そしてもう一つ謝辞を。今度は内容についてです。
正直色々と試行錯誤して、結局書きたいように書いちゃった結果がこれだよぅ!
冒頭は作者が色んな書き方の練習したってことでどうか。
そして終盤……すまん。シリアスとか求めてくれたかも知れんけど、でも作者の作風って本当はこっちなんだ。
この内容で過去最長。申し開きもござらん。
どうか暇潰しになればそれ以上はありません。
※ななめうえさん、Kongmuさん、パトスさん、arashさん、幽姫兎さん、あんころ(餅)さん。
誤字報告ありがとうございます。
むかしむかし。
とても、ひどく、ずいぶんむかしのおはなしです。
まだ人が、魔女をきらいだったころのはなしです。
海に近い、ちいさな村に、白くてきれいな猫がいたのです。白いけなみに白いきば、白い尾っぽに白いめだま、耳のさきから尾っぽのさきまで、とっても白い猫がいたのです。
そいつは白くてきれいな猫のくせに、ずいぶんないたずらもので、食べ物をぬすんだりして、みんなをよく困らせたものです。町のみんなはとても怒って、つかまえたら皮をはいで、その皮をかざるか売ってしまおうと考えては、いつもつかまえられずにいたのです。
なぜならそいつが、ずいぶんきれいな猫なものだから、みんな
猫に名前はありませんでした。
付けてくれる親は、気付いたときにはいなかったのです。猫を飼う人もいなかったのです(なにせ当時は、猫はあくまのようなものですから、魔女のてしたのようなものですから)。
だから猫は、親猫を知りません。
だから猫は、仲良くする猫を知りません。
だから猫は、人にこびをうることも知りません。
だから猫は──いつも
それは猫が、いちだんと強い春の風をうけて、数えて3回目くらいの日のことです。
町の人々がさわぐのを、猫は
魔女がきた。
悪い魔女がきた。
黒いぼうしを頭にかぶり、明るい色の木の杖と、ヘンテコなマントをなびかせた、おそろしい魔女が、北のもりに住んでるぞ。
みんなは口々に、たいへんだ、兵士をよべ、早くにげよう、確認が先だ、魔法をかけられたらどうする、ああかみよ、そんな言葉をさけんでは、キリキリと歯をならすのです。さわがないのは、小さな子供と赤ん坊、それと道にひざをついて祈るシスターと、耳のとおい老人だけでした。
猫はそんなみんなを目にして、魔女に興味をもちました。猫は魔女とは何か知らないので、こんなにみんながさわぐなら、きっとそれは狼か、見たことないほどおおきな熊にちがいないと思ったのです(もりに住むなら、きっとそうにちがいないのです)。帽子や杖をつけた狼や熊なんて、めずらしい生き物もいたものです。
だから猫は町をでて、北のもりに向かいました。そんなヘンテコで、町の人がさわぐほどの生き物を、この目で見てきてやろうと思ったのです。
もりは町と目とはなの先で、いつもオドオドした木こりが毎日かよっているのですから、迷うことはありません。坂道のまんなかを、王さま気分で猫は歩きます(王さまは見たことありませんが、一番偉い人なのできっと役人のように偉そうにちがいないのです)。とちゅうにあった木の下で、のんびり寝ているノウサギを見ては、木こりやハンターがいないと思いながら、猫はついにもりにたどり着きました。もりはずいぶんと木があって、草も荒れほうだいの野ざらしで、ここに住んでる魔女は、庭のていれがヘタにちがいないと考えて、猫はもりに入りました。
木こりがいつも入っているからか、ちょうど道のようになっている所を歩いたり、たまによりみちしたり、変な虫をおいかけるうちに、開けたところに着きました。オンボロな小屋と、小さな池が並んでて、クルクルまわる
つかれた猫は、その小屋に入って休もうと、小屋の裏の、ネズミのつくった穴を爪でかき、小屋の中に入りました。小屋の中もずいぶんとヘンテコで、むらさき色の草の入ったビンや青いトリの入ったかご、つちのいろをした大きな紙に、絵と文字とまっすぐな線が縦横に書かれたもの、青くて丸いものに台座のついたもの、ガイコツのついたくびかざり、きん色にかがやくうつわに、ピコピコと音のなる板など、たくさんヘンテコなものがありました。
猫はおなかが空いたので、食べ物をさがしました。けれど食べられそうなものは見つからず、見つかるのはカビの生えたパンと、ひからびたネズミばかり。これならもりで虫を食べていた方が、お腹がみたされるというものです。
おなかの虫の居どころがわるくなった猫は、そのままあばれて、うさばらしをしたくなりました。ネズミにかじられたイスをこわし、
そのまま猫は、小屋のすみの穴から出ようとしたとき、扉が開きました。きぃ、と音をたてる扉から、ヘンテコな女が入ってきました。
黒いぼうしに明るい色の杖、それと風もないのにたなびくマントをつけた、目付きのわるい女でした。猫はそのとき、魔女とはその女のことを言うのだと気づきました。
猫はすぐににげようとしました。というのも人は物をおとされると、とてもおこるものですから、石をなげられる前に、さっさとにげてしまおうと考えたのです。
