時系列としては2022年3月末となります。
※今回は私のほぼすべての作品の目玉である由美ちゃんが死んでしまいます。
※※10月20日に私の独自解釈が入っていることがわかりました。
千歌が亡くなってもうすぐ1年か…。
彼女は2021年4月1日に19歳でトラックに轢かれて亡くなった。
千歌が亡くなってからはいろいろなことがあった。
千歌の死を知ってまもなく俺は沼津を再訪した。そして久々に七瀬港くんという人物に出会った。
港くんはAqoursの解散後、千歌と一緒にアイドルグループを作っていた。しかし、千歌の死後、アイドルは解散し、大学にも通わなくなったと言っていた。
そんなときの救いが俺だったという。
それからまた俺は沼津を定期的に訪れ、港くんの元気づけをすることが多くなった。
しかしながら、その生活もとある人の死をきっかけに崩れ去ってしまった。
そんな中、港くんは俺を新居町駅に呼び出してくれた。
俺も話したいことがあったからちょうどよかった。行くことにしよう。
〜※〜
午後2時半、新居町駅着。港くんはもう待っていた。
俺「やっほー港くん。なんか明るい感じだけどどうしたんだ?」
港「実は僕、幽霊になった千歌に出会ったんだよ。1週間位で彼女は成仏したんだけど、充実した日々を過ごせたんだ。そういう仲喜は最近沼津に来なくなったし暗い表情をしているけど何かあったの?」
俺「青山由美ちゃんって覚えてる?」
港「ああ。君と同じ大学、同じ会社で、一緒にアイドル活動をして、それからよく君と沼津に来ていた人だよね」
俺「そう。実はその由美ちゃんが…
列車の試運転中に起きた列車の爆発で亡くなったんだ…」
港「えぇ〜っ!?」
俺「今月の17日に彼女は全般検査を受けたばかりのG5300系第27編成の試運転を任されたんだ。そしたら走行中に突然エンジンが爆発して…それに巻き込まれた。20歳だった。それからコメット団も大地の物語も予定より20年以上早く解散したうえに全般検査を受けて試運転を行った当該編成も落成から10年足らずで廃車に。その結果、俺は絶望と悲しみで心がいっぱいになり、一歩も外に出られず、大学にも会社にも行けなかったわけさ…」
港「そんな…。君も大事な仲間を失ったんだね…」
俺「ああ…」
俺は涙を流してしまった。港くんも涙を流していた。
そして俺たち2人は抱き合って大声で泣いてしまった。なんか他人から見たら同情し合っているカップルにしか見えないなぁ…。
〜※〜
落ち着いたところで港くんは提案する。
港「仲喜、名古屋港行かない?」
俺「なんで?」
港「僕、いっぺん工業地帯の風景を見てみたかったんだよね。それに隣にはシートレインランドがあるからそこで楽しく過ごすのもいいなって思ったんだ」
俺「それいいね!行こう行こう!!」
とりあえず名古屋港へと向かってみよう。
〜※〜
着いたら午後4時。まずはシートレインランドの観覧車に乗る。
観覧車から見る名古屋港の景色は最高だ。リニア・鉄道館やレゴランドジャパンも向こうに見える。
俺「なあ港くん」
港「どうしたの仲喜?」
俺「おつまみにマカダミアナッツ持ってきたけど食べるか?」
港「おっ、ありがとう。ちょうどよかった。僕も小腹が空いていたからね。それにマカダミアナッツ大好きなんだよね」
そして一緒に食べながら俺たちは話し合う。
俺「そういえば、千歌が亡くなってから…もうすぐ1年だよな…」
港「そうだね…。あの日は本当に辛くて思い出したくはないけどね」
俺「それでもこの1年間でいろいろあったもんな」
港「うん」
そうこうしているうちに観覧車を降りる。
それから、5時のからくり時計を見る。そしてそのまま夕日の見える位置で、かつ叫んでも誰にも迷惑にならない場所に移動した。
その後、名古屋港の夕日を見ているときに突然ギターが落ちているのを見つけた。
…あれ?メッセージが置いてある。誰からだろう…?読んでみよう。
俺「『仲喜くんへ
これを読んでいるということはあなたは姉の由美が亡くなったことを知ったのでしょう。由美は最後に"仲喜くんにいつまでもギターを弾いてほしい"と言ってこの世を去りました。ぜひ天国にいる由美に聞かせてあげてください。
聡平より』」
俺はまた涙を流してしまった。港くんはそんな俺をフォローする。
港「僕ももう一度聞きたいからさ、弾いてみてよ」
俺「…うん」
【♪押尾コータロー『君がくれた
港「やっぱり仲喜のギターは上手だね」
俺「ありがとう」
港「もう時間がないし、最後に海に向かって思いっきり叫ぼうよ」
俺「よし!そうしよう!!」
そして俺たちは息を吸う。そして涙して叫ぶ。
俺・港「バカ千歌(由美)ー!!早すぎるんだよーーーーーー!!!!」
…ふぅ。思いを海の向こうにぶつけることに俺たちは成功した。
そして帰路につく。名古屋南駅にて。
港「仲喜、また会えるよね?」
俺「もちろん!」
港「僕も頑張って大学に戻れるように頑張るからさ、君も大学の授業を頑張れ!!」
俺「おう!!ぜひ頑張らせてもらうよ!!」
2人「じゃあまたねー!!」
こうして今回は解散となった。
思ってみると今回は心を開くいい機会だったと思う。その心を開いてくれた港くんには、感謝の念しかない。
次回もコラボ企画になるはずですが、場合によれば緊急特番を書くかもしれません。