博士「光太郎… 何か思い出したのですか?」
ニホ「光太郎、今ただいまって… まさか…」
光太郎「ニホニホ、ルペラ、俺さ…もしかしたら、この扉を開けたら旅は終わるかもしれない。」
ルペラ「という事は、ここで光太郎様の記憶が?」
光太郎「もしかしたらだけど…ね。 それじゃ、開けるよ。」
只の変哲も無い扉だが、無性に重く感じた。
それでも、開けなければならないと云う思いに従い、扉を開けた。
光太郎「此処が、俺の……うぅ!」
あ…痛い……頭がぁ…あ、あ、あ、あ…
-個室-
ルペラ「光太郎様… 光太郎様!」
ニホ「ねぇ、光太郎…光太郎…」
光太郎「うぅん…… あ、ニホニホ、ルペラ。 あれ、博士と助手は?」
ルペラ「あの方達は施設内を散策しています。 光太郎様、体調の方は大丈夫ですか?」
光太郎「あぁ… なぁ、ニホニホ、ルペラ。 俺さ、もう二人の知ってる光太郎じゃ無くなってるかも。」
…唐突に言ってしまったが、大丈夫だろうか。
二人に伝わってくれているだろうか。 俺も、正直混乱している。 何せ部屋に入った瞬間、頭の奥の奥から様々な記憶が溢れかえって来る様で…
…恐らく、脳の処理が追い付かなくなったんだろう。 頭痛が来たすぐ後に意識が飛んだ。
ニホ「えっ… ねぇ、どういう事?」
ルペラ「光太郎様は光太郎様ですよ…」
光太郎「…記憶が、大体蘇った気がするんだよ。 だから、もしかしたら、前の様に二人に接する事が出来ないかもしれない。だから…」
ダメだ。 言葉が纏まらない。
伝えなければならないのに…
ニホ「…大丈夫だよ。」
光太郎「えっ…」
予想外の反応だ。 まさか笑顔が返されるとは…
ルペラ「光太郎様は光太郎様。 例え、記憶が蘇って全てが変わってしまっても、私達が思い続ける限り、私達にとっての光太郎様は何時もの光太郎様ですよ。」
光太郎「…ごめんな。本当にごめんな。本当に…」
謝る事しか出来ない。 本当なら俺が落ち着いて説明するべきなのに、二人の方が落ち着いていて、二人に慰められている。
ニホ「あぁ〜、泣かないでよ。…ね?」
ルペラ「そうですよ。 そんなに謝らないで下さい。今日は、光太郎様の記憶が蘇った祝うべき日ですから。」
光太郎「…ありがとうね。けど、完全に蘇った訳じゃないから、あんまり期待しないでね?」
二人には助けられてばっかりだなぁ…
いつか、しっかりお礼を言わなければ。
光太郎「今夜はさ、此処に泊まっていかない?」
ルペラ「えっ、良いんですか♪」
光太郎「うん、良いよ。……まぁ、少し狭いけどね。」
ニホ「やったー! ありがと、光太郎大好きー!」
ルペラ「!?」 光太郎「!?」
博士「…何ですか、我々はお邪魔だったのですか?」
助手「ヒトが年中発情期というのは、本当だったのですね… まさか、自分の部屋を見つけた途端、二人を泊めるとは…」
光太郎「えっ、あっ、違います!違いますって! そういうつもりは無いんですって! ねぇ、ルペラ!? ニホニホ!?」
ルペラ「……♪」
ニホ「うん?」
あ、ダメだこれ。 ニホニホは分かってなさそうで良かった。 ただ…
ルペラァ… 満更でもない顔と反応をしないでくれぇ…
博士「まぁ、こんなギャグは置いておいて、光太郎の記憶が蘇って何よりです。」
助手「これからも順調に蘇る事を、我々は祈っているのですよ。」
光太郎「あ、ありがとうございます。」
その後、博士達が部屋を出て行った後から、ルペラが急に色っぽくなった事は忘れよう。