TS光堕ち真祖アルモちゃん   作:ちゅーに菌

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 キリがよかったのでちょっと短めです(約5000字)。ちなみにストックなどは一切ないので、そろそろ毎日全て書いた上で投稿するのが、キツくなってきましたが、まだ頑張れると思うので頑張らせていただきます。





おっぱいタイツ真祖

 

 

 

 

 "影の国"。それはケルト・アルスター神話における魔境・異境であり、数多の亡霊から魔獣・幻獣――。

 

 

「いや、師匠……? 私はその……ルーン魔術とか、あなたの知る徒手武術をご教示して頂きたかったわけでしてね……槍まで教えてくれなくてもいいんですよ……?」

 

 

 果ては最近、真祖まで現れるようになったという。

 

 現在ここには、顔をひきつらせながら修練場の地面で正座している美女――真祖アルモーディアと、それを見下ろしながら向かい合っている美女――影の国の女王スカサハがいた。

 

「ふふっ……アルモよ。そんな固いことを言うな。儂自身、お主から教わることが多々あり、これからまだまだ教わることもあろう。これはその礼のようなものだ」

 

 その言葉と共にスカサハは滑り込むようにアルモーディアの背後に立つと、両肩に手を置く。一方、手を置かれたアルモーディアは、ここに来たことそのものが間違いだったと言わんばかりの表情で、顔を真っ青にしている。

 

「では手取り、足取り教えてやろう。なに、幸いにも互いに時間なら幾らでもある。私が教えて、槍を極められない、ということはない」

 

「やだ! 小生やだ!」

 

「仮にあったとしたら私は死ぬまで貴様を教え殺すので、"このスカイ島から生還する"という事は"槍を極められるようになっている"ということだ」

 

「すいませんゆるしてください! なんでもしますから!」

 

「ん? 今なんでもすると言ったな? では修業を始めようか」

 

「チクショウ!? ダメだこのおっぱいタイツ師匠全く話にならねぇー!?」

 

 ちなみに三つ指をついて綺麗な土下座を見せたアルモーディアが何故か着させられているのは、スカサハと全く同じデザインで色の白いタイプのタイツのようなボディスーツである。

 

 なので端から見ればおっぱいタイツ真祖であったりする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それがクーちゃんが師匠のところに来る、100年か200年ぐらい前の話だね。正確には忘れたけど」

 

 現在、崩落した洞窟内をアルモーディアとクー・フーリンを先頭にして歩いていた。岩と土砂に完全に埋まった道にも関わらず、アルモーディアが歩こうとすれば先の道が更なる崩落の後、人の通れる道へと変わっていった。空想具現化によるゴリ押しであろう。

 

「だからお前……オレが行ったとき、スカサハのとこの城で修練相手兼メイドの真似事やらされてたのか……」

 

「くらえー! 超短期間でクーちゃんに抜かれて師匠からゲイ・ボルクを渡されるのを見た私の嫉妬ー! というか、クーちゃんのゲイ・ボルクは私も作るの手伝わされたんだぞー!」

 

「あっぶねっ!?」

 

 "ぶらぁぁぁぁぁぁ!"と奇っ怪な叫び声を上げながら、空想具現化でルビー製の手乗りゲイ・ボルクを形作り、楊枝でも飛ばすようにデコピンで射出するアルモーディア。ただ飛ばしているだけだが、ルビーの硬度と真祖の腕力によって弾丸のような威力と化しているため、矢避けの加護を持つサーヴァント以外に行うのは非常に危険である。

 

「その間に現れた魔王はどうしてたのよ?」

 

「師匠と一緒に狩りに行った。スゴい楽だった」

 

 "正直、もう全部師匠ひとりでいいんじゃないかな? と思った"などと質問を投げ掛けた芥ヒナコに返すアルモーディア。そのノリは非常に軽い。

 

「つ、つまり真祖であるアルモーディアさんが、実質クー・フーリンの師匠をも務めていたということですか!?」

 

「いやいやいやいやいや、師匠を差し置いてそんな――」

 

「まあ、そういうことにも一応はなるな。どっちかと言やぁ、姉弟子だが」

 

「えぇ……いや、クーちゃんが認めないで――」

 

「アルモさんスゴいなー」

 

「立香! スゴいでしょアルモお姉ちゃん!? えっへん! おら! 槍はどうした馬鹿弟子! なに座に置いてきてんだよバーカ!」

 

「テメェ……昔より随分アレな奴になったなぁ!?」

 

 暫くアルモーディアから、クー・フーリンですら曖昧だったようなケルト神話時代の話を聞きつつ、大聖杯へと向かう。

 

 

 

 

 

 そして、大聖杯までもう少しというところで最後の休憩を取る最中、オルガマリーがドライフルーツを隠し持っていたり、立香を労ったりした後、アルモーディアは真剣な面持ちで口を開いた。

 

「さて、クーちゃんによればこの先にいるセイバーはアーサー王だったな」

 

 そう呟いてからアルモーディアは難しい顔になり、更に言葉を続ける。

 

