TS光堕ち真祖アルモちゃん   作:ちゅーに菌

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 アルモちゃんは他の溶岩水泳部員とは少々違った方向に突き抜けております。

 タイトルで察しているかもしれませんが、2部3章の一部ネタバレ注意ですので、それを感じた方はプラウザバック推奨です。






アルモちゃんとぐっちゃん

 

 

 

 私にはとてつもなく歳の離れた姉のような存在がいる。

 

 名前を"アルモーディア"と言って、真祖の吸血鬼らしいけど、私がまだ小さいときの夏に実家から付いてきて、私の家の隣にある空き家を借りてそこに住んでいる。

 

 アルモさんが自分の家にいるときは、ゲームかネットをしているか、お酒を飲んでいるだけだから本当に真祖なのかたまに疑問に思う。

 

 でも私が家庭の事情で一人で家にいる事が多いから、そんな時は一日中私の家にいて、家事や料理を全部やってくれて、それ以外の時間は私を膝に乗せたり、抱えたり、スリスリしたりしてくる。

 

 それから、アルモさん曰く、仲のいい同性は普通にお風呂に一緒に入るらしいから一緒に入ってるし、同じように一緒に寝るらしいからアルモさんと寝ている。

 

 なんだかんだ私はアルモさんの事が大好きだし、この関係がいつまでも続けばいいなと思っているんだけど、最近少し気掛かりな点としては――。

 

 

「あれ、アルモさん? 私のパンツ知らない? ピンクでリボン付いた奴」

 

「ああ、それなら今私が履い――古いからもう捨てちゃったぞ」

 

 

 アルモさんが何か言いかけようとしたけどよく聞こえなかった。

 

 えー……あれ、お気に入りだったんだけど……まあ、いいか。何故かアルモさんが家に来ると、私の古いモノが減る気がするんだけど……そんなにポンポン捨てなくてもいいと思うんだけどなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いったい、いつ立香はカルデアに行くんだ……?」

 

 立香ちゃんが既に大人の階段を登り始めるぐらいの年齢になった2015年。それに引き換え、真祖なアルモさんの容姿はさっぱり変わらない。

 

 そして現在、私は秘密裏に今の自宅に増設した立香ちゃん博物館(パニック・ルーム)に置いてある古めかしい鍵付きの小さな宝箱の前に座りながらそう呟いた。宝箱の鍵は私が指で遊ばせており、蓋は開けられている。そして、その中身は"12個"ある虹色の金平糖のような聖晶石であった。

 

「アルモお姉ちゃん……もう石を産めない体にされちゃった……」

 

 このままでは絆礼装まで取れてしまいそうな勢いだ。早急にカルデアの夢火を用意して貰わなければ、カルデアの倉庫番にされてしまう……。

 気を取り直そうと隣に置いてある立香ちゃんの私物が沢山詰まった箱を開けて、その中から立香ちゃんが小学生の頃に使っていたスクール水着を取り出し、水着用のハンガーに掛けて眺めるが、いつもと違って全然テンションが上がらないし、背徳感も感じない。

 

 我ながら絶対私、マシュマーリンで耐久したり、クイック宝具で過労死したり出来るような性能じゃないもん……多分、中途半端に攻撃寄りなだけのサーヴァントだもん……。

 

 ああ……立香ちゃんと一緒になれるならスカサハ=スカディみたいな性能になりたかった……。

 

『アルモさーん……? いないのかなー?』

 

 仕方ないから色々な場所でレムレムしている立香ちゃんのアルバムでも眺めて心を落ち着けようと考えていると、学校から帰って来たと思われる立香ちゃんの声が聞こえて来た。時間的に鞄だけ家に置いて直ぐに来たか、そのまま私の家に来たのかと思うほど早い時間だ。

 

 私は音を立てずパニック・ルームから抜け出し、澄まし顔で立香ちゃんの前に現れて見せる。

 

