とある平日、私が部室に入っていったときに中にいたのは月ちゃん、梨子ちゃん、清ちゃんだった。
4人…またあれが始まる。
「ねえねえ千歌ちゃん、この中で一番、古いものを大切にするステキな人ってだーれ?」
清「これって…どこかで聞いたことがあるような…」
月「恐らくチコちゃんに叱られる!の類だと思うよ」
清「なるほど」
私「じゃあ私行こう」
古くから旅館を経営する家に生まれた自分自身を選んだ。
「じゃあ千歌ちゃん、抵抗制御って知ってる?」
「もちろん。最近改造や廃車で少なくなっているでしょ?」
「そこまで知っているんだ。へえー。なんで?」
「えっ?」
「なんで抵抗制御が廃れたの?」
「それは…」
ジャーン!!
これ確かネットで見たぞ。
「えーっと…界磁添加励磁制御も基本は抵抗制御だから…●●●●●●●●はず」
また自主規制かかっちゃったね…。
「つまんねー奴だなぁ…」
「やった!」
「じゃあ紙とペンを用意してー!」
清「これって…」
月「同じパターンだよね…」
梨子「『かいじてんかれいじせいぎょ』を漢字で書いてください!」
そして漢字を書く。合っていると信じて。
解答オープンの時間がやってきた。
最初は…。
「月ちゃん、オープン!」
「自信ないけど…」
月ちゃんは「海自天下零次制御」と書いた。
「次は清ちゃん、オープン!」
「はい」
清ちゃんは「界磁添加励磁制御」と書いた。
「最後に千歌ちゃん、オープン!」
「自信満々だよ!」
私も「界磁添加励磁制御」と書いた。
「なるほど、はい月ちゃん!」
「ひっ!」
「ボーッと生きてんじゃねーよ!!」
「ぎゃあーーーーーー!!」
【VTR 開始】
今こそすべての鉄道ファンに問います。抵抗制御が廃れたのはなぜ?
抵抗制御車が全く走っていない京王電鉄高幡不動駅で聞いてみました。
「うーん…回生ブレーキが使えないから?」
「えーっと…発進と停止の度に発熱を繰り返すから?」
この人にも聞いてみましょう。
リポーター(ルビィ)「抵抗制御が廃れたのはなぜですか?」
梨子「なんで仲喜くんに聞くの!?」
仲喜「そりゃ粘着性能が関係してるんじゃないかな?」
(寝そべりリコちゃん登場)
リポーター(裏声)「ボーッと生きてんじゃねーよ!!」
抵抗制御がなぜ廃れたかも知らずに、やれ「103系が数を減らしているなあ」だの、「吊り掛け駆動なのになんでVVVFの音がするんだろう?」だの、古い車両や制御装置・駆動方式について疑問を抱く鉄道ファンのなんと多いことか。
しかし、リコちゃんは知っています。
【VTR 一時停止】
「抵抗制御は」
ドドン!
「まだ廃れていない〜!」
「千歌ちゃんすごい!」
月ちゃんがそう言ったところでVTR再開。
【VTR 再開】
抵抗制御はまだ廃れていない…。
由美「さすがリコちゃん!中部高速鉄道に入社してもいいんじゃないかな?」
詳しく教えてくださるのは、この番組の準レギュラーとも言える、大地の物語リーダーの青山由美さん。
由美「抵抗制御、それは回生ブレーキが使えなかったり発熱が激しかったり粘着性能が弱かったりしますが最も単純な制御方式なので今でも中小私鉄では主流になっています。それだけではありません」
というと?
由美「回生ブレーキの使える界磁添加励磁制御や界磁チョッパ制御、界磁位相制御も起動時には抵抗制御を使うので広義の抵抗制御としてはバリバリ現役と言っても過言ではありません」
さらに由美さんは語ってくれました。
由美「中部高速鉄道ではこれまで回生ブレーキのついた車両ばかり導入してきましたが、21世紀に入って初めてとなる発電ブレーキ付抵抗制御の試作車を今年の8月に導入することが決定しました。皆さんお楽しみに!」
ぜひ乗ってみたいですね。
というわけで、
抵抗制御はまだ廃れていない…でした。
由美「リコちゃんに3506編成について聞きたいけど、VVVF化するってなったら大反対するかな?」
【VTR 終了】
梨子「いや、それはないかな…」
私はVVVF化大賛成なんだけどね。
すると月ちゃんが語りだした。
「確か由美ちゃんも抵抗制御はあまり好きじゃないって言ってたよ。VVVF化推進派だってさ」
全員「へえー」
しばらくして全員が揃ったところで練習が始まるのでした。
次回は入れ替わりネタです。