「ねえ仲喜、ちょっといい?」
動画投稿が終わると、聞き覚えのある声に俺は呼び出された。このとき、よっちゃんと由美ちゃんは電話ボックスの方に行ってしまい、マルちゃんはCentral Parkの丸善に本を買いに行ってしまっていたので、俺と千歌さん以外ここにはいないはずなのになぜ絵里さんの声が…?
絵里「仲喜、私と一緒についてきてくれる?」
俺「絵里…さん…?」
絵里さんの目は光っていなかった。これはヤンデレか…?
すると千歌さんは言う。
千歌「仲喜さんを連れ出してどうするつもりですか!?」
絵里「内緒♥さあ仲喜、とっとと東京に行くわよ♥」
こうして半ば強制的に俺は絵里さんに連れ出された。
〜※〜
栄から名古屋駅に出て、そこから新幹線で東京へと向かう。
車内では電話がかかってきた。由美ちゃんからだった。
【通話開始】
俺「はい仲喜です」
由美『もしもし、由美だけど、今どうしてる?』
俺「絵里さんと一緒に東京に来いと言われて今新幹線の中だけど何かあったの?」
由美『G5100系が2071年4月1日に全廃されるらしいけどいつ聞いた?』
俺「実は…今年の3月頃葵ちゃんが決めたらしいんだ。その話聞いたときは俺もちょっと絶望したよ。…って由美ちゃん知らなかったの?」
由美『そうだけど』
俺「覚えといてね。それじゃあ」
【通話終了】
その後、絵里さんが目を昏くして言った。
「今誰と話してたの?」
「由美ちゃんとですけど」
「私以外の人とは話さないって約束してくれたわよね。それなのにどうして約束をすぐ破るの?」
そして絵里さんは語り出す。
「私はね、仲喜のことが大好きなの。デビューしたときから応援していた。それで、私思ったの。いつか大地の物語から奪いたいって。…ねえ仲喜、私のことだけを愛して♥そして誰にも渡さないわ♥」
「あの、聞きたいんですけど…『絢瀬絵里と北綾瀬支線』で話した相手って…誰でしょうか?」
「あれはね、あなた宛のビデオレターなのよ。やっぱり仲喜ったら鈍感さんね♥」
〜※〜
東京駅到着後、睡眠薬で眠らされた。起きると絵里さんの家だった。さらにご丁寧に手錠がかけられていた。
「あら?もう起きたのかしら?」
「なぜこの手錠を!?」
「あなたはね、私とここで一生ずっと暮らすのよ。晴れの日も曇りの日も雨の日も風の日もたとえ雷が落ちてもずっと一緒よ♥」
この後、めちゃくちゃ愛のディープキスとハグとナデナデを約1時間されました。
約1時間で止まった理由は…。
♪ピンポーン♪
呼び鈴が鳴ったからである。
やってきたのはダイヤさんとルビィちゃん、そして清ちゃん、光希ちゃんだった。
ダイヤさんたちは絵里さんを説得して中に入ってきた。
ダイヤ「仲喜さん、大丈夫ですか?」
ルビィ「怪我はありませんか?」
俺「大丈夫です…。ありがとう…本当に助かったよ」
俺は涙を堪えることができなかった。
落ち着いたところで絵里さんの家を脱出した。
脱出すると由美ちゃん、マルちゃん、よっちゃん、千歌さんも駆けつけて来てくれていた。
由美「仲喜くん、大丈夫か?怪我はないか?」
俺「由美ちゃん…うわぁーーーーーーん!!会いたかったよぉーーーーーー!!」
男なのに情けない。でも泣かずにはいられない状態だった。ただ俺は女装していた(*1)うえにその姿は女にしか見えないと言われているから何とも言えなかった。
落ち着いたところで沼津に戻り、明日の合同演芸大会に備えることに。
次回はまたネタです。