「はいはい、そんなに呼ばなくても私はここだよ」

 

「あっ、やっと見つけた!」

 

 すると立香ちゃんは嬉しそうにそう言い、続けざまに言葉を続けた。その手には全体的には一切見覚えはないが、刻まれたエンブレムには非常に見覚えのあるパンフレットが握られており、遂にこのときが来たのかと安堵した。

 

「私、カルデアに行くよ!」

 

 経緯とか、過程とか、さっぱりわからないが、立香ちゃんの決意に満ちた瞳を眺めながら、ようやく歴史が動き始めたことに安堵するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目隠しされて連れてこられたからここがどこにあるのかはわからないけど、カルデアに着き、シミュレーターを少し使わせて貰った後。私は気づいたら廊下で寝ていた。

 

 時々、こうやってところ構わず寝ちゃうんだよね私。たまに変な夢も見るし。アルモさんにはレムレムするって呼ばれてる。

 

 白っぽい狐のようなリスのような動物のフォウくんと、メガネの少女のマシュちゃんに起こして貰い、マシュちゃんからフォウくんの世話係2号に任命されちゃった。それからマシュちゃん曰く、一番人間らしいから私を先輩って呼ぶんだって。なんだかよくわからないけど、ちょっと誇らしいかな。

 

 マシュちゃんの次に緑のスーツを着ていたレフ・ライノールさんに会い、今回はレムレムじゃなくてシミュレートによる夢遊状態だったことを知った。それって脳に大丈夫なのかな……?

 

 とりあえずレフさんから中央管制室でカルデアの所長から説明があるということを聞かされたので、説明を受けるため向かったんだけど、また頭がぼうっとして眠ってしまった。

 

 次に起きた時にヒリヒリする平手打ちの後をなぞっていると、マシュちゃんからファーストミッションから外されたことを聞かされた。ちょっと悪いことしちゃったなぁ……。

 

 それからはマシュちゃんに私用の個室に送って貰って彼女とは別れた。部屋に入ると、Dr.ロマンことロマニ・アーキマンさんが何故か私の部屋にいてちょっとびっくりしちゃった。

 

 話を聞くとDr.ロマンは私と同じく所長にカミナリを落とされて、サボり――もとい待機中だった。ちょっと仲間がいることに嬉しく思ったのはナイショ。

 

「別に私、ぼっちじゃないけど?」

 

 ただ、Dr.ロマンのぼっち同士交友を深めようって言うのにはちょっとだけ反論したい。

 

『いつでも私がいるもの。少なくともこのカルデアにいる間はずっと側にいるよ』

 

 姿は見えないけど、やっぱりアルモさんは私の近くにいた。というか耳元から言葉が響き、吐息が伝わってくる。 更に手には何もないにも関わらず、人の手に触れられたような暖かな感触が伝わって来た。その上、アルモさんがスリスリと体を寄せてくる感覚も感じる。

 

「え……? え!? 誰!?」

 

『お初に御目に掛かる。私は立香の使い魔だ。まあ、いないものと思って欲しい。今の私は常人には見えないから、口をつぐめば居ないのとそう変わらないよ』

 

「な、なんだ……立香ちゃんに使い魔がいたのか。ビックリしたぁ……スゴい使い魔だなぁ」

 

 アルモさんが言う通り、私の使い魔だったりする。ちなみに私の魔術師としての唯一の誇りは、アルモさんを自分の使い魔に出来たことだったりする。えっへん。

 

 このようにアルモさんはこうやって完全に消えることが出来る。どうやってやっているのかは、私には全く想像もつかない。

 

 魔術ではないみたいなのに誰も気づかないレベルだから、どうやってやっているのかお姉ちゃんに聞いたら、簡単に説明すると"気によって周囲に自らの存在を透けこませる"って言ってた。もっとわからなくなった。

 

 それから黙ったアルモさんのことは一旦置いておいて、暫くDr.ロマンと会話した。そして、それも終わってDr.ロマンが私の部屋から出て行こうとする時――。

 