けれどそれは出来ませんでした。なんとにげようとした穴が、土でうまっていくではありませんか。近くにもぐらでもいたのか、あるいはもりでは、土の雨がふるのでしょう。猫には分かりませんでしたが、結局猫はあわれ、女にくびねっこをつかまれてしまいました。
女はキンキンとかん高い声でおこりましたが、ふと猫を何度もみると、小さな声でぶつぶつとひとり言を言いはじめました。
そして女は、猫の方に向きなおると、どうしてか楽しそうに笑うのです。口のはしっこを月のように曲げて、白い歯が小さく見えました。猫はなぜ女が笑っているのか分からなくて、けれどきっと猫のことをバカにしているのだと思いました。
──ああ、哀れな猫だ。親の顔を知らない、仲間もいない、飼い主もいないとは。
──親から愛と知識を与えられず、だから仲間とじゃれあって遊ぶことをせず、だから猫の仲間とのつきあい方も知らず、だから獲物のまともな狩り方も人への媚び方も知らず、だからお前を飼う者はなく、だからいつまでも一人きりな、哀れな猫だ。
女の声が、小屋にひびきました。
芝居がかった、変な口調で女は語ります。まるで肉やの小さい方のむすめが、ごっこ遊びをしているときのような、わざとらしい声でした(猫にはなにを言っているのか分かりませんでしたが、声がうすっぺらいように思えたものですから)。
気がつけば小屋の外は夜になっていたようで、冷たい夜風が猫のはだをなでました。なれしたしんだ夜の寒さがそこにはありましたが、つかまれた首だけが、人の体温を猫につたえました。
──だから、ああ哀れな猫よ。お前に魔法をかけてやろう。
──どんな者でも幸せにする、とても残酷な魔法をお前にかけてやろう。
猫のひたいに、女は杖をかざしました。
太陽のようにあたたかな光が杖のさきならほとばしり、まるで冬のほしぞらのようにきれいでした。
──お前はこの先、何度も死んでは転生し、その因果が途絶えることは無いだろう。あらゆる場所で死に、あらゆる時間において死はお前につきまとい、そしてお前はそれを全て覚えて生き返る。
──生はお前に知恵を授け、死はお前の生を意味あるものとし、けれどお前が報われることはない。誰もお前を見ることなく、誰もお前を覚えることなく、そして誰もお前を愛することはない。
猫に、女の言葉は分かりませんでした。
けれど──その顔は、なんだがとても嬉しそうなのです。わざとらしい笑いかたをするくせに、とても楽しそうなのです。
まるでそれはそう、町で何度も見た顔でした。
親が子供に向けるような、おやかたが弟子に向けるような──いつも偉そうなお役人が、みよりのない子供に、パンをあげていた時のような、そんな顔でした。
──けれど。
──もしお前が運命を見つけたなら、あるいは運命がお前を見初めたなら。
──覚悟しろ。
──お前は残酷な輪廻を抜け出し、愛と自由を手にし、けれど運命はお前を捕らえて離さないだろう。
それを、猫は知らないけれど。
それはきっと、あたたかな春の日差しのように、柔らかなものなのです。
──『希望』しろ。
──お前の未来は残酷なまでに、甘くて柔らかな幸せで満ちているに違いない。
そして猫は死にました。
そして猫は生き返りました。
死んで、生き返って、また死んで生き返る。
それだけのお話でした。
おしまい。
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@月α日
そろそろ退院後のゴタゴタも終わったことなので、バイトを始めようと思う。最近色々と金を浪費しすぎてるから金欠だからだ。葉月ちゃんの買い物でご飯
それはともかく何が良いか……入院前にやってた塾講師は結構楽しかったな。良い子も多かったし、賑やかだったし、やってて楽しい仕事だった。
ただ、俺としてはファミレスも良いかなとか。接客も調理は出来るし、最近開店した近場の店も給料良さそう。これでちっちゃい先輩が勧誘しに来たら即WORKING!!なんだが、あれは北海道でしか起こらない特別な現象だからなぁ……Web版ならいけるかもだけど。
@月β日
真緒にバイトするならどこが良いと思う? って聞いたら、そんなのしなくても良いって即答された。いや、お兄ちゃんお金無いんです。真緒は母さん達からお小遣い貰ってるけど、お兄ちゃんはもう貰えないからね。その辺妹は分かってないんじゃないかと思うよお兄ちゃん。
……一時間二千円で買うよ? って言われてもやらないからな。何やらせる気か知らないけど取り敢えずやらないからな。
@月γ日
ネットとか大学にあった求人広告を家でにらめっこしてると、葉月ちゃんが何してるのか聞いてきたのでバイトを始めようと思うって言うと、何だかポカンとした顔をしていた。どうやらバイトをしたことが無いらしい。まあお金持ちだから経験ないだろうなとは思ってた。
……一時間五千円で買いますよ? って言われたけどやらないからね。真緒より金額増えててちょっと揺らいだりしてないからね。
そして君たちは一体俺に何をさせる気なの?
