俺は鉄道部に所属している。部員はほとんどいない、いや1人と言っても過言ではない。最近はハーメルンやYoutubeなどを拠点に活動しているが、とうとう素人に紹介するときが来てしまった。その紹介する相手とは…、
浦の星でアイドルをやっている柊瑞翔くんである。
きっかけはとある日の中部高速鉄道沼津駅での会話だった。
瑞翔「…で、お前はどんな部活に入ってるんだい?」
俺「数学部と鉄道部に所属しているよ。鉄道部は非公式なんだけどね」
瑞翔「鉄道部!?俺それずっと気になっていたんだよね」
俺「君がアイドルやってるってのに浦の星に作ろうとか?」
瑞翔「そうだけど」
俺「とりあえず静真高校来ないか?どんな活動をやってるか見てほしいから」
瑞翔「ぜひ行かせていただきます!!」
そして静真高校に向かう。
〜※〜
静真高校にて。
俺「ここが部室だ。数学部の部室を借りているんだけどね」
瑞翔「ところで、鉄道部ができた経緯としては?」
俺「話せば長くなるけどいい?」
瑞翔「いいけど」
そして俺は語りだす。
〜※〜
鉄道部ができたのは去年の4月だった。
もともと俺はこの高校に入ったときから鉄道部を立ち上げようと考えていた。
しかし部員が1年生俺1人と3年生2人しか集まらなかったから生徒会の公認は得られなかった。
それでも理事長が認めてくれたから非公式の部活として成り立ったわけさ。
それから2年になって月ちゃんが加入した。そして部員も2人増えた。
しかし、3人共他の部活や生徒会で忙しくてなかなか鉄道部に来ず、いつも部室は1人になっている。
そして現在に至るということだ。
〜※〜
瑞翔「なるほど。活動内容は?」
俺「鉄道の旅の計画とかその実施、そして鉄道PVの作成などをしているよ。鉄道PV1本見てく?」
瑞翔「いいよ」
そして俺たちは鉄道PVを見る。
鉄道PVとは、録り溜めた鉄道の動画をつなげて音楽と共に再生するもの。読者の皆さんも見てみるといいよ。
動画が終わると瑞翔くんは言った。
瑞翔「ますます鉄道部を立ち上げようという気になったよ!!」
俺「そう言ってくれると嬉しいです。でも…」
瑞翔「でも?」
俺「今の生徒会長って誰?」
瑞翔「仲喜先輩だけど」
俺「それなら大丈夫さ。部員は5人必要だけど恐らく彼は鉄道部には積極的だし入ってもくれるだろう。まあ道のりは遠いかもしれないけど頑張れ!!」
瑞翔「おう!!」
〜※〜
後日、浦の星の鉄道部は立ち上がった。部員はというと…。
瑞翔くん、仲喜くん、ダイヤちゃん、千歌ちゃん、果南ちゃんである。
そこで静真高校鉄道部は浦の星に出張することにした。
しかし誰も集まってはくれないだろう。そんなときに月ちゃんが参加してくれることになった。
浦の星到着。すると…。
生徒A「あの人が静真高校鉄道部の由美さんと…」
生徒B「生徒会長の月さん…」
生徒C「憧れるわね…」
なんかすごい目で見られてるんですけど!!
とりあえず部室に向かおう。部室の位置は仲喜くんが以前教えてくれた。
部室にて。
瑞翔「由美、久しぶりだね」
俺「どうも」
ダイヤ「由美ちゃんのおかげで鉄道部は浦の星にもできましたわ!ありがとうございます!!」
俺「それほどでも…」
今日は鉄道の旅を計画する約束だった。
千歌「みんなはどこに行きたい?」
果南「せっかくだから叡山電鉄にでも乗りに行かない?」
月「お金は?」
仲喜「全部俺と由美ちゃんが出す。中部高速鉄道で稼いでいるから」
瑞翔「じゃあ決定だね、叡山電鉄で」
そして出発時刻などを決めた。
この計画は夏休みに実行することになった。
〜※〜
この旅の後、7人でプレゼンテーションをまとめ、発表をする。
プレゼンテーションは成功した。
月「やっぱり鉄道部って楽しいね」
瑞翔「だろ?」
そこから浦の星・静真の鉄道部はそれぞれ部員も増え、静真は正式に部として昇格された。
ところが、浦の星の廃校により浦の星の鉄道部は静真高校の鉄道部と合併。反対者はなく、すんなりと受け入れられた。
そして合併の日。改めて自己紹介を行う。
初期の部員の兼部先もこれで把握できた。
千歌ちゃん、ダイヤちゃん、果南ちゃんは無し、瑞翔くんはアイドル部、仲喜くんは数学部である。特に果南ちゃんは卒業していたため、千歌ちゃんから聞くことでわかった。
この日の最後には…。
俺「しかし、鞍馬行ったときは大変だったなぁ」
瑞翔「そうだな。突然ダイヤが熱を出したり千歌がきっぷをなくしたりしたからな」
俺「それでも今思えばいい思い出だ。叡山電鉄のきらら号に乗れたし、その先では京阪の50年選手に乗れたし…」
瑞翔「だよな」
俺「そういえばアイドル部の今日の活動は?」
瑞翔「今日の活動はないよ。しばらく大会も無いし練習もそこそこやればいいかなって。そういう由美は数学部はどうなんだよ」
俺「今日はないかな。でも近いうちに名古屋の西白壁高校と交流会を開くからそれまでに問題を作成しなきゃいけないんだけどね」
瑞翔「その問題はもう作ったのかい?」
俺「ああ。これだよ」
俺は1枚の紙を瑞翔くんに見せる。
瑞翔「『三角関数と鉄道路線の総距離』か…。面白そうだな」
俺「もう1枚同じ問題用紙あるけど、よかったら解いてみる?」
瑞翔「いいの?俺さ、数学を伸ばしたいって思ってたんだよね。得意科目が体育と理科で、苦手科目が国語と家庭科だからさ」
俺「それならちょうどよかった。この問題には没になった追加問題があってそれが物理を使って解くものだからそれも1枚あげるよ」
そして俺はもう1枚の紙を渡す。
瑞翔「ありがとう!ぜひ解かせてもらうよ!!」
俺「この問題は受験までに解けるようにしておくべき基本問題だから頑張れよ!!」
瑞翔「了解!!」
俺「ということで今日は解散!!」
全員「ありがとうございましたー!!」
この日はこれにて解散となった。
その後も活動は続くが、また別の話。
特別コラボ企画は残り2話になります。