 

 大きな爆発音と共に部屋が停電した。

 

 

《緊急事態発生。緊急事態発生。中央発電所、及び中央管制室で火災が発生しました。中央区画の隔壁は90秒後に閉鎖されます。職員は速やかに第二ゲートから退避してください。繰り返します。中央発電所、及び中央――》

 

 

 無機質なアナウンスが響き渡り、Dr.ロマンが驚く中、何故か私はカルデアで初めて会ったあの人(マシュ)が無事なのかどうかに意識が向いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 赤々と燃え盛る管制室。真祖だからなのか、人間が燃える臭いもあまりなんとも思わなくなってしまったのはちょっとだけ寂しいが、人間に戻りたいわけでも無いのでそれ以上考えることはない。

 

 視界の奥で立香ちゃんがマシュちゃんを探すのを眺めながら、折角なのでこちらも知り合いを探すことにする。人間のように振る舞ってはいるが、人間になっているわけではないので、私には直ぐに見付けられた。

 

 管制室の隅にある大きな瓦礫をひっくり返して瓦礫と瓦礫の間の空間を露にすると、一台のやや変形したコフィンが出て来た。ブレーカーが落ちて止まっている上、開閉に支障が出る程度に変形していたため、真祖の力で無理矢理抉じ開ける。その中には全身に破片が突き刺さり、片腕と片足が潰れている昏睡状態の女性がいた。

 

 "ツインテールに眼鏡を掛け、まるで文学系少女ですよとでも言わんばかりの容姿"に彼女の人となりをずっと昔から知っている私としては抱腹絶倒ものであるが、笑っている時間はない。

 

 私は片腕の手関節から先をもう片方の手で爪を立てて切り落とした。滑らかな断面から血液が溢れ、それは下――彼女の口に零れ落ちた。

 

 先の先のことを考えると、こんなことしない方がいいということはわかっている。だが、友人として見つけてしまったならばこうすることが一番自然であろう。

 

 何より人理修復だの亜種特異点だの(こんなめんどくさいこと)に私一人だけが四苦八苦して、コフィンでコールドスリープなど許さん。お前も道連れだ……。

 

「――――――ッ!?」

 

 赤黒い光と共に命を吹き返すように彼女の体が大きく跳ね、全身の損傷がビデオを逆再生しているかのように修復されていった。

 

 その間に私は切り落とした手を腕にくっつけるとそのまま繋がった。相変わらず、我ながら便利な体である。

 

「つ……うぁ…………?」

 

 そして、激しい光によって起こされた時のように顔をしかめながら彼女――芥ヒナコこと虞美人は目を覚ました。

 

「ハロー、ぐっちゃん。お目覚めいかがかな?」

 

「――アルモちゃん……?」

 

 どうやら寝惚けているらしい。長い長い付き合いで一度たりとも呼ばれなかった愛称がぐっちゃんの口から零れている。

 

 そんなことを考えながらアナウンスに耳を傾けると、既にレイシフトの秒読みが始まっていた。一応、逃げないようにぐっちゃんの両肩を掴んでおこう。うん、女性っぽい柔らかい感触。

 

「………………ハッ!? お前なんでここ――」

 

 覚醒したぐっちゃんは、そこまで言ったところで口の回りに付いた血に気づいたのか、それを袖で拭うと真顔でじっと見つめる。そして、ぷるぷると震えると吐き出すように言葉を放った。

 

「ねぇ……この口の中の甘ったるい味と匂いはまさか……」

 

真祖()の血。一番搾りの無添加100%だよ」

 

「――!!!? お前ふざ――」

 

 鬼のような形相に変わったぐっちゃんが、そこまで言ったところで、レイシフトがスタートし、強制的にぐっちゃんとの会話はシャットアウトされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 眠りから醒めるような感覚と、生き物と人工物が焼けるようなあまり嗅いでいたくはない臭いと共に私は覚醒した。