@月δ日
1日考えた結果、ファミレスの方でバイトをすることに決めた。色々なバイトをこなすのも良い経験になるだろうし、給料良いし……塾講師は教材とか進度の確認しなきゃいけないのが大変だよね。今にして思えば、学校の先生って凄いと思う。
早速面接に行ったら即採用である。開店したばかりで店員が足りないらしい……そういうのって開店前に集める物では? ボブは訝しんだ。
@月ε日
早速今日からお仕事、気合い入れていこう……とか思ってたらいつの間にか葉月ちゃんが隣にいた。ビビって凄い声出たわ。
聞けば社会勉強としてバイトを始めることにしたらしい。バイト先同じなのは偶然? って聞いたら、
早速オーナーに料理できるか聞かれたので、そこそこと答えるとメニューの一つであるオムライスを作ることになった。
俺や真緒が好きなのでオムライスは得意料理です。マニュアル通りに作れば誰でも同じ味になるけど、ここは年上として葉月ちゃんに格好いい所を見せる良い機会である。凄いやつ作るから見とけよー見とけよー。
では早速卵を……。
ちくしょう! 台無しにしやがった! お前はいつもそうだ。この卵はお前の人生そのものだ。お前はいつも失敗ばかりだ。お前は色んな物に手を付けるが、ひとつだってやり遂げられない。
──誰もお前を愛さない。
……って感じで卵割るの失敗してギャグに走ってしまった。うん、ごめん葉月ちゃん。目の前で急に膝折ったらビックリするよね普通。
あと恥ずかしいなら私が愛してますとか言わなくてもいいから。めっちゃ恥ずかしいし店長もなんか『やれやれだぜ……』みたいな顔してるから。
そのあと作ったオムライスは葉月ちゃんにあげました。
美味しそうでなによりでした。
@月ζ日
バイト二日目である。
研修なんてなまっちょろいものは要らん、という店長の言葉により今日から普通にホールである。
先輩方に挨拶してからお仕事、注文聞いたり料理運んだりレジやったりと、結構忙しい。開店したばっかりで客がそこそこいるからだろうか。ただ思っていたよりは楽そうなので、そこは安心した。
さすがに漫画みたいにテンプレートな迷惑客はいなかったし、この分なら楽できそうだ。
@月η日
楽できそうだ──なんて思っていた俺の姿はお笑いだったぜ(パラガス風)。
バイト三日目にしてトラブル発生──というか変わった客が現れた。三人組の不良学生である。
特徴を言うならハゲ、モヒカン、リーゼント──これ以上ないくらいに不良である。黒い学ランを着崩してガム噛んでたりするんだけど、ここまでテンプレだと逆に感心する。ていうかモヒカンとリーゼントなんて初めて見たわ絶滅危惧種だろアレ。そして軽く流しそうになったが高校生でハゲって悲しくないか? いや剃ってるんだろうけど、将来困らない?
そして注文はまさかのランチのハンバーグセット、エビフライセット、オムライスである。いや俺も好きだけどさー……なんか、うん。
まあいいか(思考停止)。
三人の料理は俺が持っていった。先輩方は然り気無く違うテーブルの皿を持って行ったので頼りにならない。ちょっと薄情過ぎない? しかし葉月ちゃんに任せるのもアレなので俺が行くことになったのだ。
普段通りに料理を置き、ごゆっくりと一言添えてからその場をあとにする。
おい、と呼び止められる俺。
振り返るとハンバーグセットを頼んだハゲの子がさも当然の如く──「旗がねぇぞ」と言う。
一瞬真っ白になった思考を正常に戻し──俺は冷静に少しお待ち下さいと言ってから厨房の引き出しからお子さまランチ用の旗をお持ちして、丁寧にハンバーグに刺した。
きっと彼は昔お母さんと食べたお子さまランチが忘れられず、ハンバーグに旗が付いてないと物足りなく思ってしまう系の不良なのだろう。そう思うことにして、ごゆっくりと一言添えてからその場をあとにする。
おい、と呼び止められる俺。
振り返るとエビフライセットを頼んだモヒカンの子がさも当然の如く──「タルタルソース少ねぇぞ」と言う。
一瞬真っ白になった思考を正常に戻し──俺は冷静に少しお待ち下さいと言ってからオリーブオイルなどが置いてあるところから小さいパックのタルタルソースを二本ほどをお持ちして、テーブルに置いてソース類はセルフになっていることを伝えた。
きっと彼はエビフライはタルタルソースで見えなくなるくらいが好きなのだ。タルタルソースの仄かな酸味で包まれたサクサクのエビフライこそが彼の求める物。そう思うことにして、ごゆっくりと一言添えてからその場をあとにする。
おい、と呼び止められる俺。
振り返るとオムライスを頼んだリーゼントの子がさも当然の如く──「ソースねえか?」と言う。
一瞬真っ白になった思考を正常に…………いや戻らねえよ。
ソースとは……つまりはウスター的なアレか?
オムライスに、ソース?
