目の前が真っ暗になってから、一体何十分経っただろうか? 身体が凄く重く感じる…
……遠くから声が聞こえる。
?「光太郎さん…光太郎さんじゃないですか!」
その声の主はジャパリパークのパークガイド、ミライさんだった。
光太郎「ミライさん…何処に居るんですか?」
ミライ「貴方の後ろですよ。」
え、ちょっと怖い…
そう思いながら振り返った瞬間、雲一つない青空や美しい花畑、一本の橋が通った澄んだ川が視界に入り込んできた。
何故だか懐かしさを感じる…
光太郎「うわぁ…綺麗…2人にも見せたいなぁ…」
ミライ「2人…ニホンオオカミさんとルペラさんですよね。」
光太郎「そうですよ。 ですが、どうしてその事を知っているんですか?」
ミライさんなら、俺の過去をもっと知れるヒントをくれるかもしれない…
ミライ「貴方がパークガイドだった時、貴方が初めて担当していたフレンズさんがその2人だったんですよ。」
あの写真は、やっぱりその時の写真だったのか。
光太郎「ミライさん、ここは一体何処なんですか?」
ミライ「…2人が少なくとも一度は来たことがある場所。どう言う事か、分かりますか?」
2人が一度は来たことがある場所…まさか…
光太郎「俺、死んだんですか?」
そう言うと、ミライさんは俺から一瞬目を逸らした。 それから、無言の時間が続いた。
その沈黙を破ったのはミライさんが先だった。
ミライ「確かに、貴方は一度……しかし、今は違います。今ならまだ間に合います。」
俺、昔死んだの?
光太郎「という事は、完全に死んだ訳では無いんですね。」
ミライ「はい。ですが、なるべく早く戻らないと手遅れになるかもしれません。」
それは嫌だ…これじゃお荷物のままくたばる事になってしまう。
光太郎「ミライさん…ありがとうございました。」
ミライ「最後に…2人の事は大切にしてあげてください。あんな事をした以上、2人を見捨てるなんて事は許されませんよ。 もし見捨てたら…あの世から快傑ミライが参上して、貴方をしばきに行きますからね!」
そうミライさんは冗談混じりに、それでいて真剣に釘を刺した。
アレ見られてたのか…ハズカシッ!
ミライ「それと…最後まで諦めないでください。生きてさえいれば、何かしら出来ますから…」
光太郎「それは…」
ミライ「…最悪の事態を想定して話しますが、ここ最近のセルリアンの多さ。アレは…女王の動きが活発化した時と似ています。もしかしたら…」
光太郎「女王が再び…」
考えたくない…あの頃は園長達が居て、尚且つ奇跡が起きたから倒せた…しかし、また奇跡が起こるとは限らない。
ミライ「あくまで最悪の事態を想定して…ですので、それほど事態が悪化していない可能性もあります。」
そうだと良いんだが…
ミライ「さ、光太郎さん。そろそろ戻りましょう。2人も心配していますよ!」
そうだ…今の俺は、側から見れば死体なんだろうな。
光太郎「ミライさん…ありがとうございました。」
…帰り方分かんない。
ミライ「目、瞑って下さい。」
光太郎「ぇ、はい…」
ミライ「生きて…」
-スナネコの巣-
光太郎「うぅ…」
ルペラ「こ…光゛太゛郎゛様゛!゛」
ニホ「光太郎ぉぉぉ!!」
2人共…そんなに泣いて…
ルペラ「もぉ…心配したんですからねっ!」
ニホ「生きてて良かった…」
スナネコ「あ、起きましたぁ?」
涼しいけど…どこ此処?
ルペラ「フゥ…光太郎様が倒れてしまい、どこか日陰を探していたらスナネコ様にお会いして、ここまで連れてきてもらったんですよ。」
また俺死にかけたのか…次は無いな。
ニホ「ビックリしたよ…急に倒れたから…」
光太郎「ニホニホ、ルペラ…心配かけて、ごめん。 スナネコさん、わざわざ助けていただき本当にありがとうございました。」
スナネコ「はい…」
えっ…冷たい。俺何か悪い事言っちゃった?
スナネコ「…その首に掛けているモノは何ですかぁ?」
光太郎「これは…御守りです。どういうご利益かは分かりませんけどね…」
スナネコ「あなたを助けた時、ソレが光ってたんですよ。」
ニホ「そうそう、倒れてからずっと光ってて…それどころじゃなかったけどね。」
ルペラ「不思議ですよね…輝きが詰まっていたりして…」
スナネコ「そういう事は、ツチノコに聞いた方が良いかと思いますよ。」
お、ツチノコに会えるのか… 菜々ちゃんが担当したキタキツネがツチノコに会った…と言っていたが。 まさか自分の目で見れるとは…
ニホ「どこに行けば会えるの?」
スナネコ「案内するので、付いて来てください。」
ツチノコ……アオジタトカゲのフレンズじゃないだろうな?