 

 瞳を開いて立ち上がれば、眼下に広がるのは、崩れた瓦礫に炭のような木々と燃え盛る光景。既に終わった世界あるいは地獄のような景色を見て、ここが最初の特異点である炎上汚染都市冬木だということを理解する。

 

 それと同時に胃の辺りを背中からブスリと鋭利な刃物で突き刺された感触が伝わってきた。

 

「おい、どういうことだ……?」

 

 ちらりと棺を背負っていない方の後ろを見てみれば、眼鏡の中に器用にもハイライトを消した様子のぐっちゃんが目に入る。新手のヤンデレだろうか? 積極的だなぁ……もう。

 

「なんでお前がこんなところにいる……!? あの爆発はなんだ!?」

 

「その台詞は私も言えるんだよなぁ……」

 

 下手すると爆発の首謀者に仕立て上げられそうな剣幕で詰め寄って来たぐっちゃんにそんなことを呟きつつ、これからどうしようかと考え――。

 

 背後から隠す気の全くない殺気と重圧。また、どちらかと言えば獣に近いそれを感じ、私は背に持つ棺を真っ先に放り投げ、続いて背後に立つぐっちゃんに足払いをして体勢を崩した上で棺と同じ方向に投げる。

 

「何を――」

 

 驚きと共に私を見るぐっちゃん。開いた口から覗く八重歯が大変可愛らしくて結構。彼女には私の背後に何がいるか見えているのか、それ以上の言葉はなかった。

 

 次の瞬間、私に何かが当たる感覚の直後、肩口から足に掛けて全身をバックりと切り裂かれる。真っ二つになった体の断面にちらりと目を向けると、お世辞にも綺麗に斬られたとは言い難い状態であり、鈍器のような刃物で力任せに両断されたことがわかる。

 

 そして、私を斬った相手に目を向ければ、全身が影のようなものに覆われて容姿の判断は難しいが、それでも岩のように肉厚で重厚かつ巨大な男がおり、私に向けてもう一度、岩剣を振り下ろそうとするところであった。

 

「おい、レイシフト場所ふざけんなよ……」

 

 その呟きの直後、私は頭ごと体を叩き潰された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「■■■■■……」

 

 アルモーディアを叩き潰し、地面の血染みへと変えた影のようなモノに覆われた大男は、石剣を肉と血の塊から引き抜き、棺に体を預けるようにして地面に倒れているもう一人の人物――芥ヒナコへと目を向ける。

 

「はぁ……」

 

 するとヒナコは眼鏡を直しながら何故か溜め息を落とす。そして、呆れたような哀れんだような表情を浮かべると、ポツリと呟いた。

 

「所詮、人間の浅知恵だな。それは正真正銘の真祖――私ごときでは足元にも及ばぬ怪物だ」

 

 次の瞬間、大男の胸に腕が生えた。それはほっそりとした女性の腕であり、その手には大男の体内にあった何かが握られている。

 

 大男は引き抜こうともがくが、背後にいるそれは大男よりも若干筋力があるのか、ほとんど力が拮抗しており、まるで動かせる気配がない。

 

「なんだ……シャドウサーヴァントだから"十二の試練(ゴッド・ハンド)"は無いのか?」

 

 それは全身を再生している途中で、半分ほど中身の見えている状態のアルモーディアだった。

 

 彼女はそのまま大男の背中から腕を突き入れ、貫通させていたのである。まだ、顔を含む頭部の半分が崩れており、剥き出しの眼球と歯が覗く様から、かつての美貌は見る影もない。

 

 そこにいるのはただの真祖という化け物に他ならなかった。

 

「まあ、どうでもいいや」

 

 アルモーディアは手の中にある物体を握り潰し、大男から飛び退く。その瞬間から大男の存在は、糸がほどけて行くように薄れ始める。

 

「■■■■■――ッ!」

 

