日曜の朝、私は目を覚ました。
一昨日、夏帆の体内に異形の因子を植え付けられた。
獅子は同胞とか言っていたが……。
プルルルル、と携帯が鳴る。
私は電話に応答する。
「私」
「私って?」
「夏帆だよ」
「どうしたの?」
「なんか、体が変なの」
「変?」
「うん。なんかね、ライオンみたいな姿してるの」
「今そっち行く」
私は夏帆の家に急いだ。
家に上がり、夏帆の部屋に入ると、ライオンが立っていた。
女性だからなのか、
「夏帆なの?」
「うん」
と、頷くライオン。
「夏帆も変わっちゃったんだ?」
私はチータスに変身する。
「これってなんなの?」
「アニマル戦士だよ」
「アニマル戦士?」
「私たちは異星人と戦わなきゃならない使命があるんだ」
「そんな……」
「それより、元に戻らないとね」
「どうやったら戻れるの?」
「イメージするだけでいいの」
「イメージ?」
「深呼吸して、心を落ち着かせるの。興奮すると変身しちゃうからね」
ライオンが深呼吸をすると、夏帆の姿になった。
「夏帆、散歩でもしよう」
「で、でも、こんな状態じゃ……」
「だからだよ」
「うーん……」
私は夏帆を外に連れ出す。
「ねえ、聡美」
夏帆が私に声をかけた刹那、背後に何者かの気配を感じた。
「誰?」
私は振り返るが、誰もいない。
「どうしたの?」
「今、誰かに見られてるような気がして」
「行こう」
私たちは歩き出す。
背後から足音。
「夏帆、走って」
「え?」
私は夏帆の手を取って走り出した。
「ちょっと、なんなの?」
すると、背後の何者かも走り出す。
私と夏帆は路地裏に入り込み、茂みに隠れた。
何者かも路地裏に入ってくるが、ターゲットをロスして戸惑っていた。
「なにあの怪物?」
怪物はアリのような姿をしていた。
コードネーム、アントマン。
「夏帆はここにいて」
私はアントマンの背後に飛び出した。
驚いたアントマンが振り返る。
「お前は侵略者なのか?」
アントマンは無言で襲いかかってくる。
私は攻撃をバックステップでかわす。
地面に着地し、反撃に出る。
「は!」
アントマンの腹部に蹴りを入れ、その体を吹っ飛ばした。
アントマンは数メートル先の壁にめり込む。
私はアントマン目掛けて突進し、高く飛び上がって強力な蹴りをお見舞いした。
必殺のアニマルキックが決まり、アントマンは四散した。
私は人間の姿に戻り、夏帆の元へ移動した。
「あの怪物が倒さなくてはならない敵よ」
「無理無理! 私、戦えないって!」
「今すぐになんて言わないわよ。少しずつ覚えていけばいいから」
茂みから出てくる夏帆。
「帰ろう?」
私と夏帆は、家へと戻った。