一昨日の僕のおやつはスイートポテト、昨日のおやつはプリンにした。そしたらまもなく事件は起きた。
なんと!一昨日、昨日のおやつにしたスイーツ達はルビィさんとダイヤさんのものだったとわかったのだ!!
怒られたのは言うまでもない。
ダイヤ「想夜さん!また私のプリンを勝手に食べましたわね!!」
ルビィ「一昨日はルビィのスイートポテトも食べたでしょ!!」
僕「ルビィさんもダイヤさんも本当にごめん!!」
ダイヤ「もう今回という今回は許しません!!罰として、あなたのお金でこれまでに食べたことのないような美味しいスイーツを買ってきなさい!!」
ルビィ「もちろん、コンビニのはダメだよ!!」
家追い出されちゃったよ…。トホホ…。
〜※〜
とりあえず、沼津駅に行ってみよう。
沼津駅に着くと…。
曜ちゃんと由美さんがそこにいた。
由美「あれ?想夜くんじゃん。おはよう」
僕「由美さん、おはよう」
由美「どうしたんだ?」
僕「実は…」
僕はさっきの経緯について話した。
僕「それで追い出されちゃったわけさ」
由美「なるほど」
僕「そういう由美さんはどうなんだよ」
由美「俺は…」
〜※〜
さっきまで仲喜くん、聡平くん、1年生組、マルちゃん、よっちゃんとそこのホテルで王様ゲームをやってたんだ。そしたら…、
8人「王様だーれだ?」
よっちゃん「あっ、私ね!じゃあ6番の人は…
これまでに食べたことのないような美味しいスイーツを自腹で買ってくる!!もちろん、ここのホテルやコンビニのはダメよ!!」
すると…、
俺「6番は…俺だよ!!ど゛う゛し゛て゛く゛れ゛る゛ん゛だ゛よ゛お゛お゛ぉ゛お゛!゛!゛!゛」
マルちゃん「由美ちゃん諦めるずら。王様の命令は絶対ずらよ」
俺「もう参ったよ…」
〜※〜
由美「それで追い出されちゃったわけさ」
僕「なるほどね。曜ちゃんは?」
曜「私は…」
〜※〜
月ちゃんに富山で買ってきた地域限定のすいかゼリーを食べられちゃったんだ。それで…、
私「月ちゃん!私が大事にとっておいたすいかゼリー食べたでしょ!!」
月「本当にごめん!同じの買ってくるからさ、許して!!」
私「あれは地域限定だから静岡県では売ってないんだよ!?」
月「すいかゼリーってどの県にも売ってるんじゃないの?」
この一言で私の怒りは爆発。
私「も゛う゛月゛ち゛ゃ゛ん゛な゛ん゛か゛き゛ら゛い゛だ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛!゛!゛!゛!゛」
〜※〜
曜「それで逃げてきちゃったの」
僕「なるほど」
由美「(これはあの忌々しい逃走劇が始まるぞ…)」
由美さんの心の声はだだ漏れだ。
僕「なんか…忌々しいなんて聞こえてたけど…」
由美「気のせいじゃないか?」
誤魔化しやがって…。
由美「とりあえず、スイーツ探しの旅に出よう!」
僕・曜「うん!」
由美「さあ、浦の星窃盗団、特別コラボ企画編、逃走劇の始まりだ!」
こうして僕たちの逃走劇は始まった。
〜※〜
沼津駅から中部高速鉄道の南国急行鉄道直通列車に乗る。そして島田市駅を通過するとデルタ線を越え、三遠中野駅を通過する。
驚いたのはそれからだった。
なんと!乗っている列車は異世界トンネルという場所を越えるのだった!!
僕「なんか…タイムスリップしているみたいだなぁ…。確か今日はタイムスリップしている感覚の夢を見たけどこのことだったのか」
一方、曜ちゃんは驚いていない。なぜだろう…?
僕「曜ちゃん、なんで驚かないんだい?」
曜「一度由美ちゃんに連れてって貰ったの。これを越えたら大都市に出るんだよ」
僕「えっ?そうなのか!?」
曜ちゃんの言った通り、列車はトンネルを抜けると大都市に出た。最初の駅は銅駅である。
由美「想夜くん、これが月光市だ」
僕「ここで降りるのか?」
由美「いや、まだ終点まで乗る。その間に列車はこの都市とRPGワールドを抜けるんだよ。ちなみに終点の駅名は軽之田っていうんだ。そこに美味しいスイーツがたくさん売っているのさ」
僕「なんか楽しみだなぁ」
由美さんの言った通り、しばらく乗っていると窓の下の方に大平原が広がっているのが見えた。
まるで、高速道路上を走っているみたいだ。
1時間後、終点の軽之田に到着。美味しいスイーツは近くのアウトレットのとある店で売っているという。
由美「さあ、買い物するぞ!」
全員「オー!!」
その店はすぐに見つかった。
そこにはたくさんのプリンやケーキ類などが並んでいた。どれも美味しそうだ。
普通のプリンだとダイヤさんは喜ばないだろう。また、ハロウィンが近いということで売っているかぼちゃプリンにも少々興味がある。
いや、抹茶プリンでもいいかな?ダイヤさんは抹茶スイーツも好きだって言っていたぞ。
そうして迷っているうちに最初の追手がやってきた。
??「由美ちゃーん!!」
由美「仲喜くん!!どうしたんだよ?」
仲喜「俺も王様ゲームで追われた身だ。君が消えてから10分後に『由美ちゃんを追う』って指令をマルちゃんから出されてその結果追い出されちゃったわけよ。って想夜さんも一緒じゃないか。何かあったの?」
僕「実はな…」
僕はあの事情を話した。
僕「それで追い出されちゃったんだよ」
仲喜「やっぱりあの悲劇が起きるのだろうか…?」
今仲喜さんからも不穏な言葉が出てきたけど…まあいいか。
仲喜さんも逃走劇に参加してくれることになりました。
とりあえずもう一度どれにするか決める。
…あれ?スイートポテトもあるじゃないか。まずこれは決まりだ。ルビィさんに買っていこう。
問題はプリンだ。
とりあえず財布の中身を確認しよう。
今あるのは8000円。交通費や昼食代も勘案すると実質使えるのは3000円程度だ。
そして値札を確認する。
抹茶プリンは600円、普通のプリンは350円、かぼちゃプリンは500円か…。
あとスイートポテトは400円だ。
全部買うのは流石に躊躇う。本当に迷っている。
そしたら次の追手がやってきた。
??「想ちゃん!!」
僕「ルビィさん!!」
ルビィ「もう心配したんだから!!こんなとこに出てくるなんて思ってもいなかったんだよ!?」
僕「心配かけてごめんね」
ルビィ「そうそう。ここの美味しいスイーツって言ったら抹茶プリンだってお姉ちゃんが言ってたよ」
僕「ありがとう」
しかもその一言で買うのは抹茶プリンだと決めた。少々高いけど…いいよね?