既にトロトロのデミグラスソースがかかっているそれに、ソース?
肉本来の旨味を凝縮し更に幾つかの秘伝の調味料を加えることによって既にそれ単品で究極であるオムライスを1つ上のステージに昇華させた一品(広告より抜粋)に……ソース?
……………………まあいいか(思考停止)。
食べ方なんて人それぞれだし、他のお客さんの迷惑にならなければ何でも良いだろう──そんな結論を出した俺は厨房の人からウスターソースを借りてテーブルに置いた。
するとリーゼントの子はガタリと音を立てて立ち上がり「ソースつったらオイスターだろぉ!」と叫んだ。
なん……だと……!?
……オイスターソースってカキフライとかにしかかけないだろ……かけなくない?
そんなこんなでリーゼント君の
一体彼らは何者だったんだろうか……。
そしてオイスターソース……意外にも色んな料理に使えるんだな、今度試してみよう。
@月θ日
昨日のゴタゴタが嘘のように何事もなくバイトが終わり、店から出ると昨日の不良達の親玉っぽい子が待ち伏せしていた。待て、
どうやら昨日の謝罪に来てくれたらしい。ただの良い子じゃないか。
せっかくなのでお詫びに缶コーヒーを奢って貰ったあと、公園でちょっと雑談をすることになった。どうやら彼の名前は『
どうやら彼は別に不良というわけではないらしい。田舎から上京して高校に入ったは良いものの、目付きの悪さから柄の悪い奴等に絡まれて喧嘩をしていたら、いつの間にか有名になっていたとのこと。将来の夢は花屋になりたいらしい。女の子みたいだなって言ったら睨まれた。怖いから止めてください。
それにしても……言っては悪いが、凄いありきたりな設定……もとい生い立ちだな。将来の夢がちょっと可愛い辺りが凄いあざとい。
もしかして川原で捨て犬や捨て猫を拾ったことがあるかと聞いたら何で知ってんだ、と返ってきた。
テンプレかよ。
写真見せてもらったら犬でした。ちょっとゴールデンレトリーバーっぽい。
何だか良い子だったので連絡先を交換しておいた。
よく考えれば、久しぶりに男友達? と会話をしたかもしれない……いや、麻雀部の部長さんともたまに話すから、そんなことは無いかもしれないけど。
@月ι日
バイト終わりに
やはり真緒を一人残しているのは何だか不安になってしまう。入院中は潤が助けていたようだが、真緒だけなら夕食を食べずに一人でゴロゴロしている気がするのだ。妹は基本的に面倒臭がりだから一食抜いても平気な顔してそうなのが困る。
……兄離れしてくれといつも言ってはいるが、もしかしたら俺が妹離れ出来ていないだけなのかもしれない。
結局葉月ちゃんも家に連れて三人で夕食を食べることになった。ここ一ヶ月で葉月ちゃんはウチに来すぎではなかろうか……夕食が二人分から三人分になっても大した手間じゃないからいいけど。
@月κ日
今日はバイトも無いので散歩していると、昴君と会ったのでちょっと雑談をした。何故かこの子とは今後も会うたび雑談する気がするのは気のせいではないだろう。大学生って結構暇だから仕方ないね。それにほら、平日の昼間から出歩いている高校生がいたら声をかけたくなるじゃん。
どうやら学校をサボっているらしいが、クラスメイトの視線がウザいから行かないだけで、彼本人は意外にも勉強をする気があるのだそうだ。何だか勿体ないと思ってしまうのはお節介だろうか。
ただ同じクラスの委員長は彼に学校に来て欲しいと言って付きまとってくるらしい。もしかして委員長は黒髪おさげで真面目気質な女の子かと聞くと何で知ってんだ、と返ってきた。
テンプレかよ。
どことなくラブコメの波動を感じたのでとりあえずこの先、委員長ちゃんの秘密を知る機会があったら協力しておくのが吉だと言っておいた。ボーイミーツガールはフラグたてる基本型である。ソースは神のみ。
@月λ日
本屋に行ったら『月刊もふもふにゃんにゃん』の今月号が売っていたので買い物ついでに買っていった。退院してからもたまに本屋で軽く読む程度だったが、猫特集が組まれていたので気になったのだ。
これによると、最近犬だけでなく猫と散歩する人もいるらしい。ヒモ猫、そういうものもあるのか。
面白そうなのでウチでも真似してみようと思う。白雪も良く外に散歩しているので嫌では無いだろうし、結局使われていないそこそこ高かったネコ砂のリベンジでもある。
取り敢えず白雪にも聞いてみたが、何となく満更でも無さそうな気がする。人語を理解してるとは思えないが、まあ物は試しということで。
@月μ日
白雪の散歩デビューである。
大学帰りに買ったリードを付けていざ出陣。取り敢えず近くの公園でのんびりすることにした。しかし白雪もそこまでアクティブな訳ではないので、公園の周りを適当に歩いたあとはベンチで日向ぼっこしていた。
