けものフレンズ 軈テ星ガ降ル。   作:ヒトアマゾン

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Ep.8「野も山も黙っちまうのか?」

光太郎「…逃げよう。」

 

 

 

-林-

 

異臭で咽せながら逃げ続ける光太郎達。 どれだけ走っても、あのセルリアンの声が聞こえる。

 

光太郎「ルペラ、セルリアンとはどれ位離れてる?」

 

ルペラ「…あまり距離は開けてません。 移動速度は遅くとも、あの巨大です。 一歩…ですかね。 一歩一歩が大きいので…」

 

光太郎「追い付かれるのも時間の問題か…?」

 

 

顔をしかめる光太郎を見兼ねて、ニホンオオカミが…

 

 

ニホ「…ねぇ、光太郎?」

 

光太郎「ん? どうしたの、ニホニホ?」

 

ニホ「どうせなら、あのセルリアンに名前付けない?」

 

タマちゃん「良いね、それ!」

 

ラッコ「セルリアンだけだと、他のセルリアンと混ざっちゃいそうですよ…」

 

光太郎「それなら…俺から挙げて良い?」

 

ルペラ「是非聴かせて下さい。」

 

光太郎「それじゃ…"ヘドリアン"なんてどうかな?」

 

ニホ「ヘドリアン…?」

 

光太郎「あー…ヘドロっていう、泥みたいなのがあるんだけど、あのセルリアンがそれみたいだなぁ…って思ってさ。」

 

タマちゃん「おっ、あのセルリアンらしい名前なのかな?」

 

ラッコ「それなら、あのセルリアン分かり易いし覚え易いし…良いんじゃないんです?」

 

ニホ「私も良いと思うよ!」

 

ルペラ「それでは、あのセルリアンはヘドリアンで決定です。 おめでとうございます、光太郎様。」

 

光太郎「な、何かありがとう…」

 

ラッコ「ヘドリアン…への対策は、何か思いついたんです?」

 

光太郎「それがイマイチ思いつかなくて…」

 

ニホ「…タマちゃん、ヘドリアンってさ、最近ゴコクに出てきてるセルリアンと似てるの?」

 

タマちゃん「うん、泥みたいな所とか臭い所とか…もしかして、ヘドリアンのちっちゃいのが、ゴコクでいっぱい湧いてたの?」

 

ラッコ「もしそうなら、このまま逃げ続ければ倒せるって事ですよ!」

 

ルペラ「ですが…仮に小さなヘドリアンを子ヘドリアンとしましょう。 子ヘドリアンと比べると、ヘドリアンは明らかに大きさが違います。 ヘドリアンを完全に乾燥させるには、かなり時間がかかってしまうのでは…」

 

光太郎「それに、俺達があっちこっちに逃げ回れば、ヘドリアンに汚染される場所が広がる…どうしたら…」

 

ボス「検索中、検索中…」

 

光太郎「…ん!?」

 

ニホ「何か思いついた?」

 

光太郎「もしかしたら…ラッキー! 電池を充電した場所まで案内して、最短ルートで頼む!」

 

ボス「任セテ!」

 

 

-道中-

 

 

光太郎「ルペラ、ヘドリアンは追ってきてる!?」

 

ルペラ「えぇ、こちらへ向かって来ています。」

 

ニホ「大丈夫なの? さっきよりも臭いがキツくなってるよ…」

 

光太郎「ニホニホの方こそ大丈夫?」

 

ニホ「うん…あんまり…大丈夫じゃないかも……」

 

光太郎「ニホニホ、おぶるよ。 おいで?」

 

ニホ「ありがとう…光太郎…」

 

タマちゃん「ねぇ光太郎! あとどれ位で着く?」

 

光太郎「えーと…ラッキー!あとどれ位?」

 

ボス「モウ直グダヨ!」

 

ラッコ「なら頑張るですよ!」

 

尚も迫り来るヘドリアン。恐らく島を真上から見たら、一本の黒い線が引かれているだろう。

 

 

-大型蓄電池付近-

 

 

ボス「ココダヨ! ココダヨ!」

 

光太郎「よし…みんな、ちょっと離れて待機!」

 

光太郎達は近くの草むらへ隠れた。

 