買い物完了!由美さん、仲喜さん、曜ちゃんも目的のものを買うことができた。
駅に戻る途中、最後の追手がやってきた。
ダイヤさんだった!!
そして忌々しいとか悲劇とかあの2人が言っていたこの逃走劇の意味がこれでわかるのだった。
ダイヤ「ちょっと皆さん!想夜さんをここまで連れてきたのは誰ですの!?もしかして曜さんですか!?」
曜「私じゃないです!私はただの付き添いです!真犯人は由美ちゃんです!!」
するとダイヤさんは由美さんの方向を向いて、
ダイヤ「由美ちゃん、やっぱりあなたでしたのね!?あなたはタイキックですわ!!」
デデーン 由美 タイキック〜!
【♪タイキックの音楽♪】
そしてタイキックのおじさんが現れた。
ダイヤ「思いっきりしばいて差し上げてください!!」
バシーッ!!
由美「痛えーーーーーーっ!!」
これで終わりではなかった。
なんと!タイキックのおじさんがこう言ったのだ!!
タイキックのおじさん「ツギ!ダレ!指名スル!?」
由美「仲喜くーーーーーーん!!」
デデーン 仲喜 タイキック〜!
【♪タイキックの音楽♪】
仲喜さんは思いっきり蹴られた。
バシーッ!!
仲喜「痛えーーーーーーっ!!」
悲劇はさらに続く。
またタイキックのおじさんがこう言った。
タイキックのおじさん「ツギ!ダレ!指名スル!?」
とりあえず言っておこう。
僕「仲喜さん、俺でいいから」
仲喜「じゃあ想夜さーーーーーーん!!」
デデーン 想夜 タイキック〜!
【♪タイキックの音楽♪】
バシーッ!!
想夜「痛えーーーーーー!!」
人生初のタイキックはものすごく痛かった。
まもなくタイキックのおじさんは去っていった。
するとダイヤさんが涙を流しながら僕とルビィさんを抱きしめる。
ダイヤ「想夜さん…ルビィ…心配したのですよ…」
僕・ルビィ「ごめんなさいダイヤさん(お姉ちゃん)…」
しばらくしてダイヤさんは由美さんに言った。
ダイヤ「由美ちゃんも先程はあんなことを言ってしまいすみませんでした」
由美「いやいや俺全然気にしてないから。それに…
仲喜「なんか…哀愁の雰囲気が漂うなぁ…」
曜「うん…」
こうして全員が涙を流した。
〜※〜
しばらくして、全員でこのアウトレットで昼食をとる。この日はこのあと帰りの列車に乗ることになる。
沼津駅にて。
僕「由美さんと仲喜さんは何を買ったんだい?」
由美「今更!?…まあ教えるけどさぁ、チョコいちごムースをよっちゃんに、みかんゼリーをマルちゃんに、ぶどうゼリーをみっちゃんに、さくらんぼゼリーを聡平に買ったよ」
仲喜「俺はそれ以外の人に小倉トーストプリンを買ったんだ」
僕「曜ちゃんは?」
曜「私はティラミスプリンを月ちゃんに、みかんゼリーを自分のために買ったよ」
僕「みんなも美味しそうじゃないか」
仲喜「まあ今日はこれで解散にして今日買ったスイーツを楽しまないか?」
全員「さんせーい!!」
ダイヤ「では今日はこれで解散ということで…」
全員「じゃあまたねー!!」
これにて解散。
家に帰りついてからのこと。
僕「ルビィさん、ダイヤさん」
2人「どうしたの(んですの)?」
僕「約束通り、買ってきたよ」
そして僕は箱の中から抹茶プリンとスイートポテトを取り出す。
その間にルビィさんはフォーク、ダイヤさんはスプーンを用意する。感が鋭い。
僕「食べてごらん」
パクッ
パクッ
ダイヤ「美味しい!!やっぱりこの味ですわ!!」
ルビィ「こんなに美味しいスイートポテト食べられるなんて、ルビィ幸せ〜♥」
僕「そう言ってくれて、俺も幸せだ」
この日はこうして円満に集結した。
今回、僕にとって未開の地へと由美さんは案内してくれた。いつか由美さんにはお礼をしたい。
しかしながら、由美さんや仲喜さんが述べた通り、この逃走劇は忌々しい。二度と起きないことを祈ることにしよう。
次回、2度目の特別コラボ企画は最終話になります。