すごく……おじいちゃんです……。
することもないので白雪を膝に乗せて三十分くらい撫で回していた。喉元を指でうりうりと撫でてはお腹を擦り、尻尾の付け根をポンポンしてはおでこを掻く。とても気持ち良さそうに体を動かすのでついつい撫ですぎてしまい、最終的には体の力が抜けてぐったりとして、更に追い討ちをかけるように遊んでいた小学生に群がられてヘトヘトになってしまった。なんかごめん。
あとその小学生の中に以前塾で教えていた子がいた。凄い懐かしい。
柔らかな笑み、華奢な体、ピンク色の唇から溢れる優しい声は母性を思わせる響きを携えている……。
──だが男だ。
教えてた時も思ったけど、まさかリアルに男の娘が存在するとは……世の中って広いなと思ったわ。
あと右目赤いのを久しぶりに指摘された。さすが小学生、直球だ。
スゲーカッケー! と男子達からは称賛の嵐である。やっぱり片目色違いは格好良い、は男子ならみんな分かるよね。
@月ν日
昨日に引き続き白雪と散歩に出掛けると、犬の散歩をする昴君に出会った。最近の君とのエンカウント率高くない? と思ったら犬の散歩だった。ゴールデンレトリバー(仮)がグイグイ来る。そして白雪がそれを殴る。
ネコパンチ、相手は死ぬ(みたいに元気を無くす)。それにしても温厚な白雪がネコパンチをするとは……嫉妬かな? 可愛い奴め。
その後、ベンチに座って話をした。どうやら彼は件の委員長とそこそこ良い仲になったらしい。この数日に何があったのか凄い気になったが、彼は頑なに教えてくれずそのまま足早に去っていった。悲C。
……実は委員長は人知れず街を守るために戦う魔法少女で、偶然にも彼女の秘密を知ってしまった彼は秘密を守り彼女と共に怪人と戦う……みたいな展開が起こったのかもしれん。
まあ、あり得ないだろうけど。
@月ο日
昨日日記を書き忘れたので二日分をまとめて書いておく。といってもあまり特別なことはなく、白夜ちゃんが遊びに来て一泊したくらいだ……週四で遊びにくるから実際珍しくない。学校行ってないから暇らしい。
そういえば学校はどうするのか聞くと、年齢の上では中三だがどうせ今さら行ってもしょうがないので高校から通うそうだ。高校入学の資格云々は良くわからないが、なんとかなるらしい。……そういうものなのだろうか。
勉強はお父さんに教えてもらっているらしく、基礎はバッチリとのこと。分かんなかったら今度教えてあげると言うと嬉しそうにしていた。これでも塾講師やってたので教えるのには自信がある。一年だけだけど。
それと次の日、つまりは今日起きると何故か白夜ちゃんが横で寝てた。凄いビックリしたが、起きた後の白夜ちゃんの方がビックリしていた……夜中起きて部屋でも間違えたんだろうな。妹も昔は、というか今でもたまに間違えるし。
それにしてもヤケに顔が赤いし汗かいてたな……真央もそうだけど、やっぱり女の子は体温高いから汗っかきなのだろうか。夏場は苦労しそうだね。
白雪の意識が覚醒したのは、既に深夜を回った時間だった。
「……んむぅ」
肌に張り付いた寝巻きの端を指で掴んで空気を送りながら、白雪は立ち上がる。蹴飛ばしていた来客用の布団をそのままに周りをみると、すぐそこにベッドで眠る真緒の姿が見え、そこでようやく寝る前のことを思い出した。
(そうか。確か昨日は神蔵家に泊まりに来たのだったか)
白夜とその体を借りている白雪は、現在人間の姿と猫の姿で二重の生活をしている。人間の姿では人間として──『
布留は白夜たちが神輿の研究所に襲撃した際に埋め込んだ呪いによって記憶を封印し、今では自分が普通の人間だと思い込んで生活している。白夜は身体的な問題で幼い頃に入院、布留の配偶者である神輿
(それだけ綿密にやっておきながら『神輿』の姓も残したままで、顔も隠さない……わざとやっているなら、本当に
客観的に見れば『神輿家の当主が突然魔法の研究を止めて野に下った』──それがどれだけ不自然なことか白雪だけでなく白夜にだって理解できていた。それこそ裏の世界から何かしらの探りを入れられるのは間違いないし、神輿の家の数少ない関係者も彼を探すかも知れないし、神輿の家に恨みを持った人間が好機とばかりに殺しに来るかもしれない。
だとするなら─真っ先に狙われるのは布留となる。白夜も危険ではあるが、それは関係者だからという理由によるもの。神輿の家の悪行を指揮してきた布留という張本人がいるならそちらを先に狙うのは間違いない。そしてこの町に入り、何か事件を起こした時点で潤はそれを捕捉するだろう。例え何らかの襲撃があったとしても、こちらはそれを見てから行動できる──一手を捨て駒でいなして判断できる。
つまりは
なるほど、合理的で打算的で──程よく適当な辺りが人間らしい。
