マリーに捕まった日のこと。ホテルオハラの一室にて。
マリー「仲喜、逃げるなんてこと考えてないわよね…?」
俺「そんなことはないから!」
マリー「いや、あなたからは私から逃げようなんて雰囲気がものすごく漂っているわ。あっ、そうだ!」
俺「どうしたんだい?」
するとマリーは注射器を用意する。
マリー「私のために…眠ってくれる…?」プスッ
この一言で俺は眠らされた。
〜※〜
起きると次の日の朝だった。しかしなんか右腕だけでなく、左手も少し痛い。
見るとなんと左手に何かICチップが埋め込まれた跡があった!
俺「マリー、俺の左手に何を埋め込んだんだ!」
マリー「それはね、小原財閥と極東電機製造で共同開発した超小型GPS発信機を埋め込んだの。これでいつどこへ逃げてもあなたの居場所がわかるわ♥」
俺「中部高速鉄道の傘下の極東電機製造が俺を裏切っただと…?」
恐ろしくてこの一言を最後に声を失った。
それでもこの前買った浦の星の制服に着替えて逃げる準備をする。
そしてマリーの目を盗んで逃走劇を開始する。時刻は正午。淡島を抜け出し、沼津駅に向かった。
さあ、真の逃走劇の始まりだ!
〜※〜
逃走経路
沼津駅
↓東海道線普通列車
横浜駅
↓京急エアポート急行
羽田空港
↓JAL
新千歳空港
↓快速エアポート
南千歳駅
↓特急スーパーとかち
富良野駅
まあ、富良野まで逃げたら誰も追っては来ないだろう。
そう思ったら知り合いに捕まってしまった。
??「仲喜さん、お待ちしてましたよ…♥」
??「仲喜、久しぶりね…♥」
俺「聖良さん!理亞ちゃん!なぜここに!?」
2人の目は光っていなかった。ここでもまた厄介なことに俺はヤンデレに捕まってしまったのか…。
聖良「一度富良野に行ってみたかったんですよ。生まれて初めて道東に足を踏み入れたのですから」
理亞「私も富良野は初めてよ。そういう仲喜は?」
俺「実はヤンデレと化したAqoursの一部メンバーに追われているんだ。それで逃走先を考えた。名古屋や大阪、長野に逃げたらAqoursは1日以内に絶対に追ってくる。東京だとμ'sの絵里さんに捕まる。逆に広島や九州、四国に逃げるとウイング団にきついお仕置きを食らう。結果残ったのが北海道と東北で、結局自分の地元である北海道を選んだのよ」
聖良「大丈夫ですよ仲喜さん。私たちがいっぱい愛してあげますから…♥」
理亞「追手が来ても私たちが追い返してあげるわ♥」
…はい。追われた先でヤンデレに捕まった私、山部仲喜でありました。
〜※〜
ラベンダー畑駅付近で夕日を見ながらのこと。聖良さんは言った。
聖良「そういえばその浦の星の制服はどうしたんですか?」
俺「これか。これは由美ちゃんが勝手に買ったから羨ましくなってつい自分も買ってしまったわけさ」
理亞「リボンの色がピンクなのはなんで?」
俺「これは部外者である証拠。同じく部外者の由美ちゃんは紫にしているよ」
聖良「なるほど。で、今日は1人なんですよね?」
俺「そうだけど」
聖良「じゃあ私たちと泊まりませんか?ホテルには3人予約していますから」
俺「おっ、ありがとう。しかし、女の子と泊まるなんて初めてだぞ」
理亞「仲喜は不完全に女体化しているでしょ?私は平気よ」
聖良「私もですよ。仲間じゃないですか」
こうしてこの日は難なく過ごすことができた。
〜※〜
次の日、ファーム富田でゆっくり過ごしていると、
??・??・??「仲喜ー!!」
??・??「仲喜くーん!!」
俺「げっ!Aqoursが追ってきた!!」
理亞「逃げるわよ!!」
俺「おう!」
曜ちゃん、梨子ちゃん、よっちゃん、マリー、ルシファーちゃんが追ってきたのでひたすら逃げる。
逃げた先はラベンダー畑駅付近の踏切。
着いた途端に警報機が鳴り出した。遮断器も降りてしまった。
もう逃げられない。
マリー「さあ仲喜、観念しなさい!!」
よっちゃん「もう逃げられないわよ!!」
曜「私たちを見捨てないで!!」
ルシファー「これ以上逃げると地獄に落ちるわよ!!」
梨子「なんでSaint Snowに目を向けるの!?」
マリーは注射器、よっちゃんはスタンガン、曜ちゃんは手錠を用意していた。ルシファーちゃんはネットランチャー、梨子ちゃんは麻袋を持っている。
俺「お前ら、こっち来んな!警察呼ぶぞ!!」
そして俺はスカートのポケットからスマホを取り出す。
すると、
マリー「誰に電話するの!?」
俺「千歌と由美ちゃんと警察にだ!」
マリー「そんな目的だったら預からせてもらうわ!!」
俺「絶対に嫌!!許さん!!」
そして俺とマリーでスマホの取り合いになる。
悲劇が起きたのはそのときだった!
