なんやかんやで、PPPの楽屋で一泊させてもらう事となった。
これ…本当のファンにとっては最高の幸せなのではないか?
…確かに、俺だって泊めてくれるだけでも幸せなのだが。
-PPP楽屋-
プリンセス「成る程ねぇ… それでみずべちほーに来たのね?」
光太郎「はい、少しでも記憶を取り戻すキッカケを見つけたいので…」
イワビー「なぁ、そのどうぐ…何て言うんだ?」
この圧が強めの元気っ娘、イワビーが指した物は…
あの時、殺意剥き出しで飛んで来た鉄パイプだ。
光太郎「これは鉄パイプ。本来の使い方とは違うけど、セルリアンを倒す時には便利なんだよ。」
イワビー「へぇ〜、何かスゲェな! 光太郎!」
…鉄パイプが褒められてるのに、俺が嬉しい。
……今度、鉄パイプも綺麗にしてあげるか。
ジェーン「そういえば、ニホンオオカミさんとルペラさんは、どうして光太郎さんにくっついているんですか?」
そういえばそうだ。 この楽屋は決して狭くはない。 寧ろ広い。
ルペラ「…どうしてでしょう?」
ニホ「無意識だったから…よく分かんないけどや。」
無意識…か。
そう語る二人の顔には、何処か物哀しさを感じた。
まぁ、その後も雑談が続き、色々と情報が手に入った。
まず、各地でセルリアンが大量発生していること。
大量といっても、今までと比べて…らしい。
次に新たな情報を得る為の手段。
どうやら、もう少し移動すると“ジャパリ図書館”という場所があるらしい。
そこに居る博士と助手に聞けば、大体の事は解決する…らしい。
翌日には、PPPのライブがあるとの事。
どうやら、ライブの準備中にセルリアンが出たらしい。
幸い、機材も破壊されず、怪我も無かったので、予定通り開催するそうだ。
予定では、俺達は明日の早朝に出発する事になっていたが、PPPメンバーやマネージャーであるマーゲイからの誘いで、明日のライブを特等席で見せてもらえる事になった。
…何だか申し訳なくなってしまう。
ということで、コンディションを整える為にも早く寝る事になった。
…まさか、床に厚めのマットを敷いて寝るとは思わなかった。
寝るのに支障は無いので、気にしない事にした。
皆が寝静まった頃、俺は……
…また眠れなくなってる。
あの時のニホニホとルペラの顔が、頭から離れない。
とりあえず、夜風に当たればマシにはなるか…
皆が起きない様、忍足で外へ向かった。
まぁ、ステージの端に座るだけだが。
-ステージ-
夜風が気持ちいい。 このまま、気持ちも晴れれば良いのだが…
二人共…もしかして、絶滅した原因って……
イワビー「何やってんだ?」
光太郎「!! あぁ、イワビーさん。 起こしてしまいましたか?」
イワビー「イワビーだけで良いぜ。……光太郎、悩みがあるんだろ?」
光太郎「…バレちゃいましたか。」
イワビー「俺で良かったら、悩みを聞くぜ?」
光太郎「…ニホニホとルペラは、どんな気持ちで俺について来ているのか…なんて。」
イワビー「そうか…」
光太郎「二人共、絶滅していて… もしかしたら原因はヒトではないかって… 嫌々ついて来てるんじゃないかって…」
イワビー「なぁ、そこそこ長い間、一緒に旅してんだよなぁ。」
光太郎「…はい。」
イワビー「その間、お前は何を見てきたんだ?」
光太郎「えっ…」
俺が見たモノ…
イワビー「…二人の笑顔、何回見たんだ?」
光太郎「…それは…」
数えられない。 何度も何度も、二人の笑顔を見た。 その度に元気を貰った。
イワビー「お前の事を話してる時の二人、本当に楽しそうだったぞ。」
光太郎「二人共…」
イワビー「嫌々ついて来てるなら、俺達にも、お前にも、あんな眩しい笑顔は見せないと思うぜ。 …お前が、二人の笑顔を守ってやれよ、な?」
光太郎「…はい。」
イワビー「分かったんなら、そんな湿気た顔すんなって。」
光太郎「そうですね…はい!」
…イワビー、力強い。
ファンになってしまう……
イワビー「さ、戻…」
光太郎「どうしました?」
イワビー「…セルリアンだ。」
光太郎「えっ…どこですか?」
イワビー「多分、あの茂みの中だ。 光太郎、力貸してくれるか?」
光太郎「はい、勿論です!」
イワビー「今夜は、お前が俺の…俺がお前のフリッパーだからな。」
フリッパー…マーゲイさんから聞いたが、PPPのファンの事をフリッパーと呼ぶらしい。
…イワビーさん、良いフレンズさんだ。
イワビー「来るぜぇ!」
セルリアン「!!!」
イワビー「うぉぉ…お…?」
光太郎「あれ…?」
小さい。
夕方に出た大型のセルリアンと同じ様な蛸型だが…
イワビー「ま、まぁ、やるか。」
光太郎「…えい。」
セルリアン「!」
イワビー「何か…疲れたな。」
光太郎「寝ますか。」
イワビー「…だな。」
小さかったなぁ…
鉄パイプ無かったから、そこら辺に落ちてた木の棒で叩いたら弾けたし。
…そんな話をしながら、イワビーと楽屋に戻った。
…はい、内容を見ての通り、イワビー大好きです。