ある日のこと。私、曜ちゃん、梨子ちゃん、花丸ちゃんの4人で大騒音の鉄道車両について話し合うことにした。まずは私から。
「中部高速鉄道には完璧そうに見える車両があります。3代目G3600系電車です。車体は20m4ドアオールステンレス製で205系先頭車化改造車と209系を折衷したような外観。車内はオールリクライニング付回転クロスシート。前照灯はHID。フォグランプや標識灯・尾灯一体型クリアレンズ式LEDライトもついています。ドアチャイムはJR西日本式。グリーン車も2両連結されています。車内照明には電球でも蛍光灯でもなく、LEDです。パンタグラフはシングルアーム式で整備もしやすいとのことです(*1)。最高速度は180km/h。加速度は1.8km/h/s。車内にはバリアフリー対応トイレや車椅子スペースがつくなど、バリアフリーの面からもほぼ文句なしです。さらに、直流電化・交流50Hz・60Hz・非電化に対応していて中部高速鉄道の区間はすべて走破できます。そのほとんどが可愛く、未来的だからネタにしたいほどのように思えます。
そんな完璧『そうに見える』この車両は、1つだけ大きな問題を抱えていました。それは…
『爆音モンスター』であること。
出力2720psのディーゼルエンジンと400kWの誘導電動機、GTOサイリスタ素子使用のVVVFインバータ制御、そして吊り掛け駆動という大騒音要素がつまっているため、地下駅で騒音を測ると加速時に110dBになります。そのためついた渾名が…
『
しかしながら、この車両は2018年12月に登場したばかりなうえ、他の中部高速鉄道の車両も同様の装備をしていることから、この問題は100年経っても解決されないでしょう。
ただ、昔は120dBも出る気動車が走っていたうえ、地上区間ではあまり気にならないため、公害問題になったことは黒煙裁判(*2)以降、一度もありません」
この車両は沼津にもたまに来るから早くどうにかしてほしい。次は梨子ちゃん。
「これは東京都交通局からなりきり自己紹介スクリプトが届いているのでこれを読み上げます。
…『私、浅草線の5300形っていうの。先代の5000形に比べて丸いデザインを追求して設計されたんだ。設備も当時としては画期的だったけど私にはありがたくない渾名がつけられたの。それは…
"交通局の白い悪魔"。
出力165kWや180kWのモータとGTOサイリスタ素子使用のVVVFインバータ制御装置を持っていたからこんな渾名がついたの。それでも悪魔呼ばわりはやめて!
あと私は後継の5500形に置き換えられて2022年までに全廃されるから写真を撮りたい方はお早めにね』…以上です」
都営地下鉄にそんな電車があるなんてね…。いつか乗りに行けるといいな。次は曜ちゃん。
「北海道を走るキハ201系気動車は…
『バケモノ気動車』
と呼ばれています。450psのエンジンを2台搭載し、加速度は2.2km/h/sということからこの渾名がつきました。たまに黒煙を噴き、爆音も出します。
ちなみにこの車両の開発費は1両あたり…
4億円。
その結果、製造両数はわずか3両編成×4本の12両にとどまったそうであります」
そんな爆音気動車はなんとなく恐ろしい。でもいつか乗ってみたい。最後は花丸ちゃん。
「ソ連ではM62形ディーゼル機関車が大量に製造され、各社会主義国に輸出もされたずら。この機関車はものすごい量の黒煙を出し、加速時の爆音も凄いことからドイツでついた渾名は…
『
また、整備の水準が甘く、燃費も悪く、ヨーロッパの標準軌路線の規格に合わなかったことから東ドイツではドイツ東西統一後急速に淘汰が進み、1998年に全廃。他の国でもアメリカのキャタピラー製のエンジンに載せ替えられたり、リニューアル工事を受けたり、電気機関車に改造されたりしているずら」
そんな機関車が引っ張る客車列車には乗りたくないね。
またあのときと同様、この4つの中でどれを見に行くか決めることにした。
曜ちゃんは、
「北海道やロシアは遠いからやめよう」
梨子ちゃんは、
「都営地下鉄はダイヤさんに調査してもらおうよ」
花丸ちゃんは、
「沼津に来るなら
この3人の意見により
今度もまた他のメンバーを誘ってみたが、ルビィちゃん、善子ちゃんには、
「爆音なんて嫌(だ)よ!」
1年生のみんなには、
清「動画も持ってるし別にええわ」
幸恵「私はその車両が嫌いよ」
光希「10本しかないから来る確率低いし別にいいです」
と断られた。
ところがなんと月ちゃんが、
「
とついてきてくれることになった。
〜※〜
練習後、次の土曜日に沼津駅で待ち合わせようと決めたが、計画実行については次回に書くことにする。
爆音車両は作者も幼い頃は苦手でした。やっぱり爆音車両にはあまり乗りたくないですね。
次回に続きます。