けものフレンズ 軈テ星ガ降ル。   作:ヒトアマゾン

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Ep.7「仲間と泥とに囲まれて。」

あれから、自分の正体や今までの旅の色々を話した。

 

タマちゃん「へぇ…大変な事がいっぱいあったんだね…」

 

ニホ「けど、楽しい事もいっっっぱいあったから、旅をしてて良かった…そう思ってるんだ!」

 

ルペラ「色んなフレンズさん達との出会い、旅先での小さな出来事など…旅をしていると、普段では味わえない事が沢山あるんです。」

 

タマちゃん「いいなぁいいなぁ! 私も誰かと旅したいなぁ… あ、今がそんな感じか!」

 

光太郎「……?」

 

タマちゃん「ん、どうかした?」

 

光太郎「あれって…」

 

光太郎が指差す先には、ひび割れた泥の塊があった。ただし動いている。

 

タマちゃん「あれね…最近になって、出てきたセルリアンなんだけど…」

 

ニホ「…襲ってこないね。」

 

タマちゃん「そうなの、いつも水の中から出て来て、その時はドロドロした変なのなんだけど…フレンズを追いかけてるうちに、アレみたいにカラカラになっちゃうんだよ。その内に…」

 

ニホ「カラカラ…」

 

ルペラ「…私ではありませんよ!?」

 

そんな事を話している内に、セルリアンが崩壊を始めた。

 

光太郎「…あ、崩れた。」

 

タマちゃん「…ね。砂みたいに消えちゃうの。」

 

ルペラ「どの辺りで湧いているのですか?」

 

タマちゃん「えーとね、川とか海とか…水のある所かな。」

 

光太郎「色んな所から湧くな…」

 

タマちゃん「けど、逃げ続ければ大丈夫…かな。」

 

ニホ「…光太郎…建物の事…」

 

光太郎「あ、そっか… ねぇ、ゴマちゃん?」

 

ゴマちゃん「はいはーい?」

 

光太郎「この辺りで、何か建物見たことない?」

 

ゴマちゃん「…タテ…モノ……?」

 

ルペラ「そうですね…木や石の様な物で出来た、大きな箱です。」

 

ゴマちゃん「おー…それなら、林の中にあったよ。」

 

光太郎「案内、お願い出来るかな?」

 

ゴマちゃん「モチのロンだよぉ! さぁさぁ着いて来て!」

 

 

-林-

 

 

この林、さながら防風林といった所か。

 

ゴマちゃん「はい、ここだよ!」

 

そこには、リウキウで見たような蔵が建っていた。

 

光太郎「おぉ…ありがとう。 入ってもいい?」

 

ゴマちゃん「んー、いいんじゃない?」

 

光太郎「それでは、失礼して…」

 

蔵の扉は重く閉ざされていた。押しても押しても開かない。

 

光太郎「えぇ…何でさ…」

 

ニホ「ちょっと貸して?」

 

ニホンオオカミは扉の前に立ち、取手を握った。

 

ニホ「…ふんッ!」

 

ミシッ…ベキッッ

 

…嫌な音がした。

 

ニホ「…えへへ、取れちゃった…」

 

ニホンオオカミの手には、さっきまで固く扉に付いていた取手が握られていた。

 

光太郎「取手を…"とって"しまった…フッ」

 

 

 

ルペラ「……ですが、扉が少し開きましたね。」

 

ゴマちゃん「何か挟めば開けられるかも!」

 

光太郎「無視しないでよぉ!」

 

ニホ「光太郎、あの鉄のやつ!」

 

光太郎「グスッ…コレだね。」

 

ルペラ「少しお借りしますね。」

 

光太郎「うん…いいよ…」

 

半泣きな光太郎の頭を、ニホンオオカミが撫でていた。

 

ルペラ「…光太郎様、後でギュッってしますから、今はもう少し頑張りましょう?」

 

光太郎「っしゃぁ頑張っちゃおうかなぁ!!?」

 

