けものフレンズ 軈テ星ガ降ル。   作:ヒトアマゾン

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Ep.3「新婚さん南へ」

-海-

 

 

キョウシュウエリアを出てから、1時間半ほど経った。

相変わらず景色は綺麗で、潮風も気持ち良い。

 

光太郎「皆さん、少し休みますか?」

 

イッカク「どうする、お母さ……シロナガスクジラ?」

 

あ、今お母さんって言った。俺も呼んでいいかな?

 

シロナガスクジラ「そうね…もう直ぐ着くから、もうひと頑張りしましょ。」

 

マルカ「さんせーい!」

 

ナルカ「…ちょっと待ってください。」

 

ニホ「どうかしたの?」

 

イッカク「…何か来るっ!」

 

ルペラ「えっ…」

 

水中から湧き出す幾つもの気泡。

 

次第に波が大きくなっていく。

 

ドルカ「あ、あれっ!」

 

大きな水柱が立った瞬間、その中から巨大なセルリアンが現れた。

 

セルリアンは、ヒト型をしていた。

 

光太郎「うわっ…えっ…」

 

波で大きく揺れる船体。

 

シロナガスクジラ「船がっ!」

 

少しずつ遠くへ流れていく船を追いかけようとするも、セルリアンがそれを阻む。

 

イッカク「私のスピアーを喰らえ…!」

 

イッカクのスピアーがセルリアンに届く瞬間、セルリアンは四体に分裂した。

 

ニホ「なんでぇ!?」

 

分裂したセルリアンは、縦横無尽に飛び回り、フレンズ達を翻弄した。

 

空中で再び合体したセルリアンは、重力に従い海へ落ちてきた。

 

その時に出来た波に乗せられ、船はより遠くへ流されていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-船-

 

 

海獣さん達と迷子になり、現在海の上を漂っております。

 

光太郎「…ニホニホ、ルペラ…起きてる?」

 

ニホ「うん…」

 

ルペラ「何とか…光太郎様…」

 

光太郎「…ん?」

 

ルペラ「お腹…空いてませんか?」

 

光太郎「あぁ…そういえば……」

 

ニホ「持ってきたジャパリまんは…?」

 

光太郎「………さっきので流れたみたい…」

 

ニホ「あー…」

 

光太郎「ルペラァ…」

 

ルペラ「はい…?」

 

光太郎「…母乳とか…出たりしない?」

 

ルペラ「出ませんよ…多分……」

 

光太郎「そっか…」

 

ニホ「…あれ……何?」

 

ニホニホが指差す先には、島が見えていた…

 

光太郎「あれ…島だよ……島じゃん!?」

 

ルペラ「風向きも、島の方へ向いてます… お手柄ですよ、ニホンオオカミ様!」

 

ニホ「えへへ…島に着いたら、食べ物探そっか!」

 

光太郎「っしゃぁっ! 何か元気出てきたぁ!」

 

 

 

 

-島-

 

 

船に積んであったオールを使い、砂浜に乗り上げる形で上陸した。

 

光太郎「…随分と綺麗な砂浜だなぁ…」

 

ニホ「それに、何だかあったかい…」

 

ルペラ「……此処、リウキウエリアではないのでしょうか…?」

 

光太郎「…そうなの?」

 

ニホ「ならさ、ちょっと色々見てみようよっ!」

 

ルペラ「ちょっと待って下さい…」

 

ニホ「ん?」

 

ルペラ「空腹や疲れその他諸々で忘れかけていたのですが、海獣様達とはぐれたままでした…」

 

ニホ「そっか…合流が先だね。」

 

光太郎「随分と遠くまで流されたけど…どうやって戻ろうか…」

 

それに…あのセルリアン、攻撃が全然通じていなかった。

 

海獣さん達が無事だと良いが…

 

?「あの…」

 

光太郎「えっ?」

 

?「な、何か…お困りですか?」

 

ニホ「実はね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然現れた、一人のフレンズ。 イリオモテヤマネコのフレンズらしい。 どうやら、俺達が流れ着くのを遠くから見ていたとのこと。 彼女に、一連の流れを説明した。 自分達の事、目的、そしてセルリアンの事…

 

 

 

 

リオ「少しだけ…来て欲しい所があります。」

 

光太郎「…分かった。 ルペラとニホニホは、ここで待ってて。 海獣さん達が来ても入れ違いになるのは悔しいからね。」

 

ルペラ「…了解です。なるべく、早く帰ってきて下さいね…」

 

ニホ「何かあったら呼んでね。直ぐに行くから!」

 

光太郎「…ありがとう。」

 

 

 

 

 