(なら私がすることは何もない。白夜のしたいように、それを手助けしていれば良い)
どちらにしても白雪に選択の余地はない。
選択肢も無ければ選択する必要も無い。
白夜の体を間借りしている白雪にとって、あくまで主導権は白夜にある。白雪は彼女の体を借りたいときに少し借りられればそれで良いのだから。
「……喉が渇いた」
そう一言呟きながら、真緒の部屋のドアを開けて廊下にでて、そのままリビングへと向かう。
この体の主たる白夜の意識は既に眠っている──というよりは力尽きて気絶している。どうにも連日の散歩で力を使い果たしたようだ……正確に言うならそれは散歩自体の疲労ではなく、その後御染に身体中を触られた──というよりも弄くり回されたせいと言える。
「……っ」
思い出すだけで膝が震えて鼓動が早くなる。
麗らかな太陽の日差しが照りつける日中に、それこそ誰にでも見つかってしまう公園のベンチの上で身体中をまさぐられる──そんなことを数十分と繰り返されたのだから、白夜の疲弊も当然と言える。
そしてそれは、白夜と感覚を共有している白雪も例外ではなく──そこまで思考が及んだ辺りで白雪はそれを振り払うように首を左右に振り、適当なコップをキッチンから取り出して水道水を勢いよく喉へと流し込む。
体の主たる白夜は寝ている──半ば気絶のようなものだが、このまま白雪が起きていては体が休まらない。早々に寝て、体を休めるべきだろう。
そう思っていた。
それは間違いなかった。
──だから偶然、真緒の部屋へ歩く途中に半開きになっていた御染の部屋を見たとき、気になって中を覗いてしまったのは本当についで、或いは気の迷いのようなものだった。
──中途半端に開いているドアを軽く開くと少しだけ涼しい空気が流れてきて、よく見れば軽く冷房が点いているな、なんて考えて──自然と御染のベッドの中に入り込んだのは本当に本心からの行動ではなく、あくまで猫の状態で何度か隣で寝ていたからその名残で同じことをしていただけだった。
(……はっ、体が勝手に!?)
不覚だった。
あまりにも短慮、そして無意識の刷り込み行動。
アヒルに着いていく白鳥の子供の如し、数ヵ月の習慣とは斯くも恐ろしきものか。
まるでそれが当然とでも言うかの如く、寝ている御染の左腕を枕にするように寝そべる女の姿がそこにはあった。
……というか、白雪だった。
御染のお腹の辺りまで掛けられた薄手のブランケットにちゃっかり足を入れつつ、白雪は自分が何をしているのか理解して即座に真緒の部屋に戻ろうとした。男女が
──『白雪』は猫である。
死んで生き返ってを幾度となく繰り返し、総計にして百万回の死を経験し、百万回の転生をする過程で白雪は人間とほぼ
それはきっと──簡単にいうなら気が狂っている状態なのだろう。人間が狂って幼児退行を起こしたり考えることを放棄するように、白雪は猫としての自意識を半ば放棄した。変わらずに繰り返される死と生に対して、白雪は『人間に近づく』ことで変化を起こそうとしていたのだ。
けれど白雪自身は今でも自分を猫だと思っているし、本来なら猫として生きるべきだと考えている。確かに御染に恋をしたし、その後御染に近づきたいがために白夜の体を間借りしたが、その考えが変わることはなく──従って白雪は御染と男女の関係になりたいわけではなかった。
モチロン恋人とか恋仲とか、夫婦とか伴侶とか配偶者とか、ラブラブでイチャイチャな関係とか微塵も、一瞬たりとも、これっぽっちも考えていなかった。
……それがどうだろうか。
白夜と感覚を共有していることが裏目に出たのか、背中を撫でられただけで体の力が抜けるし、喉を
げに恐ろしきは人間の意識、あるいは本能か。人間の身体を間借りしてしまったことを、その時だけは恨めしくなる。
どちらにしても……哀れ白雪自身はペットと飼い主の関係を希望していた筈なのに、その理想からは遠退くばかりであった。
だからこそ白雪が体を動かせるときは、なるべく御染との肉体的な接触を避けたいと考えていた。それこそ可能なら──白夜には悪いが、御染とは近所の優しいお兄さん的な、
(早く、抜け出さないと……)
そう、頭では理解している。
このままではいけない、と。
早く真緒の部屋へと戻ろう、と。
そう思っている筈なのに──足が動かない。
(……御染の匂いがする)
仰向けになった彼の体に身体が勝手に近付いていく。冷房を点けていても彼の汗は体を伝い、その匂いが白雪の鼻腔を擽る。きっと良いモノでは無い筈なのに──それが彼の匂いだと分かると何故か身体が熱くなる。
もっと近くに行きたい。
もっと近くに在りたい。
そんな思考が何度も頭の中を廻り──それを無理矢理中断させる。
(──これ以上はダメだ。気が狂いそうになる……!)