…単純だな…

 

ルペラ「…少し離れていて下さい。」

 

ルペラは鉄パイプを扉の隙間に差し込んだ。

 

ルペラ「…えいっ!」

 

鉄パイプへ向かって蹴りをくらわせたルペラ。

 

てこの原理によって扉は開いた…が、

 

光太郎「ぇ、ぁ、折れたぁ!? 折れたぁ…」

 

鉄パイプが折れた。

 

タマちゃん「うぉっ…折れてる…」

 

ルペラ「すみません光太郎様…」

 

光太郎「…うん……大丈夫…うん…中、入ろ…」

 

ルペラ「光太郎様…」

 

ニホ「大丈夫だよ…おーい、光太郎!」

 

光太郎「んぅ…?」

 

ニホ「ルペラがね、後でチュッってしてくれるって!」

 

ルペラ「エッ」

 

光太郎「ルペラ!ニホニホ!タマちゃん! この中すごいよ! すごいすごい!」

 

タマちゃん「切り替え速いね…」

 

ニホ「光太郎ね、ルペラの事になると凄い必死になるの。」

 

光太郎「んー、どったのー?」

 

ルペラ「今行きますね!」

 

 

-蔵の中-

 

 

やはり暗い。リウキウの蔵と同じ様に、殆ど物が置かれていない。

 

光太郎「ここにもあったな…太平風土記のページ…」

 

『水より出し泥の怪物、異臭を放ち、辺りを黒く染める。」

 

…コレダケ? 異臭…臭いのか?

 

ニホ「…これ何?」

 

ニホンオオカミが手に持っている物は、蔵の隙間から射す光で青く輝いていた。

 

光太郎「んー…ラッキー、これ何?」

 

ボス「ソレハ"勾玉"ダネ。昔、装飾具トシテ使ワレテイタ物ナンダ。」

 

勾玉を見つめ続けるニホンオオカミ。

 

光太郎「そんなに気に入った?」

 

ニホ「………うん…」

 

光太郎「…それさ、ニホニホが持っててよ。」

 

ニホ「いいの?」

 

光太郎「いいよね、ルペラ、ゴマちゃん?」

 

ゴマちゃん「私は全然大丈夫だよー!」

 

ルペラ「はい、同意見です。」

 

ニホ「やったー!!」

 

 

 

 

-再び、林-

 

 

取り敢えず、蔵からは出てきた。 道中、ニホンオオカミは何度も勾玉に光を当て、それを眺めながら歩いていた。

 

が、ニホンオオカミが急に歩みを止めた。

 

光太郎「ん、ニホニホ?」

 

ニホ「…何か変な匂いしない?」

 

ルペラ「そう…ですか?」

 

匂いについて話をしていると、遠くから走ってくる一人のフレンズがいた。

 

?「うぁぁぁぁぁわぁぁぁぁ! 大変ですよぉー!」

 

タマちゃん「あ、おーい! カリフォルニアラッコ!どうしたのー!?」

 

ラッコ「ハァハァ…大変ですよぉ… あのセルリアンが出たですよぉ…」

 

タマちゃん「あのセルリアンって、水から出てくるやつ?」

 

ラッコ「そうなんですよぉ…けど…」

 

光太郎「けど?」

 

ラッコ「すごい大きいんですよぉ!」

 

ニホ「うぅ…だんだん匂いが強く…」

 

光太郎「ま、まさか…こんな直ぐに出てくる訳…」

 

 

匂い…否、臭いがだんだんと強く、地鳴りが大きくなってきた。

 

林の奥から、並大抵の木よりも大きな黒い塊が姿を現した。

 

常に体表は、気泡が浮かび上がっては弾けてを繰り返していた。その度に、悪臭やヘドロの様な物を撒き散らしながら。

 

 

光太郎「嘘でしょ…」

 

 

セルリアンの目が、光太郎達を捉えた。

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