「だとしたら厄介なんてものじゃないなぁ……アルトちゃんの約束された勝利の剣(エクスカリバー)はマジでヤバいぞ。仮に全力の解放を正面から直撃したら私が消し炭すら残らず消し飛ぶぐらい」

 

「し、真祖ですらそう感じるレベルなの……?」

 

「星の武器だからあれは特別だ。まあ、私ならいつものなら、直撃しても全力で防御してれば完全に肉体を消し飛ばされるまで数秒ぐらい時間があるから、その間に射線から逃げ出せば大丈夫だけど――というか大丈夫だったけど。問題は連発されたりでもしたら流石に洒落にならないってことだな。その辺どうよクーちゃん?」

 

「そうだな、大聖杯で変質している以上は、向こうの魔力に底があるとは考えねぇ方がいい」

 

「ど、どうするのよ!? そんなのどうしようもないじゃない!」

 

 悲壮な表情で叫ぶオルガマリー。しかし、それとは対照的にアルモーディアとクー・フーリンの表情は明るく、それに加えてアルモーディアは心底面倒そうであり、クー・フーリンは隠しきれないほど愉しげであった。

 

「ヘッ、久し振りにお前の"アレ"が拝めるってこったな」

 

「あんまり使いたくないんだけどなぁ……柄じゃないし……めちゃくちゃ痛いし」

 

 そう言いながらもアルモーディアはマシュを自身の目の前に呼ぶ。そして、短い言葉を呟いた。

 

「だからマシュちゃんは全力で初撃(エクスカリバー)を止めてくれ。火力は私が用意する」

 

 そう言って、アルモーディアはどこからともなく、あるものを取り出すと利き手で握って見せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが大聖杯……超抜級の魔術炉心じゃない……なんでこんなものが極東にあるのよ……」

 

『資料によると、制作者はアインツベルンという錬金術の大家だそうです。魔術協会に属さない、人造人間(ホムンクルス)だけで構成された一族のようですが――』

 

「悪いな、お喋りはそこまでだ。奴さんに気づかれたぜ」

 

 こちらと対峙したのは黒い西洋甲冑を身に纏った一体の女性サーヴァント。何よりの特徴は外見でなく、魔力放出によって全身から滲み出る、暴力的なまでの暗く黒い荒れ狂う魔力であろう。

 

 そして、その手に握られているのは、黒々と変質してはいるが、紛れもなく約束された勝利の剣(エクスカリバー)そのものであった。

 

「誰かと思えばアルモーディアか……今度は本当に死にたくなったか?」

 

 開口一番にアーサー王は、アルモーディアを眺めてそう呟く。どうやら例に漏れず、生前に面識があるようである。

 

「おひさー。うわー、今の君は優しさの欠片も残ってないね。人の心もわからない上に、優しさまで捨てちゃったらただの化け物じゃん」

 

 それに対して相変わらずの態度で言葉を返すアルモーディア。しかし、その様子には一切の気圧されも、言葉の震えもなく、この真祖は今のアーサー王と同格かそれ以上の風格があると周囲の者は感じ取っていた。

 

「なんとでも言え、それよりも――」

 

 その後、アーサー王はマシュに目を向けて関心を示す。正確にはマシュの持つ盾に対してのようだが、この場においては大した違いはないだろう。

 

「構えるがいい、名も知れぬ娘。その守りが真実かどうか、この剣で確かめてやろう!」

 

「来ます――マスター!」

 

「うん、一緒に戦おう!」

 

 マシュと立香が言葉を交わし、アーサー王から放たれる約束された勝利の剣(エクスカリバー・モルガン)に対して、疑似展開/人理の礎(ロードカルデアス)を展開する。

 

「やるぞ、くーちゃん」

 

「おうよ!」

 

 そんな最中、展開されたロードカルデアスの後ろでアルモーディアとクー・フーリンが声を掛け合う。そして、アルモーディアの利き手に一本の"矛先から石突きまで赤い槍"が出現した。

 

 それと同時にアルモーディアの服装が白を基調とした体のラインに沿うように設計されたボディスーツへと変化する。

 

「――――!」

 

 次の瞬間からアルモーディアは槍を構えて体を弓のように引き絞る。それは人間が持ちうる投擲方法を更に発展させ、最早人間には不可能なレベルまで昇華した、ろくでもない外法である。

 

 それと同時にアルモーディアの全身が軋み、肉が弾け、骨にヒビが入る、それでもまだ彼女は構えを強め、次々と体組織が崩壊する音と感覚、そして激痛を耐えながら一点を狙いすましていた。

 

「焼き尽くせ木々の巨人――灼き尽くす炎の檻(ウィッカーマン)!」

 

 ロードカルデアスがエクスカリバーによる黒い奔流を止めた直後。クー・フーリンは己の宝具であるウィッカーマンを解放し、続けざまに放たれる数多のルーン魔術と共にアーサー王を攻撃した。

 

 しかし、それは一度宝具を解放しただけであり、対魔力の極めて高いアーサー王をあまり傷つけず、エクスカリバーに沿うように放出された魔力によって切り裂かれ、真っ二つにされる。

