案内すると言われたが、当分外には出たくない…
スナネコ「ちょっと待っててください。」
光太郎「えぇ、分かりましたよ。」
何をするんだろ… 床を掘ってる…?
……鼻歌? 綺麗な鼻歌が聴こえる…
ニホ「スナネコ…鼻歌上手だね!」
スナネコの鼻歌だったのか!
スナネコ「自然と歌ってしまうんですよ。 不思議ですね。」
もしかして…前世が歌手だったりして? 流石に無いか。
ルペラ「地面の下に…空洞が?」
スナネコ「はい、ここを通るとツチノコの住んでる場所に着きますよ。」
コレは…バイパスか? となると、この中を通って別の地方へ行けるかも!
ニホ「ね、行こ行こ! 私、この先が気になって仕方ないよ!」
いつも通りのハイテンション…遊園地に来た子供かな?
ルペラ「ニホンオオカミ様、足元にお気を付けて下さいね。」
ニホ「大丈夫! 分かってワァァァァァァァァァァァァァ……イテッ」
光太郎「ニホニホォォ!?」
蟻地獄に落ちたアリの如く、バイパスと思われる場所へと繋がる穴へと滑り落ちていった。
スナネコ「あ、別に落ちても問題ないですよ。 みなさんも、そこから入ってってください。」
ルペラ「は、はい…」
まぁ、大丈夫なんでしょうけど…
ニホ「ダイジョーブダヨー!」
あ、ならOK
-バイパス内-
「俺が安全に降りられる様に」との事で、ルペラが先に降りていった。
ルペラ「光太郎様、お足元にお気を付けて…」
光太郎「大丈夫大丈夫! 今行くyワァァァァァァァァァ!!!」
ニホ「光太郎!?」
ルペラ「はは… 」
油断したよ…
スナネコ「満足…」
光太郎「えっ」
スナネコ「今日は楽しかったです。 この奥に行けば、ツチノコのいる場所に着くので。 また会いましょ?」
そう言うと、スナネコは穴の外へと消えていった。
ニホ「じゃーねー!」
ルペラ「また会いましょう!」
光太郎「あ、えと、またね!」
聞こえているかどうかは別として、一応スナネコに別れの言葉を伝えた。 また会えると良いなぁ…
光太郎「さて…と。 じゃあ行くか。」
ニホ「楽しみだなぁ!」
ルペラ「ニホンオオカミ様、いつも楽しそうですね♪」
ニホ「そりゃそうだよ! だって、見た事無いモノがいっぱいだし…それに、光太郎とルペラとの旅…本当に楽しいもん!」
ええ子や…どうしてこんなに良い子なんだ…? お父さん泣いちゃうぞ? 俺…お父さんでは無いけどなっ!
ルペラ「私も…この旅は本当に楽しいですし、大好きです。 お二人の事も…」
?「おい…そこに居るのは誰だ?」
光太郎「…うっ………他人に名前を聞く時は…まず自分から名乗るのが礼儀じゃないか…ん?」
ルペラ「こ、光太郎様…?」
しまった…急に声を掛けられた所為で、凄く無礼な対応になってしまった… 謝罪しないと…
?「わ、悪かったな…俺はツチノコだ。」
光太郎「あ、あの…ごめんなさい! 語気が強くなってしまって…」
ツチノコ「え、あ、俺も悪かった… こんなところに入ってくるフレンズなんて、そうは居ないからな…それに、最近はセルリアンも賢くなってきてるから…ってお前、フレンズじゃないな?」
光太郎「はい…一応ヒトです。」
ツ、ツチノコが目の前に居る…
ツチノコ「やっぱりな…お前の匂いが、アイツそっくりだったもんでな。」
ニホ「アイツって…かばんさんの事?」
ツチノコ「かばんを知ってるのか?」
ルペラ「旅の途中途中で、様々なフレンズ様達から話を聞いているんです。」
ツチノコ「そうか… ん、その…首に掛けている物はまさか!?」
今までとは違う反応だな…
光太郎「これは、このパークにヒトがいた頃に売られていたお守りです。」
ツチノコ「お前…どうして昔のパークの事を?」
ニホ「光太郎はね、凄い昔の事も覚えてるんだよ!」
光太郎「より詳しく説明すると、俺は元パークの職員なんです。」
ツチノコ「…どういう事だ?」
光太郎「どう考えても、生身のヒトが何も摂らずに、何十年も生き延びられる筈は無いのですが…俺自身、よく分からないんです…ごめんなさい。」
ルペラ「本当に不思議なんです…」
ツチノコ「もしかしたら…」
ニホ「えっ、何か分かったの!?」
もしそうだとしたら、俺としても気が楽だ。 色々と悩まずに済む…様な結果であれば良いのだか…
ツチノコ「…いや、やめておく。」
光太郎「何故です?」
ツチノコ「俺の予想でしか無いからだ。 まだ確証がない…」
光太郎「それでも…意見として聞かせて下さい。」
何かの助けになるかもしれない…だから、聞きたい…
ツチノコ「分かったよ…お前、一度は死んでる。」
ルペラ「何を言っているのですか…?」
光太郎「ルペラ待った…取り敢えず聞こう。」
ルペラ「はい…」
内心、俺もかなり驚いている。 何せ「過去に一度死んだ」なんて言われたら、誰だって驚くだろ…
ツチノコ「話しを続けるぞ…その亡骸が何らかの理由で、今まではサンドスターが当たらなかったんだろうな。 で、ある時…つまりお前が目覚める少し前、遂にサンドスターが当たった…」
ニホ「それだと、今の光太郎ってフレンズじゃない?」
今日のニホニホは冴えてるな…滑り落ちてさえいなければ。そこが可愛いのだけれど!
