戦いに疲れた衛士は3度目の人生で平穏を望む   作:銭湯妖精 島風

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最期に見た夢

 

 

西暦20××年 初夏の晴れた心地良い日、俺は碌に動かせない身体を必死に動かして窓から青空を見上げる

 

「・・・とうとう終わり、か」

 

自嘲する様に笑い、これまでの思い出に浸る

 

西暦1973年某日、突如として地球へ侵攻したBETAとの生存戦争に辛うじて人類は、つい数ヶ月前に勝利した

 

30年以上に及んだBETAとの生存戦争は人類に大打撃を与え、世界はまだ安定していない

 

そして少なくない衛士がガンや白血病など病気を発症した、俺も その1人だ

 

 

俺は愚かな男だ、英雄(ヒーロー)に憧れて、チカラを得る意味を考えずに願ってしまった

 

作品として見るなら良い、だが現実となれば話は別だ。守りたいと願った仲間や人は 呆気なく死んで行き、自分もいつ死ぬか分からない戦場で戦い続けた

 

何度も後悔し、何度も死に掛け、その度に生きて帰り、逝った仲間を見送った

 

俺は愚かな男だ、どうしようもない男だ。そんな男の最期に見たものが穏やかな青空なのは、救いなのだろう きっと

 

「叶うなら、次は・・・ありふれた人生を送って逝きたいな」

 

 

陽気に当てられて、うつらうつらと眠りに誘われながら俺は目を覚まさない眠りへ落ちて行く

 

もう戦うのは飽きた、次は1度目の人生で飽き飽きしていた あのありふれた日常を過ごせる事を願って俺は眠る

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

話をしよう、そう俺が経験した話を

 

俺の名前は狭霧 裕哉(さぎり ゆうや)ありふれた日常が1番尊く幸せという事に気付かなかった愚かな男だ

 

元々 俺は何の変哲も無いザラにいるヲタク趣味の会社員だった、可もなく不可もない生活をしていた訳だが、ある日突然 俺は死んだ

 

死因は就寝中に落ちてきた隕石が俺に直撃したから、と言う奇跡的な死に方だった

 

その後、不憫に思った神様に出会い俺を転生させてくれると言われ調子に乗った俺は、ハーレム狙いで深く考えずにゲーム感覚でマブラヴ オルタへの転生を希望し、チート能力をゲットした

 

そのおかげで何度も死に掛けたが生還出来たが、一緒に初陣を飾った同期の半数は戦死し、戦場に出る度に同じ隊の仲間や味方が死んで逝く、戦死が前提の作戦にも参加したが結局死なずに生還した。要撃級に管制ユニットをやられて利き腕をミンチになって死ぬほど痛かったのを覚えている

 

何度も自分の軽率さを後悔し、チート能力を持っていようと一個人でしかない俺に出来る事は全体から見たら僅かでしかないと気付き絶望を味わった、何度も、何度も

 

そして俺は、俺たちはBETAに勝った、辛うじて勝った

 

その代償は大きく、爪痕は深かった。人類絶滅の危機は完全には脱してはいなかったが、まぁ病に侵され死んでしまった俺には関係ない話

 

 

 

死して俺は戻ってきた、神の前に

 

「長い間ご苦労様でした、使命を全うした貴方の活躍に多くの神が胸打たれ、貴方になら祝福を与えても構わないと言っています。貴方は何を望みますか?」

 

「・・・そうか」

 

自分が選んだ道を足掻きながら進んだ甲斐があった様だ、それに俺の望みは決まっている

 

「もし、叶うなら・・・ありふれた人生を、穏やかな人生を歩んでいきたい。忙しいのは少し疲れた」

 

身体がではない、心が疲れ切ってしまった

 

俺が神を見据えて言うと

 

「いいでしょう、戦士にも休息が必要ですからね。数多の神が貴方を祝福しています、貴方に幸あれ」

 

神が杖を掲げると俺は真っ白な光に包まれ、意識が遠のいて行き眠りに落ちた

 

 

「さぁ人間の輝きを私達に見せて下さい狭霧さん、貴方が貴方の幸せを掴む様を期待しています」

 

 

 

 

 

 

 






上手くかけないなぁ、泣きたい
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