 

抉り穿つ(ゲイ・ボルク)――」

 

 だが、何も意味のないような、クー・フーリンのその行為は十分に役目を果たす。

 

 限界を遥かに超えた槍に、真祖の赤黒い魔力と空想具現化の力が合わさった、禍々しいまでの暴力と破壊の光が灯る。

 

 そして、それは遂に動き出したアルモーディアによって投擲された。

 

 

 

鏖殺の槍(オルタナティブ)

 

 

 

 撃ち出された刹那、アルモーディアの手を離れる前に音速の壁を超えたゲイ・ボルクは、感情の揺れすら感じさせないほどのあり得ない速さで一直線に空を駆ける。

 

 直感のスキルを持つアーサー王は何かの予測は出来ていたかも知れない。しかし、その全力の一擲は、因果の力を加味せずとも到底、発射されてから回避も防ぐことも出来るような代物ではなかった。

 

「な――!?」

 

 よってアーサー王の胴体の中央部――心臓にゲイ・ボルクは直撃し、更に内包された魔力と空想具現化による破壊が解放され、ミサイルのように大爆発を引き起こす。

 

 その威力足るや、一撃でアーサー王の霊核を吹き飛ばし、周辺に巨大なクレーターを作る程であった。

 

「貴様……徒手以外もできたのか……」

 

「そりゃあ、覚えるしかない事態になればな。酔狂な奴もいるんだよ」

 

 頭部と上半身の一部以外の全てを喪失し、ほどけるように消えていくアーサー王はそんなことを呟く。

 

 ゲイ・ボルクを回収してどこかへと消し、服装も元の白いドレスへと戻ったアルモーディアは、遠くを見るような表情になりながらそう返す。

 

「まあいい……グランドオーダー――聖杯を巡る戦いは、まだ始まったばかりだ」

 

「そうかい、じゃあな」

 

「ああ、いつか覚えていろ……アルモーディア――」

 

 今度あったときに仕返ししてやろうと言わんばかりのその言葉を最期にアーサー王は消えていった。その様子にはアルモーディアは一言、"相変わらず負けず嫌いだなぁ"と溢し、少しだけ惜しそうに笑みを浮かべていた。

 

「まあ、呆気ねぇが、こんなもんだろ。一人の王なんざな」

 

「そうだねぇ。クーちゃんもばいばい」

 

「おう、じゃあな。後は任せたぜ、アルモーディア! それとマスター。次があるんなら、そん時はランサーとして喚んでくれよ!」

 

 それだけ言うと、クー・フーリンもまたアーサー王と同じように消えていった。

 

 それらを見届けたアルモーディアは、少しだけ感傷に浸るように目を瞑っている様子である。話し掛けれる気配ではない彼女をそっとしておき、他の人間同士で会話をし、労い合う。

 

「さてさて……」

 

 比較的すぐに目を開いたアルモーディアは立ち上がり、立香の前へと移動すると、気を張ったままの様子で言葉を吐く。

 

「皆、まだ残ってる。スーツの趣味の悪い男が一人な」

 

 

『真祖にそこを言われるとは心外だな。一応、一張羅なのだがね?』

 

 

 すると聖杯の周辺から声が響く。そして、アルモーディアの言葉の通り、一人の男が姿を現した。

 

「いや、まさか君たちがここまでやるとはね。計画の想定外にして、私の寛容さの許容外だ。48人目のマスター適性者。全く見込みのない子供だからと、善意で見逃してあげた私の失態だよ。その上、真祖まで連れてくるとはね」

 

 それは緑のスーツを着て、紫色のネクタイを結んだ男――レフ・ライノールであった。

 

 

 

 







~アルモちゃんの宝具 その1~

抉り穿つ鏖殺の槍(ゲイ・ボルク・オルタナティブ)
ランク:B+++
種別:対人宝具
レンジ:5~99
最大捕捉:300人
由来:アルモーディアが師匠スカサハから授かった魔槍ゲイ・ボルク。クー・フーリンのものとは異なり、スカサハ本人が使っていた一段階古い同型の得物。
 真祖の身体能力でもって、空想具現化をも使用し、速度と破壊力を底上げされた魔槍ホーミングミサイルであり、その威力と有効範囲は想像を絶する。唯一、スカサハさえも認める、アルモーディアが師を超えた投擲である。
 自らの肉体の限界を超えた全力投擲で放たれる為、発動の度に利き手が引き千切れかけるほどに損傷してしまう上、発射後に自らの肉体が崩壊する程の凄まじいその投擲は、常人だと発狂するほどの激痛が伴う。だが、真祖からすればすぐに体を再生出来るため、別段大した問題ではない。
 ちなみに種別が対軍宝具ではなく、対人宝具である理由は、"こんなものを軍隊に向けて投げるぐらいなら直接空想具現化を使った方が早いし、痛くない"と考えているためであり、個人に対してしか使用例がないからである。



~小話~
 HFの映画のせいで、セイバーオルタに全く勝てる気がしなかったので、アルモちゃんの必殺技(言葉通り)でご退場願いました。


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