ツチノコ「あぁ、その事何だがな。 サンドスターが当たったとは言ったが、フレンズ化するには足りなかったんだろう。 フレンズとしての身体を維持出来ず、直ぐにフレンズ化が解けた。」
ルペラ「ですが、それですと光太郎様は……亡骸に戻ってしまうのでは?」
そうだ、フレンズ化が解けたら元の状態に戻る筈…俺の場合は死体に。
ツチノコ「その事なんだが、かばんが喰われた時にも似た様な事があってな…」
そういえば、かばんさんが巨大なセルリアンに喰われた話は、色々な所で聞いていたが…なんだか親近感が湧いたぞ
ツチノコ「かばんの時と同じ様に、お前も動物としてのヒトに戻ったんだろう。 その結果、今のお前に辿り着く…と。 コレが俺の予想だ。」
すっごーい…きっと、この予想が真実なんだろうな
光太郎「あの…もう一つ聞きたいんですが…」
裏のハンター達の情報源であるツチノコなら、現状を把握出来ているかも知れない。
光太郎「今のパークで起きている事、教えていただけませんか?」
ツチノコ「…女王の事か?」
察しがいい…
ツチノコ「…状況は思っていたよりも深刻だ。 ここ最近のセルリアンの多さ、そして進化の速さは…光太郎、お前なら分かるよな?」
勿論だ。
光太郎「はい…裏のハンターの方々から、色々聞いています…」
ツチノコ「そうか…何かあったら、先ずは逃げろ。戦う義務は無い、有事の時の為にハンターがいるからな。」
光太郎「…はい。」
ツチノコ「グアダルーペカラカラ、ニホンオオカミ、ちょっと先に行ってろ。」
ニホ「どうして?」
ツチノコ「ちょっとだけ、二人で話をさせてくれないか? 直ぐに終わる。」
ルペラ「…分かりました。 光太郎様、向こうで待っていますね。」
光太郎「ごめんね…」
そう言うとルペラとニホニホは、バイパスの奥へ消えていった。
ツチノコ「…お前、無理してるだろ。多分、フレンズ化解除の負荷が今になって出てきたのか、或いは今までの皺寄せが…」
バレちった… 最近、少しずつではあるが、体調が悪くなっている。
光太郎「二人に、心配かけたくないんです。 二人にはずっと…笑顔でいてほしいんです。だから…」
だから…例えこの身が朽ちようとも、二人には笑顔で…
ツチノコ「心配ねぇ…けど、お前が急にくたばったら、それこそ二人に心配かけるんじゃないのか?」
光太郎「それは…」
ツチノコ「キツかったら二人に伝えろ。 その方が、互いの為だ。……1人で背負い込むなよ。」
分かっている…だけど、二人を守りたい…
ツチノコ「さ、話は終わりだ。悪かったな、引き留めて。 二人の所に行ってやれ…」
光太郎「ありがとうございました…俺、もうちょっとだけ頑張ります。 それでは…」
-バイパス出口-
光太郎「ごめん…」
ニホ「全然大丈夫だよ!」
ルペラ「さぁ、行きましょう?」
光太郎「あぁ、次は高山か…」
この平和も、ずっと続いてくれれば…
-火山洞窟-
女王?「時は満ちた…貴方達は、かつて輝きの溢れていた‘ゆうえんち’で、最後の進化を。 私は………
…………再びヒトの輝きを。」