俺「キタキツネがー!」
なんと、俺のスマホは二足歩行のキタキツネに奪われたのだ!
スマホは踏切のど真ん中に置かれ、キタキツネは四足歩行で去っていった。
さらに悲劇は続く。
その後すぐに富良野線の普通列車がやってくる。キハ150形2両編成だった。スマホはその列車にグシャグシャにされた。俺は唖然としていた。
その後、これまで以上にひどいことが起きた。
警報機は止まり、遮断器は上がったが、拾いに行こうとした瞬間、ルシファーちゃんが、
ルシファー「即刻使用!使い捨て魔法陣!出でよ!地獄の使者1001号!」
と言って、1枚の紙を取り出すと、紙にかかれた魔法陣から工事用の掘削機を持った悪魔が登場する。
悪魔A「さあ、これから粉々祭りの始まりだ!」
すると悪魔はグシャグシャになった俺のスマホの上から工事用の掘削機を使う。
カリカリカリカリカリカリカリカリ…
そして悪魔は、
「あっ!バイトの時間だ!」
と言って魔法陣の向こう側に去っていった。それと同時に紙ごと消滅した。俺のスマホは粉々になってしまった。
俺はかつてないほどに泣き叫ぶ。
俺「ど゛う゛し゛て゛な゛ん゛だ゛よ゛お゛お゛ぉ゛お゛!゛!゛!゛ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛!゛!゛!゛!゛」
しばらくして聖良さんは俺に話しかける。
聖良「仲喜さん、ここは3人であの5人を殴り倒しましょうか」
俺「いや、あの5人に一言言ってくる」
理亞「恐ろしいわね…」
実行しよう。
俺「いいか!俺はただ試しに逃走を図っただけだ!この逃走劇は…くだらなくなんかない!!」
曜「それで私たちに何をするの…?」
俺「元Saint Snowと一緒に明日青い池で踊る。それを見てそれで認めてくれなければ俺は内浦に戻る。認めてくれたらもうちょっと北海道に居させて?」
実は前日に2人と踊る練習をしていた。
よっちゃん「…わかったわ。明日朝6時半青い池集合ね」
こうして明日に備える。
〜※〜
次の日の朝6時半を迎えた。
俺たちは踊る。
【♪SEKAI NO OWARI『Love the warz』♪】
終わると拍手喝采だった。実は生中継もしていたらしい。
俺「…でマリー、もうちょっと北海道に居させてくれる?」
マリー「もちろんよ。仲喜の好きにすればいいじゃない。私は諦めた。仲喜は自分なりに頑張ればいいのよ。それに私たちも間違っていたわ。ヤンデレになって1人の人を追いかけることがなんとバカバカしいことなんだろうって思ったの」
俺「つまりは…認めてくれるんだな…」
俺は涙を堪えきれなかった。
マリー「ええ」
この日のうちに5人は内浦に帰っていった。
さて、北海道のあらゆる場所をこれからの3日間で巡るとするか!
次回、新シリーズを書くかもしれません。