 

 

俺は、リオについて行った。森の中を進んで行くと、開けた場所にでた。そこには、二体の石像と小さな蔵が建っていた。

 

 

 

 

光太郎「ここって…?」

 

リオ「ここには、昔から伝わっている言い伝えがあります…」

 

リオは蔵の前に立ち、扉を開いた。

 

蔵の中は薄暗く、物も殆ど置かれていなかった。唯一置かれていた物は、蔵の奥の台座に乗せられていた。

 

光太郎「これは…」

 

リオ「お塩です。」

 

小さな巾着袋に入れられた塩。

 

光太郎「お塩…?」

 

リオ「昔、ここにはシーサー様が居たとされています。その方々の力が込められている物です。 それと…これを。」

 

リオは、光太郎へ一冊の本を渡した。 大きさは…A4位? かなり古いものらしく、所々虫食いがあった。

 

リオ「何が書いてあるのか、私には分かりませんが…きっと、あなたに渡すべきだと思いました…」

 

光太郎「…ありがとう。」

 

表紙には、「太平風土記」と書かれた本。 その中には、

 

『金色の城の如し巨人、大海に姿を現す。 四つに別れし時、魂もまた四つに別れる。』

 

…とあった。(随分と達筆な字だった為、勘で読んだ所も…)

 

今は、この本にある情報を信じるしか無い。

 

リオ「さぁ、戻りましょう。」

 

光太郎「分かった。」

 

 

 

 

 

 

 

-砂浜-

 

 

ルペラ「…あそこに居るのは…」

 

ニホ「みんな居た!?」

 

ルペラ「はい!」

 

ニホ「海獣さぁぁぁんっ! ここだよぉ!」

 

 

マルカ「あ、居たぁ! おかーさん、こっちこっち!

 

 

 

 

 

 

マイルカが二人を見つけてくれたお陰で、何とか海獣さん達と合流できた。

 

シロナガスクジラ「あら? 光太郎さんは…」

 

ルペラ「もう少しで帰ってくると思いますが…」

 

光太郎「ルペラァ! ニホニホォ!」

 

ニホ「来たね!」

 

光太郎「ただいま…あ、海獣の皆さん…ご心配をおかけしました。」

 

イッカク「いや、あなた達が無事で良かった。」

 

ルペラ「皆様にも、怪我は無さそうで安心しました…」

 

ドルカ「何とか振り切ったよ…」

 

ナルカ「中々諦めてくれなくて…………皆さん、早く陸へ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リオ「あれが…」

 

 

リオ、そして光太郎達の目線の先には、島に行く途中で光太郎一行を襲ったセルリアンが居た。

 

光太郎「早いって…まだ、解決策思いついてないのに…!」

 

ルペラ「どういう事ですか?」

 

光太郎「リオに貰った本にさ、このセルリアンを倒すヒントになりそうな事が書いてあったんだよ…」

 

ニホ「どんな事が書いてあったの?」

 

光太郎「あのセルリアンが分裂すると、魂…多分セルリアンの核だと思う…それも分裂するって…」

 

シロナガスクジラ「光太郎ちゃん、危ないっ!」

 

光太郎「…へ?」

 

セルリアンの腕は、光太郎に向かって振り下ろされていた。

 

 




-おまけ-

Ep.■■「いつの間にか今年もクリスマスがやって来た」


〜本編とは、少し違った時間でのお話〜


光太郎「…今日、クリスマスか。」

ニホ「くりすます…?」

ルペラ「昔、ヒトの皆様が行っていた行事の様なものですよ。」

光太郎「という訳で…ニホニホ、ルペラ。何か欲しい物ある?」

これで現金とか言われたら困るなぁ…まぁ、無いか。

ルペラ「唐突ですね…」

ニホ「うーんと…何だろ…」

光太郎「例えば…ジャパまんとか……あ、ジャパリパークは無理だよ。」

ニホ「……今のままで…今のままが良いかな。」

光太郎「…?」

ルペラ「特別なものよりも…光太郎様やニホンオオカミ様と過ごす、この瞬間が続く事…ですよね。」

ニホ「そうそう! 誰かが居なくなっちゃったら…寂しいから。」

ルペラ「…光太郎様の欲しい物、聞いても良いですか?」

光太郎「…今、二人から貰っちゃった…二人からの言葉、凄く嬉しかった…ありがとう。」

…照れくさいなぁ!

ルペラ「ありがとう…ですか。こちらこそですよ。」

ニホ「…ん? 雪降ってきたよ!」

光太郎「おぅおぅ…ホワイトクリスマスかぁ…?」

風邪、引かないようにしないと…

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