ニホ「助けなきゃ!」
光太郎「そうだね…けど、どうやって? 相当離れてるよ。」
此処は地上、助けたい相手、そして倒すべき敵は空。
…何とか、鳥の子だけでも地上に呼べれば…
ニホ「そうだ… 光太郎、耳、塞いどいてよぉ!」
光太郎「あぁ、分かったよ。」
何をするのか、大体分かった。流石オオカミだ。
ニホ「スゥ……トリさぁぁぁぁぁん!!こっちに降りてきてぇぇぇ! こっち!」
?「えっ! はいっ!」
光太郎「やっぱりな…」
鳥の子を追いかけて、セルリアンも地上に迫って来た。 さぁ、どう迎え撃とうか…
降りてくるの速いな…
ニホ「おーい、こっち! 光太郎に助けてもらって! セルリアンは私に任せて!」
光太郎「え、あ、こっち!」
?「…はい!」
疲労があるのか、どうも飛び方が頼りない。
光太郎「…大丈夫ですか?」
?「はい……痛っ…」
光太郎「あっ、血が…」
不味い、止血しないと…
幸い、右脚にある傷は浅く、俺でも応急処置できるレベルだった。
ニホ「そっちは任せたよ!……さぁ、セルリアン、フレンズを傷つけるのは許さないよ…」
…道具が無い。 何とか周りにあるもので対応しなければ。
ニホニホは…押してるなぁ…流石。
それはそうと、包帯に当たる物が無い。
…仕方ない。
光太郎「痛かったら言って?」
?「はい……良いんですか? 貴方の毛皮ですよ?」
光太郎「命の方が大切ですから…」
そうだ、上着の腰周りが消えたからと言って、死ぬ訳じゃ無い。
今は、目の前にいる子の痛みを取り除く事が優先だ。
取り敢えず、心臓に近い方で縛れば…
?「うっ…」
光太郎「痛かっ…まさか、折れてる…」
なるべく動かない様にしなければ…
取り敢えず、脚を固定できる位の木の板を見つける事が出来た。
それと、もう一つ…
…先に処置だ。
光太郎「一応、応急処置は出来たよ。」
?「ありがとうございます… 」
光太郎「但し、あくまでも“応急”処置だから、無理はしないでください。…今は動かないで下さい。」
その方が、回復が早くなる気がする。
ニホ「はぁ…はぁ… すばしっこいなぁ…」
ニホニホの体力が切れかかってる。何とか手助けしないと…
その為に、あれを拾ったんだ。
ニホ「そろそろ… 不味いなぁ… あっ!?」
急がなければ… あのセルリアン、中々に速い。ボーっとしてたら、ニホニホが危ない!
光太郎「あぁぁぉぁぁぁぁ! トゥアッ!」
セルリアン(トリ型)「!!?」
ニホ「光太郎!? えっ、どうして?」
光太郎「ニホニホも助けたいからねっ!」
俺は、がむしゃらに、ニホニホに近づいていくセルリアンに向かって、約150%の力で、“鉄パイプ”を叩きつけた。
火事場の馬鹿力とは、この事を指すのか…
ニホ「光太郎…私も負けてられないねっ!」
光太郎「その調子だよ!」
俺が作り出した隙を、ニホニホが突いていく。
確かに、セルリアンが弱っていくのを感じた。
?「…凄い連携…」
光太郎「ニホニホォ! トドメだぁ!」
ニホ「分かった!」
光太郎「トゥアッ!!!」ニホ「えぃ!!!」
俺の鉄パイプと、ニホニホの爪が、セルリアンを貫いた。
光太郎「はぁ…はぁ…勝った。」
こいつも砕け散った。 破片が痛かった。
ニホ「お疲れ! あ、さっきの子、大丈夫?」
?「えぇ、光太郎様のお陰で………っ…」
光太郎「ごめん、取り急ぎだったから…ちゃんと処置するから待ってて…」
今なら落ち着いて道具を探せる。
?「すみません、気を遣わせてしまって…」
ニホ「いいのいいの。そういえば、なんて名前なの?」
?「はい…申し遅れました。グアダルーペカラカラ、ルペラとお呼び下さい。」
光太郎「えと…ルペラ、色々持って来たよ。」
本当に色々だ。周りにある、ありとあらゆるものを集めた。無論、衛生的に問題無いと思われる物に限る。…が。
ルペラ「光太郎様…ありがとうございます。」
ニホ「光太郎、手伝うよ。」
光太郎「ありがと、ニホニホ。それじゃあ…」
光太郎「これで…良いな。 痛みはどぉ?」
ルペラ「お陰様で、かなり楽になりました。」
ニホ「ルペラ、住処の場所を教えて? そこまで送るよ。」
ルペラ「住処…実は、私、本来なら住処が有るのですが、先程のセルリアンによって破壊されてしまい、そこから逃げている所で、光太郎様とニホンオオカミ様に出逢いました。」
ルペラ…だからあんな怪我を…
光太郎「なら、俺達と来る?」
ニホ「そうだよ! 一緒に行こうよ!」
ルペラ「光太郎様…ニホンオオカミ様…ありがとうございます………宜しく、お願いします。」
光太郎「それじゃ、宜しく、ルペラ。」
ルペラ…凄く丁寧な言葉使い。そして敬語。
分かる…敬語になる気持ち、分かるよ。
ニホ「宜しくね、ルペラ!」
ルペラ「…はい♪」
なんだかんだで、ルペラが加わり、より賑やかになった。 ただ、ルペラとは若干、心の壁を感じるので時間を掛けて打ち解けようと思う。
あと、笑顔が可愛い。