けものフレンズ 軈テ星ガ降ル。   作:ヒトアマゾン

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Ep.25「砂漠の天使は“どこ”に導くのか」

目の前が真っ暗になってから、一体何十分経っただろうか? 身体が凄く重く感じる…

 

……遠くから声が聞こえる。

 

?「光太郎さん…光太郎さんじゃないですか!」

 

その声の主はジャパリパークのパークガイド、ミライさんだった。

 

光太郎「ミライさん…何処に居るんですか?」

 

ミライ「貴方の後ろですよ。」

 

え、ちょっと怖い…

 

そう思いながら振り返った瞬間、雲一つない青空や美しい花畑、一本の橋が通った澄んだ川が視界に入り込んできた。

 

何故だか懐かしさを感じる…

 

光太郎「うわぁ…綺麗…2人にも見せたいなぁ…」

 

ミライ「2人…ニホンオオカミさんとルペラさんですよね。」

光太郎「そうですよ。 ですが、どうしてその事を知っているんですか?」

 

ミライさんなら、俺の過去をもっと知れるヒントをくれるかもしれない…

 

ミライ「貴方がパークガイドだった時、貴方が初めて担当していたフレンズさんがその2人だったんですよ。」

 

あの写真は、やっぱりその時の写真だったのか。

 

光太郎「ミライさん、ここは一体何処なんですか?」

 

ミライ「…2人が少なくとも一度は来たことがある場所。どう言う事か、分かりますか?」

 

2人が一度は来たことがある場所…まさか…

 

光太郎「俺、死んだんですか?」

 

そう言うと、ミライさんは俺から一瞬目を逸らした。 それから、無言の時間が続いた。

 

その沈黙を破ったのはミライさんが先だった。

 

ミライ「確かに、貴方は一度……しかし、今は違います。今ならまだ間に合います。」

 

俺、昔死んだの?

 

光太郎「という事は、完全に死んだ訳では無いんですね。」

 

ミライ「はい。ですが、なるべく早く戻らないと手遅れになるかもしれません。」

 

それは嫌だ…これじゃお荷物のままくたばる事になってしまう。

 

光太郎「ミライさん…ありがとうございました。」

 

ミライ「最後に…2人の事は大切にしてあげてください。あんな事をした以上、2人を見捨てるなんて事は許されませんよ。 もし見捨てたら…あの世から快傑ミライが参上して、貴方をしばきに行きますからね!」

 

そうミライさんは冗談混じりに、それでいて真剣に釘を刺した。

 

アレ見られてたのか…ハズカシッ!

 

ミライ「それと…最後まで諦めないでください。生きてさえいれば、何かしら出来ますから…」

 

光太郎「それは…」

 

ミライ「…最悪の事態を想定して話しますが、ここ最近のセルリアンの多さ。アレは…女王の動きが活発化した時と似ています。もしかしたら…」

 

光太郎「女王が再び…」

 

考えたくない…あの頃は園長達が居て、尚且つ奇跡が起きたから倒せた…しかし、また奇跡が起こるとは限らない。

 

ミライ「あくまで最悪の事態を想定して…ですので、それほど事態が悪化していない可能性もあります。」

 

そうだと良いんだが…

 

ミライ「さ、光太郎さん。そろそろ戻りましょう。2人も心配していますよ!」

 

そうだ…今の俺は、側から見れば死体なんだろうな。

 

光太郎「ミライさん…ありがとうございました。」

 

…帰り方分かんない。

 

ミライ「目、瞑って下さい。」

 

光太郎「ぇ、はい…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミライ「生きて…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-スナネコの巣-

 

 

光太郎「うぅ…」

 

ルペラ「こ…光゛太゛郎゛様゛!゛」

 

ニホ「光太郎ぉぉぉ!!」

 

2人共…そんなに泣いて…

 

ルペラ「もぉ…心配したんですからねっ!」

 

ニホ「生きてて良かった…」

 

スナネコ「あ、起きましたぁ?」

 

涼しいけど…どこ此処?

 

ルペラ「フゥ…光太郎様が倒れてしまい、どこか日陰を探していたらスナネコ様にお会いして、ここまで連れてきてもらったんですよ。」

 

また俺死にかけたのか…次は無いな。

 

ニホ「ビックリしたよ…急に倒れたから…」

 

光太郎「ニホニホ、ルペラ…心配かけて、ごめん。 スナネコさん、わざわざ助けていただき本当にありがとうございました。」

 

スナネコ「はい…」

 

えっ…冷たい。俺何か悪い事言っちゃった?

 

スナネコ「…その首に掛けているモノは何ですかぁ?」

 

光太郎「これは…御守りです。どういうご利益かは分かりませんけどね…」

 

スナネコ「あなたを助けた時、ソレが光ってたんですよ。」

 

ニホ「そうそう、倒れてからずっと光ってて…それどころじゃなかったけどね。」

 

ルペラ「不思議ですよね…輝きが詰まっていたりして…」

 

スナネコ「そういう事は、ツチノコに聞いた方が良いかと思いますよ。」

 

お、ツチノコに会えるのか… 菜々ちゃんが担当したキタキツネがツチノコに会った…と言っていたが。 まさか自分の目で見れるとは…

 

ニホ「どこに行けば会えるの?」

 

スナネコ「案内するので、付いて来てください。」

 

ツチノコ……アオジタトカゲのフレンズじゃないだろうな?


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