だんだんと近づいてくるヘドリアン。

皆に緊張感が走る。

 

光太郎「ニホニホ、大丈夫?」

 

ニホ「…さっきよりはいいかも。」

 

光太郎「もし、臭いがキツいって思ったらコレ使って。みんなも。」

 

光太郎はハンカチをみんなへ渡した。

 

ニホ「ありがとう…」

 

光太郎「もう少しの辛抱だから…一緒に頑張ろ。」

 

 

 

 

遂に、ヘドリアンが光太郎達の目前に迫った。

 

光太郎「(思ってたよりもキツい…あー…吐きそう……そろそろ行くか。)みんな…ここで待ってて…」

 

光太郎は草むらから飛び出しヘドリアンの方へ向かった。

 

ルペラ「光太郎様…うっ…」

 

 

光太郎「ヘドリアン! こっちだ! 来い!」

 

 

光太郎に誘導され、ヘドリアンはどんどん蓄電池へと近づいていた。

 

 

光太郎は蓄電池と蓄電池との間へ入り込み、ヘドリアンの出方を伺う。

 

ヘドリアンは、光太郎へトドメを刺そうとしたのか、覆い被さる様に光太郎に向かって倒れ込んだ。

 

それと同時に光太郎は蓄電池間を抜け出し、草むらへ駆け込んだ。

 

ヘドリアンが蓄電池へ覆い被さると、その重みで蓄電池が軋み始めた。

 

重みに耐えきれなくなった蓄電池は火花を吹き出し…

 

ヘドリアンの身体に電気が流れた。

 

ヘドリアンの身体がどんどん熱され、乾燥していく。

 

足掻けば足掻く程、身体が崩れ、蓄電池が破壊され、より大量の電気が流れる。

 

火花が飛び散り、閃光が放たれる中…

 

 

ヘドリアンが崩れ去った。

 

 

光太郎「…勝った?」

 

ルペラ「光太郎様!!………ご無事で何よりです。」

 

ニホ「やったね光太郎!」

 

ラッコ「勝ったですよ!!」

 

タマちゃん「やったー!すごいよ!」

 

 

ニホ「けど、どうやって思いついたの?」

 

光太郎「あれねー…昔観た映画で、ヘドロの怪獣を倒す時に電気を流して乾燥させる…っていうのがあってね。ラッキーが電池を充電したって言ってたのを思い出して、もしかしたら映画と同じ方法で倒せるかも…なーんてね。」

 

ニホ「何か良く分かんないけど、光太郎のおかげで倒せたよ!」

 

ルペラ「流石、私の光太郎様です…」

 

タマちゃん「もーこれはね、お祝いしなきゃだよ!」

 

ラッコ「光太郎達も来てですよ!」

 

ニホ「どうする、光太郎?」

 

光太郎「うーん…お言葉に甘えちゃおうかな?」

 

 

 

-砂浜-

 

 

 

砂浜には、多くのフレンズが集まっていた。その多くはアザラシやラッコのフレンズだった。

 

ここまで多くの海獣のフレンズと話す機会は、そうは無い。存分に楽しもうじゃ無いか。

 

とは言ったものの、楽しい時間は直ぐに過ぎてしまうもの。 そろそろ島をたたなければ。

 

 

 

タマちゃん「次はアンインの方に行くんだよね?」

 

光太郎「はい、そこから更にパークを周るつもりです。」

 

タマちゃん「もしまた会えたら、また思い出話を聴かせてね? タマちゃんとの約束だよっ☆」

 

光太郎「えぇ、色んな思い出を作って、沢山話しますよ。」

 

ラッコ「バス?はここで良いですー?」

 

光太郎「あ、ありがとうございます! あの、それではそろそろ行かせてもらいます。」

 

ラッコ「もう行っちゃうですか?」

 

ルペラ「はい…ですが、帰りにもう一度寄りますよ。」

 

ニホ「また会えるね!」

 

光太郎「……それでは、短い間でしたが…ありがとうございました。」

 

ゴマちゃん「バイバーイ!」

 

ラッコ「またねーです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-ゴコク-

 

 

?「あー暇だ! なんちゅーか、こう…面白い事ないのかよぉ…」

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