既に猫として歪んだ事実から目を逸らしながら、腕を立てて強引に彼のそばから抜け出そうとする。中々力の入らない自身──白夜の腕に苛立ちながらも、必死になって彼の近くから離脱。
──することは叶わなかった。
御染の右腕がが白雪の身体を──腰を強引に引き寄せたからだ。
「っな、きゃぅ」
異様に強い力に引き寄せられた白雪は声を漏らしながら、そのまま彼の胸元へと顔を押し付けられた。先ほどよりも強い彼の匂いに顔が紅潮し、ハウリングした頭が沸騰しそうになる。
(や、まって、ちからはいんない……!)
引き寄せられた際に両腕が変な風に巻き込まれたせいか、力を入れることが全く出来なかった。まるで網に掛かった魚のように身体を捩らせながらもがく度に──御染の両腕が離すまいと身体に這っていく。逃がすまいと腰から手を這わせ──滑るように衣服の内側に両手を動かされ、それだけで身体に電流が走ったように跳ねた。
白雪は唇を噛みしめ、必死になって逃げようと身体を引いても、強引に引き寄せられる。
まるで猫の時と同じように強引なやり口に、もしや正体がバレたのかと顔をあげると──そこには何時ものように寝ている御染の顔があった。
「(……え、まさかこれ寝ぞ)──はぁんっ……!」
依然として御染の指は止まらなかった。
寝巻きをはだけさせられ、露になった脇腹を指が這う。触れるか触れないか程度のフェザータッチが敏感になった柔肌を擦り、思わず嬌声が漏れた。
白夜の──いや白雪の口から漏れた高い声は自分とは思えないほど腑抜けた、男に媚びたような声。白雪は思わず口を塞ごうとするが、彼に身体を抑えつけられたせいで両腕は満足に動かない……それどころか痺れだした彼女の腕は、感覚が鈍くなり抵抗しようとする兆しすら見えなくなった。
この時点で白雪は、自分が逃げられないことを漸く悟り、思わず息を吐いた。
──喉奥から空気と力が共に抜けていく。
人の物とは思えないほどに熱い吐息に込められた意味は
(なんで、こんな……ドキドキして……)
認められない。
理解できない。
こんな状況に少しでも胸が高鳴っているという事実に。
そして──幸せだと。
猫みたいに扱われるのではなく、
「はぁ、はぁ……っ」
彼の両腕が、下着の中へと指を這わす。
せめてもの抵抗として声をあげないように彼の寝巻きを強く噛んだ。歯を食い縛り、絶対に漏らすものかと口を閉める。フーッ、フーッという荒い息づかいがすぐ近くから聞こえ、それが自分のものであるとすら気付くのに数瞬かかった。それほどまでに思考が真っ白で、そして快楽で満たされていた。
──強く握るように、尻を掴まれる。
それだけで声なき声が唇を震わせ、無意識にも腰が上がる。目線の上の辺りでぱちぱちと火花を幻視したと同時に、自信の身体の下腹部──
グニグニと感触を楽しむように尻を握られ形を変えられる。大きな手が柔肌に沈みこむ度に快感が背筋を震わせ、そしてそれに抵抗できないという事実に目尻が下がり、目が
まるで
……不意に、ぱちぱちという火花が、少しずつ大きくなっていく。
御染の指が白雪の身体を蹂躙する度に、まるで何かのメーターのように視界に映る火花は明るくなっていく。それと共に身体の内側から強い波のような何かが寄せてきて──それが、何よりも気持ち良い。
(なん、か……きそう)
身体全体に押し寄せる奇妙な感覚が怖くなって、思わず御染の身体に顔を強く押し付ける。
さっきよりもずっと強い雄の匂いで頭が一杯になって安心するくせに、快感の波の勢いは増していく。
荒れた吐息がすぐ側で聞こえて、沸騰した頭は思考を放棄し、うるさいくらいに心臓が鼓動を刻む。
──来る。
来る、来る、来る、来る来る来る来る来る来る来るくるくるくるくる。決壊する堰を切るように水が溢れ出て奔流が身体を満たして壊して変えていって思考がまいぼつしてなにもかんがえられないくらぁいキモチイイのがきっと──。
……………………………………。
?
「……?」
──来なかった。
高ぶった身体は、熱を孕んだ身体は、快楽に押し潰されんとした身体は今でも決壊しそうなくらいに限界なのに。
未知の感覚に恐怖を抱いていた頭は、思考を放棄していた頭は、そんな状況を
(……なん、で?)