 しかし、崩壊しつつある体でも尚、大男は止まらず、距離を取ったアルモーディアへ向けて地面を割るほどに踏みしめながら獣のように襲い掛かった。それは最期の足掻きにも関わらず、全く衰えた様子はない。

 

 対するアルモーディアは、ようやく肉体の再構成を終えたのか、最後に出来上がった片腕の感触を確かめるように動かしながら、棒切れのように特に構えとしては持たれていない大男の岩剣に目を向けている。

 

 アルモーディアは腰を落として地面を蹴ると一直線に大男の懐深くへと飛び込んだ。

 

 更にその場で振り上げられる前の岩剣の柄を両掌で挟み込む。そして、素手で岩剣を止めたまま、真祖の恵まれ過ぎた肉体による文字通りの怪力にものを言わせ、全身の力を込めた肘打ちを放った。

 

 柳生新陰流――"無刀取り"。見るものが見れば舌を巻く程卓越した徒手による技である。

 

 結果として大男の巨体は岩剣を落とすと共に羽根のように浮き、近くの瓦礫へと撥ね飛ばされて打ち付けられた。

 

 立ち上がろうとした大男だったが、そこに軽々と大男の岩剣を持つアルモーディアが急接近し、技量も何もない振り下ろしによる一撃が命中し、トマトが弾けるように大男の頭部が潰れる。

 

「私を殺したんだ。お前も死ね」

 

 アルモーディアがそう吐き捨てた直後、頭部を失った大男は崩れるように消え去り、その場には小さく溜め息を吐く彼女だけが残された。

 

「全く……勘弁してくれ。こちとら半世紀は体をマトモに動かしてないんだぞ? リハビリ相手にあんなのはお呼びじゃないっての」

 

「相も変わらず、お前は"人間の武術集め"が趣味なのか……」

 

「徒手武術と言え、徒手武術と。そりゃ、ぐっちゃんと同じで長い長い時間だけはあったからな。やっぱり、この世界に生まれたからには武術を覚えないなんて損じゃん?」

 

 "真祖のクセに……"と言わんばかりの半眼でヒナコはアルモーディアを睨むが、彼女は当然とばかりの様子を一切崩さず、どこ吹く風である。

 

「んー……さてさて――」

 

 それからアルモーディアは棺の下へと向かい、それを再び背負うと、首を鳴らし、一度大きく体を伸ばす。

 

 そして、それまでとは打って変わり、頬を染めながら笑顔になると、年頃の乙女が胸を弾ませているような軽やかな足取りで歩き出した。

 

「さあ、私の立香ちゃんはどこかな!? ああ……酷い目にあってないか心配だ! 待ってて、アルモお姉ちゃんは今行きますよー!」

 

「待て……待ちなさい! 待てと言っているでしょう!? 一人で勝手に行くなぁ!?」

 

 そんなアルモーディアにヒナコはついて行く。その様子はまるで対照的であったが、不思議と互いに嫌悪や憎悪をしているようには全く感じず、むしろ我が道を行く女とそれに振り回される女友達のような構図に映った。

 

 

 

 







アルモーディアの他の真祖と変わっているところ
 折角、型月世界に転生したので、手当たり次第に人間の徒手武術を極めている。また、実際のところ、アルモーディアの武術における才能はお世辞にも高いとは言い難い程度であるが、それをあり余り過ぎる莫大な時間を費やすことで習得に繋げている。
 無論、人間だった前世の経験とある種の諦めから、独学で武術を覚えるなどありえないと感じているため、武術ごとに異なる人間に頭を下げて師事し、基本的にその者が寿命で死ぬ程の時間が経過してからようやく達人の域まで極まる。
 故に真祖の中でも当時からかなり浮いており、人間に頭を垂れる真祖として、後ろ指差されることも多かったため、真祖の友人は誰一人として居なかった。ぼっち真祖。


ぐっちゃん
怪文書のアサシン。








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