ここはサンカイエリア…にある、とある店。といっても今ではただの廃墟。
そんな店にある落とし物コーナー。皆さんも一度は覗いた事があるのでは無いでしょうか?
今回は、この落とし物コーナーに預けられている、一体の特撮ヒーローの人形が………
-サンカイエリア-
時は、光太郎達がリウキウへ流れ着いた頃。
小さな砂丘の上で伸びをしている、一人のフレンズが居た。
オグロスナギツネ「んー! 今日も平和だなぁ… 」
ヒトコブラクダ「あ、オグロスナギツネちゃんおはよぉ。」
オグロスナギツネ「おはよ! あれ、フタコブラクダちゃんは?」
ヒトコブラクダ「多分、もうすぐ来ると思うよぉ?」
オグロスナギツネ「そう? なら良いけど。」
-地下バイパス-
暗い地下バイパスの中、点々と点いた電灯に照らされた一人のフレンズが彷徨っていた。
サイガ「うーん…迷子になったのなー…」
サイガの声だけが響く中、次第に地鳴りの様な雑音が聞こえる様になった。
サイガ「お、誰かいるのなー!?」
サイガの呼びかけに、反応は無かった。
サイガ「気のせいなのなー…」
流石のサイガも歩き疲れた様で、壁に寄りかかり座った。
バイパス内に、金属が軋む様な音が響いた。
サイガ「何なのな!?」
サイガが慌てて周囲を見回すと、バイパスの壁が剥がれている場所があった。
そこを覗くと、中は空洞になっていたが、電灯に照らされ、青銅の様な輝きを放つ何かが居た。
しかしそれは、アニマルガールとは比べ物にならない程大きく見えた。
サイガ「これは何なのな…?」
サイガが一歩、また一歩と穴に近付いた。
その時、甲高い声の様なものと共に、空洞内の何かが動き始めた。
-再び、地上-
地が揺れ、砂が巻き上がり、フレンズ達の不安を煽っていた。
オグロスナギツネ「ちょっと何これ!? ヒトコブラクダちゃん大丈夫!?」
ヒトコブラクダ「私は大丈夫だけど、フタコブラクダがぁ…」
ヒトコブラクダが辺りを見回していた。どうやら、フタコブラクダを探しているようだ。
オグロスナギツネ「…私、フタコブラクダちゃん捜してくる!」
ヒトコブラクダ「私も捜すよぉ!」
2人の視線の先にある大地が、すり鉢状に陥没した。
側面には、何か大きな施設があったらしく、軋みながら崩れていた。
だんだんと広がる穴、その中から大きな大顎を持ったクワガタ…否、アリジゴクといった方が正しいか。
アリジゴク型の巨大なセルリアンが現れた。
オグロスナギツネ「この揺れも砂嵐も…全部あのセルリアンの仕業なの…?」
ヒトコブラクダ「けど、あの大きさは倒せないよぉ…」
そんな中、セルリアンの方から走ってくる1人のフレンズが居た。
サイガ「やっっっっとフレンズが居たのなぁぁぁ!!!」
オグロスナギツネ「サ、サイガちゃん!?」
サイガ「地面の下の暗いところで迷子になってたら、あのセルリアンが居たのなぁ!」
ヒトコブラクダ「大丈夫? 怪我してない?」
サイガ「サイガは大丈夫なのなー!」
その時、セルリアンが大顎を開き、空へ向かって何かを放った。
ヒトコブラクダ「アレって…虹?」
その"虹"が見えた瞬間、周囲の廃墟が吸い寄せられていった。 廃墟だけでは無い、不運にもセルリアンの近くに居たラッキービーストまで吸い寄せられていた。
サイガ「…あの棒みたいなのに掴まって飛んでるのって、フタコブラクダじゃないのなー?」
オグロスナギツネ「…本当だ……と、飛ばなきゃ!」
ヒトコブラクダ「どうやってぇ?」
オグロスナギツネ「そ、それは…でも早く助けないと!」
-小さな廃墟-
このヒトの遺産も、砂に飲み込まれる瞬間が刻々と近付いていた。
その時、空からサンドスターの様な物が降ってきた。
…その輝きは、とある人形に集まっていた。
次第に、赤い光が廃墟を包んでいった。
その光は赤く光る、巨大な球となりセルリアンの元へ…フタコブラクダの元へ飛んでいった。
光の球はフタコブラクダを優しく包み込み、そのままオグロスナギツネ達の元へ降り立った。
オグロスナギツネ「えっ…え?」
サイガ「何なのな…」
ヒトコブラクダ「フタコブラクダちゃん!」
光の球が離れると、地面にフタコブラクダが倒れていた。
ヒトコブラクダ「フタコブラクダ、大丈夫?」
フタコブラクダ「うぅん…ヒトコブラクダ?」
ヒトコブラクダ「良かった…怪我してない?」
フタコブラクダ「うん、赤い球が助けてくれたのー」
赤い光の球は、セルリアンの前へ浮かんでいた。
その時、パッと白い光が広がった。
その光が収束すると、セルリアンの前には巨人が仁王立ちしていた。
体表は美しい銀と、身体を巡る血潮の如き紅。胸には青い宝石の様なものが輝き、その瞳は太陽の温もりを感じる光を放っていた。
その光の巨人は、独特な掛け声と共に前傾姿勢をとった。
セルリアンは穴から這い出て、巨人を絞め殺そうと大顎を大きく開き、巨人へ向かって行った。
巨人は一歩踏み込み、セルリアンの大顎を掴んだ。
軋む大顎、巨人は大顎を折ろうと捻りを加えるが、中々折れない。
セルリアンは作戦を変え、自身ごと巨人を地面に引き摺り込もうとした。
巨人はセルリアンの作戦に気付き、セルリアンとの間合いを空けた。
一瞬の静寂が訪れた。巨人は意識を集中させ、セルリアンの位置を把握しようとしていた。
巨人の背後から、勢いよく砂が吹き上げられた。
セルリアンが目眩しの為に放ったようだ。
巨人の胸にある宝石は赤く点滅を始めた。
視界を遮られた巨人の背中に、セルリアンの大顎が迫る。
オグロスナギツネ「後ろだよっ!」
巨人は、その言葉通り背後へチョップをくり出した。
セルリアンの大顎の一部が宙を舞った。
巨人は間合いを空け、腕を十字に組んだ。
その瞬間、青白い光線がセルリアンに向かって放たれる。
セルリアンは甲高い声を上げながら耐えていたが、次第に体が崩れ、砂に還っていった。
オグロスナギツネ「…やった……勝った? 勝った!?」
サイガ「凄いのなー!!」
巨人は空を見上げると、両手を挙げて空へ飛んでいった。
フタコブラクダ「助けてくれて、ありがとぉ!」
ヒトコブラクダ「名前! 教えてぇ!……行っちゃったぁ…」
その後、その人形は戦いの末に燃え尽きたか、宇宙を彷徨っているのか、はたまた、光の巨人としての使命を果たし、元の持ち主の所へ帰ったのか…
それは、誰にも分かりません。
ジャパリパークからも、遥か彼方で輝く星が、"故郷"が、よく見えます。
一部のヒトは、その星をこう呼びます。
「M78星雲 ウルトラの星」と。
…終盤、けもフレ成分薄い……