その疑問は決壊しそうだった快楽が止まった理由を問うているのではなかった。
もっと単純で、直接的。
彼の指は先ほどまでの動きが嘘だったかの如く動きを止め、彼女の身体から離れていた。
白雪は何がどうなっているのか分からなくて、先ほどまで自分を
やがて数秒ほど経つと、御染の両手は再び白雪の身体に指を這わせる。今度は太股を優しく撫で、敏感になった背中を指で逆撫でし──それだけで白雪の身体は先程と同じく熱を孕む。
すぐに視界の上に弾ける火花が見え、脳内が白で染められていき、止まることなく奔流が身体を包み込む。快楽の波は先ほどよりも巨大になり、それに恐怖しながらも──どこか期待している自分を自覚する。
波が強くなって、御染の指も強引な動きで身体を犯し、溢れ出す快感の渦が今度こそはと渦巻き──。
そこで、止まる。
また、御染が手を離したからだ。
「なん、でっ……!!」
抗議するように身体を捩らせても、その訴えに御染が答えることはなく。感情の波が引いた所で──また指が身体に触れてくる。
何度も。
何度も何度も何度も何度も。
塞き止められた快楽の波は、御染の指によって後押しされ、決壊しそうになりながらも必ずギリギリになると──後押しが止む。
昂っても、昂っても、そこで止まる。
繰り返して、止まる。
「やぁっ……とめちゃぁ……やぁっ……!」
気が付けば縋るように声を漏らし、媚びた女の声で
何度も何度も。良いトコロで止められる。
きっとそれは人が『絶頂』と呼ぶ、快楽の極みに違いないのに、それをどうやっても体感できない。
体感したいのに、経験したいのに。
絶頂に、極みにイキたいのに。
──焦らされる。
「うぅぅぅぅぅぅぅっ……!!」
猫としての幸せを求めていたのは数分前か、あるいは数時間前か、その思いはどこへ行ったのかと責める自分はとうに無く。そこにいたのは紛れもなく人間として快楽を享受しようとする女しかいなかった。はしたなくも太股を擦り合わせ、どうにか自分で達することは出来ないものかと試行錯誤して。
そしてやっとの思いで辿り着けそうになって──今度は足の間に御染の太股を挟み込まれ、止められる。
遂にはどうにか起こせないものかと、叩こうとしても腕は痺れて動けない。いっそ蹴ってやろうと思っても絡められた両足は空しく振動するだけ。
──運命はお前を捕らえて離さないだろう。
何故か、その言葉が頭に浮かんで、すぐに消えていく。
そんなことはどうでも良いから。早くイカせて欲しかったから。
白雪の脳内には、すでにそれしかなかった。
──結局。
その日、いやその晩に白雪が絶頂に迎えることはなかった。
明け方が近づくにつれて御染の拘束は弱くなり──同時に白雪を蹂躙していた腕は寝返りと共に離れていった。疲れ果てた白雪はすぐに自分の身体に痺れから解放された指を這わせ──そしてふと疑問が浮かんだ。
──一体どうすれば絶頂を迎えられるのだろう?
人間性を得て、白夜の記憶からから人間についての知識を手に入れて、しかし体験したことが無いことは知らない。人間の男女の営みはもとより、同族のそういった行為すら見たことが無い白雪はそれを知らない。
「こんなぁ……せつない、のにぃ……」
──それから数十分後。
やっと気絶から浮上した白夜の思考が快感によって叫びをあげ、そして間抜け面の御染が目を覚ましたことで、彼女の身体の中で御染にどうにか縋ろうとする『白雪』とそれを阻もうとする『白夜』の対決が成されたことは。
誰にも、知らないことだった。
副題
『百万回生きた幸福な猫と一般人』
白雪
今回の主役。自分を猫だと思ってる女の子。チョロ猫。
幾度と無く繰り返された生死によって人間性を手に入れたので精神的にかなりブレブレ。口調が定まらないのはそのせい(作者が下手とかじゃない。本当だよ?)。
一番近しい人間である白夜の影響でちょっとMっ気があったが、今回の件で性癖が拗れる。白夜と共にこの作品での不健全枠を担ってしまった。
神輿白夜
今回のチョイ役。倫理的にアブナイ中学生。
首輪付けられて街中歩き回された挙げ句身体中を弄られているのでこっちも大概。でも散歩誘われても断らない。
神楽坂葉月
今回のチョイ役。結構グイグイ押していくタイプ。
主人公の近くにいたいのでバイトまで一緒にする。そのうち大学にも侵食してきそうだが、ヒロイン中ではブッチギリで健全。小指が触れ合う距離感とか憧れちゃう女の子。
神蔵真緒
今回のチョイ役。この子も大概グイグイ押す。
兄の寝相がリトさん並みに悪いことを知りながらベッドに忍び込むくらいにはませている。実は潤に次いで見せ場があんまり貰えていない子。そのうち潤と真緒は過去編やるので勘弁してください。
剣山昴
今回のチョイ役。テンプレであざとい不良枠。
祖父母の家で育てられていた花や盆栽が好きで、将来花屋を夢見ている。最近クラスの委員長が付きまとってくる。
後日談枠でありサブ主人公。
小学生の男の娘
誤字にあらず。小学五年生。
おそらくこの作品で一番ヤバい。詳しくは後日談3とかで。
サブ主人公でヒロイン枠(御染のではない)。
神蔵御染
今作の主人公。寝相が天文学的に悪い。
今回の話でまさかのラキスケ能力が生える。テクニシャンなのも相まってエロゲ主人公に一歩前進。そして本人は一ミリも気付かない。やっぱり朴念人じゃないか。
次回は後日談をば。
『魔星☆少女 スカーレット・ノヴァ
第一話 十二星傑オックスと運命の夜』
『世界龍脈調査~南極編~ 後編』
きっと、そのうち、ゆるっと書きます。