夕映の夕映を追いかける物語   作:アヴァンシア

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『夕映を主役にシリーズ』に影響を受けて書いてしまいました。
更新されるか怪しいですがそれでもいい方はどうぞ。


終わりに

世界には魔法がある。

それは摩訶不思議な現象を引き起こし、現世の者達を魅了する。

それは摩訶不思議な現象を引き起こし、偽りの者達を絶望へと導く。

時には人々の願いを叶え、破滅を引き起こす。

果ては時間を移動し、平行世界へも届く。

それこそは神の悪戯か、それとも人々の反逆か。

 

全ては人の想いである。

 

 

 

 

暑いです。

何故、日本の夏はこんなにも暑いですか。

 

 

外は夏真っ盛りののお昼時、古びたコンクリートむき出しの建物の一室で足を机にかけるようにして椅子に腰を置く女性がポツリと呟いた。

室内には本棚が並びどこか書斎のような雰囲気があり、机や壁には過去の彼女であろう人物が眩しい笑顔を振りまいていた。

 

ここ、YUE'S OFFICEの主である彼女、綾瀬夕映は蒸しかえるような暑さに悪態をつきながら寝不足でクマができた顔を一掃にしかめた。

先日の実験の際に誤って壊れてしまったエアコンが余計に恨めしく思ってしまう。

ここ最近の彼女は不幸続きである。買おうとしたジュースが彼女の目の前で売り切れになってしまったり、麻帆良への侵入者騒ぎに続いて先日の実験の失敗である。

 

 

師匠のラッキースケベではないですが私も厄介ごとに巻き壊れやすくなってるですかね。

 

 

彼女の師である彼は今では立派ではあるがその昔からよくよく厄介ごとに巻き込まれる性質であった。

私にもそれが移ったのではないかと危惧する彼女はここにはいない師へと懸念の念を送る。

 

 

本当にこれでは師匠と同じではないですか。

 

 

夕映は魔法世界での白き翼の大活躍からさらに魔法へとのめりこんでいた。それは師への憧れであったと同時に自身の追及心からくるものであった。

寝る間も惜しみ魔法の鍛錬、研究へ明け暮れる日々。そんな日々を彼女は楽しく、好んでいたしそれに漬かるためにクラスのメンバーで上がった高校は中退してしまった。

昔から興味があったもの以外には無関心で点数が悪かった彼女の癖が出たのだ。

食費等生活費を稼ぐために探偵職などを営んではいるがそれも研究の成果を実践で投入できるからである。

 

 

探偵も楽ではないですね。

こんな休日のお昼も仕事場にいないといけないです。

職を間違えたかもしれません。

今さらですね。

 

 

彼女の目標は師匠と対等になり師匠を支えることであった。そのための努力は惜しまずまるで何か、強迫観念に憑りつかれたかのように魔法、特に強さへの探求を惜しまなかった。

そしていつしか工程は目標へとなり替わり、まさに彼女は魔法に憑りつかれた。それは師が過去に目指していたものを再現するかのうように。

そんな彼女の現在の目先は過去の師匠、もっとも楽しく仲間と競い合い共に戦った頃、魔法世界の危機を救った時の彼であった。

 

目標は高く、そして厳しかった。

師が1か月とかからずに通り過ぎた道を彼女はここ数年かけても突破することができなかったのである。

彼女は元々普通の一般家庭に生まれた者であり、魔法を学んできた下地が違ったのだ。

第二次性徴を終えたであろうことからの魔法学習ではいくら優秀だといわれても覆せないものがあった。

彼女はまさにスランプに立たされそのことがさらに暑さを増させる原因でもあった。

 

 

あれもこれもこの暑さが悪いです。

魔法の研究なんてできた温度じゃないですよ。

 

 

現在の彼女の実力は彼を基準に考えるならば初めて魔法世界に旅立った時と同等。

まだ千の刃の師を仰いでいなかった時代のレベルである。

彼女は知る由もなかったが千の刃の強さの表で示すならば500程。

魔法使い全体として考えるならば相当に強い部類に入るが彼女の周囲の環境がそう認識させなかった。

 

師をはじめ、悪の魔法使いエヴァンジェリン、元紅き翼の高畑タカミチ、そして旧3-A組の面々。

どれをとっても彼らは世界を相手にして戦えるレベルの者達であった。

そのレベルへと足を踏み出すことができない彼女はついに行き詰ってしまったのだ。

 

 

ああ、もうイライラするです。

何かが足りないです。

師匠と私との決定的な何かが、決定的な何かが足りないです。

 

 

彼女が実験を繰り返し、失敗をまた繰り返しているのもその強さの探求がため。

もう社会的にも自信の意思的にも引き返すことのできない域に達している。

ここで諦めることは彼女の生き方そのものを否定することに繋がってしまう。

その考えはまさに同じスランプに達していた過去の彼の姿そのままであり、彼女もまた同じく自身に飲まれようとしていた。

 

彼女の師であった彼はスランプに陥った時、彼のクラスであった者達が彼をフォローし倒れることなく飲まれることなくそれを乗り越えたのだ。

それだけの強い仲間のつながりがあったからこそ彼とその彼らはそこに存在した。

今の彼女には気軽に話をできる仲間というものがほとんど存在しない。

昔の親友であったのどかも今ではあれだけ求めていた魔法や彼に対しての恋愛を諦めてISSDAの技術開発部に勤務し、その日々のほとんどを開発へとあてていた。

親友とは疎遠になりかつてのクラスメイトであった人たちも忙しい仕事や家庭に追われて顔も合わせていなかった。

高校を中退した夕映自身にはそれ以降の新たな繋がりは無く、周りには支えてくれる人物がいなかった。

 

 

そういえば、あれを使ってみるといいかもしれないです。

 

 

ふと彼女はあることを思い出した。

昔、師匠が私のもとを離れる際に渡されたものがあったと。

どうしても強さが、何かを成したい時に使えと渡されたものがあった。

彼はこれがどういったものなのか説明をせずにこの地を去ってしまい、それっきり忘れ去ってしまっていたのである。

 

それはエデンの林檎。

許されざるパンドラの箱。

道を違えた者こそが開いてはならない禁じられた木の実。

 

探していたものは簡単に見つかった。

彼から渡されたものは彼女の机の鍵のかかった一番下の引き出しから数年前と変わらずそこにあった。

無造作に巻かれた白い白紙のロール。

夕映に引き留めるものはいない。

だからこそあっけなく開いてしまった。

悲しくも憧れとする彼の者が歩んだ道をなぞる形。

後に絶望するであろう、その魔法を。

 

 

 

 

 

闇の魔法≪マギアエレベア≫のスクロールを

 

開いてしまった。

 




読んでいただきありがとうございます。

このあとどうなるんでしょうネー。
考えてるストーリーではこのまま過去へ行くことになりそうです。

昔のネギと同じ強さの夕映、うん。
執着とか大好き。


批評等歓迎します。
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