とある金曜日の学校帰りのこと。校門を出ると誰かが抱きついてきた。誰だろう。
この感じは由美ちゃんじゃない。というかそもそも由美ちゃんがそんなことをするはずがない。
それでも女の子の感触がする。もしかしてAqoursのメンバーか…?
でもこんな日に来るはずがない。再来週から定期考査だって言ってたから。
じゃあ誰だ…?
「うふふ…仲喜さん…♥」
「り、梨子さん!?定期考査と全統模試はどうしたんだよ!!」
「定期テストや全統模試よりあなたのことを気にしすぎてつい名古屋まで来ちゃった♥」
抱きついてきたのは梨子さんだった!!
梨子さんの目は光っていない。これはヤンデレか…?
「ねえ仲喜さん、今日1日中、一緒に居てくれる?」
「それは…無理だ。とある人と約束を入れちゃったし」
「とある人って誰!?」
「由美ちゃんとか」
「由美ちゃんなら私と入れ替わりで沼津に行ったわよ」
「あのバカめ…あとで覚えてろ…」
「だから私と今日は一緒に居ましょう♥」
「それから聞きたいけどこんな俺でもいいの?」
「こんな俺って、何かあったの?」
「ほら、曜さんやよっちゃんの俺への愛って結構重いじゃん。それでもいいのかなって思ったんだ」
「その2人にはもう言ってあるわよ。さあ仲喜さん、私と楽しいところに行きましょう♥」
「楽しいところにって言ったけどあの世なのか!?俺は死ぬのは御免だ!!」
そう言って逃げ出そうとすると急に手に冷たい感触が走った。見ると手錠がかかっていた。
「
「…はい」
大人しくついていくことにしよう。
〜※〜
地下鉄車内で。この時点で手錠は外してくれた。
「なあ梨子さん」
「仲喜くん、その呼び方やめて。梨子『ちゃん』って呼んで」
「失礼失礼。梨子ちゃん、どうしてこうなった?」
「ゴールデンウィークが終わってから私は急に寂しくなったの。それで『なんでだろう…?』って思った。千歌ちゃんや曜ちゃんにも聞いてみた。
そしたら2人の答えは一致していた。『由美ちゃんや仲喜さんがいなくなって寂しくなったんだ』って。
確かに、由美ちゃんやあなたがいなくなったんだと意識をした瞬間から寂しさが増した。
その週の週末からあなたのことしか考えられなくなったの。そしてあなたがいないと生きていけないんじゃないかとも思った。
そこで私は決めた。金曜日、あなたの学校帰りにヤンデレになって抱きつこうって」
「それで現在に至るって訳か」
「でもこれで私はわかったの。千歌ちゃん、ルビィちゃん、花丸ちゃん、月ちゃん、ダイヤさんが由美ちゃんを、曜ちゃん、善子ちゃんがあなたをどれほど愛してるのかってことを。そして私もその一員になることにした。…ねえ仲喜くん、私のことも愛して♥そして今日は1日中一緒に過ごしましょうね♥」
「うん!」
この日は家に誰もいないということで、楽しくイチャイチャ過ごしました。
〜※〜
次の日の朝。
「仲喜くん!起きなさい!!」
「どうしたの!?」
「千歌ちゃんからこんなメールが届いたの」
「えっ?何?えーっと…
『沼津駅にウイング団のための罠として変なゲートが3つ仕掛けられていたんだ』
…これは…」
「心当たりがあるとか?」
「そうだよ!このゲートは由美ちゃんと俺がどうにかしてウイング団ののぶにゃんを嵌めようと思って俺の幼女趣味を…」
「今、なんて言った?」
「『幼女趣味』と」
「なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデ!?あなたはなんでそんな趣味を持ってるの!?正直に答えて!」
「実は…幼女が…かわいいんだよ…」
すると予想通りの反応が。
「そんなことを言う悪い子には、きついお仕置きが必要ね♥私の愛をちゃんと受け取ってね♥」
このあと、ヤンデレと化した梨子ちゃんは俺のことを篤といじめるのでした。
〜※〜
後にわかったが、由美ちゃんも千歌さんとマルちゃんを罠に嵌めたということでお仕置きを食らったとのこと。
ヤンデレは怖いね。でも俺は好きだよ。
次回こそ叱られるシリーズか…?