしたのかしら?急いでいたようだったけど………」

 

「あっ、いえ、急いでいたわけでは………」

 

…………あぁ、もう……どうしようかしら。悪魔にはなるべく接触しないように決めてたのに……。ここで不自然に立ち去ってしまえば怪しまれる。

 

「そうですわ。折角ですし、少しお話ししませんこと?私、あなたと話してみたいと思っていたの」

 

「………えっ?」

 

 

ニコニコと笑っている彼女の口から出たのは、予想外の台詞だった。

 

 

 

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